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そして僕は旅に出た。  作者: 高天原
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一夜の集い⑦

1話目完結までもう少しです。

「とりあえずは、一件落着ってところかしら。」


「一件落着って。何もかも謎だらけだよ。一体何だったんだ。」


「魂呼ばいとか、十月十日の咒法とか呼ばれている禁忌。人の魂をこの世へと呼び戻す方法。」


日向は独り言のように視線を前に向けながら、答え合わせを始めた。


「村上先生はどこからかこの儀式を知り、13年前に亡くなった生徒に教えて、母親と逢わせたんじゃないかな。それで魂を呼ぶつもりが、逆に連れていかれた。それを先生はずっと苦しんでいて、彼女の死後13年と10か月と10日の午前0時。それがスポットで行ったあの日だったんだ。」


「C組の彼女や幽霊騒動とどう関係してるんだ?」


「魂呼ばいには同性同年代の持ち物を使うんだけど、持ち主は魂を利用され、呼び出された魂と惹かれあう。彼女は強制的に幽体離脱の状態にされ、あの光景を夢のような感覚で見ていたんじゃないかな。それが夢か現実か区別がつかなくなり、霊現象と思い込み今回の騒ぎになった。そして今日同じ時間同じ場所にいた事により、魂がまだ不安定でフィードバックしたと思うの。」


「幽霊騒動は何となくわかったけど、スポットはそれに関係するのか?」


「スポットは霊の出現と関係があると思う。現世ではない場所から出現することと、亡くなった当時のままであること。それはスポットの時間や空間の歪みと同じと思う。ただ今回は意図的に霊を呼び出したことにより、時間や空間がいびつになったと思う。」


「ちなみにあの時、村上先生が煙に飲み込まれていたらどうなっていたんだ?」


「たぶんあの子同様向こうに連れていかれたかもね。」


「お前よくそんな状況で捕まえたな。」


「何となくこっちの世界の事はこっちで決着つけさせるべきかなって。過去に犯した過ちなら、尚更生きて罪を償わないとね。」


自分も巻き込まれる恐れがあったのにも関わらず、思い付きのように行動する日向がどこか怖くもあり、自分の命を軽々しく見るような儚さも感じた。ただその行動は俺達の根底にある悪いことはしても、格好悪いことはしないという信念と似たものだとは、まだ気づいていなかった。


「村上先生はずっと後悔していたけど。栗田さんは望んで向こうの世界に行ったのだから、自分で自分の幸せを選んだんじゃないかな。その人の未来や幸せんなて先生であっても、他人が勝手に決めていいことじゃないからね。先生ができることは生徒に幅広い知識を与え、その先の人生に取捨選択をできる人にすることなんだから。」


「その点でいえば魂呼ばいは方法であって、向こうの世界へ行くのも残るのも栗田さんの自由だったというわけか。」


13年前の出来事だが、人が亡くなったというのに事故や自殺といった負の印象は起きなかった。むしろ天寿を全うしたかのような、清々しさが残った。


一通りの結末を迎え、俺は友人達と合流した。友人達は下の階で起きていた騒ぎに気付かず、5階を最後まで捜索していた。教室に戻り無事行方不明の二人が戻っていることを知り、多少不満気にしていたが、実際は捜索していた部室で漫画を見つけ読み漁っていたのだった。俺が途中から居なくなったことも、行方不明の二人が見つかったのだろうと薄々予想していたので、漫画を最後まで読んでから戻ることにしたという。俺の苦労も知らないで、呑気に遊んでいたというのだから何とも友達想いの連中だろう。

だが今回の真相を話しても非常識すぎて理解されないだろうこともわかっているので、友人達には何処で二人が見つかったとしか話さなかった。それは唯一理解しているだろう日向との秘密という事にしたかったのかもしれない。

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