第二十五話 隆一の先祖 早乙女剣雷
時は、関ヶ原の合戦 まっただ中、西軍と東軍 どちらが勝つかは まだ わからない!
もしかしたら
この物語の主人公の 野山剣ノ助
後の早乙女剣雷が 合戦の鍵を握っているかもしれない!
天下分け目の合戦の はじまり はじまり
時は、慶長五年九月、(1600年)石田三成を総大将とする西軍八万五千と
徳川の東軍十万四千という、天下分け目の関ヶ原の戦いが岐阜で 行われた!
戦いは、一進一退で正午を過ぎても勝負は、どちらが勝つかわからない。
江戸で三本の刀と噂された剣の達人の
野山剣ノ助(後の早乙女剣雷)は、石田三成から賄賂を送られ西軍に参加させられていた!
剣ノ助は、いかにも剣客らしい がっちりした体格に無数の刃の傷跡があった!
洗いざらしの木綿の着物を つけ腰には、武骨なこしらえの大小を帯し 素足に草履、肩に小荷物を背負い、 一尺四寸の脇差しを、装備していた。
刀には光明刀と刻まれていた!
剣ノ助は、関ヶ原では、家康率いる東軍を八面六臂の活躍で 次々と粉砕して行った!
剣ノ助流武芸は、とっても 獰猛なので、東軍は、怯えて剣ノ助には、手が出せない。
しかし、家康は、知略によって、西軍の小早川秀秋の軍を東軍の仲間にして
東軍は、騎虎の勢いで西軍を数で、圧倒して行った!
小早川という若憎に裏切られた 西軍は、一気に形勢逆転!
四方を東軍に包囲させられてた!
剣ノ助も多少なりとも傷を負った
「多勢に無勢… ここは、逃げても良いぞ剣ノ助!」
と 石田三成は、精気のない 口調で剣ノ助に 言った!
それに対して剣ノ助は、「申し訳ありません。オレは、西の国へ逃げますが、どうか三成様も ご無事でありますように!」
こうして、数時間後、関ヶ原の戦いは、東軍の徳川軍の勝利!
作戦勝ちとなった!
野山剣ノ助は、西へ西へ逃げて行く!
虫の知らせだが、
三成は、近江の国へ逃げる途中 暗殺されたと聞いた!
さらに 数日後、但馬の国まで逃れている 剣ノ助に、関ヶ原で 一緒に戦った 弥彦と八兵衛が近付いて来てこう言った!
「剣ノ助様、探すのに、苦労しましたよ。 あなたは、徳川からの お尋ね者とされてますよ。見つけた者には五千両を支払うとか…徳川の軍が言ってました。」
それを聞いて、剣ノ助は、驚いて こう答えた。「現状は、どうなん?」
「あなたの似顔絵が、美濃の国や、因幡、美作、出雲までも 貼られまくっていると西軍の隠密から聞きました!」
「さようか~
女装するしかないなあ…。
そして月山富田城には、毛利輝元も いらっしゃるので、そこで これから 拙者は、どうすれば良いのか聞いてみるよ。」
それからというもの、野山は、弥彦と八兵衛を連れて自分は、花魁ファッションという女装の中でも
ごっついインパクト大な姿で、出雲の富田城まで、あちこち旅館に泊まったり、茶店に寄ったりしているのであった。
「もうすぐ富田城ですね… 剣ノ助様」
と弥彦が言う!
「拙者は、花魁姿でいるのは、正体が剣ノ助とバレちゃなんねえから こんな格好してたが 頭の飾りもこの花魁姿も
もう面倒だ。 脱いでやれ!」
30分後、元の野山剣ノ助の姿に戻った!
「なかなか女装姿が似合っていましたぜ。」
と笑いながら
八兵衛が言う!
「やれやれ 今まで拙者の似顔絵と五千両の文字が あちこちの旅館で貼られてたから、もし花魁姿を脱いでいたら、捕まるとこだったぜ。
あぶねえ あぶねえ」「でも、剣ノ助さん 花魁姿 似合ってましたよ ヒヒヒ!」
八兵衛は、細い目をさらに
細ませながら、笑った!
「あ~富田城まであと三里だなぁ」
小腹がすいた!
あの茶店へ入ろう。」
剣ノ助達は、茶店へ入ったら、赤と桃の振り袖を着た20歳前後のの娘が出てきた!
「いらっしゃいま… ま… せ… あっ?」
娘は、驚いて、奥の部屋の女主人を呼んで来た。
「五月様、あの刀傷の男は、今、江戸から お尋ね者になっている野山剣ノ助では ないでしょうか?」
「そうみたいねぇ…彼の声は、威圧感のある野太い声らしいから、声を聞いてみましょうよ。」
「そうですね…
人違い
他人のそら似かも知れませんよね。」
奥で女達がひそひそ声で話しているのに 野山達は、すぐに感付いた。
「剣ノ助様~
ここは、あなたの得意な裏声で注文をお願いしますね。」
と八兵衛は、剣ノ助の耳元で囁いた!
「お待たせしました!お侍様~ ご注文は何になさいますか!」
と女は、猫なで声で 言った!
「お団子と お抹茶3つ頼む。」
と剣ノ助は、メルヘンチックな 可愛いい声を出した。
弥彦と八兵衛は、思わず 笑いながら倒れそうになったが必死で こらえた。
こうして、珍声によって野山剣ノ助は、この場を乗り切り、富田城まで たどり着いた!
中庭の池泉式の庭園が 幻想的だった!
回廊を通り過ぎ
毛利輝元の部屋へ入った!
「剣ノ助に二人の雑兵よ…よく ここまで来れたな…
ワシも関ヶ原の戦い以降、城の石を大きく減らされてしもうたのじゃ!
尼子恒久亡き今、毛利元就亡き今、そなたらに的確なアドバイスは、出来ぬが、ワシが ない知恵を絞って、そなた達を助けようぞ。」
そう言って輝元は、三本の弓矢を持って来た!
「一本の弓矢なら簡単に折れるが
三本の弓を
折ろうとしても
折れない!
つまりは、そなたらが、三人が協力して行動すれば、これから迫り来る問題は、解決できようぞ!」
「拙者は、武芸、八兵衛は お笑い道場 頭の良い弥彦は、学問を開くとか?」
剣ノ助は、眉に皺を寄せながら、輝元に聞いた!
「まぁ そう言う事じゃ。剣ノ助よ…そなたは、岡山の鴨方藩に弥彦と八兵衛を連れて住み
野山剣ノ助から
早乙女剣雷と名を改名せよ!
そして
そなたの剣の腕は、江戸で三本の刀と謳われる程、強い剣客じゃったそうだな! 武道館を開くが良い!」
「あっしは どうすれば いいんっすか?」
ヘラヘラ笑いながら でっぷりとした腹を 押さえながら、八兵衛が言う!
「そなたは、金光で お笑い芝居小屋を建てるが良いぞ!」
「ははぁ!」
「僕は、どうすれば いいのですか?」「弥彦は、笠岡の西の集落に寺子屋を建てなさい!」
「承知しました!」
輝元は、三人に向かって
それぞれの弓矢の行き先を指して矢を飛ばした!
「一見、皆 行く所々違うと思うが数ヶ月に一度は、三人で会って鼓舞しあいなさい!」
と輝元は、力強く唇を動かした!
こうして、野山から 早乙女と改名した事によって、野山剣ノ助イコールお尋ね者
という流れが
ピタリと止まった!
早乙女剣雷は、鴨方に剣の腕は、早乙女にあり…と名高い武道道場の主となり (早乙女活心術)という剣術を 多くの若者に教えて言った!
そんな幸せも束の間、なんと関ヶ原の戦いで傷をつけられたら事を根に持つ
真田雪春が、何で 野山剣ノ助から早乙女剣雷と名を変えたのか、知らぬが 密かに尾行して来ていたらしい!
「ハハハハ 野山剣ノ助とは貴様の事よのう! 早乙女剣雷! オレは、貴様の旅を 貴様達に気づかれぬよう 尾行してたのさ! そして、鴨方の鴨山で槍の修行をしてたのだよ!貴様の首を 討ち取り 家康様に 捧げてやらあ」
真田は、赤い肩当てに 鎧に身を包み、額には、ねじりはちまきをしていた!
体は、2m!
髪は、背中まで垂らしていた。
赤い槍(紅交龍牙)を装備している真田は、「この一撃で死ね~っ」と言って 助走つけて 突きを
突進力で かましてきた!
紙一重ってとこで、早乙女は、かわした!
「槍奥義竜巻斬」
と言いつつ、槍を早乙女に向かって、旋回させながら、真田は、突っ込んで行った!
「うぐっ」
早乙女の服から鮮血がほとばしる!
「今、拙者の光明刀でリーチの長い槍に挑むのは、不理だ…。弥彦の知恵、頭脳よ! 拙者に力を与えてくれ~っ」
早乙女は、目を閉じた。
「ハハ~っ?
オレの技に恐れをなしたか早乙女よ!
我がフェイバリッドの前に くたばれや~っ」
上空高く真田は、舞い上がり
錐揉み回転しながら、早乙女に槍ごと
突っ込んでくる。
「明鏡止水」
と早乙女は、目を 見開いた!
「汝 動かざるば
敵の姿は静なり」
そう言って、早乙女は、突っ込んできている真田に向かって、自分も上昇して、
「明鏡百列拳!舞」 と言って、顎や鳩尾、顔面に
無数の拳を空中で
真田に向かって攻撃をした!
「あっぱれだったぜ… 野山… いや早乙女。」
こうして真田雪春は、降参して早乙女の仲間になった!
さらに3ヶ月の月日が流れた!
操小町や玉姫とかいう女性の剣術を習いたいと言う人達も、早乙女の前に現れた。
操小町は、紫色の着物を着た二重のくりくりした目と小さな口、頭に髪飾りを つけている女性!
後に弥彦と結婚する。
玉姫は因幡藩から逃げ出してきたらしい 姫であったそうだが…頭に素敵な赤いダーバンみたいな帽子をかぶり、全身 紫色の忍者装束を着て、クナイという飛び道具を装備していた! 体には胸を隠すように桃色の巻き布を巻いていた!
目鼻立ちが 西洋人みたいに くっきりして全身から清らかなオーラが流れていた。
こうして 早乙女一文は、幸せな日々を
過ごしつつ
剣術など武芸を研鑽していた!
また、それから2ヶ月後、三度笠に三枚歯下駄、六尺褌、四季草花模様のド派手な小袖を着て、大きな袋を持ち、もう片方の手には棍棒を装備した ギザギザ頭の大男 石川五右衛門が道場破りに来た!
顔は まるで歌舞伎役者のようなメイクをしてあるようだ。
その男は、弥彦と八兵衛に真田雪春と玉姫 操小町 とオール早乙女一文が集まっている時に来た!
「いよ~っ
五右衛門参上!
おい ワシは、道場破りに来たのだ!
もし早乙女剣雷が負ければ、ワシに千両払え~! 分かったな…? まさか 天下の大泥棒のワシにびびってんじゃねえんかい?」
「剣雷様には、指一本 触れさせません!」 「クナイ速射弾」と言って玉姫はクナイを猛スピードで投げたが 五右衛門の棍棒で軽くかわされた。
「忍法暴風波」
と五右衛門は印を結んで、その後 口から激しい風を玉姫に吹き付け、玉姫は隣家まで吹き飛ばされた! 「玉姫ーっ」
仲間達は、玉姫を助けに行く!
「ここは、拙者がお相手致す!」
と剣雷は、脇差しを抜刀して五右衛門に向かって 横凪の攻撃をした。
しかし 五右衛門は、余裕で かわして 棍棒を大きく振り回して剣雷は、足を負傷する。
五右衛門は、大きく息を吸い込み、
三回も剣雷の上で ヒップアタックをくらわす!
「おらおら どうした~ もうおねんねしちまうのかな?」
悶える剣雷。
そこに さらに追い討ちで 力まかせの棍棒が剣雷の背中に当たった!
「ガーン」
大きな音が あたりを木霊する。
「剣雷様~」
弥彦や八兵衛が剣雷を助けに行く!
弥彦には、よい知恵が 不思議と浮かんできていた!
「3×3= 何?」
と弥彦は、五右衛門に言った!
「ありゃ?なんぼじゃったかな?」
と五右衛門は、混乱し始めた。
そこへ八兵衛が ベロベロバア~と変顔で五右衛門を笑わせる。
二人の連携プレーによって
五右衛門は、すっかり剣雷の とどめを刺す事に頭が回らなくなってしまっている!
そこを狙って剣雷は、ダウン状態から
光明刀を勢いよく投げつけ
五右衛門の肩を貫いた!
「うぐぐっ 三本の弓矢みたいに てめえらナイス連携プレーしやがって
ワシによくも こんな傷を負わせたな…許せねえ。」
五右衛門は、早乙女剣雷に向かって
倒れている剣雷を無理矢理に起こして 胸ぐらを掴んで何度も地面に叩きつけた。
早乙女剣雷の者なら、とっくに KOされても おかしくないが早乙女家に 代々 伝わる 火事場の超神業(ピンチの時に働く摩訶不思議な力)は、ここから 始まって早乙女隆一に至ると言っても過言ではない!
ピンチこそチャンス!
逆境に 負けない…。何度倒されても起き上がり そのたびに何かを拾ってはばたく 早乙女家伝統のパワーにより
剣雷は、 笑顔で 五右衛門を バックブローで ぐらつかせて 「うぉおりゃあぁあ」
と叫んで目を閉じたまま光明刀と体を横回転させつつ、五右衛門の肩から背中に向かって 突っ込んで 深手を負わした!
ブサリ!
「ま 参りました~(泣)(泣)(泣)」
と言いながら、五右衛門は、逃げて行った!
五右衛門は、天下の大泥棒として
今後活躍して 近い将来 処刑されるとは、早乙女一文には、知るよしも なかった。
その後も多くの道場破りが 早乙女一文に挑戦してきたが、早乙女一文は、決して敵に負けることはなかった!
早乙女一文の強さ 結託力 技の書 などは、後世まで語り継がれていくのであった!
めでたし めでたし。
早乙女隆一の先祖に あたる
早乙女剣雷の過去… 実話をモチーフに 描きました!
しかし、登場キャラクターは、オリジナルです!
本来なら 早乙女一文対 挑戦者のバトル活劇を描きたかったが バランスが悪くなるので 割愛させて いただきました!
ご要望があれば
石川五右衛門戦後の話も 創作致します!