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三題噺

作者: 桜花

何度も書き直してしまいましたっ…。

良かったら読んでみて下さい!




*子供


*約束


*電車






『―――…約束だよ』






ガタンゴトンッ…




ぼくは中学生になって始めての夏休みを迎え、田舎のおじいちゃんの家に遊びに行くことになった。


子供の頃、ぼくの家はおじいちゃんの家の近くだったけど、お父さんの転勤で引っ越すことになったのだ。


だから、毎年夏休みになると家族で行くんだけど、今年は両親の仕事の関係上ぼく一人だけになった。


電車の揺れがとても気持ちいいリズムで走行している。


心地いいリズムが眠気を誘い、ぼんやりとした頭の中でとても懐かしい声が聞こえてきた―――。





*。*。*。*。*。*。*




『…ねぇねぇ、おなまえ…なんてゆうの?』






公園で一人、砂遊びをしていたぼくに、突然女の子が話しかけてきた。


あまりに突然なことでぼくは戸惑いながら、女の子の質問にこたえた。


『…ぇと…ぼく、は…はじめ…。…きみは?』


『はじめ君ね!わたしはね、ちひろってゆうの!よろしくね』


『…う、うん』




初めて出会った時はすごくびっくりしたけど、ぼくとちょうど同い年で家も近所らしく、ぼくらはとても仲良くなった。



砂場で二人で山を作ったり、ブランコに乗ってどっちの方が高くまで上がれるかを競ってみたり…。


毎日いろんなことをして遊んだ。一人で遊ぶより二人の方がずっと楽しかった。




しかし―――

ある日、ぼくは引っ越しをすることになってしまった…。




『えぇー!!はじめ君お引っ越ししちゃうのぉ?』


『うん…。今までありがとう、ちひろ…楽しかったよ』


『うん、わたしも!…そっか……ねぇ?はじめ君』


『なに?』


『…わたし、いつでもここにいるよ。小学生になって、中学生になってもずっといる』


『だからね、いつでも遊びに来て…約束だよ!』


『…やくそく?』


『そう!またいつか会おうね』


『…ぼく守るよ、約束。またいつか会おう、ちひろ』


『―――……約束だよ』






*。*。*。*。*。*。*



気がつくと乗っていた電車は、もう終点駅まで来ていた。


ぼくは、さっそくおじいちゃんの家へと向かった。


いつもならおじいちゃんが駅まで車で向かいに来てくれるけど、今日は歩いて向かうことにした。


この辺りは小さい頃、ぼくが住んでいた時とあまり景色が変わっていない。


毎年遊びに来てはいるけれど、どこか懐かしさを感じる。


「…そういえば、昔遊んでた公園ってこの辺だったっけ」


そう、ひとり言を呟きながら公園へ行ってみた。


「久しぶりだな…。何年ぶりだろう?」


公園内を歩き回ると、先ほどの夢を思い出してきた。




―ーー…やくそく




さすがにいるわけがないだろう。ただの口約束だし、小さい頃のことだ。



(……ちひろ…)




そっと心の中でつぶやき、振り向くと制服を着た女の子が立っていてぼくと目があった。




「「…あっ!?」」




気まずくなって目を反らそうとした時、女の子の方から声をかけてきた。


「…あの、もしかして……えと…はじめ、君?」



「……ちひろ―――!?」



間違いない…ちひろだ。小さい頃の面影がまだ少し残ってる。


まさか、本当にあえるなんて…。


そう長くもない沈黙が続き、ちひろから口を開いた。




「…やっと、会えた…」






*。*。*。*。*。*。*




ぼくらは昔のように遊んだりはしなかったけど、ぼくらは昔のように遊んだりはしなかったけど、今はどんなことをしているかなど、たくさんの話をした……。



ぼくはあの時の約束をちひろも覚えてたことが、ただただ嬉しかった…。













(ねぇ、はじめ君?)


(なに?)


(毎年こっちに来てたなら、なんで公園に来なかったの?)


(そっ…それは…)


(…忘れてた、とか?)


(………。)


(まあ、いいや!会えて良かったよ)


(……うん)



こんな感じでいかがでしたか?感想や一言コメントを頂けると嬉しいですっ!

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