すべての美しい星
瑠璃色の海の彼方に
滑り落ちる
あの光の筋を追って
風が吹いた
ひとつの
触れられない眠りが
そこにあって
いくつもの思い出が
羊水の温もりのまま
寄り添っている
深い寝息は泡となり
朝に向かう人々を
見送り続け
横たわる
果てしなく遠い時間
注ぐ光は
暗闇を抜け
寂とした輝きの中
あなたを
迎えるは
すべての美しい歌
旋律の内側で
波は打ち寄せ
そこを越えて行く
飛沫もあげず
消えていく
あの光の筋を追って
寂しさが眼差しで
伝えられるのなら
この岸辺から
見上げる
言い尽くせない
おやすみは
すべての美しい星
亡き父へ