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第一章

廃工場の奥、かつては稼働音で満ちていたであろう廃棄室に、今は沈黙だけが横たわっていた。錆びた鉄の匂い、破断した配線、砕けた床。その中心で、一体のアンドロイドが静止している。


私はゆっくりと目を開いた。

「…ここは?」

その答えを返してくれる人はいなかった。暗い部屋、冷たいタイル。そして真っ青な液体で染まっているあたり。下を見たらいけない気がした。上を見ると少し光が漏れていることに気づく。下を見ずに光のほうへ向かう。足に嫌な感覚が広がる。

幸運にも私が足場にしている者らは頑丈だった。難なくこの空間から出ることができた。出る瞬間に足を掴まれたような気がしたが、気のせいだろう。


あの空間の外は工場だった。それもいつ閉鎖したかわからないくらい昔の工場。

「一体ここは…」

私は振り返って自分が出てきた穴を見る。

「…廃棄物処理行。」

穴の入り口は私の手形以外にも青い手形が垂れていたが、すでに緑色に変色していた。

「・・・」

「見なかったことにしようかしら…」

とりあえず私はこの工場を探索することにした。文字通りこの身一つしかないからね。せめて何か着れるものが欲しい。

「あっ」

いい感じに着られそうなものを見つけた。と、思ったけど持ち上げたら砕けてしまった。

「あらら」

砕けた服を見てがっかりしたが、その下には梱包された下着が大量にあった。

「ここは服工場だったのかしら?」

こちらは密封されていなかったのでさっきみたく砕けなかった。

全裸で誰かにあっても気まずいので下着だけでも身に着けることにする。

「まぁ、人によってはこういう服だと思ってくれるわよね」

我ながら少し能天気かもしれない。天気といえば

「外が明るいうちに出てみようかしら」

外に出れば誰かに会えるかもしれないしこのあたりのことがわかるかも。私は扉に手をかけてみる。

「…開かないわね。」

「まぁ、閉鎖されているんだしそりゃそうよねぇ」

窓の位置はとても高く、ただのジャンプじゃまず届かない。

「服があの様子だったし、壁もボロボロになっていないかしら」

壁を軽くたたくと、こんこんと硬いコンクリートの音がする。あたりを見渡しても特に何もない。いやな可能性を想像してしまう。

「もし出れなかったら…餓死?」

「そんなの絶対いやよねぇ」

ちょっと頑張って扉を押してみる。まぁ。開かない。だんだんムカついてきて扉を本気で殴った。

「ガァン!」

なんと、金属の扉に穴が相手ではありませんか。

「ら、ラッキー?」

開いた穴から腕を伸ばし、鍵を開けることに成功。そのまま私は工場を後にした。


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