第十四話 メルヘンの館
どこかの観光旅行に来ているつもりが
ヘンデルとグレーテルみたいな感じで
不思議な館へ
いざなわれるという 話! この物語では 緑色髪の おじさんが鍵になってるのかな?
漫画化や映画化したら
なんだか メルヘンチックで
とても面白い話になるでしょう
賢者ラルフレアに憧れてスティーブという 陰険な表情の少年は弟子入りすることが決定した。
弟子入りしたのは いいけど
薪割りとか食材探しだとか 筋力トレーニングなどだけで
一週間が経過した。
「おい!ラルフレア師匠よぉーーっ いつになったら俺に魔法とか教えてくれるんだい?
いつまで こんな雑用ばっか やらすのだよー」
スティーブは鋭い目つきをさらに細めて ラルフレアに言った。
「魔法……時には人を救うことができる
しかし 時には人を滅ぼすことになる……
お前は
人を救うために魔法を使うと保証できるのか?」
とラルフレアは顎に手をやって言った。
「もちろんさ!でなきゃ なんのために俺は お前に付いて行ってるのかわかんねえだろうが……
お前の立派な言動や行状や 理にかなった魔法に惚れたからだよ」
本心なので 口調からも身振りからもラルフレアは 元ヤンチャなスティーブ少年の真意を悟ったようだ。
「あいわかった! 魔法を私から学ぶ覚悟は本気のようだな。では これからロザリオの西にあるボーイズレイクへ向かう。
そこでは 命にかかわるような試練が待っている。
その試練に耐えられなければ お前は死ぬかもな。
私も 死ぬかもしれない
それでも 行くか?」
しばし 間が空いた。
「俺は死にはしねえよ! お前を死なせはしねえ。
だからレディーレイクとやらに
早々と向かおうぜ!」
少し 声が震え気味だが 拳に力をこめてスティーブは言った。
「それは勇気でなく無謀な挑戦かもしれない。
だが スティーブよ!お前の その根拠のない自信も 今後の人生の糧になるであろう。
お前が魔法を使えるようになる 1つの素質として私は捉えよう。」
ラルフレア心の声
(根拠のない自信こそ 何事も成し遂げるのは必要なのだよ)
「では、明日の朝 ボーイズレイクに向かって出発します。
ゆっくり寝て 明日に備えよ」
「おう!」
スティーブは その夜
ワクワクと 怖さと 緊張とで 結局
一睡もできなかった。
チューリップの丘や風車のある風景を進み
この世のものとは思えないほどエメラルドグリーンの渓流道に差し掛かった。
足取りが重くふらふらしながら付いてきてるスティーブがいた。
「おやおや ここらで 寝てしまうと 巨大な水属性の魔物の餌になってしまうぞ」
ラルフレアが軽く 槍みたいな杖で スティーブを つついた。
「うっせえなあーー 眠たくねえーし!てか 賢者さんの魔法で魔物なんて 秒殺できるっしょ」
「フフフ……魔物の強さにもよりますがね!しかし不意打ちで こられたら私とて……」
進めば 進む程 歩道の幅が 狭くなっていき 渓流の幅が
広くなっている。
ボーイズレイクに近づいているからなのか?
ザァ~ ザァ~
渓流の音も大きくなってきた。
スティーブは、後ろに一緒にラルフレアは無事に着いて来ているのかな?
と思い、後ろを振り返った!
すると びっくり
振り返れば、全長30mは あろうかというくらいの魚が
水の中から出てきて
口を大きく開けて
ラルフレアを 呑み込んだ。
一瞬の出来事だった。
魔法に長けた賢者ラルフレアは隙を突かれたら
やはり ひとたまりもなかった。
巨大な魚に食べられてしまった。
ラルフレア賢者のことだから すぐに
「あんな魚 私の敵ではなかった」
と言って水から出てきそうだったが
10分経っても20分経っても水から出てこない。
「師匠……そんなぁ そんなぁ
くそぉーー 俺が 魔法を使えるようになりたいという我欲を出したが ために
魚に食われちまったーーっ
うわぁああ」
嘆いてもラルフレアは帰ってこない。
かといって 引き返すわけにはいかない。
もちろん引き返すほうが良いに決まっている。
でも ここで 逃げてしまうと何も得られない気がしたスティーブ少年。
(師匠が いなくなったのは俺のせいだ。
だから だから もう 俺だけでもボーイズレイクの奥に進み魔法を使えるアイテムとやらを 拾って帰る)
スティーブは どんどん エメラルドグリーンの渓流
を進み
ついに
深い緑に包まれた森が広がり小鳥のさえずりと 深い緑に神秘的に輝くボーイズレイクにたどり着いた。
しかし
! 歩けど 歩けど
同じ景色を
ぐるぐる回っているようにしか感じられない!
「なぜ 景色が変わらんのだよ~
オレは、迷いの森に来たかも」
と 大きな声で独り言を言った!
すると、突然 一匹の蝶が スティーブの目の前に飛んできた!
そして、蝶は、まるで こっちへ来いと 言ってるように
ゆっくり ゆっくりと西の方へ 森の奥の方へ飛んでいる。
その蝶の不思議な動きに つられてスティーブは、蝶の跡をつけた!
少し歩いていると (メルヘンの館右へ)と看板が あった!
スティーブは、興味本位で 館の方へ向かったら、ツタの葉に絡まった古ぼけた
大きな館にたどり着いた。
その時
不思議な事が起こった!
スティーブの目の前を飛んでいた蝶が 赤 黄 緑 の 光の粉になった!
あまりに 眩しいんで一瞬 目を閉じた!
そして再び目を開けると そこには 緑色のロングヘアに緑色のスーツ姿の細身の 50歳くらいの
おじさんが立っていた!
「ようこそ!
メルヘンの館へ
あなたは裏の世界から 来たみたいですね~ もし生きて
元の世界へ戻りたければ この館へ入りなさい」と言って
男は 不適な笑みを浮かべた!
スティーブは、恐る恐る館へ入った!
入るや否や
「では、ごきげんよう」
と男は 館の外から鍵をかけてきた!
「な なんなんだ
あの
おっさんは? 」
ガタガタ ガタガタ…
館の古ぼけたドアのノブを開けようとするが開かない。
「ちくしょー どうなったんだよ!
」
何度も 扉を叩くとか蹴るとか試みたが
外側から しっかり強固な鍵が かけられたようで扉はビクともしない。
「ちっ!こうなったのも 俺のせい。
俺が師匠を 巻き込んだとも言えるしな…
でもよぉ
オレ一人で この館から元の世界へ
戻れる場所を探してやるさ!」
とスティーブは、唇を噛み締め強気な発言をした!
館の中は 薄暗くて、前が よく 見えない!
木造りの廊下の通路を少し進んでいくと 不気味な絵が展示してあった!
絵の中の人物画や風景が 動いているし、 一つ リアルな鬼の絵が
スティーブの動く方に目が 動いてくる。
たとえようのない
恐怖がスティーブの背筋を震わせる!
さらに数歩 進んで行ったら 展示している赤い顔と 三本の角と鋭い牙を持つ
悪魔の絵が
アロ~ アハ~ と 言って スティーブの方に向かって絵から
手が 伸びてきて
スティーブは、絵の中へ
引きずり込まれそうになった。
スティーブは、心臓が止まるかと思うくらい
びっくりして、絵の中から出てくる手をふりほどき、その部屋から
即座に出た!
さらに館を進んでいくと
古ぼけた時計を発見。
チックタックチックタック
なんか 耳元で 頭が 割れそうな程
大きな時計の針が動き 音が鳴った!
10秒後、音は止み 明るく灯されていた シャンデリアが急に暗くなったと思うと
古時計が静かにメロディーを刻む。
メロディーが耳元で 異常に大きく聞こえだし、
不気味なので先を急いだ!
「ズドーン」
次の部屋へ 行ったら いきなり 金網が落ちてきた!
押しても引いても びくともしないから、 「うわぁあ~ 出せってば~、 オレはなんで こんな金網に閉じ込められないといけないの?」
と大声で叫んだ。
すると どこからともなく 薄気味悪い笑い声が 聞こえてきた!
「はーっはっは お前は大殺界中だから 不思議な体験ばかりしてるようだなあ! まぁ 出してやるが もう一つプレゼントしてやるよ」
そう言うと 金網が 天井に消えていったら 今度は、真上から大きな 水入りバケツが 落ちてきて
スティーブは、ずぶ濡れになった!
へーくしゅん はっくょん
スティーブは、くしゃみを連発する!
次の部屋へ行こうとドアに手を伸ばしたら、
ドアが 勝手に 揺れる
そして 揺れてるドアの方を見ると
ドアから 人間のような目と 大きな 口みたいな空洞が出てきた。
そして
その「命を吹き込まれたドア」
は ボソッとスティーブに言った。
「おい この先も 気いつけろ
ドジ男よ!」
「ドアが 喋った? おい おい!」
思わず ドンドンとドアを叩くが
ドアは 何も返事もしなかった。
目や口も 消えているではないか
仕方ないのでスティーブは
そのドアを開けると、
速攻で 槍が スティーブに 向かって
飛んできた!
スティーブは、運良く
体を反らせて
かわした!
「ひぃい 危なかったわあ」
と言って緊張感が覚めないままの状態で今度は、上から巨大蛇が 大口を開いてスティーブに 噛みつこうとしていた!
これも噛みつかれる寸前に体をひねり蛇の攻撃をかわした!
しかし 間髪入れずに 床が
ぬけて
スティーブは、一気に地下へ落とされた!
下の階には 不気味な顔
まるで 死人のような写真が 壁に貼られている!
しかも 数えるわけにはいかないが100枚近く
青白い顔した人や 死ぬ寸前の状態の人の写真が
雑多な感じで貼られてる。
今日はキツネに つつかれたみたいに不運ばかり続くんで、スティーブは、
もう何を見ても驚かなくなっていた!
逆に 誰かが イタズラをしているのかな?
とスティーブは妙な気を感じるようになってしまったようだ。
そして徐々に怒りを覚えてきた。
なんか おかしすぎるぜ!?
なんか 謎があるんだよなぁ。
変な妖怪とか 済んでるのかな?
それなら
そいつを見つけ次第 とっちめてやろうとスティーブは床に落ちてる 汚い箱を蹴飛ばした、
スティーブは、回廊を進んでいたら
なんと入り口にいた 緑色髪の50歳ぐらいの おじさんがいた!
「おまえかーーっ悪の元凶は!」
「違います。 私は
あなたを 最初からお守りするために ここへ来たのです。
先ほど鍵を閉めたのは
魔物の姿が見えたので あえて 私が 囮になってたわけです。
無論、私が その魔物を退治しましたがね」
「ふ〜ん」
まだ怪しむスティーブ少年。
「青年よ! ここは 私について 来てください。
あなたは白天童子という 魔界の使いに狙われています。私が 奴から あなたを 守ります。」
とマジな顔して
男は スティーブを案内してくれた!
途中で首なし女や
巨大スライムが襲ってきたが、 おじさんの放った呪文により それら
モンスターは 即 消滅していった!
さらに 奥の扉を開けたら 大量の 水が
押し寄せてきたが、 男の呪文により
水は消えた!
「あと少しでゴールだよ!もう 一踏ん張り 頑張りましょう。」と おじさんは、目を大きく開いて言った!
「大広間を抜けると元の世界へ戻れる小部屋がありますので 私が ご案内しますしあなたを 白天童子から お守りします。」
しばらく歩いて大広間に 入った瞬間
なんと飾り物の藁人形が 急に 動き出した!
「ウキキキキキ」
不気味な声で藁人形が踊り出した。
藁人形が 踊ると おじさんの動きが急に止まった。
そして おじさんの表情や動作をスティーブは怪訝そうにまたまた。
すると
おじさんまで 人形と同じように そして表情まで
藁人形みたいに
エロ目で
ニタつきながら、
踊っている
さらに 藁人形が、バック転したら
おじさんもバック転する
つもりだった……
その
つもりが おじさん
もともと バック転できないらしく
後ろの壁にバック転する時、
頭から落ちて ドガンと 体を おもいっきりぶつけてしまい
おじさんは、失神してしまった!
「しっかりして!」
と叫んでも おじさんの目は、まるで 鳴門の渦潮のように
クルクル回り
頭からはアニメみたいに たくさんの☆マークが出ていて
返事も できないようだ!
スティーブは、怖くなって おじさんの言ってた 紫の小部屋に 駆け抜けて
行ってると、
「まてぃ!!」
と 小部屋からの仏壇の中から 真っ白に お化粧した
顔と真っ白くて
大きな 手で足がない化け物が 仏壇と一体化している。
「お前は いったい誰だ?」
「私は白天童子だ! おめえ
大殺界で ついてない事が多かっただろう? それにキモイよ!女にモテないだろうな~?」
と白天童子に
馬鹿にされて 悔しかった
当時 スティーブは、本当にモテないし
図星なんで なおさら!
奴は ガキみたいな顔して めちゃ弱そうだし
スティーブは、ぶち切れて パンチを白天童子に 一発ぶちかまそうとしたが 軽く かわされた
逆に奴の両手からの 奇妙な 気
により
スティーブは 3mくらい ぶっ飛ばされた!
「弱いなあ あんた(笑) オレを倒さねば この世界からは抜け出せないぜ!」
ちくしょー
と地団駄を踏むスティーブ
「あぁ~キモイ キモイ おまえ」
白天童子は、
さんざんスティーブをコケにするんで
スティーブは
怒りで体が熱くなる!
熱くなるのはいいが 体が 熱に 包まれ
マジで
スティーブは 闘気の炎に包まれる。
「おいおい
人工発火してんのか? おめえ?
そのまま
燃えて 燃えて
燃え尽きろ!」
「バカにするな
いや 白天童子」
スティーブの心の声(俺の身体から炎??
一見 現状最悪に思えたが
視点を変えたら
最高に楽しい希望が見えてきた……
どしたの俺は?
炎属性の魔法が ここを抜けたら使えるヒントになったかも……)
「バーカ
ちとばかり魔法使えるぞという思い上がりも たいがいにしな」
(チッ……読まれてたか こいつぅ)
「オレの体は
真っ赤な燃える~ 」
と スティーブは 叫んだ。
「おい 某アニメのパクリセリフかよ おめえ
すべってんなあ
すべる男やなあ」
さらに スティーブをコケにする 白天童子
するとスティーブは、両手を
あわせて天に捧げた!
両手は、なんと
うなぎに変化した!
スティーブの心の声(ラルフレア賢者のように 変化魔法の力も発揮してる いけるかもしれない)
「まさか 変化魔法????
キサマ 何者!?しかし
うなぎって 結局 すべる魚だろ?
だっせえなあ クソ変化しやがってガキがぁ」
「すべる すべる言うて うるさいぞ
白天童子!
すべる魚は
うなうなうなぎ~」
と言って
うなぎのようになった両手で
仏壇ごと 体当たり
「うそやろーーーっ うわぁああ クソ が、ガキめ」
白天童子を
ぶっ飛ばした!
「あぁ~ これ 俺が やったの?
魔法使えたの?
魔法マジで俺使えたぞ。
倒したぞ 化け物を!」
思わぬ魔法の発動に喜ぶ
スティーブだが
なぜか ラルフレアが持ってたタバスコの瓶が スティーブのポケットに入ってるのに気づいた(このタイミングで?)
ここで残虐面のスティーブの内面が炸裂した。
白天童子に向かって タバスコ瓶の蓋を開けて
それを ワイルドに
かけまくった!
「うぐぁあ
あぢぃ 苦しい
やめろ~」
と 白天童子は、泣き出した!
この後も 白天童子は、ひいひい泣きながら
「僕がぜんぶ仕組んだ事です! ごめんなさい! 許してください。 降参します。
仲直りしようよお。 君に 魔法とやらを 僕が教えるからさあ。」
「ほんとに?」
「うん! じゃあ 君が 色々な魔法が使えるように 魔法の書物を召喚するね
ハムラビナビラユ ゴマストウォーー
白天童子の おかしな魔法により
何と 全身紫色の魔神が召喚された。
10mほどの体長だ。
なぜかサングラスをかけている。
頭にはターバン姿の 髭面。
原始人みたいな茶色い毛皮風な服を着ている。
どっからどう見ても
恐ろしいオーラであふれかえっている。
「あわわわわわわ」
恐れおののくスティーブ
「おい! パープル魔神よ!その少年を やっちまいな」
「あいあいさー」
地の底から響くような低音で
魔神は 返事をして スティーブに突進した。
「ありゃあ」
勢いよく突っ込む魔神。
ひぃーーーっ
間一髪
かわすスティーブ。
「ほぉ〜 ここに来て 魔力に 頼らないスピードが速くなったぞ。」
不思議と傍観者の立場で見守る白天導師。
魔神が左右のパンチからのキックや連続して蹴り出すが
無我夢中なスティーブは
土壇場で みかわし能力が開花し
まるで闘牛士のように
ひらりひらりと
魔神の打撃をかわした。
「いいねえ いいねえ でも逃げてばかりじゃあ
君はゲーム終了は 目の前だな。
もう お遊びは 終わりにしろ!
魔神よ!」
「あいあいさー」
魔神は 紫色から 赤に変化させた。
そして 挨拶がわりに
わざと スティーブの前で 炎の柱を 繰り出した。
「早い……避けきれん」
と 恐れおののくスティーブ
「ふははは
今のは魔神の 挨拶だ。
次は 外すなよ魔神よ!」
「なんと わざと 外したのね……」
身体をガクガク震え上がらせるスティーブ。
はぁあああぁあああ
再び気を貯め 炎の魔法を準備する魔神。
スティーブの心の声(もう だめだ 今度 あれをまともにくらったら どんな人間もイチコロだ)
白天導師「ふっ………」
スティーブの心の声(白天導師の奴 不気味だなあ 俺見て なぜ 笑った??この後に及んで)
スティーブは ラルフレアの持ってたタバスコの瓶を 本能的に取り出し
魔法を唱え出した。
スティーブの心の声(何が起きるかわからない 究極の魔法ミラクルビーム。
持ち物の持ち主を 引き寄せる魔法にも使えるって師匠様は言ってたな。
しかし
相当の魔力がなければ それは使えないとも言ってた
しかし
恐れてどうする
雑念を捨てて
持ち物に持ち主が 再び 戻るイメージを 俺のサードアイで
超イメージするしかねえ)
スティーブも はぁああああぁ
って 声を上げて 上空にタバスコの瓶を 掲げて吠え出した。
白天導師は その様子を見て
こう言った
「スティーブ おまえ いい線もってんねえ。
その調子だよ。
もっと集中して」
白天導師が 応援してるようにも聞こえるが
スティーブの気を散らしてるようにも聞こえる。
もう どうでもいいやな気持ちで
スティーブは
大きな声で
ミラクルビームを唱えた。
ハッピーラッキーエンジョイ
ミラクルビーム。
キラキラ
キラキラ
光のエネルギーが
タバスコの瓶に集中しているではないか!!
そして
タバスコの瓶から
なんとラルフレアが 召喚された!
「ま、まさか……でも こやつならやれると思った」
白天導師は
なぜか笑みを浮かべて言った。
ボワアァン
「ラルフレア師匠ーーーー」
スティーブは ラルフレアに泣きながら抱きついた。
「よくやった!スティーブ。」
タバスコ瓶から出てきたラルフレアは スティーブの頭を優しく撫でた。
「もう芝居するの あいたわ。
ネタバラシすっかな」
白天導師が クスクス笑った。
魔神は 挙動不審になった。
「もお オラ 用がねえし とりあえず 帰るわ」
魔神は その場は気まづいと思ったのか
のそのそと立ち去った。
「スティーブよ!おまえは 魔導師となることを認めてやる!合格だ。」
白天導師が スティーブにピースサインをした。
そしてラルフレアもスティーブにピースサインをした。
「こ、これって?? もしかして」
白天導師やラルフレアを見て スティーブは キョロキョロ落ち着かない様子だ。
「おまえの性格や特質を見抜いての 全ては 色々と手の込んだ芝居をしていたのだ。」
「そう!そこのラルフレアの言う通り。
単に 魔道書を 私が与えても おまえは
知識しか
身につかんだろう。
本当の魔法の底力が発揮できなかっただろう」
「だから 活きた魔法を使えるように
あえて一芝居 我々がかって
おまえを密かに修行させてたのだよスティーブよ!」
「ラルフレア師匠……」
芝居も終わって 雇われてた魔神も帰り
白天導師とラルフレアの やり取りを見て
しばらく 目の焦点が定まらず
ポカーーンとしているスティーブ。
「私の魔導書は知識しか詰まってない。
勉強嫌いだとラルフレアから聞いてたので
この館で 一芝居 して
お前の活きた潜在能力を 最初から開花させてたってわけさ」
白天導師は そう言うとスティーブに本を手渡した。
「芝居と言っても 命がけの芝居だった。
一歩間違えたら 魚から脱出できず窒息する可能性があったのは間違いなかった」
「じゃあ オレが ミラクルビームをイメージ力足らずで発動させてたら???」
スティーブは挙動不審な感じで言った。
「無論!私は ここにいない。
すなわち
命がけで そなたの魔力を 引き上げるためには
それくらいする必要が あった。
私は生きてるし スティーブは魔力が グンと上がったし結果オーライだよ」
「そだね!みんなー ありがとな。
なんかオレの ために
大掛かりな訓練してくれてありがとう。
オレ これから もっともっと素晴らしい魔導士になるよ」
「うむ !これからは その魔法を人々のために 愛する人のために役立てよ」
ラルフレアは 言った。
「もちろん! 命がけの修行、師匠の愛を感じた。 師匠の友達らの演技力も すごかった。 これからもよろしく!」
そして白天導師はラルフレアとスティーブに お互い握手し
そのあと
元の世界に戻した
劇終
夢だけに
仕掛けだらけの館 これでもか
これでもかと言わんばかりの仕掛けに
びっくりされたはず?
白天童子 ハンドピースの松田に
似てるなあ
今 あの当時
見た夢を思い出すと どことなく
コミカルチックになる
後半に注目!
って シリアスじゃなかったんか~い ってツッコミたくなりますね!