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婚約破棄された宮廷魔道具師は静かに証拠を作る ~捨てられた私が王国を救うまで~  作者: 渚月(なづき)


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第1話 空の指輪箱

婚約破棄の通告は、王宮の白い回廊で、すれ違いざまに告げられた。

まるで今日の天気を伝えるような声だった。


足が止まる。

息を吸おうとして、うまくいかない。


指にはめていた銀の指輪が、急にひどく重くなった気がした。


振り返ることはしなかった。

あの人の背中を見れば、きっと膝が折れる。だから前を向いたまま、一歩だけ踏み出した。


宮廷魔道具工房の自分の机に戻ると、引き出しの中の設計図がすべてなくなっていた。


(……ああ、そういうことか)


婚約だけではない。

私の三年間も、まとめて捨てられたのだ。


指輪を外して、空の小箱に収める。

指の跡だけが、白く残っていた。


荷物をまとめ終えたとき、工房の窓から見えた空は曇天だった。けれど不思議と、涙は出なかった。


悲しみより先に、指先が疼いていた。


――作りたい。もう誰にも奪われないものを、この手で。


翌朝、届いた一通の手紙には、見たこともない辺境の地名が記されていた。


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