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そして僕は旅に出た。  作者: 高天原
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検証と進展2

つたない文で読みにくいと思いますが、気ままに読んでいただければ嬉しいです。

「君は見えるはずのない、私を見ていたんだよね。そして私は試しに合図を送ってみたら、案の定君はそれに反応し、店に入ってきた。」


そうだ日向は俺の方を見て確かに合図をした。だがどうして日向が見えたのか?


「あの時スポットが僅かに残っていたの。ちょうどあの窓のところに。意識の外にしか存在しないとされているけど例外があるみたい。私のように感じる能力を持っていると、スポットから認識されない存在となるみたい。君も同じになったというわけね。」


日向曰く。スポットは人の意識の外に偶然できるのではなく、意識の外であることを認識して意図的に発生していること。さらには人の存在の近くで意識の外れているところに出現するようだ。自然現象では考えられない、意図的要素が強いという事だ。

確かにそうなのだろう、人の居ない山の中などはスポットだらけということになる。また建物の片隅など意識が外れているが、人が来ないとは限らない場所での出現を考えると、意図的に発生していると考えるのが自然だ。


「で、今日ここに連れてきたのは、前回の検証と新たな問題が発生したからなの。」


「新たな問題?」


「ここで起きたことはさほど珍しいことじゃなくて、問題は学校で起きたスポットの方ね。」


珍しいことではないとは、日向はこれまでどんな経験をしてきたのだろう。普通で考えれば超常現象だ。そんなことを当たり前に話す彼女がどこか恐ろしく感じた。


「とにかく、君も晴れてスポットに選ばれたようだし、今日は天気も悪い、帰りましょう。」


そう言われてハッとした。確かに朝から冷たい雨が続いた寒い一日だったのに、一度に多くの事を詰め込んだように変な汗までかいている。確かに精神的に限界だ。これ以上は体が持たないだろう、帰ろうという言葉に安堵したのか体の力が抜けていくのを感じた。

そんな俺を見て、小さく笑うと彼女はまたおとなしい女子高生へと戻っていった。


家に帰り倒れるようにベッドに潜り込むと、スポットに入った時のことを考えていた。

意識はしていなかったが、一瞬の内に時間が過ぎている、いわゆる浦島太郎現象だ。時間軸の違う別の空間なのか。日向曰く次元の狭間。パラレルワールドのような並行世界ではなく、ただ時間だけが飛ばされるだけの空間という感覚。体には一切負荷はかかっていなかった。それどころかその空間にいたという感覚さえない。時間軸を直線ではなく、歪な螺旋状に例えると、偶然接触した場所がスポットとして現れるのではないだろうか?いや、それでは意識の外に発生するという意図的な発生にはならない。本屋でのスポットはよくある現象と言っていた。問題は学校で起きたスポットだとも。何が違うのだろう。謎ばかりで考えることも馬鹿らしくなってくる。

意識が落ちていき眠りに入るわずかな時間。子供の頃裏山でかくれんぼをしていた思い出が蘇ってきた。

俺は鬼から隠れていて、いつまでも見つけてもらえないでいた。辺りが夜になっても隠れていた。そうしてしばらくして誰も居なくなり、泣きながら家に帰って行った。

おかしい。かくれんぼだったのか?子供が夜までかくれんぼなんて不自然だ。でも確かに何かから隠れていた。夏の暑い日セミの声がやかましいくらい鳴いていた。それが急に静かになり、目を開くと夜になっていた。一瞬だったような、長かったような。眠っていたのか?幼馴染がいた記憶がない。でも誰かいたような。断片的な記憶しか出てこない。子供の頃の記憶だ曖昧になっている。でも辺りは暗くなり泣いて帰った記憶は確かだ。何か重要なヒントがあるような。もうダメだ明日考えよう・・・。

そうしてどれが現実なのか夢なのか思い出なのかわからないまま眠りに落ちていった。

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