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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

高嶺の悪魔童話シリーズ ~ かちかち山 ~

作者: 高嶺の悪魔

 昔々、とある山の麓におじいさんとおばあさんが住んでいました。

 二人は先祖代々受け継いできた小さな畑を耕して、作った作物を街で売って生計を立てていました。

 それでも得られるのはわずかながらの金銭だけでしたが、質素倹約を旨とするこの老夫婦は、それでも幸せに暮らしておりました。


 ところが最近、この二人の頭を悩ませることがありました。

 家の裏手にある山に住むタヌキが、夜な夜な山から下りてきては畑を荒らしてゆくのです。

 その日もおじいさんは、懸命に育てた作物が、掘り返された土の上にバラバラになって散乱しているのを見て、深いため息を吐きました。

 何度、元通りにしても、そのたびに荒らされている畑を見て、このままでは暮らしが立ち行かなくなってしまうと思ったおじいさんは、畑にタヌキを捕えるための罠を仕掛けることにしました。

 ずる賢いタヌキに悟られぬよう、幾重にも偽装を施したトラバサミの上に、タヌキの大好物である果物を置くと、その日は畑を後にしました。


 ☆


 翌日、おじいさんが畑へ行ってみると、昨日仕掛けておいた罠にタヌキが掛かっているのを見つけました。


「いてぇ、いてぇ! 畜生、このよぼよぼジジイめ! 汚い手を使いやがって!!」


 足に食い込んだトラバサミを何とか外そうと躍起になりながら、タヌキはおじいさんへ罵倒を浴びせかけました。動けない様子のタヌキに、おじいさんは鼻を鳴らして答えます。


「ふん。意地汚いタヌキめ。これまで好き勝手してきた報いだ」


 そう言って、おじいさんは家から持ってきた荒縄でタヌキをぐるぐる巻きにして身動きを封じてから、タヌキの足に食い込んだトラバサミを慎重に外しました。


 ☆


「婆さん、婆さん。遂にあの性悪タヌキをとっ捕まえたぞ! 今夜はこいつを、タヌキ汁にしてやろう!」


 喜び勇んで帰ってきたおじいさんがそういうと、おばあさんは皺だらけの顔に、にっこりとした可愛らしい笑みを浮かべて喜びました。


「おや、まぁ。では、余ったお肉は干しておきましょう。良かった、良かった。これで今年の冬も、どうにか越せそうですねぇ」


 おばあさんの提案におじいさんは大きく頷くと、また畑へと出かけてゆきました。もう、タヌキに荒らされる心配はないのですから、早く元通りに直さなければいけないのです。


「いいかい、婆さん。わしが帰るまで、こいつの縄を絶対にほどいてはならんぞ」


 家を出る前に、おじいさんはおばあさんへそうしっかりと言づけました。


 おじいさんが畑へ出てゆくと、おばあさんは台所で包丁を研ぎ始めました。


「タヌキなんて捌くのは久しぶりですからねぇ。きちんと、研ぎ直しておかないと」


 そう言いながら、おばあさんがしゃ、しゃと包丁の刃を研ぐその音に、タヌキは背筋を凍らせます。


「畜生。死んでたまるか。絶対にここから逃げだして、あのジジイに思い知らせてやる」


 そう思ったタヌキは優しい声で、おばあさんへ話しかけました。


「おばあさん、おばあさん。悪かったよぅ。助けておくれよ。僕も、お腹が空いていたんだよぅ」


「だったら、お山にも食べるものはたくさんあるじゃないの。どうして、わざわざうちの畑の野菜を食い荒らしたの?」


「それは、おじいさんの作る野菜があんまりにも美味しかったからだよぅ」


「それにしては、ちょっと齧っただけで捨てられていた野菜のまぁ多いこと」


「……それは。その、とにかく、もうしないから。だから、助けておくれよ。縄が食い込んで痛いんだよ。これをほどいておくれよ」


 タヌキがどんなに必死に懇願しても、おじいさんから自分が帰ってくるまで縄をといてはいけないと言われているおばあさんは聞こうとしません。


「頼むよ、ちょっと、ちょっと緩めるだけでもいいんだ。それだけでだいぶ楽になるはずだから。お願いだよ、おばあさん」


 それでもタヌキは諦めません。必死に、おばあさんを説得しようとします。

 そんなタヌキを放っておいて、包丁を研ぎ終わったおばあさんは鍋に湯を沸かしはじめました。


 ☆


 ぐつぐつ、ぐらぐらと煮えだしたお湯を見て、タヌキが壊れたように叫び始めました。


「う、うわあああああ! 嫌だあああああああ! 死にたくない! 死にたくないーー!!」


 きつく結ばれた縄が身体に食い込むのも無視して、タヌキは暴れます。


「お、俺はまだやり残したことがたくさんあるんだ! 嫁だってもらってないし、子供だっていない! こんなところで鍋にされて死ぬのは嫌だぁあああ!!」


 タヌキは遂に、口から涎を垂らし、鼻水で顔面をぐちゃぐちゃにしながら泣き叫びはじめました。そのあまりにも哀れで、惨めな命乞いに、心優しいおばあさんの胸がチクリと痛みます。


「あなた、今年で生まれて幾つなの?」


 思わず、おばあさんは自分からそうタヌキに訊いてしまいました。


「ご、ごねんだよぅ……」


 それに、タヌキがしゃくりを上げながら答えます。

 おばあさんは、神妙な面持ちでタヌキを見つめました。

 五年。それはおばあさんがおじいさんと結婚してから、唯一、ようやくできた子供が天に召されたのと同じ年数でした。

 本当に、このままこのタヌキを鍋にしてしまって良いのだろうかという疑問が、おばあさんの中で芽生えました。


「一年前に、父ちゃんと母ちゃんが急にいなくなって、山の中で独りぼっちで、それで食べ物が欲しくて畑を荒らしてしまったんだよぅ」


 まだ泣きじゃくっているタヌキの言葉に、おばあさんはハッとします。

 そういえば、畑が荒らされ始めたのもちょうど一年前からでした。


「……もう、畑を荒らしたりしないかい?」


 おばあさんはゆっくりとタヌキに近づくと、その顔を見つめながら言いました。


「しないよ。誓うよ。絶対にもう、おじいさんの畑を荒らしたりしないよ」


 タヌキはおばあさんの優しい瞳をまっすぐに見つめて、そう答えました。

 おばあさんは頷くと、タヌキの縄を解いてやりました。


「ほら、行きなさい。おじいさんには、私から言っておくから。いいかい、もう二度と、ここへきてはいけないよ」


「……あ、ありがとう。ありがとう、おばあさん。おばあさんは、俺の命の恩人だよ」


 タヌキは土間の床に何度も鼻先を擦りつけながら、おばあさんにお礼を言いました。


「いいから、早く逃げなさい。私は、タヌキ汁を楽しみにしているおじいさんへ、代わりの御馳走をつくっておかなくちゃいけないからね」


 そう言っておばあさんが頭を下げるタヌキにくるりと背中を見せた時でした。


「……へへ、本当に。かたじけねぇな」


 それまでの涙声から一転、タヌキが下卑た笑みを浮かべます。その視線は、台所のまな板の上に置かれている、おばあさんが先ほど研いでいた包丁を捉えていました。


「まったく、お人好しのババアだぜ」


「えっ……?」


 飛び上がり、すばやく包丁を口に咥え込んだタヌキは、鋭く研がれたその切っ先をおばあさんの背中に突き立てました。


「なっ、にを……」


 これまで感じたことの無い激痛に、おばあさんが土間へ膝をつきます。


「ばぁか。馬鹿野郎が。タヌキの言うことを信じるなんてなぁ!」


 蹲ったおばあさんの背中に覆い被さったタヌキは、さらになんども、包丁を振り下ろしました。


 ☆


 惨劇の舞台と化した土間で、ぴくりとも動かなくなったおばあさんの遺骸を踏みにじっていたタヌキは咥えていた包丁を吐き捨てます。


「ふぅ。すっきりしたぜ。思い知ったか、このババアが」


 げしげしと、動かなくなったおばあさんの身体を何度も蹴りつけながら、タヌキは考えます。


「さて、次はあのジジイだな。どうしてやろうか……」


 そこでタヌキは足蹴にしているおばあさんの死体を見つめると、にたりと邪悪な笑みを浮かべました。


「そうだ。いいことを思いついた」



 その頃。おじいさんは畑を元通りにするため、一生懸命に鍬を振るっていました。

 そこへウサギがぴょこりとやってきて、おじいさんへ挨拶をしました。


「おじいさん。こんにちは」


「おや、ウサギさんか。こんにちは」


 おじいさんはその顔に優しそうな笑みをつくると、土と汗で汚れた顔を布で拭いながら挨拶を返します。


「おじいさん、またタヌキのヤツに畑を荒らされたのかい?」


 畑の惨状を見たウサギが、ふんと怒ったように鼻を鳴らしながら言いました。

 そんなウサギへ、おじいさんは笑いながら答えます。


「ああ、でも、もうこれっきりなんじゃ、ウサギさん。なんとな、遂にあのタヌキをとっ捕まえてやったのよ。今夜は、タヌキ汁じゃ」


 それを聞いたウサギは、嬉しそうに長い耳をぱたぱたとさせました。


「ほう、それは良かった。それでは、これからはもう、畑を荒らされる心配もないってことだね」


 ウサギの言葉に、おじいさんは深く頷きました。それを見たウサギは、畑の土に混じっている小さな小石を鼻先で器用に退けはじめました。

 このウサギは、時々こうしておじいさんの畑にやってきては、ちょっとした手伝いをしてくれているのです。ウサギにできる手伝いなんて、本当にちっぽけなことなのですが、それでもおじいさんはお礼だといってウサギに野菜を食べさせてくれるのでした。


 ☆


 畑が元通りになる頃には、すっかり日も暮れてしまっていました。

 おじいさんは、手伝ってくれたウサギを夕飯に誘いました。


「ありがたいのだが、私は肉を食べない」


 ウサギはそう答えました。


「なぁに、野菜もある。今夜は、ちょっとしたお祝いの日じゃ。わしと二人きりよりも、ウサギさんもおったほうが、婆さんも喜ぶはずじゃて」


 おじいさんの言葉が後押しになって、考えるように片耳を折り曲げていたウサギは頷きました。


「ふむ。そうか。それではお言葉に甘えてもいいかな」


「おお、来てくれ、来てくれ」


 おじいさんは嬉しそうにそう言いました。

 ウサギはこのおじいさんとおばあさんが大好きでした。ずっと前に、ようやく生まれた子供を流行り病で失ったという二人は、ウサギのことをまるで孫か子供のようにかわいがってくれるのです。

 今夜は、二人の布団に挟まれながら暖かく眠ろうか。

 ウサギはそんなことを考えながら、楽しそうな足取りで家路を急ぐおじいさんの後を追いました。


 ☆


「おーい、婆さん、婆さん?」


 おじいさんたちが家に着いた時、そこには誰も居ませんでした。不思議に思ったおじいさんが、何度もおばあさんを呼びますが、返事はありません。


「これは、血か……?」


 家に入ってすぐの土間には、真新しい土が盛られていました。そこの臭いを嗅いだウサギが、顔を顰めて言います。

 そういえば、荒縄でしっかり縛って、土間に転がしておいたタヌキの姿もありません。

 代わりに、土間から上がった先の部屋では、大きな鍋が囲炉裏の上で火にかけられていました。中身はよく煮えているらしく、美味しそうな匂いが家じゅうに漂っていました。


「もしかして、婆さん、タヌキを一人で捌いたのかのう」


 そう首を捻ったおじいさんに、ウサギは納得したように頷きました。


「なるほど。それで、汚れた服を洗いに行っているのかもしれないな」


「やれやれ。わしが帰るまで待っておれと言っておいたのに。それに、服を洗いに行くなら明日、明るくなってからでもよかろうに」


 そう肩を竦めたおじいさんに、ウサギは苦笑しながら言いました。


「まぁまぁ、おじいさん。そう言ってあげないで。おばあさんだって、女性なのだから。血の匂いがする服を着ているのは嫌なんだろう。それに、貴方の喜ぶ顔が一刻も早く見たかったのかもしれない」


 おばあさんのことを女性と言ったウサギに、思わず噴き出しそうになったおじいさんですが、そこで腹の虫が大きく鳴きました。

 一日中、大変な畑仕事をしてきたのですっかりお腹はぺこぺこです。そこへ、家中に漂うタヌキ汁の美味しそうな匂いを嗅がされては、もう堪りません。


「婆さんが帰ってくる前に、ちょっと味見してもバチは当たらんじゃろう……」


 おじいさんはそういうと、そそくさと土間から部屋へと上がり、囲炉裏に掛けられている鍋へ近づきました。

 小さな火でくつくつと煮込まれている鍋からは、味噌を湯で溶いた時の、なんとも言えない食欲をそそる匂いが立ち昇っています。


「ああ。なんといい匂いじゃろう……これで米があったら文句なしじゃが、そこまで贅沢は言えんのう」


 おじいさんは、嬉しそうに両手を擦り合わせると、待ちきれないというように鍋の蓋を取りました。

 そして、鍋の中で煮込まれていたモノを目にすると。

 家の中に、おじいさんの絶叫が響き渡りました。


 ☆


「だめじゃ……わしはもう、駄目じゃ……ばあさん、ばあさん……ああ、ばあさん……」


 すっかり夜の闇に沈んだ家の中で、憔悴しきった様子のおじいさんが、うわ言のように、何度も同じ言葉を繰り返していました。

 その枕元には、あのウサギがちょこんと座っており、おじいさんを案じるような目で見つめていました。

 囲炉裏の上にあった鍋は、ウサギが片付けました。

 鍋の中に居た、否、あったのは、トロトロになるまで煮込まれたおばあさんの亡骸でした。

 中身を見てしまったおじいさんは、腰が抜けてしまったきり、呆けたようにおばあさんを呼び続けています。

 仕方なく、ウサギはおじいさんを布団に寝かせると、おばあさんだったものを庭に掘った穴へ丁寧に埋めました。


「ばあさん、ばあさん……」


 今も、この世ではないどこかへ行ってしまったおばあさんを呼び続けているおじいさんの声を聞いていると、ウサギの胸に激しい炎が燃え上がりました。


「おのれ、タヌキ……」


 ウサギは臼歯をがちりと嚙合わせると、その隙間から憎悪に満ちた声を漏らしました。


「許さん。絶対に許さん。断じて許さん。必ずや、この報いを受けさせてやる。生れてきたことを後悔させてやる。おばあさんが味わっただろう、何億、何兆倍の苦痛を味あわせてやる。そして、己が成した罪の重さを存分に理解させたうえで殺してやる。羽虫のように軽やかに、地を這う害虫のようにあっさりと。寸分の憐憫もなく鏖殺してやる」


 ウサギは立ち上がると、天井を仰ぐようにして大声を張り上げました。


「天地万象を司る八百万の神々へ、心底よりお願い申し上げる! 善良なるこの老夫婦へ、このような残虐かつ酷薄なる仕打ちの末、苦痛と絶望の底へと突き落とした、かの悪辣外道なるタヌキめに、天誅を与える力を我に貸したまえ! さすれば我、正義の神罰の化身となりて、必ずやかのタヌキを永劫の灼熱で満たされた地獄の釜へと叩き落さん!!」


 神々へ宣誓したウサギは、寝込んでいるおじいさんへ目を落とします。


「おじいさん。待っていてくれ。必ず、おばあさんの仇を討ってくる」


 そう言って、ウサギは静かに家から出て行きました。

 庭に出ると、おばあさんの亡骸を埋めたところに打ち立てた粗末な木切れが目に入ります。


「おばあさん、さぞ、無念でしょう。今は安らかに眠る事も出来ないのでしょう。待っていてください。行って参ります。貴方を苦しめ、その亡骸を弄んだあのタヌキめを、必ず成敗して参ります」


 粗末な墓標へ深く首を垂れたウサギは、おじいさんにしたように、おばあさんにも誓いを立てました。

 その頭を、おばあさんの優しい手が撫でてくれたような気がしました。


 ☆


 その日から、ウサギは復讐に燃える鬼となりました。

 昼も夜も。起きている時も寝ている時も。タヌキに罰を与えるための計画を考え続けました。

 しかし、ウサギはすぐに手を下しませんでした。

 それどころか、ウサギはまず、タヌキと仲良くなろうとしました。

 そうして、信頼させた上で、身の毛もよだつような罰を与えるためでした。


 タヌキはあの後もおじいさんの畑に頻繁にやってきていたので、出会うのは簡単でした。ウサギは、荒れた畑に残っていた野菜を齧りに来たふりをしながら、タヌキとだんだん、親密になっていきました。

 ウサギに騙されているとは知らずに、タヌキはすっかりとウサギのことを信頼したようです。


「山であれこれ、食いもんを探さなくていいのは楽でいいだろ?」


 ある日、タヌキがそんなことをウサギに言いました。


「これも、俺様のおかげってわけよ」


「ほう、どういうわけだい?」


 ウサギはなんにも知らないふりをして、タヌキに訊きました。


「この畑の持ち主のジジイが、ちょっと前から寝込んでいるのは知っているか?」


 得意げな顔でしゃべり始めたタヌキへ、ウサギは頷きました。


「じゃあ、なんでそのジジイが寝込んでいるか、知ってるか?」 


 これにウサギは首を振りました。

 タヌキはますます得意げになって言いました。


「それはな、俺様のおかげなのさ。ちょっくら前に、俺様はあのジジイの汚い罠に掛かって捕まっちまったんだが、タヌキ汁にされる寸前で、あのジジイのつがいの、これまた馬鹿なババアをだまくらかして、縄を解かせると、その後でぶっ殺してやったのさ。あのババア、死ぬ最期の最後まで、おじいさん、おじいさんってあのジジイを呼び続けてな。傑作だったぜぇ、あれは」


 そこでぎゃははははと笑ったタヌキに、ウサギは内心に吹き荒れる怒りと憎悪の嵐に気が狂いそうになりながらも、どうにか顔だけは平静を保ったまま「へぇ」と相槌を打ちました。


「それで?」


「おおっと、そうだ。話はこっからよ」


 ウサギが何気なく促すと、タヌキは笑いを抑えながら続きを語り出します。


「ババアをぶっ殺した俺だが、その後で、どうにかしてあのジジイにも復讐してやりてぇと思ったのよ。で、思いついたんだ。あのジジイが一番苦しむだろう復讐を。俺は、俺が煮られるはずだった鍋の中に、バラバラにしたババアの死体をぶち込むとな、味噌を溶いて、その後で囲炉裏に掛けておいたのさ。大変だったんだぜぇ、まったく」


 タヌキはおばあさんを殺してしまったことを悔やむどころか、まるで自慢話をするような口調で語りました。


「その後はまぁ見てないから知らねぇんだが、どうなったのかなぁ、あのジジイ。鍋の中を見た時に。あのな、俺は鍋の蓋を取った時に、ちょうどババアの顔がこう、ぷかりと浮いてくるようにしておいたんだ。それを見た時のジジイの顔、傑作だったろうなぁ」


 くくく、と笑いが堪えきれない様子の話すタヌキに、ウサギはあの時のことを思い出していました。

 おじいさんが鍋の蓋を取った後、くつくつと煮える鍋の真ん中に浮かんでいたおばあさんの頭と、煮えて白濁した眼球。

 今でも、その光景はウサギの頭に鮮明に映し出されます。

 おじいさんの叫び声を思い出すたびに、ウサギは今すぐこのタヌキをバラバラにして木に括り、蠅の餌にしてやりたいという衝動がウサギの胸の内を駆け巡るのでした。

 しかし、その想いを抑え込んで、ウサギは言いました。


「なるほどね。それで爺さんが寝込んでしまったから、俺たちはこうして自由に餌に在りつけると言うわけか」


「そうさ、その通り。だから、俺様に感謝しろよ?」


 ウサギがそういうと、タヌキは腹を張りながら偉そうにふんぞり返りました。


 ☆


 それから、さらに月日が経ち、季節が巡り、十分にタヌキからの信頼を得たと確信した頃に、ウサギはついに計画を実行に移しました。

 それは、そろそろ冬がやってこようかという、寒い日のことです。

 すっかり荒れ果てたおじいさんの畑には、もう食べるものも残っておらず、ウサギはタヌキを山へ餌探しに行かないかと誘いました。


「君も、そろそろ冬眠の準備をしないとだろう? ついでに、巣作りに必要になる枯れ枝だとかも集めてこようと思うんだけど、一匹よりも二匹いたほうが、なにかと効率が良くないか?」


 そう言ったウサギに、タヌキはなるほどと頷きました。

 さっそく、二匹は山へ出かけました。ウサギは、ふだんタヌキが住んでいる山とは別の山へタヌキを案内しました。

 そこは確かに木がたくさん茂っていて、枯れ枝はあっという間に集まりました。


「僕はそんなにたくさん要らないけど、君には枝がいっぱいるだろう? 集めた枝はこれを使って背負えば楽だよ」


 積み上げた枝の前で、ウサギはそういうとおじいさんの家から借りてきた背負子をタヌキの背中に付けてあげました。


「おお、確かに楽だな。何だ、お前、中々気が利くじゃないか」


 タヌキは疑うことなく背負子を使って枯れ枝を背負うと、偉そうにそう言いました。


「しかし、これは人間の道具だろう? どこから持ってきた」


 そのタヌキの質問に、ウサギは前もって用意しておいた答えを返します。


「あの爺さんの家からさ。すっかり寝込みっきりで、ちょっと家の者を拝借しても気づきもしないらしい」


 それを聞いたタヌキは、ははんと得意げに鼻を鳴らしました。


「なるほどね。つまり、これも俺のおかげってわけだな」


「まぁ、そうなるね」


 ウサギはタヌキを良い気にさせたままにするため、頷きました。


「さ、途中で枝が零れ落ちたりしないように、しっかりと縛るよ」


 ウサギはそう言って、枝を載せた背負子をタヌキの身体にしっかりと括りつけました。


 ☆


「じゃあ、そろそろ帰ろうか。帰る途中にある山には、いろんな木の実がなっているんだ。案内するよ、こっちだ」


 そうウサギが指し示した方角へ、タヌキはどんどんと歩いていきます。

 意地汚いタヌキのことですから、ウサギに先導させれば、木の実が全部取られてしまうとでも思っているのでしょう。


 もちろん、そんなタヌキの行動もウサギの計算通りです。

 ウサギはどんどん先に進むタヌキの後ろに回り込むと、背負子と一緒におじいさんの家から失敬してきた火打石を打ち合わせました。

 カチカチ、カチカチ。


「おい、さっきから聞こえる、このカチカチって音はなんなんだ?」


 火打石を打ち合わせる音が気になって、タヌキがそう訊くと、ウサギはしれっとした声で答えます。


「この山は、カチカチ山って言ってね。ここに住んでいるカチカチ鳥が鳴いているのさ」


「ふぅん」


 ウサギの説明に、タヌキはどうでも良さそうに鼻を鳴らしました。


 ☆


 やがて、タヌキの背負っている枝に火が点きました。


「おい、こんどはボウボウって音が聞こえるぞ? これはなんだ?」


 ぼうぼうと燃え上がる炎の音に、タヌキがまた聞きます。

 それに、ウサギはなんでもないような声で答えました。


「ここはボウボウ山だから、ボウボウ鳥が鳴いているのさ」


「ふぅん……それにしても、もうすぐ冬だっていうのにやけに熱くないか? あつ、あ、熱い!!」


 勢いよく燃え出した炎が、遂にタヌキの背中をあぶり始めます。それに堪らず、タヌキが大声を上げました。


「た、大変だ! タヌキくん、君の背負っている枯れ枝が燃えているぞ!」


「なにぃ? な、なんで突然!?」


 白々しく大声を上げたウサギですが、今のタヌキにはかまっている余裕がありません。


「あ、あつ、熱い熱い熱い……!! これじゃあ、火だるまになっちまう!」


 慌てたように背負子を外そうとするタヌキですが、帯がしっかりと結ばれていて中々解けません。


「ああ、ごめんよタヌキくん! 僕がしっかり結んでしまったばっかりに! 手伝いたいんだけど、火の勢いが凄くて……!」


 そこへ、やはりウサギの白々しい声が聞こえますが、タヌキには聞いている暇もありません。一刻も早く火を消さないと、丸焼けになってしまいます。


「水、水! 水はどこだ!?」


 無我夢中で走り出したタヌキは、しばらく行った先で皮を見つけました。救いの光を目にしたように、タヌキはその川へと飛び込みます。

 初冬とは言え、すっかり冷え込んできたこの頃。川の水は刺すように冷たく、炎で炙られていたタヌキをあっという間に震え上がらせます。


「さ、さ、さ、さむい!」

 タヌキはバタバタと暴れながら水の中から上がると、かじかむ指でようやく背負子を外しました。焼けただれた背中の皮が、べろりと剥げて酷く痛みました。


「ああ、良かった! 無事なんだね、タヌキくん!」


 そこへ、追いついてきたウサギが声を掛けます。


「な、な、な、なんでこんな目に」


 震えながら、タヌキが言います。


 なんでだと? 自分の胸に手を当てて聞いてみろ! と言いかけそうになったウサギですが、これまで積み上げてきた信頼を、というよりもここまで入念に計画してきた復讐を、ここで崩すわけにはいきません。


「突然、枝が燃えたのは、きっとアレだよ。収斂発火って知っているかい? 太陽の光がとある一点に集中すると、火が点くっていう現象なんだけど。きっと、君の立っていたところがたまたまそういう場所になっていたんだよ」


 などと適当なことをウサギが捲し立てますが、灼熱の業火に炙られ、今は激痛と極寒に苛まされているタヌキには理解ができません。


「そ、そ、そうなのか……」


 加えて、まともな判断力も低下しているタヌキはウサギの説明するがままを信じてしまいました。


「どうしようか、とにかく、君の巣穴に帰ろう。ほら、捕まって。支えてゆくから」


 さらにウサギが献身的に自分を介護してくれる様に、こいつはなんていいやつなのだろうとすら思っていました。


 ☆


 ウサギの助けを借りて、何とか自分の巣穴に帰り着くことのできたタヌキですが、火傷の痛みから寝込んでしまいました。

 そこへ次の日、ウサギが薬を持って訪ねてきました。


「やぁ、タヌキくん。今日は火傷に効く薬を持ってきたよ。やっぱり、あの爺さんの家から失敬してきたんだけども」


「それはありがたい、さっそく塗ってくれ。もう、一晩中ずっと痛くて、まったく寝られないんだ」


 もうすっかりウサギを信頼しているタヌキは、いそいそと背中を見せました。そこへウサギが持ってきた薬をちょいと塗りつけます。


「ぎゃあーーーー!!」


 その途端、タヌキが叫び声を上げました。


「し、し、沁みる!! 何だこれは! 痛い! 痛い! 痛い!!」


 激痛に身を悶えさせるタヌキですが、ウサギは気にせずに赤い色の塗り薬をタヌキの背中へ塗り込んで行きます。


「よく利く薬は、沁みるものなのさ」


 そうタヌキに言い聞かせるウサギですが、実は持ってきたのは薬なんかじゃありません。

 唐辛子と塩を糊に混ぜ込んで作ったものでした。

 それを皮が剥げて、剥き出しになった真皮層へ直接擦り込まれるのですから、もはや想像を絶する激痛でしょう。


 ほどなくして、あまりの痛みにタヌキは気絶してしまいました。


「この程度の苦痛、寝込んでいるおじいさんと比べれば、何のことはない」


 泡を吹いて倒れ伏したタヌキを見下ろしながら、ウサギが言います。


「まだだ。まだ、足らぬ。貴様にはさらなる地獄を味わってもらうぞ」


 ☆


 冬が過ぎ、春がやってきました。

 ようやく傷の癒えたタヌキの下へ、今度はウサギが魚釣りに行かないかと誘いにやってきました。

 あの一件から、なし崩し的に冬へと入ってしまい、一冬を飲まず食わずで過ごしたタヌキは哀れなほどに痩せこけており、ウサギの誘いに飛びつきました。


「舟を用意しておいたんだ。君は、どっちがいいかな?」


 池へやってきたウサギは、用意しておいたという二つの舟の前でタヌキに訊きました。

 一つは小さな木でできた舟。もう一つは、それよりも大きな泥の舟でした。


「こっちだ」


 と、迷うこと無くタヌキは泥の舟を選びました。


 大きい方が、釣った魚をたくさん乗せることができると考えたからです。

 それもやっぱりウサギの思い通りでした。


 二匹はそれぞれの舟に乗って、池のほぼ真ん中あたりへ行きました。

 さっそく、釣り糸を垂らしたタヌキの竿に、すぐさま魚が食いつきます。


「おお、釣れる、釣れる! 面白いくらいに釣れるなぁ、ここは」


 次々に釣りあがる魚を前に、タヌキは大満足です。欲張って、とても一匹では食べきれないほどの量を釣りあげました。

 しかし、そうやって喜んでいる間にも、泥の舟は底からゆっくりと水に溶けて、崩れ出しています。次第に、水面が泥で濁り始めますが、釣りに夢中のタヌキは意にも介しません。


 ウサギはその時が来るのを、静かに待っていました。


 ☆


 遂に、その瞬間はやってきました。

 大量の魚と、タヌキの重みに耐えきれなくなった泥舟が、真ん中からぱっかりと割れてしまったのです。


「うわぁ! な、なんだこれは……!」


 池に落ちたタヌキが驚きの声を上げます。タヌキが釣った魚は全部、池の中へ逃げてしまいました。


「あ! 畜生、魚が!」


 忌々しそうな声をタヌキは出しますが、ひとまずは助けてもらうことの方が優先です。


「おい、ウサギくん、この舟はとんだ欠陥品だぞ。早く助けてくれ」


 舟を用意したウサギに文句を付けながらも、タヌキがそう言います。しかし、ウサギは答えません。

 黙ったまま、池に落ちたタヌキを見下ろしています。


「お、おい、何をしているんだ。早く俺を引き上げてくれよ」


 タヌキが催促しますが、ウサギはやはり黙ったままです。


「何だってんだ、どうしたんだよ? まさか、俺ばっかり釣れるから、へそを曲げたのか?」


 どうやら自分を助ける気が無いらしいウサギに、タヌキは仕方なくウサギの乗っている舟へ近寄りました。そして、舟に手を伸ばしたその途端。


 ばきっと、ウサギがその手に持っていた櫂を振り下ろしました。


「ぎゃあっ!!」


 突然の痛みに、タヌキが手を舟から離します。


「何をしやがる、いきなり!」


 そして、怒った声を出しました。ずきずきと痛む手は、どうやら骨が折れてしまったようで、いくら恩のあるウサギとはいえ、とても許すことができませんでした。

 しかし、怒鳴ってもウサギは欠片も動揺することなく、むしろウサギのほうが憤然とした面持ちで、タヌキを見下ろしています。


「なんなんだよ……」


 訳が分からないタヌキですが、どうやらウサギは自分を助けるつもりなどまったくないと気付くと、陸のほうへ向かって泳ぎ出しました。その行く手を遮るように、ウサギが舟で回り込みます。


「……おい、いったい、何の真似だ?」


 タヌキが低い声を出しました。それに、ウサギは答えました。


「黙れ、腐れド外道が」


 池へ落ちたタヌキ以上の憤怒が込められたその声に、タヌキは本能的な危険を察知しました。


「貴様は昨年来、あの畑を荒らすばかりか、ついにおばあさんを手にかけ、心優しいおじいさんを絶望の淵へと追いやった。その罪、その業、天が見過ごしても、決して俺が許しはしない。貴様はここで、その償いをするのだ」


「なんだとぉ? なるほど、なるほど。お前、あのジジイとババアの身内か何かだったのか。それで、仇討ちってわけかい」


 凄みを利かせた声で返すタヌキですが、その実、焦っていました。冬眠から覚めたばかりで、しかも何も食べていないため、泳ぎ続ける体力が無かったのです。


 さて、どうしたものかと考えたタヌキは、一つの策を思いつきました。水に潜って、そのままウサギの舟から離れようという作戦です。


 そうと決まればと、タヌキは大きく息を吸い込んで、水の中へ潜りました。


 しかし。

 そこへ、ウサギの持っている釣り竿の針が飛んできました。いや、それは針などではなく、大きな鉄の杭でした。先端には返しまで突いています。魚が釣れないはずです。


 それを、ウサギはタヌキめがけて投げつけたのでした。


 水の中へ入っても勢いのなくならない鉄の杭が、タヌキの肩に深々と突き刺さりました。驚いて、すぐに引き抜こうとしたタヌキですが、しっかりと返しが肉に食い込んでいて抜くことができません。

 暴れるうちに、辺りの水が血で濁ってきました。大量の息を吐き出してしまったタヌキは、仕方なく水面へと顔を上げます。


 水上には烈火の如き憤怒で顔面を染めた、ウサギが待ち構えていました。


「畜生、畜生が! この、耳長野郎! 憶えてろよ! 絶対に後でぶっ殺して」


「畜生? 畜生は貴様だ。おばあさんの味わった痛みと絶望を思い知るがいい!!」


 言って、ウサギは釣り竿を引きます。抵抗する間もなく、タヌキはウサギの近くへと引き寄せられてしまいます。その頭へ、ウサギは手にした頑丈な櫂を何度も振り下ろしました。


「ぎゃっ! いてぇっ! ぎゃあ! がぼっ、ごぼっ……げは、げは!!」


 満足に息を吸うこともままならないまま、タヌキは振り下ろされる櫂を避けることもできず。ウサギのなすがままです。


「やめ、やめて、くれ……! 頼む、悪かった、俺、が、わるかっ、た!」


 あまりの苦しさと、繰り返し頭を打たれる痛みに、ついにタヌキが命乞いを始めました。


「たす、けて、助けてくれ! たのむ……たすけ……!」


 そこへ、ウサギ渾身の一撃が振り下ろされます。

 タヌキの世界が揺れて、くたりと身体から力が抜けました。


「ちく、しょう……そ、んな……」


 朧げな意識が途切れる寸前で、タヌキは最期にそんな言葉を呟きました。


 ☆


「何が、畜生だ。この外道タヌキが。地獄で永劫の責め苦を味わうと良い」

 タヌキが沈んでいった水面を見つめながら、ウサギが吐き捨てました。

 それから釣竿を取り上げると、沈んだタヌキを引き上げ始めます。


「このまま、暗い水の底で朽ち果てさせても良いのだが。貴様の亡骸は、貴様が弄んだおばあさんへの弔いの供物にさせてもらう」


 ☆


「婆さん……ああ、婆さん……」


 ウサギがおじいさんの家に戻っても、やはりおじいさんは寝込んだままでした。


「終わりましたよ、おじいさん」


 うわ言を繰り返すおじいさんの枕元に立ったウサギは、静かな声で呼びかけました。


 婆さん、婆さんと口を動かし続けるおじいさんの前に、引きずってきたタヌキの遺体を投げ出します。はじめ、それをぼんやりと見ていたおじいさんですが、目の前に置かれたそれが何なのかを理解すると、だんだんと焦点が定まってきます。


「こいつは、このタヌキは」


 初めて、おじいさんの口からうわ言以外の、はっきりとした意識のある声が漏れました。

 それに、ウサギは頷きます。


「そうです、おじいさん。仇を討ちました。残虐非道の極悪タヌキへ、正義の裁きを下してまいりました。どうか、これできちんと、おばあさんを弔ってやりましょう」


「ああ、ウサギさん……わしの、わしらのために」


「いいのです。貴方たちから受けた恩を、わずかばかりでもお返しすることができたのならば、それでいいのです」


 ☆


 その夜、おじいさんとウサギはタヌキ汁をつくって、おばあさんの墓へと供えた。

 一人と一匹は汁をよそった椀を、墓の前で打ち合わせた。

 月の明るい夜だった。春になったとは言え、まだまだ肌寒い中で啜るタヌキ汁は酷く塩辛かったが、寝込みきりだったおじいさんの五臓六腑にしみじみと染み渡った。

 こうして、おばあさんの仇討ちは成ったのである。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


なんなんですかね、これ。書いておいてなんですけど、自分でも困惑してます。

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