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◆業務命令


◆業務命令


ある日の朝早く、俺は課長に呼ばれた。


桃島、忙しいところ申し訳ないのだけど、また新しい仕事が入った。


今度は、佐々木君と鬼退治に行ってもらいたい。


はぁっ?  いま何とおっしゃいました?


ああ、佐々木つむぎ君とキミとで鬼退治に行って欲しいと。


イテテ  一度自分の頬をつねってみた。


どうやら夢を見ているわけではないらしい。


課長、おっしゃってる意味が分かりません。


詳しくは、この資料を見てくれたまえ。


まぁ、要約するとだな。 命懸けの大変な仕事だが、完遂すれば莫大な報酬が入るという事だ。


課長、何か誤魔化してませんか?


いや、たいへん危険を伴う仕事でもあるので、必要なら犬居君、猿渡君、雉田君を連れて行っても構わん。


必要な物があったら買っても良いが、レシートか領収書を貰っておかないと経費で処理できないからね。


あと納期は9月末だから、くれぐれも遅れの無いようにな。  まあ早く終えるには越したことはないがね。


説明は以上だ。 質問が無ければ席に戻っていいぞ。


あの~


あっ、あとコレを持って行け。 そう言うと課長は何やら小さな紙袋を俺によこした。


それから、仕事を辞退する場合は自己都合退職でな。


そこまで言うって事は、既に人事に根回ししやがったな。


ちくしょう、こんなブラック企業だと知ってたら絶対入社なんかしなかったのに!


・・・


それにしても、佐々木つぐみ なんてこの会社にいたっけ?


俺は自席でパソコンを立ち上げ、組織表を検索して確認すると営業3課に佐々木の名前を見つけた。


ひょっとしたら、こいつが今回の仕事を受注したのか?


俺は社内イントラから、佐々木つぐみのメールアドレスをアドレス帳にコピーして、メールを書き始めた。



・・・・・

2053/04/30

お世話になります。


屑山課長から、佐々木さんと鬼退治に行けとの業務命令を受けました。


つきましては、今日、明日でご都合がつけば打合せをお願いします。


技術部1課 兼 施工1課  桃島太郎


以上


・・・・・


よし、送信っと。


メールの返信を待つ間、課長がくれた書類を読み始めると早速、佐々木からメールが届いた。


おう、対応が早いな!


メールを開く。



・・・・・

2053/04/30

技術部1課 桃島 殿


営業3課の佐々木です。


連絡いただいた件、以下のとおり回答いたします。


絶対にイヤです。


もう、連絡してこないでください。


以上


・・・・・



なんだこりゃ?


ひょっとして、佐々木もなのか・・・



2話目に続く・・・


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