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最強の相棒と最強の敵、究極の嘘と演技の対決

こんばんは!

前回、優月を最大の窮地(リヴァイアサンとの契約直後)に追い詰めたとある人物。今回は、嘘泣きが効かない「論理の怪物」である彼との究極の対決です!

最強の相棒・レヴィ(リヴァイアサン)も、主の危機には「知らん」と突き放す始末……。

優月は、演技と嘘、そして最強の盾である「家族の溺愛フィルター」を駆使して、この難関を乗り切れるのか!?

そして物語はついに序章のクライマックスへ!第10話へ向けて、最大の危機が迫ります。

究極の心理戦、どうぞお楽しみください!

拝啓 お父さん、お母さん。

優月は絶賛大ピンチです!あの人に従魔契約のところを見られたかもしれません!

ど、どど、どどどどうしよう?!(動揺)


『一旦落ち着け、主』


レヴィ?!あの人に聞こえたらどうするの?!


『契約している者同士にしかこの念話は聞こえんから安心しろ』


え、心の中で思ってることでもレヴィには筒抜けってこと?!


『そうだな。先程からお主の心の声がうるさくて敵わん』


だって従魔契約を見られたかもしれないんだよ?!絶対にレヴィのこと聞かれるから!


『その時はその時だろう。あの若造に素直に言えば良いではないか』


若造って…そりゃレヴィから見たら若造なんだろうけどさぁ…


『あの若造なら我と一度、戦ったことがあるぞ』


え?!いつ?!


『2年ほど前だ。こことは違う場所だったが、あやつの急所を狙って我が勝ったがな』


ドヤ顔するじゃん…あの人には勝ったのに私には負けたよね


『不本意だ!き、き、っ、お主が防御魔法など使うから...』


はいはい、貴様って言わないようにね~。主である私を敬えたまえ、レヴィくん


『調子に乗るでない!』


「フローラ嬢、だよな?」


出来れば後ろを振り向きたくないです。だってこの声は確実にあの人だもん…

お察しの通り隣国のラゼボ王国、公爵でありSランク冒険者のジークベルト=アーチャー


「………これはジークベルト様、ごきげんよう」


私は勇気を振り絞って後ろにいるジークベルト様に体を向けました。誰か褒めて


『何故、恐れる必要がある?お主と契約して分かったがこの若造はお主より弱いではないか』


レヴィ?ジークベルト様に私の能力がチート級ってバレたらややこしいことになるんだよ?それはもう、ややこしや~、ややこしや~ってね


『ちーと級…?ややこしや?何を言っているのか理解出来ん』


「……沼地といい、この洞窟といい俺はフローラ嬢に良く会うみたいだな。君はなんでここに?」


「えっと…」


「それに君の横にいるピクシードラゴン、文献でしか目にしたことがない珍しい魔物だ。フローラ嬢の従魔になったのか?」


え、そうなの?!文献でしか目にしたことがないくらいの珍しい魔物なの?!


『ラゼボ王国ではな。サコヴィナ王国は意外と目撃されるらしいぞ』


へー、さすがレヴィ。博識~!


『もっと我を褒めるが良いぞ』


調子に乗らないの


「……フローラ嬢?実のところどうなんだ?」


ひぃっ!ジークベルト様の圧が!圧が怖いであります!!


「その……ジークベルト様はどうしてこの洞窟に?」


「ん?俺はこの洞窟の奥深くにいるシャドウ・リヴァイアサンを討伐しろって冒険者ギルドからクエストを依頼されたから来たまで。……だがここには目的の魔物は居らず、何故かフローラ嬢が居る状況なんだが?」


「わ、私がここに着いた時にはもうシャドウ・リヴァイアサンは居ませんでしたわ。推測の話になりますが、別の場所に移動したのだと思われます」


「別の場所、ね...それだと辻褄が合うか?」


怖いよ、ジークベルト様が怖すぎるよぉ…


『我は知らんからな』


レヴィ、酷い!人でなし!


『人ではない。我は伝説の海龍、シャドウ・リヴァイアサンだからな』


「フローラ嬢。ここに来るまでに俺は魔法の形跡を何度か見かけたんだが、それは君の仕業か?」


ギクッ!魔力∞だからってチート級の魔法をバンバン撃ってたからなぁ…誤魔化すか?


「いえ、それは恐らくこのピクシードラゴンの魔法だと思いますわ。ピクシードラゴンなら魔法も得意ですし…」


「確かに、文献ではピクシードラゴンはあらゆる魔法が使えるらしいが…だが、そのピクシードラゴンが人に従うなんて聞いたことがない」


嘘でしょ?そんなに珍しいの??

レヴィ、教えて!!


『まぁ、そうだな。主よ、若造に従魔契約について聞いてみろ』


え、なんで?急に?


『いいから聞いてみろ』


「あ、あの!ジークベルト様。ジークベルト様が従魔契約について知っていたら教えてほしいのですが…」


「従魔契約の仕方だったりその条件のことかな?」


「そ、そうです!」


「従魔契約は魔物側からしか出来ないものだ。条件としてはその魔物がこの人間になら仕えてもいいと従魔になってもいいと思うと、初めて契約が成立する」


「え…人から魔物には従魔契約は出来ないのですか?」


「あぁ、出来ない。そもそも従魔契約をするには魔物よりも多くの魔力が必要になる。人の魔力は多くて5000~6000くらいだ。俺でも魔力は1万だからな」


ふぁっ!?ジークベルト様で1万なの?!じゃあ私の魔力∞って…


『余計なことは喋るなよ、主。この若造の言った通り、本来ならあり得ない話だがお主は我を従魔にした。規格外ということだ』


で、でもでも!低級の魔物とかは魔力少ないから従魔契約できるんじゃ…


『馬鹿を言え、低級と侮るな。一番弱いスライムでも魔力は3万からだぞ』


え?!どういう基準?!


「ジークベルト様、魔力の基準って…?」


「一言で言えばその者の中にある潜在能力だ。コップをイメージすると分かりやすいかもな。…例えば俺だと500ミリの水を20回入れることが出来るくらいのコップの大きさだ」


「わ、分かりやすい...」


「…話を戻すが、そのピクシードラゴンがフローラ嬢に従魔契約をしたという解釈でいいのか?」


「その通りですわ!可愛いでしょう?」


「……そうだな(フローラ嬢に何か隠されていることがこれで確定したが、これ以上の詮索は今は止めておくべきだな。)フローラ嬢、家まで送っていこう」


「えっ...?!」


「フローラ嬢と仲良くしたいから、な?送らせてくれ」


「………っす」


笑みが怖いよ!なんか意味あるの?!それともフラグがたった?!


ジークベルト様に家まで送ってもらいました。

今回は怒られることもなく平和に…とはいかず、家族会議です。そりゃあレヴィがいるからねぇ…


「フローラ、そのピクシードラゴンは?どういうことか説明してもらおうか?」


カイトパパ、笑顔が今回も怖いよ!目が笑ってないよ!!


『主、素直に言えば良い。我が契約したことにすれば事なき終えるだろう?』


レヴィ…そんな簡単に事が進むわけないじゃん

シスコンの双子の兄に娘バカだよ?!アリアママは私の味方だけどさぁ!

ピクシードラゴンから契約してくれました!って言ったらどうなると思う??ママ以外の3人は魔力がないフローラと契約した?!ってなるよ??ママは火属性の魔法が使えるものね...とかなんとかで納得するだろうけど!


『お主の能力は母君にしか言ってないのか?しかも火属性だけとは…』


私の能力がチート級ってことは契約してるレヴィが知ってればいいの。下手に言って国とかに関わりたくないから


『それで良いなら我は何も言わんが…』


ええーい!一か八か!レヴィの方から契約してくれました!って言うしかなーい!


『結局、言うのか…』


「このピクシードラゴンから私に従魔契約してくれたんです。私の可愛いペットです」


『ペットだと?!我は伝説の海龍のシャドウ・リヴァイアサンだぞ?!』


レヴィは黙ってて。

私はレヴィの口を手で抑え静かにさせる


「………ピクシードラゴンから、フローラに従魔契約?」


「そうですわ、アシェルお兄様」


「フローラが可愛いからか。なるほどな」


「へっ?」


「こんなに可愛くて愛らしいフローラなら魔物自ら従魔契約をするのはあり得る話だな」


「はい?」


「その通りだな。我が愛しの娘のフローラならあり得るな」


「……………」


『主の家族は揃いも揃って溺愛バカだな』


レヴィ、そんな言葉どこで覚えるの?

この3人はフローラが言ったこと、全肯定だからね…泣き落としをすれば嫌われたくないって必死になるし、妹が娘が一番可愛いって日頃から言ってくるから...


『主が逃げたくなる気持ちが少し分かる気がするな…』


でしょ?毎日お腹いっぱいなんだよ。愛されるのは嬉しいけどね


「フローラ、話は変わるがセドリック殿下からお茶会の誘いが来ているからよろしくな」


「っ?!」


いきなり爆弾投下してきたよ、カイトパパ!!

待って待って?!もう行きたくないって!!

私に拒否権は無いんですか?!


「今度はジークベルト殿も同席するらしいから、しっかり話してきなさい」


ふぁっ?!あの人も来るの?!嘘だと言って!!


次回!序章完結!フローラ、第一王子と公爵様の二人から究極の選択を迫られる!?


序章完結?!まだ序章だったの?!これはまだ始まりに過ぎなかった…っていうお約束ですか?!


『お茶会が楽しみだな、主よ』


楽しみなわけあるかい!!私にとっては拷問だよ!!


『腹を括れ、主』


嫌だー!!!

第9話までお読みいただきありがとうございます!

優月、お疲れ様!ジークベルト公爵という最難関の詰問と、カイトパパの「結界突破」という核心的な問いを、見事に回避しましたね!

特に「フローラが可愛いから魔物が契約するのはあり得る」という家族の全肯定っぷりは、この物語の最高のコメディです。レヴィの『溺愛バカ』というツッコミが全てを物語っています(笑)。

しかし、回避したのも束の間、カイトパパからの「爆弾投下」で、物語はついに序章の最終局面へ!

次回、優月が二人のイケメンから迫られる「究極の選択」、そして婚約問題の区切りが訪れます!

よろしければ、今回の能力バレ回避の成功へのご感想や、次話で優月が誰を選ぶのか(あるいは回避するのか)の予想をコメントで教えていただけると嬉しいです!

次回【第10話:序章完結!究極の選択と運命の決定(仮)】で、お会いしましょう!

評価やブックマークも、ぜひよろしくお願いいたします!

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