世界の時の番人、クロノス
厨二病っぽい言い回しって難しいですね……
拝啓 お父さん、お母さん。
優月です。絶望の黒鉄龍と聖域の覇王龍を目覚めさせ、このダンジョンの最下層に配置したのは古の番人であるクロノスだそうです。新事実にテンションが上がりまくってます!!
「主だけだ、その様にてんしょんが上がるのは」
「誰だってテンション上がるでしょ?」
「上がるわけなかろう!相手が古の番人の中でも最強のクロノスだぞ?お主でも勝機があるか分からんほどと言うのに」
「勝てるって!クロウとアルの二体同時を相手しても勝ったし、水属性の精霊王こと水神后・アンフィトリテことテティにも勝ったじゃん」
「いや、そう言われるとそうなのだが…」
「それに、みんなにも勝って従魔にしてるから勝機しかないよ!!」
「主ならやり遂げてしまうのではないでしょうか。私の攻撃をかすり傷程度で済ませた実力の持ち主ですし」
「アルの裁きの雷光は溜めが短すぎてやばかったよ…結界が間に合って良かったけど」
「アルヴィンの裁きの雷光が初めて姫君にかすり傷を負わせた。アルヴィンは我らにとってはヒーローだな」
「ヒーロー?アルが?」
「アルヴィンは私たち、お嬢の被害者の会のヒーローということですよ。お嬢にかすり傷でも負わせたのは快挙なのです」
「……さいですか」
談笑していると、不意に私以外のみんなの動きがピタリと止まってしまった。まるでそこだけ時が止まったように。
「天を衝く咆哮は消え、翼は地に伏した。……否、貴様の影に呑まれたというわけか。禁忌の術理を操る境界の観測者よ。その力、果たして福音か、あるいは終焉か……」
静寂の中、低く重厚感のある声が響く。
声のした方を向くと、褐色肌で白に近い髪色。目の色はジークベルト様と同じ紫色だ。座禅したまま宙に浮いている男性が私たちに近付いてきた。
いつの間に……
「……まさか、クロノス?」
「…不可解なり。万象が凍てつき、刹那が永遠へと変わる我が絶技。停滞の牢獄、タイム・フリーズ・プリズン。この静止した世界で、未だその魂の拍動を止めぬとは。貴様、もしや今という概念の外側に立つ者か。……よかろう、異端者よ。その不遜な問いに、冥土の餞として答えを授けよう。我が名はクロノス。流転する時の濁流を見守る番人にして、始まりより在る古の守護者たちが一人──。そして……彼らの中で最も頂に近い、最強の存在だ」
なっっっっが…。アストラルが言ってたようにクロノス、厨二病キャラじゃん。何言ってるのかちょっと分からない。
「えっと、クロノスであってるんだよね?探す手間が省けて助かった。……私が勝ったら貴方を従魔にするから」
「片腹痛い。万象を統べる我が、貴様のような理外の異物に膝を突くと?……勝機なき闇の中で、未だ分不相応な夢を見るか。だが、その纏いし気配。悠久を共にした同胞らですら、貴様の魂の刻印』に屈したというのか。……面白い、狂っているな」
………調子狂うなぁ。翻訳機が欲しい。
誰か、翻訳して…
「とりあえず、みんなを無属性結界:絶対防御で守って…っと。クロノス、私と勝負しよう」
魔槍・竜牙を手に持ち、構え、クロノスに勝負を仕掛ける。
「……不可視の衝撃だと?属性すら持たぬ無の魔導。世界の理を嘲笑う、貴様ゆえの禁忌というわけか。……よかろう。その傲慢なる志、我が停止した時の中で粉々に砕いてくれる!」
「先手必勝!雷光一閃突き!!」
風属性魔法の疾風神速で加速し、クロノスに一撃を喰らわそうとした。
「愚かな。我が身に纏うは、あらゆる干渉を霧散させる虚無の衣、さらに未来視の眼の前では、貴様の末路など確定した既知の事象に過ぎぬ。……抗う術は、既に絶たれているのだ」
私はニヤッと笑い、低い声でクロノスに告げる
「雷光一閃突きは、囮に決まってるだろ。新たな技の実験台になってもらう」
光属性魔法と無属性魔法を掛け合わせ、部屋の天井に無数の槍を作り、自身の腕を上から下に振り落とすとその槍がクロノスに一斉に光の速さで向かっていく。
──新技、神罰光槍。
これは魔法で槍を作っているけど、魔法ではなく物理攻撃になる。無属性に耐性の無いクロノスには効く技だ。
「くっ……!?」
私は攻撃の手を止めない。
「火・水・土・風・光・闇の6属性を掛け合わせた、大技もついでに喰らえ。──六魂葬破」
この魔法は全属性が魂までをも葬り去る、逃げ場のない一撃。全属性が使える私にしか出来ない魔法だろう。
「…無駄だ。全ては刻の巻き戻し、リバース・クロックの螺旋に還る。その一撃に賭けた魔力と共に、貴様の希望も今、潰えたのだ。……さあ、因果の果てに果てるがいい。刻の刃にその存在を刻まれ、若劫の彼方、あるいは朽ちた未来へ、存在の虚無へ消え去るがいい。──刹那の断罪」
「魔力切れなんて、起こるわけないじゃん。理の無効化」
クロノスが放った刹那の断罪が私の目の前で消えた。
理の無効化は、魔法を理の領域から無効化する無属性魔法だから、クロノスの魔法も無効化することが出来る。
「……なっ!?理の刃、刹那の断罪が消失した……?有り得ぬ。これは因果の法を直接書き換える、回避不能の終焉……!それを『無』に帰すというのか。貴様、一体何を──。この世界の時そのものを、否定したというのか……!?」
クロノスの顔がここに来て初めて崩れた。
「ははっ!…そうそう、その顔が見たかったんだよクロノス。絶望に満ちながらも、余裕そうに焦るその顔が!」
邪神の闇の力に支配されていたアストラルやヴァイス、イグのように自我を失っていないクロノス。最初からアティと同様に人の言葉を発し、古の番人の中でも最強で余裕だった顔があんなに崩れるなんて楽しくて仕方ない!
「よかろう……ならば、光すら届かぬ無窮の夜に抱かれるがいい。顕現せよ、全てを呑み落とす昏き虚無の顎。
刻すらも腐朽させるこの暗黒の前では、希望すらも一筋の塵に過ぎぬ。冥府の深淵!絶望の底で、永遠に明けることのない闇に溺れるがいい…!」
クロノスが闇属性魔法、冥府の深淵を放ってきた。ド○マ○ンに近い感じの魔法だ。あれ、当たったら確実にヤバいやつだよね。……ふふっ、やばい。おかしくて笑っちゃう
「理の無効化」
またもや冥府の深淵は私の目の前で消えてしまった。どんな魔法も理の無効化の前では意味を成さない。
「くっ……、これほどの深淵すらも、容易く排斥するというのか。貴様の深奥、底が見えぬ……。これほどの禁忌を連ねて尚、魔力の枯渇すら見せぬとは。……異端者。貴様の魂に流れるは、魔力ではなく無限の奔流か…?」
クロノスの問いに、私はにっこりと笑い答える
「ご名答。私の魔力は∞です。なので魔力切れは起こることはありません」
次回!クロノスとの決着!従魔にしても厨二病キャラは変わらなかった
永遠にこのバトルを続けたいけど、それだとみんなが止まったままになっちゃうから出来ないよねぇ…
新しい技の実験台としてもうちょっとクロノスには頑張って欲しいし…
あと3回くらい新技を試す方向で行こう!クロノスの余裕そうな顔をもっと歪ませたい!!
※ツッコミは不在でお送りしました※




