ぬいぐるみの一生。
わたし、にゃじも。
ゲームセンターの景品だったんだけど、この家の主に拾われてきたんだ。
あたし、にゃずも。
主の旦那が東京出張中に文房具屋で買われたんだ。
にゃじもはピンク色でかわいいんだよ。
にゃずももピンク色でかわいいんだよ。
わたしってば、セサ◯ストリート出身なんだから!
あたしなんか、ハリ◯ッド出身なんだから!
わたし、寝るときは主に抱かれているんだもん。
あたし、最初は主の旦那のお腹の上、朝はなぜかアンタと一緒に主に抱かれてるから、お得感あるもん。
わたしは――!
あたしは――!
「おばあちゃん、このぬいぐるみ大事にしてたもんねぇ」
「一緒に入れてあげようねぇ」
わたしは次も主のところに来たいな。アナタといっしょに。
あたしだって、主と旦那のところに絶対来る。アンタも一緒でいいよ。
しあわせだったね。
うん、しあわせだった。
じゃあ、来世で。
じゃあ、来世で。
なーんつって。さすがテレビスターね、わたし。
なーんつって。さすがハリ◯ッド女優ね、あたし。
演技よ演技。
そうそう。予行練習よ。
旦那、この話書きながら泣いちゃったらしいよ。
ばかだよね。泣くくらいならこんな話書かなきゃイイのにね。
でも、それが作者の性なんだって。
じゃあ、しかたないか。
まだまだ長生きするわよ。
そうね。まだまだ先は長いよっ!
これからも宜しくね相棒!
そっちこそ、相棒!