ラストアドベンチャー第一章 剣と魔法の国ザイール (夢不思議アドベンチャー 最高傑作章)
夢不思議アドベンチャーの 作品でも
最もファンタジー色が 強い作品が
ついにベールを表す。
今までの作品と関連性がある
あるキャラクター
しかも 相当メインなキャラクターも
登場してくるが、
この ラストアドベンチャーに関しては
全くの新作だと思って読んでいただきたい。
中世の世界
剣と魔法とアドベンチャーの
従来のRPG感覚で読めます。
プロローグ。
これはコズミックファンタジアという魔物もいるし妖精もいる
ハーフエルフだっている絵に描いたようなファンタジーの世界である。
当然 雪に覆われた極寒の地域もあれば砂漠もある。
近年は異世界より現れたソウルバンパイヤという異界の魔物達に よって廃墟にされた都市もある。
この物語はコズミックファンタジアの西の大陸にある一年中 気温が30度〜40度以上のバラン王国やザイール王国を起点とした話である。
工業も産業も あらゆる面で盛んなバラン王国。
そこには 魔物討伐ギルドなどもあり バラン王国近くに攻めてくる魔物らは ギルドらに より倒されるので平和を保っていた。
しかし隣接する(3kmくらい離れたところにある)ザイール国は小規模だし もし魔物に攻めてこられたら あっけなく滅ぼされるだろう。
バラン王国のギルドが 常に小規模なザイール国に現れる魔物を倒していた
だが いつもザイール王はバラン王国に 頼っていたのでバラン王国は ついにザイール王に 厳しい条件を提案した手紙を送った。
(親愛なるザイール王よ。 あなた様は 常に我らバランに魔物討伐を 頼っておられますよね。
そして 必要な物資も 我らの供給により 成り立っているようです。
ですが それでは ザイール国の本当の意味での発展はありえないでしょう。
なので 今後は ザイール国に 我らバランは手を出すことを自粛します。
自粛して欲しくなければ ザイール王は我らの支配下に なるなら また話は別だが…
そこまで読んだザイール王は 手を震わせて頭を抱えた。
「やはりか…… 悪い予感は当たった。
我らザイールは 城に住む従者も50人にも満たない。
城下も さびれているし 必要最低限の 家々しかない。
ただでさえ熱い地域なのに バラン王国みたいに冷房装置(魔力により動く冷却道具)も 確かに置いてない。
前々から
いつバラン王国が我らを見放すか心配してあったわ。」
そうザイール王は 嘆きながら手紙の続きを読んだ。
(最近、このバラン城下町で デビラーという 囚人服と黒い眼鏡と黒いマスクをした強盗が暴れまわってます。
家々に 勝手に入って 食材を盗んだり 酒場で喧嘩をして 喧嘩の後には多くの死人が出ておる。
魔物討伐ギルドらが デビラーを 見かけた時に 止めにかかったが 魔物討伐ギルドでさえ デビラーに 歯が立たない。
なので 城下町に現れたデビラーを そなたらが捕らえることが出来たなら
ザイール国に 今と変わらず援助を約束しよう。)
王は 無理難題に肩を落としていた。
その時 偶然 部屋に入ってきた王女ミレーヌ
王の落胆してる様子を見てミレーヌは そっと声をかけた。
「どしたの? パパ そんなに落ち込んでからに〜」
そしてザイール王は 娘に 色々と事情を話した。
「パパって心配性だなぁ。
そんなちっぽけなことか〜」
「えっ…………」
ミレーヌの事の重大さを知らない発言に 思わず 空いた口が塞がらないザイール王
「あたしは独学だけど書庫に置いてあったカンフーの書や 空手道などの書を読んで それに基づき鍛錬を重ねてきた。
そして 城に住む友達……もとい 従者のアランやレックスらも あたしの体術を高く評価してるよ。
だから 今 私の体術を パパのためザイール国のため活かしたい!」
「無茶は よせミレーヌ 。おまえの強さはわからないが
デビラーは バラン王国の魔物討伐ギルドらも軽くあしらえるほどの曲者であるぞ」
「ふふふ パパは心配性ね〜
あたしに任せて。サクッと デビラーを ひっ捕らえてくるから。
ささっと城下にある馬車借りて
デビラー見つけて 捕らえてハッピーエンドを約束しちゃおう〜」
「無茶は やめろ ミレーヌ 」
しかしザイール王の言葉に耳を傾けずミレーヌは城を出て馬車で3km離れているバラン王国へ向かった。
ザイール国の青銅の鎧に身を包んだ一人の兵士が王の前にやってきた。
「大変です。 姫様が 城下の者たちを連れて馬車に乗ってバランに向かいました。」
「ミレーヌめザイール国のためとは いえ 無茶なことを……
ぐぅううう なんか 胸騒ぎがする」
ザイール王は 眉間に皺を寄せて 両手で頭を抱えた。
「姫様なら 無事にデビラーを捕まえることができると自分は思います。
姫様と手合わせした時の あの強さ
自分は 身をもって知っております。
あの体術は 並みの魔物であっても 倒せるでしょう。」
「さようか……ザイール砂漠や その他の地域で ここ数年は
凶悪な魔物が多数 出現しているので 城内のものには
外出を控えるよう ワシは 命令しておったからのお」
「なら 今こそ 姫様がデビラーを無事に捕らえたなら
外出を控えるより 広い世界を 旅するよう 法律を作ってみては いかがでしょうか?」
兵士は 王に思い切った質問をした。
「そうじゃな。ミレーヌだけでなくザイール国で屈強な男のレックスやアランなら凶悪な魔物にも打ち勝つ力が すでにあるかもしれないよのぉ」
その日の夜に ミレーヌはバランに到着した。
夜の19時くらいにバランの(バーサズマ)にデビラーは
よく飲みに行くとの噂を聞いていたからだ。
バラン王国 工場もあるし 食事処も多い子供達が遊べるアトラクション施設まである。
闘技場や雑貨屋なども軒並み揃っていて
夜も眠らない街として有名だ。
夜になると皆 寝静まる静寂なザイール国と 大違いだ。
レンガで囲まれた路地裏を抜けてレンガ造りのカラフルな家々を回って 噴水広場がある。
女神像があり そこに噴水の水がライトアップされている。
赤から黄色、そしてオレンジと 次々と
水の色が変わる オシャンティな噴水。
噴水広場の向こうに(バーサズマ)は紫色のネオンを光らせながら営業していた。
(着いたっ 広いし 似たような建物が多いし
バランの街って けっこう複雑だったわ〜。)
バーサズマの入り口で 大きな声が聞こえてきた。
オレ様が ここにいることを また 通報しようものなら全員皆殺しにしてやる。
命が 惜ければ 酒を もってこい。
と野太い声で、どこかのゴロツキのような怒号が響いていた。
デビラー様 かしこまりました……
と 弱々しい口調も 聞こえてきた。
ドガッ!
明らかにデビラーが店に いると気づいたミレーヌは入口のドアを蹴って突入した。
「おまえは!?」
デビラーは 大きなジョッキに入っているビールを ドンと置いて 呆気にとられている、
「隣国のミレーヌ参上。
あたしが現れた以上、もう デビラーさんとやら
悪事は 許さない。」
こしゃくなーー
デビラーは店内のワインの瓶だとか 大きな酒の入ってる升とか ミレーヌ に投げるが
ミレーヌは 余裕で避ける。
「やっぱり あたしは
めっちゃ強いわ
おおおぉりゃあああぁー」
ミレーヌのフライングニーがデビラーの顔面を捉えた。
うぐぐぉおおお
とデビラー
序章終わり
第1話
ザイール城の裏山は 高台な土地に なっており 瀑布の美しい 戦士達の修行場も あった。ザイール裏の グランドマウンテンと人々は そう呼んでいた。
ここで 実戦に近い修行が 二人の若者によって行うわれていた。
頑丈なプレートメイル(鉄の鎧)を全身に まとい 腰にはバスタードソード(長剣)を差して
剣の柄には、やや長めで
いざという時には
両手でも扱えるように作られている。
分厚い 銅製の青盾も背中にくくりつけられていて、頭には、金のティアラを装着している男レックスだ!
短髪で 赤髪
で 顔は、やや猿顔だ!
一方 アランは、クロスボウという長い弓矢を装備していた。 また、アイアンサーペントのウロコと おぼしきもので作った 胸甲冑
すらりとした 長身、典型的な 技と スピードが売りの軽戦士タイプだ!
濃い金髪の なかなかのイケメンである。
「レックスよ!
今日こそ決着をつけるぞ。オレ様の天下一、美しい弓矢攻撃 大人しく くらいな」
ナルシストなアランは キザな言葉を使ったつもりだが 若干 カマっぽい口調なのが 玉にきず。
「アラン 今日は、城で宴会が あるんで あんましむちゃしないでくれよ。」
「問答無用」
そう言って アランは口を小さく 動かしながら 弓から矢を引いて言った。
「炎のチャクラ活性化確認〜赤きチャクラよ 我に力を……
ファイヤーアロー」と 言いつつ
炎の矢を レックスに放った。
「笑止な! ブリーザードストーム」
レックスが剣を回転させながら
剣から竜巻と吹雪を両方 繰り出してきた。
お互いの技は空中で 衝突して
空気と なって消えた。
「今度は オレの攻撃ターンだよ。アラン。
第七チャクラよ 紫の電気よ
我に宿れ
ライトニングスパーク!」
と
レックスは、手のひらを 上に向け 雷の魔法を アランに
全力で ぶつけてきた!
「ふっ やはり そうきたか ??
相変わらず君の攻撃手段は美しさに かけてるね スパーキングディフェンス」
そう言って
アランは 弓矢を一瞬のうちに
数十発 上空に放ち レックスの雷の魔法を防いだ。
「あれを防ぐとは さすがは アラン。
でも もう ヘトヘトじゃねえか おめえ」とレックスは
今までの攻撃で 疲れも激しいのか
息を大きく乱しながら言った。
「ハァハァハァ…… なんのなんのーー
オレ様
まだ 君に 魅せる戦いができる」
ほんとは苦しいけど あえて強がるアラン。
二人は フィジカルも魔力も けっこうやばいようだ。
しかし決着がついていないから どうしても決着をつけたいレックスとアラン。
「へへへ、こうなったら 素手で勝負を決めるぜ アラン!」
「んん?まさかの素手で? それもそれで 良しとしよう。望むところだ
かかって来な レックス」
「てやぁ~」
レックスは、飛び込みながら、拳に 力を入れ右フックを 出そうとする
「ガチャーン!」
火花でも 飛んだかのような激しい衝突が 起こった。
レックスの膝が アランの腹部に入り
アランのパンチが レックスの顎をとらえて
二人は その場で意識を失った。
それから どれくらい時間が過ぎたのだろう。
アランとレックスは城の中のベッドに寝かされていた。
「あ~ 痛っ!オレは、負け 負けて…ねぇ」とレックスは目を覚ました。
その後「フン!! いつまで寝てやがるレックス。今日は、相討ちだったが いつか 貴様との決着を
つけてやるから 痛っ!」
アランも痛そうな顔で ベットから降りて なにやらキザなポーズを取る
自分は おまえより回復してるぞアピールか??
ゴキッ
「痛っ」
かっこつけたポーズをしたのは 良いが 無理したアランは腰を少しひねった。
「はっはっはっ アラン 無理すっからだよ〜」
「うるさいっ 」顔を赤らめて腰をさすりながらアランは 小声でレックスに言った。
そこへ 一人の神官マーサが 入って来た。綿を さらして 白く だぶだぶ の神官着を着て 腰には、鮮やかな 赤色の帯を巻いている。
首から胸に下げている護符には ザイールのシンボルが 刻まれている 細身のアラフォーだ!
「二人共〜 今日は、ザイール三世の誕生日。 しかも 天下の大悪党のデビラーを
ミレーヌ お嬢様が見事に 捕まえた!
ダブルの意味で
おめでたい日でございますぞ。
物腰の柔らかいマーサとは 裏腹に レックスは 過剰反応を示す。
「マジかぁーーーー すげーーー
あのバランのモンスター討伐ギルドの人らも 倒せねえデビラーをミレーヌが捕まえたって……
おおぉ やるなあ ミレーヌ 。」
「確かに 凄いことだ。 しかしミレーヌ 一人で デビラーをやっちまえるなんて
なんか 引っかかるなぁ。
デビラーを倒せるほどミレーヌは 強くないと思うけど
強いのかな??」
なんだか うやむやな事を喋るアラン。
「もしかしてミレーヌはデビラーがクソしてるとこを狙ったんじゃねえの?」
と笑いながらレックスはマーサとアランに言った。
コホン!
マーサは 空咳をして 笑いをこらえてる。
「んな事 美学に反するとオレ様 思うわーー レックス
下品な言葉は慎みなさい」と
アランは またまた キザなポーズを 大げさに取りながら言う。
「ミレーヌ さんの件は何はともあれ レックスさんにアランさん 今日くらいは 修行しなくても良かったのになぁ
お二人とも お若いですねえ。」
と マーサが言った。
「マーサも まだいけるっしょ」と
レックスはマーサに言った。
「私なんか もう クソ親父ですよ。魔法力は 君たちより上だけど 体力が 持ちません(苦笑)」
仲良く三人が談笑してると本日の主役の一人が
やってきた。
(ザイール王も誕生日なので主役だが 奇跡的に凄い実力派の悪党デビラーを捕まえたミレーヌ も主役と言えよう。)
赤いリボンと赤い踊り子のレオタードと 手に 赤いリングをした ミレーヌが 二人の寝てる部屋に入って来て こう言った。「 実力伯仲の二人が争っちゃ だめだってば!
今日も二人 倒れるまで やり合ってたんだってね
パパ(ザイール王)から、あれ程 厳しく注意が 与えられていたのに 懲りないなあ 二人とも。
あたしなんて 今日、天下の悪者デビラーを ボコボコに 倒してやったんだから ね… 今頃 奴は地下牢の中よ。」
そして 日が沈み
城の鐘が ゴーン ゴーンと 七回鳴った。 宴会の始まりだ
城の大広間には 城内の兵士らや 城下や他国からの招待されたものを含めて70人くらい集まっていた。
「よっしゃあーーー飯だ飯だー」
レックスは城の人らと語るよりも とにかく 美味しいものが食べたくて たまらない様子だ。
「アランよ。 おまえは城内の特別階級兵士として もしワシに何かあった時はミレーヌや 同じく特別階級兵士のレックスらを守れよ」
酒宴の席で ザイール王は 意味深な言葉をアランに言った。
「王様、この わたしめが レックス そんな もしものことも起こらないよう
城の人々を 守ってご覧に入れましょう。」
そう言って ザイール王に大皿に 野菜や肉類を 取ってきて渡すアラン。
ザイール王は 終始 元気がないようだ。
「どしたのパパ? せっかくのお誕生日なんだし
アゲアゲに なんなくちゃ。
遠慮なく食べてよ。
飲んでよ。」
と ミレーヌ は ザイール王に真ん中のビュッフェテーブルから 山盛りに入れられたサラダを食べながら言った。
「今日の おまえの活躍は お見事じゃったぞ。
だが なんか悪い予感がする。
悪い予感って たいがい当たると思わぬか?」
「何言ってんの? バラン王国に デビラーを捕まえたんで
もう吸収合併される事も なくなったんだよ?
まだ なんか あんの?」
「悪寒がする……悪い予感って 当たるものだ。
昔の書物にも 書いてあるし……
悪い予感は的中する
それが ワシの長年の経験を活かした心理学である。」
「心理学??」と 唐揚げを 口に入れて
いったんだして 首を傾げて言うミレーヌ 。
「なので それを回避することが 必要。
悪い予感からの
最悪を想定すること。
すると その悪い予感は 防げることもあるがな」
「なんか深刻になりすぎよ ^_^
ここは 飲もう」
ミレーヌ は なんとかアルコールをザイール王に 飲ませようとした。
「ありがとう……」
ミレーヌ の陽気な雰囲気に 少しは気分が乗ってきたのか
ようやく置かれてある食べ物にフォークやナイフを刺して口に 入れるザイール王。
(嫌な予感……考えすぎかな……
ミレーヌの言う通り 今は せっかくのワシの誕生日でもあるし 楽しまなくてはな)
王宮には 兵士達や女達または 大臣や
レックス アランなど 城内で 楽しく みんな語り合い 時間は 経過していった。
「ミレーヌよ。
デビラーにも おつまみを分けて あげたいのじゃ。 そしてワシも デビラーとは どんな面なのか 見てみたい。
地下牢まで 行って見てきてもいいか?」と ザイール王は、言った。
「あのデビラーに食事を届けるのは自分がやります。」
と 宴会を楽しんでいた兵士が 王の前に立った。
「いやいや ワシが 今回はデビラーに 食事を届けたいのじゃよ。
デビラーとは 何者なのか この目で確かめたいのがあるのでのぉ」
ザイール王は その兵士には引き続き宴会を楽しむように指示した。
「あたしも付いていくよ 」とミレーヌはグラスを置いて王の目を見つめた、
「大丈夫! ワシ一人でどうしても デビラーに会いに行きたいのじゃよ」
「パパ 気をつけて行ってきてね。」
この時
ミレーヌは なにやら嫌な予感を感じていたようだ。
(悪い予感は当たる……パパは それを心理学だとか言ってたけど……
しかしデビラーは 地下牢に入ってて 今も なお抜け出せてないし 今後 抜け出せるなんて考えられない。)
デビラーは並みの囚人とは違うので従来の鉄格子の数倍は強度がある檻に閉じ込められている。
なので まず 脱出不可能な状態なのだ。
なのでザイール王だろうと誰がデビラーのところに行こうとデビラーは脱出することは
物理的に不可能……
しかしミレーヌは 嫌な予感が頭から離れなかった。
ザイール王は城内の料理人が作った容器の入った袋を持って 城の階段を降りて地下牢まで 行った。
ザイール王は すっかり宴会で集まった人々の楽しそうな姿に気分が良くなって
鼻歌を歌いながら 暗く螺旋階段が続く地下牢へ松明を照らしながら降りて行った。
螺旋階段を二週ほど周り地下牢が見えてきたなと思ったら
デビラーは おおーーい 腹減ったーー
と 大きな声を上げた。
「この入れ物に 腕利きの料理人が こしらえたものがたくさんあるぞ。
とりあえず 食べなさい。
そのあと 色々 私は お前に質問したい」
そう言って王は
階段をデビラーの声に反応して急ぎ足で降りた。
デビラーの捕らえられてる牢獄の前に 歩を進めた王。
「おぬしが 有名な かの悪等だな?」
とザイール王は、包帯のような 服に 身を固めた デビラーに牢の端っこの魔法の扉に秘密の鍵を開けながら 話しかけた。
「フハハハ よく来たな 王様… ハラヘッターー…?? 牢の開け閉め そんな所からも できるんだな??」
秘密の鍵は 一瞬、デビラーのための食べ物が入った容器を牢に入れるために 空いたが 尋常じゃないほどの速さで王が鍵を閉めた。
秘密の鍵穴は 右端の一番下にあり しかもデビラーが王の目を見て話てる間に 王はデビラーの死角から鍵を開け閉めしたのだ。
デビラーは 改めて隙がない王に感服したようだ。
デビラーは 容器を恐ろしいスピードで空けて
フォークやナイフも使わずに 犬のように 肉も野菜も 貪った。
王は その空気を読んで あえて彼が 食べ終わるまで一言も彼に質問しなかった。
「あぁあ うめかったーーー
あんがとな
こんなオレのために
こんな 美味しい ご馳走
を
持ってきてくれて!
とりあえず 今は ザイール王よ
お前の優しさを讃えて一時休戦だな
」
檻の中から
腕を伸ばし 握手を求めるデビラー。
「んん?」
「悪名高いオレ様を閉じ込める事ができた おめぇらの凄さを認めるために 握手しようってことだよ!」
デビラーの 言ってることも半分は理解できないが
握手を求めている奴の握手を拒むなんてことは
王として したくない
そうザイール王は思った。
「………」
ザイール王は不審な気持ちになっていたが
なぜかデビラーと握手を交わした。
ゴキゴキゴキッ
「何をする?」
いきなり デビラーは、王の手を強く掴む。
恐ろしい力で王の腕を掴んだままデビラーは
「マミラビアミバ…」と呪文らしき何かを詠唱しだした。
すると 牢獄の中のデビラーの首がニョロニョロと伸びて
しかも霊体に変化した。
その経由で 王の背後に流れるような動きで移動してしまうデビラー。
#すでに描いてあるイラスト使う 首がニョロニョロと
「ま、まさか 握手を通して この牢から脱出できるなんて……
ぐぅうううう 予想の斜め上をキサマは考えおった
な!!!」
王は握手さえ離せば デビラーの術はとけると睨んだ。
しかし デビラーの握力の強さに王は 逃れられない。
そして
首から下のデビラーのボディもいつのまにか霊体とかって王は背後を取られた。
「つまらねえ手に引っかかる てめえが悪いぜ!
握手を拒んでたら なぁ 良かったのに ねぇ〜〜〜」
ねぇ〜の部分を鼻歌っぽい口調でザイール王に言うデビラー。
「先代らもザイール王族のものは握手を拒ぶことは 御法度とされておった。
だから ワシも御先祖様の例に 乗っ取り嫌悪感を抱いたが キサマに握手したのだが
」
「はははっ ほかの兵士達なら オレ様の握手を拒んでいただろうなぁ。 だが ザイール王族の きまりを厳守する お前なら きっとオレの握手を受けてくれると信じていたぜ!
だから いつかザイール王一人で ここへ やってくることを望んでた。
すると さっそく本日 来やがった。
はははっ」
高笑いしながら王の背後から鋭利な ナイフで王の背中から心臓を刺し貫いた。
ぐわっ ………無念。
王はデビラーの一刺しで 生き絶えた。
その倒れた王の亡骸の心臓めがけて
高速の拳を振り下ろすデビラー。
その拳から
ダラダラと流れる 液状の物質……ポタポタと
垂れるもの
王の心臓を手に持ったデビラー。
王の心臓を持ったまま
「ラビラビスルハ」と 呪文を唱えるとデビラー。
そして 不思議な呪文のかかった王の心臓を
美味しそうに 貪るデビラー。
すると みるみるデビラーの身体がザイール王に変化していった。
五分後 目が充血してること以外はザイール王と そっくりの姿になったデビラー。
#すでに描いてる王のイラスト
「はははっ はははっ 今日からオレ様がザイール王だぁーー
オレ様が王として
この国を支配するのだ。」
シャラックーー
ザイール王の姿になったデビラーが 詠唱すると心臓を抉られた 惨たらしい王の死体は消えた。
はははっ
はははっ
高笑いしながらデビラーは
宴会場へ行った。
何事もなかったように宴会場の中央に座るザイール王になりすましたデビラー。
そこへ無事で良かった的なオーラを出しながらミレーヌが近づいていった。
「あら‥ パパ 遅かったじゃない?何かあったの」
ミレーヌは ザイール王に変身した デビラーに近づく
「まぁ…ちょっとな」
デビラーは ミレーヌを 軽く 退け 宴会場の中心に立って
宴会場に 響きわたるような 大きな声で言った。
「ようこそ!諸君等 楽しんでいるかな? 私は 新しい魔法を閃いた」
新しい魔法?
この食事中に どのような魔法を発表するのでしょう?
などなど
王の 突然の発言に 宴会場の人々は 戸惑いの 表情と ざわつきで あふれかえった。
「まぁ 沈まれ
皆の者! これから 新しい魔法を披露したいので 皆さん それぞれのグラスにワインを 注げ そして飲めよ」
ザイール王
に化けたデビラー王は…
マントに 大きなワイン樽を 隠し持っていて 宴会場の 中央に それを 置いた。
王の命令で 全員にワインが 注がれたことを 確認しに行った 兵士。
「王様…全員 グラスにワインを 注いだようです」
「うむ ご苦労!」
「バビバビヘラム…」と 王 が 魔法を唱えると、ワインが 一瞬で青になり 人々は 驚いて ざわつく。
「沈まれ 人々よ!! 乾杯!」
と 王は 青く幻想的だが 違和感ありまくりなワインの色にうろたえる人々に言った。
さらに王はマーサに命じた。
「マーサよ!我が隣に来たれよ。
そして私が青に変えたワインを飲むが良い
皆、ワシが青にワインを変えたので 飲むのを躊躇しているようなのだ」
はっ
と一言言って 青に変わったワイングラスを持ってマーサは王の隣に行った。
王に化けてるデビラーはマーサと向かい合わせに立って
「EMDR」
と唱えた。
その後、青に変化したワインをマーサはゴクリと一気飲みした。
#イラストは苫米地の本の?
城内の人々がマーサに注目した。
「う、うめぇーーー こんな うまいワイン始めてです。
神秘的な香りと酸味、ほどよい甘みが身体じゅうをかけめぐる感じです。」
そう言いながら どんどん服を脱いで 褌姿になったマーサ。
おおーー マーサ様って あんなコミカルな部分も あるんかーい
おもしれーー いいぞーー いいぞーー
マーサー
褌姿になってピースサインしてるマーサに 宴会場の人々の多くが 注目した。
「なんだか、わたくし〜一気に体力が 回復してきました〜
今の気分は super bery GOOD
略して チョベリグ〜でございます。
ひゃほほほーー
ほはほーい ほほほーーい ホイホイホイ ゴキブリブリホイホイ」
マーサらしからぬ下品かつコミカルなダンスで美味しさを表現していた。
どことなく 異世界のコメディアンが踊ってるような
珍ダンスだ
しかし あまりに不自然なダンスだし まるで 操られているかのようにも見えた。
(目的を完遂するためには フェイクを仕掛けることも必要だ。
実直すぎる考えは 相手に悟られる危険性もある
だから 今 意識しそうなことと 関係ない お題を放り込むのさ……
人の脳は全く関係ない別の思考が入り込むと 今ある猜疑心や恐怖心は 薄れる
これが このオレ 、デビラーの フェイント心理学さ)
王に化けたデビラーは 心の中で そう自分に言い聞かせ
ドヤ顔になっていた。
「どうじゃ?私の魔力の詰まった青ワイン。
皆もマーサのように この上ない幸せホルモンで満たされるぞ。
青いワインを飲んで 残りの時間も 楽しもうぞ」
乾杯〜
王が 号令を
かけると共に城の民の多くが
青ワインを飲んだ。
しかし、 王の様子に違和感を感じていたミレーヌやレックスや宴会場の一部の人達はワインを飲んだふりだけした。
しばらくして城内の人々が 血を吐いて
倒れていった。
次から次へと……
マーサは王に化けたデビラーの変な魔法により
サンプルにされただけなので毒はなく 後から気持ちよく酔うだけのようだ。
ひっく……
あ〜 ええ気持ちだ〜
ひっく……
はっ??? あ……なんと……」
マーサは 明らかにデビラーの術にかかり酔っ払っていたが 宴会場の多くの人々の 倒れている様を見て正気を取り戻した。
そして その様子にショックを受けたのか
膝をついて その場に しゃがみこみ 己の無力さを嘆いているようだ。
「マーサは 助かったが 今のマーサは激しく取り乱してる……しっかりしろと言いたいが……マーサなら 大丈夫だろうよ
だが
城の 者たち……オレ達と 長年仲良くしてくれてた みんなが……
なんてことを
うわぁあぁああ 」
レックスは 怒りで 転がっている骨董品の人形を思いっきりデビラーに投げつけた。
「おっと」
さらりと かわすデビラー。
「キサマ
王じゃないな」
王の 劣悪な行動に ブチキレるレックス。
幸いにも 乾杯の音頭で 青いワインを飲まなかった人々も半数くらいはいたようだ。
その あえて 青いワインを飲まなかった人々は
その様子を見て 怖くて 城から逃げ出したものも多かった。
だが、城の入り口には 通常の熊の2倍サイズはあるビッグベアが何頭もいるではないか!
入口あたりで 1人の男性が妻らしき人を ビッグベアと対峙して 妻に ここは俺が食い止める お前は城から逃げろと叫んでる。
さらに別の方角の扉には
通常の兎の3倍はある鋭いツノが生えたモンスター数頭いる。
城内にいる学者や研究者らが ダガーやロッドを持って
大兎相手に互角の勝負をしている。
城の中庭や各部屋には人間以上の大きさの毒蜘蛛、軍隊のような衣服を着た蟻の化け物など30体以上 入り込んできてる。
幸い (密蜜)という魔法を使える 城の魔道士がいて
多くの兵隊蟻は アランの視界に入るあたりに
集めて
その魔道士は 城の抜け道を探して逃げているようだ。
第3話アメブロ版の続き……
一方でレックスは王に化けたデビラーと応戦していたがデビラーが まだ王に化けていることに気づいていなかった。
「王さんよぉー なんでそんな力を持ってたのか
不思議でならねぇ。
隠してたのか その力は!? くそがっ!」
剣を真正面から 時には横薙ぎの攻撃に切り替えて攻めるがデビラーは ひたすら ギリギリの所で避けるばかりだ。
「その程度か!?」
「なにっ!? くっ 当たらねえ なぜだ なぜなんだ」
レックスはデビラーに 剣で応戦してるが、デビラーは
まるで レックスの怒りに呑まれた攻撃を楽しんでいるかのように見えた。
そして わざと時間を稼いでいるかのようにも見えた。
ミレーヌは
マロン先生の最後の教えであるピンチの時こそピンクの呼吸を実践したので
こんな非常事態なのに 穏やかさで満ちていた。
身体がピンクのオーラに包まれたようだ。
ミレーヌは宴会場を見渡すと 毒が軽いのか 苦しそうにお腹を抑えている人々や咳き込んでいる人々を何人か発見した。
「そうだ!青いワインで即死した人以外は毒が軽い人々もいる。
そんな苦しんでいる人々を外の馬車がある場所まで運ぶこと、 それが 私の今できる 最高の役割だわ」
ミレーヌの特徴、城内一の体術使いであること。
移動力の速さとアクロバティックな動きには定評があること。
ディフェンス力の高さも城内屈指なのだ。
なので ミレーヌはピンクの呼吸により こんな時だからこそ自分に出来る最良の方法を 閃いたのだ。
ミレーヌは軽度の毒にやられた人の 側に行った。
ゲホッゲホッ……
くるじぃ
「大丈夫 だから しっかりして。 とりあえず馬車まで 担がせてね。
そのあと 城内の薬物倉庫から毒消し薬を 持っていくからね。
しっかりしてね。」
そう言って 毒にやられた人を山賊抱っこのように 担いで
城内の馬車置き場へ急いだ。
幸いモンスターは 城の 魔道士のサムが密蜜の術により集めてくれているので 安全に運ぶことができた。
「この人をお願いね」
馬車置き場にいた兵士にミレーヌは 声を上げた。
はっ
かしこまりました。
(他にも 何人か 苦しんでいる人がいた。
何ターンかで 担いで 運んで 助かるべき命は助ける。
それがピンクの呼吸で得た
最高の判断力だわ。)
マロン先生の最後の教え ピンクの呼吸により 戦況を把握出来たミレーヌは 次なる軽度の毒にやられた人を救助しに向かった。
ザイールの国で
血気盛んな 青年 アランとレックスの
本番さながらの修行…や
大盗賊デビラーを捕まえた
マーシャルアーツの達人 おてんば姫ミレーヌの登場
いかにもって雰囲気の神官マーサ
そして
ザイール王に
大盗賊
実は 悪極まりない奴 デビラーが
ザイール王に
乗り移って
ワインに 魔法で毒を注入する までの話を描きました。
続きが 気になってしょうがない? と感じるように 章 分けシステム導入してるから 今までの夢不思議アドベンチャーの
話には ないような ドキドキ感を
味わってください。 第二章~ も
乞うご期待!