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第三話 まずは試してみるか

 ……目を覚ますと、木の洞の中だった。



「……あれ?」



 空。草。風。


 見覚えはある。



「そうですわ……ここは転生した場所……」



 夢の中でジジイに会って、仮面を貰って――



「はぁぁ……まあ、くよくよしてても仕方がありませんわね」



 未練を断ち切り、気持ちを切り替える。



「まずは、自分の能力を把握しませんと」



 重力魔法。

 それが、俺が唯一望んだ力。



「筋肉を鍛えるには、まず負荷ですわ」



 うんうんと一人で頷く。



「……とはいえ、加減が分かりませんわね」



 少し考えてから、結論に至った。



「まあ、自分にかけてみれば分かりますわよね」



 誰も見ていない。

 危険そうなら止めればいい。



「よし……」



 森の中の空き地に立ち、俺は集中する。なんとなく変な力が俺の中に渦巻いているのを感じる。これが恐らく、魔力。


 アニメで見たことがあるのは確か、魔力を手のひらに集めてそこから発射する感じで...。



「――《重力魔法》起動!とかd」



 瞬間。

 世界が、落ちた。



「――っ!?」



 地面が、いや、俺自身が、叩き潰される感覚。

 肺から一気に空気が抜け、視界が暗転する。



「……――」



 悲鳴すら出なかった。

 俺の意識は、そこで途切れた。





 ――だが。


 重力魔法は、解除されなかった。

 

 強烈な重力が、白川凪の体を押し潰す。


 骨が悲鳴を上げ、筋繊維が断裂し、内臓が耐えきれず潰れる。


 普通なら、即死。


 だが。


 壊れた骨は、元に戻る。

 裂けた筋肉も、潰れた臓器も。


 何事もなかったかのように。



不変(限定)・・・①容姿が変わらない。②容姿が維持できない状態になった場合、肉体を調整して元の状態に戻す。



 次の瞬間、また壊れる。


 戻る。


 壊れる。


 戻る。


 ――延々と。


 重力は止まらない。


 壊れては戻り、戻っては壊れる。


 繰り返される“調整”の中で、肉体は少しずつ、だが確実に変質していった。


 より強く。

 より密度を増し。

 より“耐えるための形”へ。





 どれほどの時間が経ったのか。


 意識が、ふっと浮上する。



「……う、うぅ……」



 瞼が重い。



「……頭、痛いですわ……」



 体が、異様に重い。


 まるで、地面と一体化しているような。



「……?」



 動こうとして、気付く。



「……動け、ませんわね」



 視界を動かす。


 地面が、やけに近い。


 というか――



「……地面に、めり込ん、でますわね...」



 顔の半分ほどが、土に埋まっている。


 どうやら、俺は地面に沈み込んだ状態で気絶していたらしい。


 とりあえず...。



「……うぐぐ...魔法、解除。...ぷはーっ!」



 その瞬間、先ほどまで感じていた重さが消失。体が一気に軽くなった。


 いや、軽すぎなんてもんじゃない。なんだこれ、今なら空飛べるかも。


 兎にも角にもまずは起き上がるか。


 ――ずるっ。


 手に力を入れたら、地面が抉れた。



「……?」



 もう一度。

 今度は、軽く。


 ――ぐしゃ。


 指が地面を掴み、簡単に引き裂く。



「……土が、柔らかいですわね」



 直近で雨でも降った後だったのだろうか。

 首を傾げながら、体を起こす。


 ずず……と、地面から這い出るように立ち上がった。



「……ふぅ。転生早々大変な目に遭いましたわ...」



 全身に違和感はあるが、痛みはない。

 どうやらジジイがくれた重力魔法は、俺が思っている以上に強力なようだ。



「……しっかり加減しないと、また気絶してしまいますわね」



 というよりまずは威力確かめてから自分に使えばよかったな。はしゃぎすぎたようだ。反省。



 でも内心、俺は強力な重力魔法にとてもワクワクしていた。



 (こんだけ強いなら、筋トレも捗るぞ!うひょー!)



 反省はした。が、後悔はしていない!


 顔がニヤけるのを感じながら、次の筋トレ育成計画を実行に移すべく早速行動を開始...しようとした俺だが...。

 


「あっ...」パサッ



 突然、着ていた服が落ちた。

 下を見ると、見覚えのない二つの丘の間から落ちた服、いや、ボロ布が見えた。


 ...恐らく、いや十中八九、先ほどの重力魔法のせいだろういやそんなことよりも。


 ...うーむ。この光景自体は夢にまで見たものなんだが...なんというか...地産地消というか......。でも...。


......、うむ。



「っ......、......んっ...。」



.........。



......。



...。



 ......ふぅー。

 なんか、服のこととかどうでもよくなっちゃったな。なんでかは知らんけど。


 なんか体もちょっと怠いし、今日は休んで明日考えよう。そうしよう。


 俺は再びミシミシと軋む木の洞に戻ると、丸くなって眠りについた。

 




 凪の立っていた場所には、深く抉れた地面と、人型の穴。


 そして木の洞に続く、地面に残る足跡。


 煩悩に支配されていた凪は気付いていない。


 自分の体重が、異常に増していることにも。


 自分の肉体が、常人離れした強靭さを得ていることにも。




名 前:白川 凪(18歳/女性)

種 族:デミヒューマン[階位I]

装 備:なし

能力値:[体力]1164

   :[魔力]5125

   :[力]1787

   :[防御]2487

   :[素早さ]755

   :[器用さ]78

   :[賢さ]596

魔 法:重力魔法Lv.1〈S〉

武 技:なし

加 護:創造神の加護〈S〉

ギフト:淑女・・・口調・動作が淑女らしくなる。

   :豊胸・・・バストサイズUP。

   :不変(限定)・・・①容姿が変わらない。②容姿が維持できない状態になった場合、肉体を調整して元の状態に戻す。

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