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囚人の夢

作者: んたろう

その少年は夢の中で自由だった。夜空を飛んで星を捕まえることもできたし、海にもぐって魚たちと戯れることもできた。鳥と共に歌をさえずったり、森の中で絵を描いたりもした。銀河のほとりで温かいミルクをご馳走になったし、太陽の炎たちと遊んだりもした。夢の中では少年は幸せだった。目が覚めると少年は不幸だった。世界中のみんなが少年を置いてけぼりにした。みんな勝つことだけに一生懸命で優しくなかった。少年は苦しかった。それでも、夜、ベッドにもぐればまた自由になれる、それだけを支えに少年は我慢して生きていた。

その日、少年にとってとても嫌なことがあった。少年は涙で枕を濡らした。夢の中でも涙は止まらなかった。その涙は川となり天の川に流れ込んで水素のように透き通って輝いた。夢の中の住人は彼を慰めた。太陽は、ずっとこちらの世界で暮らせばいいよ、と言った。少年はうなずいた。その日の朝、少年は目覚めなかった。

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