ラストアドベンチャー第二章 魔女~秘宝探しの冒険
ザイールの勇敢な者達の 冒険の始まり!第二章では
五星の秘具や
三種の聖なるアイテムや 黒幕は 魔女サライトマン
そして
竜騎士一族や
妖精とか
RPGらしさを
とことん追求した作品に なりました。
ミレーヌは2人目の毒にやられた人も担いで移動していた。
その時 「ジャスト!ウェイトッ!」
と 声がした。
そこには兵隊蟻が二匹いた。
「簡単には救助活動を やらせてもらえないわけね。
ここで無理に動いて この人の毒の周りを早めても行けないしね」
ズドドドド
ズドドドド
二匹の兵隊蟻がミレーヌ に手持ちのライフルを撃ってきた。
しかしミレーヌはザイール屈指のディフェンス力の高さ&アクロバティックさがあるので ライフルの銃弾を ギリギリまで引きつけて 身体を大きく横に回転させて避ける。
当然担いでる人の安全も確保する動きで。
二度目のライフル攻撃は 身体を 軟体生物みたいに 後方に反らして避けた。
担いでる人にも当たらない 天才的 いや 芸術的な配慮で!
その後は 少々手荒だが患者を担いだ状態で ホップ ステップ ジャンプして その場から 離れた。
「手荒な真似して ごめんね〜敵の相手をしていたら毒のまわりが早くなる、
怖々と進んでいても毒のまわりが早くなる こうするしかなかったの」
3人、4人と 軽度の毒にやられた人々は全て馬車に移動させて なおかつ薬品倉庫からも毒消し箱(ワクチンとか詰める瓶のようなもの)を馬車の前で見張っていた兵士に渡せた。
そして その後の判断も まだピンクの呼吸の効果があるので
神業チックに ビビビッと降りてきたようだ。
「ザンボ
大ピンチじゃない!助けなきゃ」
何頭もいるビッグベアの攻撃に防戦一方の斧を振り回している兵士の援助に入ったミレーヌ 。
「ミレーヌ様、オレが不甲斐ないばかりに 申し訳ありません」
「そんなことないよ。 君は よくやってると思うよ。
一人で何頭もビッグベアを相手にしてるなんて」
ビッグベアの攻撃を ピンクの呼吸の効果の継続により よく見えているミレーヌは容易にかわす。
そしてビッグベアの隙が一番出来ると思われる足元を狙ってローキックを ぶちこむ。
「妻に必ず俺は生きて この城を出ると約束したもんな
こんなとこで死んでたまるかー」
ザンボはミレーヌのローキックに怯んだビッグベアに 命中率100%の 渾身の攻撃で 上から真っ二つに裂かれる。
ミレーヌの加戦によりザンボも死なずに済むという感情からなのか 笑みを浮かべていた。
一方でアランは 各部屋や廊下をダッシュで見回っていたが
雑魚モンスターの兵隊蟻だったので容易に弓矢技で駆除できた。
思ったより早く宴会場のそばの「中庭」まで戻ることができたようだ。
「蜜密」の術を使った魔道士ロムは 兵隊蟻を20匹(全員)集めて兎型モンスターと戦闘中のDr.ロボの所に辿り着いた。
そして ロムの変な手招きにより
兎型モンスター達は Dr.ロボとの応戦をやめて ロムの術に吸い寄せられるように中庭まで移動してきた。
Dr.ロボがいるところは中庭にも 近いので Dr.ロボも テクテクと 奇妙な音を立てて
ダッシュで中庭の方に走った。
ウワ……ウサギタチ トノ バトル ダケデモ
タイヘンダッタノニ
ロム
ナンテコトスルンダ
ヘイタイ アリガ
ナカニワ二
ウジャウジャイルネ
とDr.ロボはロムに言った。
「へへへへっ 吾輩は闇雲に 兵隊蟻を術で集めて ここにきたわけじゃないでごわす。
あれを見たまえ Dr.ロボくん」
手に持っているロッドを向けた方にDr.ロボが視線を向けると いつのまにかアランが 紫のオーラに包まれつつ
必殺の全体攻撃向けの 技のモーションに入っていた。
ナイス
タイミング デアルノダネ
Dr.ロボと魔道士ロムは あえてアランの全体攻撃が当たりやすいように 兵隊蟻や兎型モンスターを紫のサークルが広がっている部分におびき寄せた(紫のチャクラで練られたサークルが 攻撃範囲という イメージ力も必要な全体攻撃)
大きな紫のサークルが光ったと思ったら
そこから 大量に紫の弓矢が飛んできた。
Dr.ロボと魔道士ロムはサークルの中央にいたが ロムの「瞬間イリュージョン魔法」により
紫の広く 大きなサークルから瞬時に脱出できた。
そして ロムらが脱出した瞬間
アランの全身全霊を込めた全体攻撃が 兵隊蟻や兎型モンスターに襲いかかり
それらのモンスターは一掃された。
一方でレックスは まだ王と激しく 立ち向かっていた。
はぁはぁはぁ 王って こんなに強かったのか!?
レックスは 怪訝な目で王を見た。
「もう終わりか?」
はぁーーーっ!
王の姿をしたものの気功のような掌からの風圧でレックスは近くの壁まで吹き飛ばされた。
#漫画本にあるイラスト参照あればな
バコン
壁ごと吹き飛ぶレックス。
ミレーヌはビッグベアをザンボと共に倒して ザンボを馬車まで送り届けた。
「ザンボ、あなたは生きるのです。お腹の赤ちゃんのためにもね。
奥さんにもよろしくね」
「ありがとうございますミレーヌ 様。」と 満身創痍だけど希望の光がこもったような満面の笑みを浮かべたザンボ。
「生き残った人たちは我らが馬車に乗せバランまで 送り届けます。
ご安心を!」と馬車の所で待機している兵士の一人が言った。
「あとは頼んだわよ」
ミレーヌは そう兵士に言い終わるとか
デビラーの元に 駆け抜けて行った。
ピンクの呼吸もきれたせいなのか
後遺症なのか よくわからないが
一気に疲れがきたミレーヌ 。
(どうしたんだろ…… なんか急に力が……でも
レックスらと剣を交えてるパパのところに行かなくちゃ)
どうしても足元がおぼつかないミレーヌ 。
ピンクの呼吸の効果も もしかして少しは残っているのか??
先ほどミレーヌが倒した兵隊蟻の持っていたライフルを杖代わりにして ふらつきながらレックスのもとへ足を進めるミレーヌ 。
「パパが なんで あんなに なったの??
話をしたい……
レックス 無事でいてね」
城内だけでなく城下町にも侵入していた魔物達と戦っていたのはザイールの兵士達と神官マーサだった。
負傷者を浮遊させて 無理ない移動&援助の魔法を唱えてるのはマーサだった。
マーサも 自分の役割を果たしていた。
マーサは攻撃魔法も少しは使えるが 城下町に 入り込んできた 兵隊蟻らを倒しているのは主に兵士達だった。
「マーサ様
城下町に忍び込んだ魔物は全て倒しました。」
一人の傷ついた兵士が報告にきた。
「よくやった。 あとは負傷した人々を ここに連れてきなさい。 残りの魔力を全て傷ついた人々を回復することに努めたいので 早急に……頼む」
なんとか魔力を回復させるために 魔法放出で疲れ切った身体を回復させるために 首を回したり前屈したり 身体をほぐしているマーサ。
そんな時
突如 門の塀を 何かが 飛び越えてきた。
マーサは負傷者を回復させなければいけないので 回復魔法を唱えるため 掌のエネルギーを逃さないように配慮しつつ
塀の方を睨んだ。
そこには 人間の2倍以上は あるような 巨大なパンケーキが現れた。
そして 3人組のアイドルユニット風な女性が現れた。
#イラスト使う
あまりに美味しそうな香りと見た目のパンケーキ
あまりに可愛くてフェロモンたっぷりの3人娘
マーサは まだ横になっている怪我人もいて回復をしなければいけないが 中断して 突如
周りにいる人々に こう言った。
「あれらは ほんとに魔物なのか?!
なんだか 3人娘は にっこりこっちを見て微笑んでるし
パンケーキ型の異形主は 固まって 攻撃の意思もないように思えます。
どなたか様子を見てきてくれませんか?」
3人娘には 兵士が 何しのかを問いに歩を進めた。
しかし3人娘は テンプテーションの術を使ってるのか
兵士達は やたら
その娘達と いいことしたいと思惑してるようだ。
巨大なパンケーキは 誰かのイタズラなのか?!
大きなお皿に どう見ても 美味しそうなパンケーキが
置かれてあるようにしか見えない。
バターの芳香な香りがマーサの所まで漂っている。
メープルシロップの甘くてそそられる香りは
先ほどマーサに回復させてもらった 女性たちを虜にしたようだ。
傷も治ったことだし ふわふわなのか 固いけどかみごたえある系の生地なのか 言い出して
女性たちはパンケーキに近づいた。
「私達、よっち、のしゆか、まーちゃんです。」
「3人合わせて 愛と笑顔と 最高のパフォーマンスをお届けします。」
「3人合わせて performです。」
3人娘は そう言った。
そして 急に
「極楽浄土」
という曲を 踊り出した。(みうめ・メイリア・217が現実にも歌っている曲)
3人 が 和楽器のようなEDMのようや ダンスや歌で魅了しまくる。
巨大なパンケーキは 普通に二人の女性たちに
美味しく食べられてるようだ。
「このパンケーキ、神ってる〜
超絶うまい! このメープルとバターが
生地を爆上げしてるわ」
「これ 二人では 食べきれんね。
マーサ様も 兵士様も こっちにきて
一緒に食べませんか???」
「極楽浄土」を歌って踊り終えそうな 曲の二番のサビの部分で よっちがこう言った。
「いかがでしたか?私たちperformのステージは?」
続けて のしゆかが 言った。
「兵士さんたち このあと
もっといいことしない?
いいことしたいから
もっと近くに来て欲しい」
兵士達は 警戒して 元々距離を取ってたが performの3人に更に距離を詰めていった。
すると のしゆかが 叫んだ!
「全てにおいて 最高に いいことがある場所
すなわち 極楽
極楽浄土に 行くのは キサマらだーー」
3人娘は 急に魔物の姿になって 兵士達を攻撃した!
さらに巨大なパンケーキは
ある程度
二人の中年女性達の食を
味と香りで
満たせるだけ満たしたかと思うと
急に魔物の姿になり
女達を鋭利な牙のようなもので攻撃した。
うわおおおお
おおおおっ
ぎゃああぁあ
な、なんでーーーー
「油断した くそったれめ」
兵士の何人かが その豹変ぶりに 激怒しながら
魔物に斬りかかった。
だが 巨大なパンケーキに挑んだ兵士は軽くパンケーキの繰り出す体当たりで
2m後半にある木まで 弾き飛ばされた。
2人の兵士の槍や剣の攻撃は 確かに
面白いように performにあたるが
彼女らに攻撃は 対して効いてない。
「少しは痛いけど まだまだね」
あっという間に 返り討ちにされる兵士達。
負傷者も多く出てしまった。
しかし
マーサは やられた人々を助けなきゃいけない。
「私は回復に徹したい。今 こやつらによって負傷した人々を救いたいから。
だが……こいつら 今までの雑魚モンスターらとは桁違いに強い
そして やばい くそっ ここで私達が なんとかしないと 城下町も 被害が」
絶体絶命かと思われた
その時に 西の方から
強い風が吹いてきた。
な、なんだ
この暴風は?!
春一番?
モンスーン?
敵も味方も 不可思議な風の正体を気にしてあちこち見回した。
(なんだ?! この気配……)マーサは なにか とてつもないものを感じたのか
前後左右見渡したが 誰もいなかった。
「はよきづけや ボケが !
みな おもろないなあ」
城下町入り口の和の雰囲気の塀の上に
1人の少女が変な看板と バカでかい風呂敷を背負って
立っていた。
夜空に浮かぶ満月と空を覆う藍色の世界に
幽玄さと滑稽さを醸し出しているように 周りにいた者たちは その少女を眺めた。
「あなた様は 最近 砂漠に存在するサンドウォームを 風の魔法で 懲らしめ なおかつ 風魔法を 伝授させたとか
どうのこうの?? シル フウさんですね?」
と マーサは 怪我人を回復させながら少女に言った。
少女は 塀の上で 足をバタバタさせながら いかにも 落ち着かないそぶりで答えた。
「おっさん なんか はっきりせえへんなあ
その しゃべり ムカつくねんな。
まぁ 言ってることの半分は おおとるからええけどね。
シル フウって
そこ ためるとこ ちゃうで
汁風やからね。
あたい四大精霊の1人の 汁風やねん」
「汁風様でしたか 私としたことが 見た目?!もとい 想像の斜め上を言ってる姿に 吹き出し? もとい 感服いたしまして ご無礼なことを申してしまい 申し訳ございません。」
とマーサは言った。
「おっさんなぁ
あんなぁ〜…………
あんた 絶対モテんタイプじゃろ?
褒めてるつもりでも 時々ウチをディスってるで?おもろないなあ。
まぁええけど。 てか あたいなあ今日の23時58分に この大陸の遥か西の南の方にある「メルヘンの館」に いかなあかんのよ。
メルヘンの館の主 白天童子に呼ばれてるやわ。
時間ないけん 手短に あんたら人間を 助けてあげるわ。」
汁風は 高い塀から 荷物も看板も 持ったまま ふわりふわふわと
スローに着地した。
「風の精霊が 何よーー あたしらが 相手してやるよ」
performの3人と巨大なパンケーキが 汁風を 取り囲んだ。
「まぁまぁ そんな かっかせんといてや。
これでも 食うて
落ち着きなはれ」
汁風は風呂敷から 「豚汁」「団子汁」「すき家の味噌汁」の入った汁スープの硬い容器を performに渡した。
「のっち 豚汁好きなんよねー」と のっち。
「魔物だってグルメだもん 」と まーちゃん。
「すき家の味噌汁 めっちゃすきやーー」と のしゆか。
バトル前に 汁風が performに 汁容器を渡してるのを見て
明らかに 物欲しそうなオーラを発している巨大なパンケーキ。
「パンケーキなのに?腹減んの?
じゃあ お前さんには
大阪の ちとせ って うどん屋の 肉吸い汁でも 飲むか?」
コクリと うなづく パンケーキに ちとせの肉吸い汁の容器を渡す汁風。
そして魔物達は 美味しそうに スープを飲んだ。
うんめーー
マジ バズるよ あとでTik Tokとかに その喜びを撮ろうよ
とか 魔物達は 大はしゃぎ。
そして第2ラウンドが スタートするのか?
魔物達が 再び身構えた途端に
バフゥーーー
とんでもない竜巻が 魔物らの前に現れて魔物らは
その竜巻に飲み込まれた。
「あたいは 汁風だけに あたいの提供する汁を
飲んだものは
極上の味で 笑顔になれるけど
そのあとは
世界のどこかに 吹き飛ばされるねんな。」
と 言って ゲラゲラ笑いだした。
#シルフ現れる
一方でミレーヌは ようやく ふらつきながらレックスのもとに到着したようだ。
ちょうど アランも ロムらを馬車に送って
レックスのいる所に 疲れで ぜぇぜぇ言いながら辿り着いた。
「これからが 本番だ! オレ様達の美しき連携プレーをとくとご覧に入れましょう。」
すでに満身創痍なのに 背筋をピシッと伸ばし
髪をかきあげて王の姿のデビラーを睨んだアラン。
「お前たちは よくやった。
ここまで頑張ったんだ。
あきらめるな
今は 見極めて 退却しろ!
見極めるなら 今は見逃してやるけどなぁ
はっはっはっ」
「見極める? それって あきらめろってことじゃねえの
せっかく三人で連携して おめえを倒せるとこなのによぉ
あきらめてたまるか」
そうたんかをきったレックス。
「アラン にミレーヌ におまえ たちフラフラじゃねえの?
無理すんなって 。
あきらめるな
今は見極めて全員退却すりゃあええのに
まぁ レックスに続き雑魚が2人増えたところで おまえらが見極めないなら ここでのお前たらの死亡フラグは確だがな。
と ふてぶてしい顔で笑う王の姿のデビラー。
「パパ なんで
なんで そうなったの?
元に戻ってよ
お願い」
とミレーヌは叫んだ。
「ミレーヌよ……その問いは
あと1分後にわかるぞよ」
王に化けたデビラーは 柱時計を指差した。
ミレーヌは「あと1分後に 何がわかるっていうの?」と言って首を傾げた。
「なんかわざと 防御に徹している から 怪しいとは思っていたが この後
なんかあるんだな」と
レックスは 疲れもあるのか 剣を地に少し刺して 呼吸を整えながら言った。
「魔道士ロムは 家族が待ってると言ってたしDr.ロボは今後の医療のために必要なので馬車に 送ってきたが
それは正解だったかもな。
なんか とてつもない
オーラを感じる」
アランは 王以外の気配を感じたらために左右を しっかり凝視した。
そんな時に
宴会場の真ん中に
黒い煙が発生した。
ゴホッ
ゴホッ
なんだ
なにが起こってるんだ。
と レックスらは 宴会場の 不気味な煙を払った。
その不気味な煙が なぜか不規則な形で動いているではないか!?
(???!??!)
ミレーヌは 不意に現れた謎の影に 動きが膠着した。
だがデビラーは不敵な笑みを浮かべている。
やがて それは人影となり、一人の女性に なって姿を現した。
それは 青い全身の肌と 高級そうな飾りを 装備している30歳くらいの女性だった。
#イラストすでにあるもの
濃いメイクが 顔を 埋め尽くし 邪悪というか とてつもなく神々しいオーラが満ちていた。
その突如現れた女に対し 王に化けたデビラーは近づいてこう言った。
「魔女サライトマン様
時間通り お越し下さり ありがとうございます。
私は王ザイールの体を乗っ取り、ザイールの城の者達の多くを抹殺しました。」
魔女に深い礼をしたと思ったら
王の姿のデビラーは
おかしな呪文を唱えた。
「予想外 ナイスガイ!元の姿 ナイスガイ!」
おかしな呪文を唱え終わった途端に 王の姿から元のデビラーの姿に戻った。
レックスらは その様子に
固唾を飲んでしまう。
こみ上げる怒りに我を忘れて攻撃したい気持ちになるのが普通だろう。
しかし魔女の登場で不思議なオーラにより
なぜか
すぐには攻撃できず 身構えるだけ身構えて様子を見る形となったレックス達。
「よくやったぞ!デビラー 妾は多忙を極めています。
これから異世界へ行き 魔物を集めてくる業務が待ってる。
我が天空城は まだまだ 未完成。
多くの魔物を 我が魔力で 覚醒させ我が 城で 働いてもらいたい。
そして この世界を妾が支配するのだ。
」
「このオレ デビラーも サライトマン様の魔力によって
元魔物討伐ギルドの平凡な盗賊でしたが
このような魔の力に覚醒してくださった事を感謝しております。
あなた様の お役に立てるよう 明日にでもザイール城下町を滅ぼし 近いうちにバラン王国も 滅ぼそうと思います。」
と デビラーは 悪辣な発言を して魔女サライトマンを喜ばせようとした。
「デビラーよ……あなたに妾の強烈な魔力を注いで
肉体も精神も大覚醒させたのは
間違いだったのかもしれません。
妾は 世は支配したいが
そんな残虐さは 求めてないのです。
ザイール城下町とバラン王国の支配は許しません。」
魔女サライトマンの発言は デビラーに とって拍子抜けだったのか デビラーは 1人ぶつぶつ文句を言ってる。
あぁーっ 破壊活動してぇのに
もっと盗みを働きたいのに
なんでぇ なんでぇ
まっオレ様を覚醒させてくんさったサライトマン様のお言葉なので 守りやすが……
アランは 魔女サライトマンが諸悪の元凶かと思ったのかる弓矢をサライトマンに射る動作をした。
それに反応したサライトマンは
瞬間移動させて
一瞬で 10m以上離れたアランの 目の前に現れて
魔女は意外な一言を言った。
「デビラーは もともと力を求めてましたが こんなに凶悪な形で覚醒するのは 妾の検討違いでした。
すいません。
今は あなた方と戦う意思はありません」
そう行って 宴会場の端っこに さささ〜っと風のように移動して椅子に座り テーブルに置いてあるハイボール系の飲み物のグラスを手にしたサライトマン。
「高みの見物と行こうかしら」
と サライトマンは ハイボール系の飲み物を口にした。
レックスやミレーヌは 魔女サライトマンの急な出現や
まさかの今、ハイボールなんか飲んでる意味不明な魔女の行動に
困惑してる。
キ、キサマーーー
や やはり王様を殺害した張本人だったか
許せん!
ぜったいに許さねえ
デビラーに向かって凄まじい殺気を込めて構えるレックス。
しかし レックスの構えより先にミレーヌはデビラーに突っかかる。
「話は聞かせてもらったわ! よ、よくも パパを 許さない 許さんぞ~っ
うわあああああ」
と ミレーヌ は叫んだ。
そして
父親を殺された怒りを込めた一撃を
向けて放った。
「ぬるいわ!」
渾身の力を振り絞って放った拳をデビラーは笑いながら かわした。
しかしミレーヌはデビラーに狂ったように追撃するがミレーヌの
怒りで 大振りになった攻撃を
腕を交差しながら 「はぁああああぁ」声を発しながら
身体中に力を入れて耐えるデビラー。
「チャクラのエネルギーはたまったーーっ!
奥義・セブンチャクラバースト!」
ミレーヌ の連打に面食らっているデビラーの背後に
奥義がヒットした。
ぐっ 人間風情が
生意気な……
レベル10程度のものが
レベル30以上の このオレを
ぐらつかせるタァ
レックスよ やはり お前は 今は この状況を見極め
退却して 出直してこないか?
はっはっはっ
「余裕ぶっかまして高笑いするなんぞ 下品すぎて ヘドがでるぜ……デビラーよオレ様も いるってことを忘れんなよ
アランは
弓矢を魔力で 超巨大な一本の弓矢にしてデビラーの がら空きの背後を狙って射た
「ちぃーとばかし油断して戦ってたら
調子に乗ってからにぃ
しかし
おめえらの潜在能力は
気に入ったぞーー」
デビラーは 興奮し吠え気味に そう叫んでアランの魔力で巨大化した
弓矢技も かわした。
「普段の2倍の速度の ビッグアローンを
かわした だと……くぅ……
オレ様 美しくない
悔しいなぁ 」
はははっ 人間風情が
身の程知らずが……
並みのモンスターとオレは次元が違うのだよ。
見極めなさい。
今なら撤退を許すから
「見極わめは まだ早い!てか あきらめない
それがオレ様の美学!」
アランはデビラーに眉間のチャクラを激しく藍色に光らせながら叫んだ。
「フッ あれをやる気だな」
その技はアランの秘奥義だと知っていたレックスは
立ち上がって腕を組んでアランの技がデビラーに当たることを確信しているようだ。
「オレ様の天才的な この技からは キサマは逃れられんぜ
くらえ 千里失神速撃」
どこに弓矢が そんなにあるのと思わんばかりの大量の弓矢を
アランはデビラーに 向かって 放った。
魔力で増殖された弓矢は
集中豪雨が 襲いかかっているかのようにデビラーを取り囲み
1分以上、デビラーが見えなくなるほど大量の弓矢が降り注がれた。
「オレの前でも 危険すぎて
使ったことがない あの禁断の技を
ついにアランは やりやがったな。
ちっ!
勝負師の勘が
鋭いやっちゃなあ アランは」
と レックスは 短絡的にも
勝利を収めたかのように技のモーションを 解いたアランに微笑んだ。
弓矢の山のような形が
パラパラと 崩れ去った。
しかし
デビラーは
多少なりとも傷を負いながら
ガードオーラで 耐えていたようだ。
「何ぃ〜!あれだけ長い時間、悪魔のような弓矢の山を
ぶちかましたはずなのに……」
いよいよ意気消沈するアラン。
「フハハハ アランよ まだまだ下等レベルの特級兵士にしてはよくやった。
ご褒美を くれてやろう
異次元の世界を さまよってもらうぜ」
アランは デビラーの術から逃げようとするが 危険なデビラーのオーラに気圧されて
なぜか身体が動いてくれない。
「ターンマルマン~」と 不思議な魔法を唱えたデビラー。
アランの体は宙に浮いた。
そのあと 不思議な球体がアランの身体を覆う。
「どうなってやがる!くそっ身動きできない!」
「そこまでだ弓矢使いよ。
デビラー奥義 デビラーボムを 食らわせてやる。
はっはっはっはっ」
「う、動けない……ミレーヌ
レックス
オレ様 死ぬのか??
うわーーっ
助けてーーーーー」
ミレーヌ もレックスも 助けに行きたいが
なぜか 不思議な怪現象磁波を
デビラーが 発生させているので 身体が動かない。
(友よ……助けなきゃ しかし 身動きがとれん)とレックス。
(パパだけじゃなく アランまで失うなんて
それはぜったいに避けたい でも でも 動けない)とミレーヌ 。
「あと5秒で アランの身体は 粉々になるぜ
ごーー
よんーーー
さんーー
にぃーーー
いち
くたばれーっ」
デビラーが 魔力をアランに爆発して技を完遂する瞬間
まさかの展開になったのだ。
宴会場の端っこから
謎の光の球体が出現した。
端っこでドリンク片手に見学していた魔女サライトマンが謎のエネルギー球体を放出し
アラン包んだ。
「ミラクルワープ」
と魔女サライトマンは叫んだ。
いつのまにか 宴会場の天井に出来ていた謎の空洞に
アランは吸い込まれていった。
「アラン 今は まだ死ぬ時ではない
これで逃げのびよ」
と魔女サライトマンは言った。
デビラーは なぜ魔女サライトマンがアランを謎の空洞に送り込んで 自分の技から助けたのか 不思議でならないようだ。
「アラン アラーン!」レックスは 消えていった アランの方に向かって大声で叫ぶ。
「アランは無事です。
この世界のどこかに 飛ばしましたが どこに飛んだかまでは
わかりません」とサライトマンは言った。
「サライトマン様……せっかくのオレ様の奥義が……
なぜ アランを助けたの〜?
はぁあ 」と ガックリと肩を落とさながらデビラーはサライトマンに言った。
レックスやミレーヌ は 突如現れた魔女サライトマンが 一体なにをしたいのか 分からず
躊躇いを隠せないようだ。
「妾 やデビラーと互角に 戦いたくば、五星の秘具が必要です。さらに三種の聖なるアイテムが必要だ。
さもなければ
デビラーにも 勝てませんよ。
当然 妾にも。
強くなってから 妾は そなたらと拳を交えたいのお。
デビラーが何度も言ってたように今は見極めてほしいですね。
でも あきらめないで」
と 魔女サライトマンは 言った。
「サライトマン なぜ あなたは
オレ達に そんなヒントを今 話すのだ?」とレックスはサライトマンを睨んだ。
「理由は言えません。
ただ
見極めるのと あきらめるのは違うということは 今後もおぼえていただきたい。
あなた方は あきらめるな」と 魔女は言った。
(魔女サライトマン……パパを殺したデビラーと違い
なぜか 温かいオーラさえ感じる
この人いったいなにがしたいんだ?
しかも この人、どことなく普通の人間のようなオーラも感じてる なんなんだ?)
ミレーヌ は 魔女サライトマンの意味不明な動きに疑問を抱き
様子見に徹しつつ思考を張り巡らせていた。
「レックスらよ!
今は退却しなさい。
見極めていただきたい。
実力の差がわからない馬鹿者じゃないはず。
今の力で デビラーには到底敵いませんよ。
デビラーは この者達を逃がしてさしあげなさい。
妾は 野暮用があるので
今は失礼します。
またお会いしましょう。
それでは 御機嫌よう」
けっこう自分勝手な発言しながらサライトマンは
また黒煙となり
姿を消した。
「なんだったんだよぉ〜」
レックスは 思わずストレートパンチのモーションをとった。
「魔女サライトマン様は おめえらを逃すよう言われたが
オレ様は
それを聞くわけにゃあーいかねえ。
せっかくの獲物なので
ズタボロにしてやるよ。
」
血に飢えたデビラーは 魔女サライトマンの命令にも
背き レックスらに 再びファイティングポーズを取った。
「上等だぁ
ここでオレも お前と決着をつけたいからなあ」と剣を身構えるレックス。
いかにも あきらめを知らないそぶりを取るレックス。
「ピンクの呼吸の効果もきれたので 最善の方法は
取れてない私、でも
今の私の判断は
ここで パパの仇を取ることさ。 見極め? そんなん知らないわよ」
ミレーヌも拳をデビラーに向けて叫んだ。
ドタドタドタ
中庭の方から 満身創痍の神官マーサーと
精霊の汁風が入ってきた。
「遅くなり申し訳ありません。城下に現れた魔物達も
精霊様の活躍により
全て排除してきました。 」とマーサーは言った。
「マーサー 無事だったのね」とミレーヌ 。
「す、すごい助っ人 じゃねえかよおーー
あの四大精霊の1人
汁風様 が ここに おいでなすったあ」
強力な助っ人に小躍りするレックス。
「ウチを 連れてきたのはええけど あんたらは
このツワモノに かなわへんから
あきらめや。
人間、あきらめが かんじんやでーー」
「汁風様だな! ちょうどいい加戦してほしい」
「ちょっと ウチ 今から行くところあんねんから
ウチと五分五分くらいの その おっさんとは
戦ってられんのよなぁ。
申し訳ない
だから あきらめやーー
あきらめって時に大切やで」
「あきらめねぇオレはあきらめねえ」
「レックスと同じ」
あきらめ肝心言うとるのにきかんやっちゃらやなぁ。ほな強制的に ウチの友達のところに送ろうと思うねんけど ええかぁ?」
「私も お供しますし 今は汁風様に従いましょう」とマーサー。
「四大精霊様ねぇー 土の精霊とか 相性悪い精霊だと油断してたら オレ様の方が部が悪い場合もある。
だが今のオレ様なら 悪いけど 風の精霊様には負ける気がしねえよ」
「だよねーーー
だからウチは 見極めるねん。
ほな
ウチの特大風魔法で
まずは
みんなから
吹き飛ばすでーーー」
「それは許さねえ」
ちょうどレックスやマーサーやミレーヌ が三人束になってるのを視覚で確認した
デビラーは 掌に真っ黒な気の弾丸を 作りあげ
三人に 技を放った。
黒閃球地獄ーーーー
「あの技は 今 レックスや
ミレーヌ やマーサー、
が くらったら お陀仏になるわいなあ。
ほな そのシナリオ、ウチが かえてやる。」
汁風はレックス、マーサー、ミレーヌ
がデビラーの
暗黒の波動弾が 届く刹那
背負っていた 風呂敷を広げて 声高に叫んだ。
「333呪術の紙飛行機!」
巨大竜巻が ミレーヌ らを包み込んだ
その竜巻から 発生した
1人につき1台?
呪術で練られた紙飛行機がミレーヌ 達をのせて
猛スピードで
その場から 脱出することができた。
「助かったーー! 」
「呪術の力で 私達どうやら浮いてるようです。」
とマーサーは紙飛行機の紙を調べた。
「行き先は設定されてるようね。
だんだん砂漠が見えてきた。」
ナンマンダーのいる ザイールの祠に行く流れにする。
天空の祠
(地上に降りるためには 火雲エスカレーターという雲に乗ると地上に戻れる
第1章完
和風な赤い鳥居が数十は連なった場所。
黄金の国ジパングの旅人が その昔
ここに来て建築したので
この祠は
和風な建物があり石段もあるようだ。
石仏なのか!?
石で造られた人の顔をした像も数十体は置かれている。
木造造りの 祠からは ザイール砂漠も見渡せる。
標高もザイール城より数百mも高いので空気が綺麗だ。
先ほどまでの生死のやり取りをしたザイール国も見渡せる。
遠くにはバラン王国も見渡せた。
祠の天井には 鳥のようなモンスターや海のモンスター、砂漠の中で最も恐ろしいモンスターのサンドウォームなどの絵が たくさん飾られてあった。
祠にマーサの魔法で 辿り着いた二人は
しばらくして目を覚ました。
「うっ……ここは ザイールの祠ね…
パパの仇……きっといつか とってみせる。
そのために あたし
もっと強くならなくては だから くよくよしてる暇もないか」
ミレーヌは呟いた。
その後レックスも目を覚ました。
「はっ いつのまにか こんなところに
くっそぉ くそーーっ」
「落ち着いてください。今は 奴を倒すために特殊なアイテムを探すことが先決です」
悔しくて仕方ない様子のレックスに 冷静な言葉で語りかけるマーサ。
アラン お前なら無事だろうな
また 一緒に修行しような……
レックスは小声で呟いた。
その後 一向はマーサの大きなバッグの中に畳んであったコテージを使って 眠ることにした。
大きなバッグの中には 少なからず食材も用意しているようだ。
「朝は この食材で ちょっとした料理を作るので 楽しみにしててくれたまえ」
と マーサは言った。
ミレーヌ は 無言で 何の言葉も出てこない。
やはり城内の出来事が 衝撃的すぎて 相当 ミレーヌ の心にダメージを与えているようだ。
「長旅になるので 今は 休め
ミレーヌ 」
落ち込んでる ミレーヌ に 声をかけて 横になるレックス。
いつのまにか 皆 横になっていると眠っていたようだ。
レックス達は
夜も明けて 朝の光が差し込んでまぶしかったので目を覚ました。
「うっ 目が覚めた」
レックスは、飛び起きた。
「パパ……私が あの時 付いて行ってあげたら パパは死なずにすんだのに…くっ 」ミレーヌも 目を覚まして すぐに ザイール王が 自分が守れなかったことを思い出し涙を流した。
「二人共 よく寝れたようですね。とりあえず朝ご飯作ったんで 食べましょう。
ミネステローネとフレンチトーストを作りましたんで召し上がれ。」
マーサは 密かに料理を作っていたようだ。
「マーサ あなたの料理は なんでも美味しいもんね。
悲しんでばかりいられない。
気持ちを切り替えなきゃね。」
まだまだ悲しみをひきづっているが ミレーヌは 元気そうに振る舞うよう努めた。
「デビラーに魔女サライトマンに 奴らはデタラメな力を持っている。
デビラーにオレ なんもできんかった……
そして魔女サライトマンは デビラー以上の魔力を はっきりと感じた。」
レックスは ミネステローネをスープで すくいながら 眉間に皺を寄せた。
「五星の秘具と 三種の聖なるアイテムが あれば デビラーにも勝てる可能性は あると思います。」
マーサは レックスらに いきなり謎めいた発言をした。
「あっ 昨日 マーサが特殊なアイテムを なんちゃらって言ってた事を思い出したわ。 そっか…五星のなんちゃら? 三種の聖なるアイテム? それらを手に入れないと奴らには勝てないって事だね?」
レックスはマーサに 聞き返した。
それに対してマーサは ゆっくり質問に答えた。
「五星の秘具は、星と文字が刻まれているし 三種の聖なるアイテムには神と刻まれているらしい。
世界の どこかにあるらしいが とりあえず この砂漠を越え エスラーの城へ向かいましょう」と マーサは言った。
「五星の秘具に三種の聖なるアイテム待ちし者は神人となる……確かに私が小さかった頃 パパから聞かせてもらったことがある。
でも それらのアイテムを全て手に入れるためには 文献によると何個命があっても足りないらしくて」
食べて少し落ち着いたミレーヌは 困惑した表情で言った。
「うだうだネガティブな事を考えても ダメっしょ!
ここは 地理に詳しいマーサに道案内してもらおう。」と
レックスは 言った。
「とりあえず砂漠地帯の城に なんらかの秘密アイテムが眠ると この文献には 書かれてあります。
砂漠を 彷徨う形になると思うが 砂漠の向こうの城の方に行きましょう。
エスラータ城に何か手がかりが捕まるかも?
」と
本を読みながらマーサは レックスらに言った。
「なら エスラータ目指そうぜ! マーサが いるので心強い」
「ただ砂漠を超えるのは この熱さですし
なかなかシビアかもしれません。
下手すると この天井絵にあるようなサンドウォームに遭遇するかもしれませんし」
祠の五十程ある天井絵の一つ サンドウォームの絵をさしながらマーサはレックスらに言った。
(サンドウォームは風の精霊の汁風のご加護があるとかないとか……攻撃力より 吸引力とか 想像以上らしい
出くわしたくない
キモいし
色々な意味で)ミレーヌ は不安な気持ちを口に出さず脳内で反芻していたようだ。
レックスは マーサを先頭にして ミレーヌ とともに後方を歩く形となった。
砂漠にも 火吹きトカゲとか ファイヤードールなどのモンスターが出現しやすいはずだが
その日は全くモンスターに遭遇しなかった。
数時間 砂漠を歩き続けたが 全然 城にも たどり着かない。 水も食材も底が尽きてきた。
「うわぁっぷ 暑いぞ!まだかまだエスラータに着かんのか?」
「男なのに弱音は吐かないの!」
「だって マジ死にそうなんだよ ミレーヌ」
「もうすぐですぞ。
この匂い この風、この歩いた感覚、私には わかる」
何度も砂漠を歩いたことがあるマーサは確信があるのか
レックスらに力強く言った。
それからマーサの言う方角に三人が砂漠を歩いていると
砂嵐が発生した。
「うううっ 砂漠歩きにはつきものみたいだけど
前が見えにくいわね」とミレーヌは言った。
砂嵐の後に
軽く地面が揺れた。
「はっ?地震?」
レックスは 地震かなと思ってあたりを見渡した。
すると
大きな 動く山のような芋虫のような 物体を発見した。
大きな口を持つ 体長15m以上はある サンドウォームという 砂漠の主が そこにいた。
サンドウォームは いきなり 大きく 息を吸い込んだ。
「気をつけろー
踏ん張れー」
レックスはミレーヌとマーサに 大きな声で 注意を促した。
なんて 吸引力なのだろうか
レックスやミレーヌはフィジカル 体幹力があるから
サンドウォームに吸い込まれずに 耐えれていたようだ、
しかし体幹の弱い マーサは バランスを崩して
一気にバケモノの口の中に入っていった。
「マーサさん!!!!」
ミレーヌは 叫んだ。
マーサを口の中に入れ 次に大きく息を吐いてるサンドウォームを見てミレーヌもレックスも 呆気にとられている。
そのあと サンドウォームは 何を思ったのか 胃の中に入れたはずのマーサを 勢いよく口から吐き出した。
ぶはーーーっ
マーサは
遥か彼方へ吹き飛ばされてしまった。
尋常じゃないほど遠くへ飛ばされて レックスらの視界からは見えないほどだ。
「きゃー マーサが ……おそらく あの勢いで 遠方まで飛ばされたならマーサも生きてないでしょう。」
と 涙声でミレーヌがレックスに言う。
悲しんでいる場合じゃない。
今度は、サンドウォームがミレーヌに
向かって 炎を吐いてきた。
レックスは ミレーヌを蹴って 炎の直撃を防げた。
「ありがとう。レックス」
「なぁに 大事な仲間を見殺しには できないに決まってんじゃん」
そうレックスは、まんざらでもない顔で言った。
次なるサンドウォームの攻撃は二本の鋭利な牙を出し
ミレーヌを食いにかかった。
しかし レックスは 再びミレーヌを押し倒し
ミレーヌが サンドウォームの餌食になるのを 防いだ。
思わず 顔を赤らめるミレーヌ
「おっと 油断するなあ ちと早いぜ。」
ミレーヌを助けた レックスが 今度はサンドウォームの吸い込む息により
サンドウォームの体内に 吸い込まれている。
(私を助けたために バランスを崩したのね レックス)
「逃げて… せめてミレーヌだけは 逃げのびて…」
徐々にレックスの体内は、サンドウォームの中へ…
「いやぁ~」
と泣きながら ミレーヌは その場を逃げ出した。
レックスは、一瞬
気を失っていたが 真っ暗な サンドウォームの体内で
意識を 取り戻した。
(とうとうオレ一人になって しまった。
ミレーヌは 無事に 逃げてくれて安心したぜ。
しかし これから どうすりゃいいんだ。 体が重いし 息苦しい このままでは 死ぬぞ)
レックスは 途方に暮れていた。
「仕方ない オレの魔法を この化け物の体の中で試してみるか。」
せえのーー
火炎爆斬翔
サンドウォームの体の中で 大爆発が 起こった。
ゴロゴロ ゴロゴロ…
サンドウォームの腹が まるで地震のように鳴り始めた。
グゴゴガガガーッ
サンドウォームは、 大きい息と共に
レックスを吐き出し飛ばした。
レックスは、とんでもない 遠くまで
吹き飛ばされたようだ。
「あ いて てっ。 んん? どこだ 」
レックスの前には 砂漠の中の小さなオアシスがあるではないか!
「あっ 水だ。 いっただきまーす!」
そう言って
水を お腹が膨れるまで 飲んだ
水をたっぷり飲んだので これから 城でも
探そうかと思っていたら
レックスの目の前に一人の水色のレオタードを着た妖精が現れた。
はっ …あんたは?
だれ?
ウチなぁ 妖精の国の セリーヌって名前でありんすー
このあと 用事があるけん
手短に 君に 要件伝えまっせ〜
はな いきまっかーー
現れたと同時に唐突にセリーヌは おかしな口調でレックスに語り始めた。
「妖精さん……おい!こっちは心の準備できてねえし
ちょい まちーな」
「待たれへーーん(笑)
レックスよ! そなたは 大きな 運命を背負ってるでおじゃ?な。これから 超いい波乗ってんknightな出来事が
あなたに起こるで あ り ん す」
「な なんだ あなたは いきなり いきなり オレに 意味がわからないぜ。それ なにかの ネタですか?」
「ネタ?なんのことやら 要するに ウチなあ〜 そなたを待ってました。 これを受け取ってくださいって ことだっちゃわい」
なんと 星と刻まれた青く輝く剣と星と 刻まれた盾と
神と 刻まれた オーブを手に入れた!
「へっ?ここで 秘密道具をゲットできることになってたのね?? てっきり砂漠の中のどっかにある城でゲットできるのかと思ってた。」
驚いているレックスに 妖精は ゆっくりとした口調で 手に持っているオーブを回しながら言った。
「実はのぉ 魔女サライトマンに うち達の仲間は殺され 魔女を 倒せる 人物を
このオーブで探していたら
あなたの名前と顔が浮かんだんで あ り ん す。
どうか クリスタルソードとクリスタルシールドを受け取ってくれ。
そんで ウチら
妖精一族の敵を討って下されよ。
未来を予言できる水晶で見た情報が偽りないなら あなたは真のナイトのはずで あ り ん す」
「ありんす の部分で なんで 言葉を ためるん?
他にも色々聞きたいけど 時間まだ
あっかなぁ?」
「もう ウチ行かねば なりりませえええん 」
そう言って 妖精は消えた
「あの妖精 もういなくなったのか??
もっと話を聞きたかったのに。
まぁ いきなりクリスタル系のアイテムが手に入れられたので 先は暗くない気がする」
レックスは 前向きな言葉を 言った。
しかし
「アランもだけどミレーヌは無事だろうか?」と すぐネガティブな発言を つぶやいた。
本も地図も持ってないが 適当に
砂漠を北上して行くレックス。
(最近 ミレーヌ のことを意識しはじめたオレ……だから余計に気になる)
レックスに とってミレーヌはザイール国で 剣や魔法を教える学校時代の頃から知り合いだった 。
いわば幼馴染のようなものだ。
良き話し相手でも あった。
今や レックスは、ミレーヌに 淡い恋心を抱くようになっていた。なので 前向きなレックスだけどミレーヌのことばかり 無事に生きてるかとか 不安な気持ちに苛まれていたようだ。
ミレーヌの現状を 不安になっていても仕方ない。
今は前へ前へ
砂漠を北上していると テントを張っている男を 見つけた。 竜騎士らしい。
全長5mくらいの竜にまたがって こっちを見ている。
「おおーい エスラータまで
一緒に 連れて行ってくれないか?」
竜騎士を見つけるなり
レックスは 空気も読めない
いつも通りの どストレートな発言をした。
漆黒の鎧に仮面に 槍を装備した竜騎士は 竜に乗って近づいて来て こう言った。
「僕の名は、アゼム。
僕達は 魔女サライトマンに 村ごと滅ぼされ 竜騎士族は 数少なくなってしまった。
一緒にサライトマンを倒す目的があるのなら 連れて行ってやろう。」
と か細い声と クールな表情で アゼムは、言った。
竜騎士アゼムは 身長も小柄、声もボソボソと小声だし
一見 強そうにも見えない。
性格も控えめな感じのようだ。
クールさは あるとみた。
だが胸に宿る信念は 果てしない海のような ものを感じる。
「実は、オレも魔女退治と五星の秘具と三種の聖なるアイテムを探しに旅をしているんだ。君とは
万丈一致だね。
さぁ 一緒に、まずは、エスラータに行こうぜ。」
レックスは 今になって
秘密アイテムの場所が エスラータだった事を思い出した。
マーサが 砂漠を 彷徨っている時に
その名を挙げていたからだ。
「待ってくれ
実は 僕も五星の秘具を持っている。
」
アゼムが さっと突き出した 槍を見たら なんと 星と刻まれた文字に 水晶が 備え付けられてある。
「僕達は もしかしたらソウルメイトかもね」
「なんだ それ?」
「レックスは 単細胞ぽいから スピリチュアルとか 精神世界の本を読まない感じだから わからないと思うが 魂で 繋がった仲間 と いう意味さ」
「単細胞ぽいとは 初対面のオレに 失礼だぞ!」と
アゼムを 殴ろうとするふりをした からの~ 握手をして
お互い 笑顔で 見つめ合った。
(あと2つ五星の秘具が 必要 そして三種の聖なるアイテムも あと2つ必要か… 意外と すんなりゲットできているが こんなんで いいんかいな)心の中で レックスは その事ばかり 考えていた。
アゼムの竜に乗って 大空を 飛びながら エスラータへ
向かっていた。
二人は 上空で
お互いの 出身地や 子供時代の話しとか 楽しく盛り上がっていたら
突然 ドラゴン系のモンスターが
こちらに 近づいてくる。
「ドラゴン……にしては バカでかいなぁ アゼム」
「この地方では運が悪いと 凶悪なドラゴンに 稀にでくわすよ。 って よりによって あいつか くそっ」
「どうしたアゼム、 身体が震えてるぞ。
なんか強そうだから交渉して 俺たちの仲間にしない あのドラゴン ええなあ」
能天気な事を言って アゼムを 困らせるレックス。
「あのドラゴン普通のドラゴンより 遥かに 大きく
シルバーに近い 体、
そう あの有名な 空の主 竜王バハムルだ!
仲間になってなるものか。
逃げるが勝ちだよ。」
なんとか アゼムは ドラゴに素早く逃げるよう指示した。
普通の龍ならドラゴのコマ割り飛行で 容易に逃げる事は可能。
だが 竜王バハムルは スピードもパワーもあるし知性もある。
逃げることはできなかった。
「ウガーッ」
バハムルは 口から 炎でもなく ダークイレイザー(暗闇の弾丸)をレックス達に 向かって 飛ばしてきた。
アゼムは、自分の竜を うまく操作して 直撃を 避けた!
「いかん 逃げるぞ レックス そして我が竜ドラゴ 」
しかし どんなにスピードを あげて逃げても すぐに バハムルに 囲まれる
ドラゴは かまいたちを 口から 発生させ
竜王バハムルに 体のあちこちに切り傷をいれた!
さらに 炎を出すが バハムルは、さらに 大きな 炎
いわば マグマみたいな塊を ドラゴやアゼム達に ぶつけてきた 「アゼム… あれは やばいわ 」
「まかせろレックス!」
レックスの肩を軽く叩いて
ドラゴに
「焼き尽くせ フルパワーだ!」
と言って ドラゴは
今までに ないくらいの 炎 しかも 炎を竜巻状にして
バハムルに くらわそうとした
しかし
バハムルの 暗闇の弾丸の方が 威力があり 難なく 弾き返され ドラゴやアゼム達は 絶対絶命 …
と 思いきや
レックスが ドラゴの炎の竜巻に あわせて 足に 気を おくり 気を込めたスピンキックを ドラゴの竜巻状の炎に かぶせたら 猛スピードで バハムルに 直撃できたようだ。
「ふぅ 苦戦したけど やるじゃないか レックス!」
「おぅ」
ハイタッチして勝利を 確信したと思いきや
バハムルが 満身創痍になりながらも
突っ込んできて
ドラゴの喉に噛みつき
また ドラゴは バハムルの喉に噛みつき ながら
地面に 落下していった。
「バハムル なんて しぶとさだ!ムカつく」とレックス。
「ドラゴーーーー ドラゴがぁあああ 」
バハムルの最後の攻撃を喰らうドラゴを見て 声を張り上げるアゼム。
アゼムと レックスは、落下する寸前に 気功のような
パワーで
地面直撃は 避けられた。
しかし
落下を防ぐ時に アゼムもレックスも
爆風のような防御魔法を使ったせいで
二人は 吹っ飛んだ。
うわーーーっ
レックス あなたも 僕と同じ魔法使ったんだね
うわーーーっ アゼムーーーー
オレも 飛ばされるよーー
二人は
派手に遠くまで吹き飛んだようだ。
落下場所が悪くなくても
死に直結するほど 吹っ飛んだ。
だが 幸いにも彼らは
エスラータ城の近くの サイババラの滝の滝壺に 落ちて 一命は とりとめた!
「ぷはー やっと城に着いたぜ。 アゼム」
と レックス。
「あぁ助かったな」とアゼム。
「ドラゴは残念だったな」
ドラゴ……
君と会わなければドラゴは バハムルに 殺されなかったんだぁーー
うわあああ
「落ち着け アゼム」
アゼムは ドラゴの 死を嘆き悲しみ
ドラゴと アゼムの出会い そして 竜騎士一族の話をしながら エスラータ城下町まで 来た。
「やはり 深いな~ 竜騎士に まつわる伝説は 長くなるから 竜騎士一族の話だけでも 書物になりそうだね。」
「すまん つい僕とした事が ドラゴの死から 感情的になってしまった…」
「気にすんなって クールだけが 男じゃないぞ エスラータ城下町では 酒でも飲んでパーッと行こうやあ パーッと」
エスラータの城下町は、様々な雑貨屋や 道具屋 なかには
占い師がいたり
路上詩吟がいたり
絵描きがいたり
すごく 活気づいていた。
しかし、レックスの故郷ザイールは 今は廃墟になっているとか 暗い噂が飛び交っていた。
二人は街を様々な情報を集めながら
散策して 行った。
この町では、エスラータ活性化計画が
今年から 行われ 妖精の国や 竜騎士一族の国や 故郷ザイールなどが
次々
魔女サライトマンの手に落ち
世界は
暗闇に なるんじゃないかと 人々は、怠惰な生活を 過ごす… なんてことのないように
毎月のように
様々なライブが開催されることになってるようだ。
今日も スイセンの黄色や 白い花
華麗な様々なカラーのチューリップが綺麗な 小川ながれる 水車小屋の特設ステージにて
エスラータ活性化イベント エスラブ が 始まった。
最初に 詩人が登場して 魔女サライトマンと それに戦いを挑んだ竜騎士一族の詩を バトル活劇のように 読み上げた。
身ぶり手ぶれ 低く響く声は 非常に臨場感あふれていた。
続く 大道芸人シン少年の 大道芸が始まった
前転や バック転サマーソルト5連発や 人差し指 逆立ちからの Vの字腹筋や ジャグリングは 見事だった。
彼の運動能力だけなら 素晴らしいから仲間に入れたくなった アゼム達。
さらに この世界にパラレルワールドなのか 異世界人が 近年 出現することがあると おかしなローブを かぶったマジシャンが ショーの最後の方で 発言をしていた。
「今の発言も ありえないことだし 言葉のマジックも 面白い」と 客席の方から声も聞こえた。
続いては ベリーダンス が始まった
南国風のテーマ曲に あわせて
腰から下をセクシーに振りながら 踊る 踊り子達…
そこで ベリーダンスを踊っている子の中に
これは 驚いた!
ミレーヌがいるではないか!
ミレーヌは「レックスっ」
と 大きな声をあげて ベリーダンスのパフォーマンスから
抜け出した。
レックスも 遠目から気づいていたのか
ミレーヌに 走って近寄っていった。
レックスを抱擁した。 レックスは
「無事だったんだね! ずっと心配してたよ!」
そう言って アゼムも 紹介して
ベリーダンスの宿で語り合った。
そのあと
天然石 遠赤外線効果がある
薬石 スチーム温泉で疲れた身体を皆それぞれ癒やし 朝を迎えた。
朝 宿屋にて
午前7時に
三人は、 食堂で
朝ご飯を 食べながら いろんな雑談や
これからのプランを話した。
朝食はホテル仕様なのか サラダバーがあったりパンも複数ある。
カレー系の ご飯だけじゃなく 珍しい青色の具の入ったライスなどもあった。
ドリンクバーでは アルコールもあるが さすがに 皆 朝からはアルコールは飲まなかった。
「あのね
レックスに アゼム あたしは この城の王様から聞いたんだけど、お城の西に
ポルトリングという港町があるのね
そこで 羅漢へ行くと 良いらしいよ? まあ あくまでも情報だけど… ね。」
「羅漢?聞いたことないっすね でもワクワクドキドキするぜぃ」レックスは 冒険心満々なオーラを出している。
「羅漢でも 何が待ってるか 油断出来ぬぞ あまり調子こくな とにかく準備は万端にしような」とアゼム,
「まぁ 不安にばかりなりなさんなアゼム」とレックスは笑った。
「なんか アゼムとレックス って
息ぴったりじゃないかしらん ふふふ」
ミレーヌはオレンジジュースを飲みながら笑った。
「ミレーヌ 笑うなって こんな陰険なやつとオレ
友達には なれないわーー」
「僕も同意見です」
二人とも そっぽを向いた。
「わっ このショコラパンケーキ マジうまだわ〜
」ミレーヌは パンケーキ食べながら
あまりの美味しさに 思わず声が出た。
「えっ オレにも ちょうだい めちゃ甘いの好き」とレックス。
「僕にもちょうだい。 すごーく甘いの好きなんだあ」と アゼム。
二人の同じタイミングでの 反応に ミレーヌは 微笑ましく思った。
「やだ〜二人 息ぴったり(笑)」
果たしてこのあとにレックスらを待ち受ける
羅漢とは…続く。
魔女サライトマンが黒幕…として登場するが
砂漠の主サンドウォームや
空の主バハムルなど 強力な
モンスターが
続々 登場して
新たな 城下町も登場。 現代人にも通用する 地域活性化イベント的要素も 含め
レックス ミレーヌ アゼムと 三人の勇敢な者達が 揃ったとこで この章は
終わり!
次章からの 話をお楽しみにしてください