第四十話 名前を交わした夜明け
目を開けると、空が見えた。
いつの間にか寝てしまったみたいだ。
パサッ
起き上がろうとすると、体にマント?が掛けられていた。
不思議に思って周りを見渡すと、すぐ隣にリバルが座っていた。
「リバル?どうして貴方がここに?」
リバルは、確か里の見張りをしていたはずだ。
持ち場を離れてしまって、大丈夫なのだろうか。
「見張りをしていたら、貴女が此方へ飛んでいくのが見えまして。心配になって、付いてきました」
リバルはそう言って微笑んだ。
安心させるような、柔らかい笑みだ。
リバルって、笑えたんだな......。
「それは......ご心配をお掛けしたようですね。このマントも貴方が?」
「えぇ、どういうわけか貴方は何も身に付けていませんでしたから。」
そういって少し目を細めて俺をみるリバル。
ジト目......?今日はリバルは表情がよく動く。
と思えば、今度は神妙な顔に。
「それと、申し訳ありません。身体に付いた瘴気を取るため、水魔法でお身体の汚れを洗い流させていただきました」
「あら、それはそれは。ありがとうございま......す......?」
それってつまり、リバルは俺の裸を見たってことで......。
「本当に、申し訳ございません」
裸を見られたーー。
頭にカーッと血が上るのを感じた。
“あの時“はただただ不快で、気持ち悪くて、嫌悪感しか湧かなかったが。
ーー恥ずかしい。
顔から火が出そうとはよく聞くが、今の俺がまさしくそれだ。
なんでっ、なんでこんなに恥ずかしいんだっ。
「あ、あのっ、みっ、見たっ、見たのですかっ?そのっ、私のっ、あのっ、は、裸をっ?」
「……はい。汚れを落とすには、どうしても必要でしたので」
ひぃぁぁぁああああああああっっっっ。
思わず両手を顔に当て、悶える。
死ぬぅぅぅうう恥ずか死するぅぅうううっ。
「それに、貴女が怪我をしていないかも心配でしたので。何もなくて良かった、本当に」
リバルは本当に安堵したような声色で、そう言った。
なんかリバル、雰囲気変わった......?
妙に態度が柔らかいというか、なんというか......。
それはそれとしてっ、
「リバルっ、わ、忘れなさいっ。忘れないと、その、ダメですっ」
「はい、忘れます。そのかわりに1つ、お願いがあります」
「は、はぃ?お願い?」
は、裸を見たことを忘れろって言った返答が、お願い事、だと?
こいつ、鬼畜かっ?ドSなのかっ?
「はい。貴女の、貴女のお名前を、教えていただけますか」
*
「へっ?な、名前?」
「はい」
何言ってんだ?名前なんていくらでも里で......里、で......あれれー、おっかしいぞー?
俺、名乗ってなくね?
やばい、冷や汗。俺常識無さすぎるじゃん。
名乗りなんて基本だぞ、基本!
「私は、わたしの名前は、白川凪です」
「シラカワナギ......。不思議な響きですね。姓はあるのですか?」
「せい......?あ、苗字のことですね。姓は白川で、名前が凪です。わたしが住んでいた地域では、姓の後に名前が付くんです」
「では、ナギ、というのが貴女のお名前なのですね。これからはお名前でお呼びしてもよろしいでしょうか」
「構いませんよ。わたしもリバルと呼んでいますから」
そういうと、リバルは嬉しそうに微笑む。
そんなに名前知りたかったんだ......里に帰ったらみんなにも自己紹介しなきゃな。
「それではナギ。貴女に言っておくべきことがあります」
「はぃ?なんでしょうか」
この後めちゃくちゃ説教された。
ごめんなさぁぁぁぁぁあああああい。涙
*
「ナギ。貴女、雰囲気が変わりましたね」
「へ?そうでしょうか......。いえ、そうかもしれませんね」
確かに、俺はこの戦いを通して明確に“変わった“。
以前までは無理やりお嬢様言葉に変換されていた口調だが、今はある程度コントロールできるようになっている。
多分、俺は女なんだって、自覚したことがきっかけなんだろうな。
スキルなんか無くても、そもそもが女だから効果が薄くなったとか、多分そういうことなんだと思う。
相変わらず“俺“とかは“わたし“になっちゃうんだけどな。まあワタクシじゃないだけ良いか。あれキツかったし、ほんと。
「そろそろ帰りましょう。里のみんなに黙って追いかけてきたので、きっと探しているでしょうし」
そう言って立ち上がったリバルは、俺に手を差し伸べる。
俺は、笑顔で返事をすると、その手を握った。
ーー俺が重すぎてリバルが逆に倒れてきたってことは、リバルのためにも秘密にしておこう。
*
現在のステータス(スタンピート後)
名 前:白川 凪
年 齢:19
性 別:女性
種 族:デミヒューマン[階位Ⅲ]
装 備:世界樹の聖剣(木刀)
:エルフの軽装一式
:精霊織りのベルト
:上質な下着
能力値:
[体力]4130
[魔力]10030
[力]5030
[防御]7270
[素早さ]3800
[器用さ]445
[賢さ]1050
魔 法:重力魔法Lv.6〈S〉
武 技:なし
加 護:創造神の加護〈S〉
ギフト:
・淑女
・豊胸
・不変(限定)
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