初めての従魔契約、その相手はシャドウ・リヴァイアサン
こんばんは!
前話で「マナ・フロッグ討伐に行く!」と決意した優月ですが、今回はついにチート無双が始まります!
チート級の魔法を優月の脳内に眠るゲーム知識で、無詠唱チートで具現化!?
伝説級の魔物、シャドウ・リヴァイアサンを相手に、優月のオタク本能が規格外の力を振るいます!
そして、最強の従魔を手に入れた直後、あの最も厄介な監視者が再び……!
爽快な無双が始まる第8話、どうぞお楽しみください!
拝啓 お父さん、お母さん。
優月です。チート能力がバレませんでした。
必殺、泣き落とし(嘘泣き)。これで私は自由に探索できるぜ!やったね!
「ステータス、オープン!」
私は自室でフローラ(優月)のステータスを改めて見る
サージェント家 長女
名前:フローラ=サージェント(優月:25歳) 16歳
属性:火・水・風・土・光・闇・無
スキル:アイテムボックス・無詠唱・魔力∞・鑑定・空位の器・従魔契約・精霊契約《使用不可》
ホントにチートだって…。全属性+無属性ってどこの異世界だよ。スキルも各異世界の特典集めました!みたいなてんこ盛りだよ!あれ?精霊契約が使用不可になってる。なんで??前見た時には使用不可なんてなかったはずなのに…
そんなこと今はそっちに置いといて。従魔契約を見なきゃ!どういう条件で契約できるか知らなきゃ!
「従魔契約の文字を押せば分かるかな?……おぉ!従魔契約の説明文だ!」
【従魔契約】
スキル名:無限の誓約
契約条件:魔力の奔流→契約者の魔力が対象の魔物を魔力の奔流で魔物の魔力を完全に塗りつぶすことが唯一の条件。
契約後の効果:力の調律→契約した魔物は契約者の精神状態に合わせて強さが調律される。仮に契約者がパニックになると契約した魔物は暴走しやすくなる。
おっふ…。要約すると従魔契約では対象の魔物より魔力が多くなきゃ出来ないってことか。魔力∞じゃなかったらほぼ無理ゲーじゃないですか!!私専用のスキルってことにならない?
人前で使わない方がいいけど、それでも使いたい!試したい!!
「そうと決まれば実行あるのみ!あの馬と鹿王子が言ってた魔物、シャドウ・リヴァイアサンが居る洞窟にいざ行かん!」
「フローラ?!一体何を言ってるんだ?!」
「レーヴィお兄様?!」
いきなり部屋のドアが勢い良く開いたと思ったらレーヴィお兄さんがすごく焦った顔で私を見ている
「シャドウ・リヴァイアサンの洞窟に行くってどう言うことだ?」
「えっと…それは、(従魔契約を試したいからですとは言えない)」
「魔法も魔力もないフローラがシャドウ・リヴァイアサンの所に行くなんて駄目だ!止めておきなさい」
「……レーヴィお兄様、どうしてもですか?」
「うぐっ…そんな上目遣いしてきても...……っ、今回だけ目をつぶろう…。アシェルと父上にも散歩に行ったと言っておくから」
「レーヴィお兄様、ありがとうございます!」
「ただし!あんまり遅くなるなよ?」
「分かっておりますわ!」
レーヴィお兄さん、ちょっろ…
そんなに妹に弱いと私に簡単に漬け込まれるよ?…なんてね!
前に使った魔法で向かおうっと!風属性魔法!
空の目隠し!
ー森林の奥深くにある洞窟前ー
「おぉ…!まさにRPG!冒険と言えば洞窟!洞窟と言えば探検!探検と言えば宝箱!!」
シャドウ・リヴァイアサンの所に行く前に探検しよう!
私は洞窟を探検しながら、チート級の魔法で襲ってくる敵をバッタバッタっと倒しつつ宝箱を探した。
「……魔力∞のおかげで魔力切れはないけど、こうも宝箱が見つからないんじゃテンション下がるわぁ…」
例えばRPGだとこの道の突き当たりとかにさぁ、宝箱あるじゃん?…って…あった!あったよ、宝箱!!
「ひゃー!テンション上がるぅ!!何が出るかな♪何が出るかな♪宝箱、オープン!」
宝箱を開けようとしたら、突然宝箱が襲ってきた。
「ギャー?!ミミック?!っ、ふざけんな!」
即座にミミックと間を取り、鑑定する。
ミミック(魔物)
属性:闇
スキル:擬態
ふっふっふっ…闇属性ですか。ならば、闇属性に強いのは光属性!優月ちゃんのチート能力舐めるんじゃないわよ!無詠唱で唱えられるけど、この魔法は声に出したい!
「光属性魔法!神聖なる輝き!!」
協力な光の衝撃がミミックを襲い、ミミック倒れる。
「チート級の魔法、気持ちいい~!!」
あれ、なんかドロップした。何だろ…鑑定!
虚飾の宝飾
【幻影の膜】効果:周囲の魔力探知や鑑定スキルに対し、使用者周辺の魔力反応を『事前に指定した属性』に見せかける効果を稀に発動させる。
そ、それってつまり…偽造ってコト?!万が一私の隠蔽が突破された時に火属性って指定しておけば、誤魔化しきれるってことじゃん!?
こ、このアイテムは貴重だ!私の勘が告げている!これは装備しておくのが良いって!
「早速、装備しよ~っと。闇属性のミミックから出た指輪なだけあって、小指にしかはまりそうにないや。…アメジストよりも暗い色の紫の宝石かぁ…名前なんだったかな…」
ま、気を取り直してシャドウ・リヴァイアサンのところに行こう!
洞窟の奥に着くまでにまた敵を魔法でバッタバッタ倒しましてよ。そうしたらいつの間にか奥に着いていて、シャドウ・リヴァイアサンが起きてしまいましたわ。見た目は完全にあの有名な海龍そのものですけど、色が青じゃなく黒に近い濃い青ですわね。
『何者だ。我の眠りを妨げる愚か者は…』
「リヴァイアサンが喋ったァ?!」
『……我の鑑定が効かないだと?貴様、何をした?』
「え?ただ空位の器で隠蔽してるだけですけど」
『空位の器、だと...?初めて聞く名だが貴様の持つ隠蔽スキルか?』
「そうですけど」
『我の鑑定が効かんとは誤算だが、まさに僥倖。貴様を喰らいつくして我の糧にしてやる!』
「ギャー!!いきなり水球を放ってくるなんてずるでしょうが!!躱せたから良かったものの」
『貴様のような人間に我が負けるわけなかろう。ずるでも何でもないわ!』
「ひぃぃぃ!!そう言いながら一方的にまた撃ってるじゃん!!こういうのはターン制じゃないの?!フリースタイルなの?!」
『何を訳の分からんことを言っている?逃げるばかりだとつまらんだろうが』
「あっぶな…鼻先に水球がカスった、怖いよぉ…」
『所詮、ただお飾りな令嬢か。我の期待外れだったようだ。これで終いにしてやる…!』
シャドウ・リヴァイアサンが大技を打とうとしているのか、力を溜めている。
あ...ヤバい。あの溜め攻撃は絶対にヤバい。
例えるならはかいこうせんみたいなやつ。
考えるんだ、優月。シャドウ・リヴァイアサンが水と闇属性ならそれに効果抜群の魔法で防いでしまえば、シャドウ・リヴァイアサンを従魔契約に持ち込めるのではないのか?!
無詠唱で唱えられるけどこの魔法もまた声に出して発動させたい!それで決まりだっ!
『深淵に沈め!下等な生物よ、暗黒波動!』
「風と光属性の混合魔法!光速結界!」
説明しよう!この魔法は、光の粒子を超高速の風で練り上げ、使用者の周囲に光の硬質バリアを瞬間的に展開する。光の速さで展開するため、視認不可能な速度の攻撃も防御可能なチート級な防御魔法である!
そう!シャドウ・リヴァイアサンが放った暗黒波動もこの結界に打ち消されたのだ!
『なっ…?!貴様、なんだその硬い結界は!我の暗黒波動を防ぐ防御魔法などあるはずがない…!』
「ふふん。私のゲーム知識を持ってすれば防ぐことなんて簡単簡単。そして油断している今が好機!シャドウ・リヴァイアサン、私の従魔契約の初めての実験台になって!!」
『誰が貴様のような得体の知れない人間と従魔契約をするか…!』
「もう遅い!対象はシャドウ・リヴァイアサン!我の従魔となれ!無属性魔法、無限の誓約!!」
私の魔力が対象のシャドウ・リヴァイアサンを魔力の奔流で塗りつぶしていく
魔力を完全に塗りつぶしたのか、シャドウ・リヴァイアサンはピクシードラゴンみたいに小さくなっていた。
「可愛くなってる…!」
『誰が可愛くなってる、だ!き、き、~っ??』
「あれだ。私がシャドウ・リヴァイアサンの契約者、主になったから貴様が言えなくなったんじゃない?」
『?!』
「ほら、主って呼んでよ」
『…………主よ、なぜ我に従魔契約を試したりしたのだ?』
「単なる好奇心からかな。あとは従魔契約するなら強い魔物を仲間にしたいと思ったから!」
『…お主の考えはただの令嬢ではないな』
「はっ!仲間になったんだからニックネーム考えなきゃ!シャドウ・リヴァイアサン…あ!レヴィはどう?!」
『この我のことをレヴィだと?!伝説の我を愛称で呼ぶのか、き、お主は…』
「良いじゃん、呼びやすいし今の見た目にぴったりな名前だと思うけど。それとも何?伝説であるシャドウ・リヴァイアサンは心が狭いの?」
『くっ…!我は心が狭いわけではない!お主にだけ、その名で呼ぶことを許してやろう』
「素直になってよ、レヴィ~」
『調子に乗るでない!』
シャドウ・リヴァイアサン改めレヴィと話していると
「そこに居るのは、フローラ嬢か?」
「…!!(この絶妙に低くて強者感のある声は!)」
次回!フローラの下手な言い訳は声の持ち主に通じるのか?!いや、何とかしなきゃ!
レヴィ、助けて!!『主のことは知らん』酷い、人でなし!!『人ではない』
読んでくださりありがとうございます!
いやぁ、優月「光速結界」、気持ちよかったですね!チート能力が全開で発動し、伝説級のシャドウ・リヴァイアサンを従魔にした瞬間は最高のカタルシスでした!
そして、優月の最大の理解者にして、最大のツッコミ役である従魔「レヴィ」も仲間入り!あの偉そうな口調、たまりませんね(笑)。
しかし、平穏への道は遠い……。
今の優月にとって最も厄介な男、あの絶妙に低くて強者感のある声の持ち主とは一体...?! リヴァイアサンが「主のことは知らん」と助けを拒否!優月の演技力が、今、試されます!
次回では、優月の「究極の嘘」が最後に登場した声の持ち主に通じるのか?どうぞ、ご期待ください!
よろしければ、リヴァイアサンの生意気な口調についてのご感想や、優月の嘘がバレるかどうかの予想など、コメントで教えていただけると嬉しいです!




