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桜の木が欲しい

ひらひらと舞い落ちる桜。

僕はその桜の可愛らしい色、そしてひらひら落ちて行く姿も綺麗で

一目惚れをした。


「この木持って帰る♪」

異次元の倉庫と言われる穴を作り、その中からチェンソーを取り出した。

その姿を遠くで見ていた友人が現れ無言でチェンソーを取り上げた。


「何するのさ!?」

「ダメだ」

「何でさ?」

「ダメなものはダメだ。この場所はお前の敷地じゃ無い」

しょんぼりな気持ちになる。

気に入ったのに、欲しかったのに・・・・。


「じゃあ作れば良いだろう?」

「どうやって?・・・・いや待てよ。よしやってみる!!」

「おう」

僕は家にワープした。

「あー心配」

そんな言葉は誰にも届かない。

ただの独り言。


魔界にある

自宅

「まずは・・・この白いハンカチをポールにくっつけていく」

魔界では植物が無いから、それを代用とする物を用意しなければならない。

「枝は・・・鉛筆を繋げた奴で良いや」

ペタペタと工作していく。

「出来た!!!!!」

不格好だがしっかりとした植物だ。

「ポールの色気に入らないな」

銀色の部分をペイントで茶色く染めようとするが、素材的に上手くくっついてくれなかった。

「むぅ・・・・もういいや。後は白をピンクに染める方法・・・・うーん

あっ!」

僕は自宅の外に出て、そこら辺にいる雑魚の魔族を狩った。

断末魔が魔界中に響き渡り、周辺の住民はビクビクと怯えていた

事を彼は知らない。


血まみれになりながら、自宅へ帰宅する。

狩った魔族の血を白いハンカチに染みこませる。

綺麗な赤いハンカチへと変わったが、それは一瞬ですぐに赤黒くなった。

「むぅ」

困っていた所で

「お邪魔しまー・・・てうわ、何この死体」

「あ、いらっしゃい。見ての通り桜作ってたんだよ。でも上手くいかなくて」

「あーそう、それにしても下手くそで狂気みじた作品だな(笑)」

「・・・・今回は否定はしないよ」


「ははっうける」

彼は大きい紙袋から、苗を取り出した。

「これ桜の木の苗、埋める場所は・・・そうだな。人間界に俺住んでるんだけど

・・・・そこにしよう。案内するついてこい」

「うん・・・いつのまに魔界から引っ越したんだよ」

「秘密」


人間界にある、友人の自宅

大きい庭があり2階建ての綺麗な建物に

僕は言葉を失った。

「びっくりしたか?魔界じゃこんな建物ねぇもんな。さあ来い。此処に埋めよう」

庭に入って行って、太陽の光が差し込む気持ちい場所で手招きされる。

僕は魔界には無い温かい光を感じながら、彼の元へ歩く。


「良いか?まずは穴を掘る。ほれ」

スコップを手渡される。

「任せとけ」

その言葉を信じて俺は水をやる準備をするため倉庫に行った。

・・・・・・・・・・・・。

戻ってきた時には彼の姿が無く、穴の奥を見ると

まだ掘っている彼の姿。

「掘りすぎなんだよ!!落とし穴でも作ってんのか!!!!!」

見えるのは、奥行き2mの穴。

「えー君が掘れっていったじゃん」

「とりあえず埋めて上にあがってこい!!」

「へーい」

一旦全て埋め直し、俺は一度堀方を教えた。

「こんだけでいいんだ。こんだけで」

「小さいなぁ。これで苗育つの?」

「育つんだよ。じゃあ次はこれ埋めてみろ」

桜の苗木を渡される。

僕は優しく穴にはめる。そして根っこを土で覆った。

「出来た」

「よし、後は水だ。これを持て」

「うわっ重い」

水がたっぷり入っているじょうろはずっしりとした重圧感を感じた

ジャー

と水を与える。

キラキラと光る水滴を見て、綺麗だ。と感動した。

「これで成長するまで待機だな」

「なんだすぐには見れないのか・・・・」

「そうだよ。さあこの後どうする?何か食っていくか?」

「うん!じゃあお言葉に甘えて♪」


友人の後に続いて家に入った。



―××年後―

「すごーい!!!」

木に桜の花を付けている。

昔見た桜と同じだ

「あんな小さかった苗木が、ここまで立派になるなんて!!」

「良かったな。最初に見た桜かこの桜どっちが立派に思える?」

「もちろん僕達が育てた桜の木!!!」

俺はふっと笑い。

「育てるのも悪くないだろう?」

「うん!そうだね。僕が作った奴より育てる方がクオリティ高いや」

「そりゃそうだろ。あれは偽物でこっちは本物。本物には勝てねぇよ」

二人は桜を見上げたまま、話をしたり食べたりして

お花見を楽しんだ。


「ところで何で魔族狩ってたんだよ?」

「ほら桜の色って桜の木の下に埋まっている死体からの色って聞いたことあるしー」

「はあ・・・そんな物騒な噂まで再現しなくても良いだろ」

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