目には目を歯には歯を。放たれる零式(レイシキ・)の波動(パルス)
最新話を更新しました。
零式の波動はイメージはか○か○波です。そんなに溜めはしませんけど
次話からクロノス戦始まります
《ジークベルトside》
フローラが天井に近い壁に勢いよく飛ばされた。だが、瓦礫の煙が完全に晴れるよりも早く──
壁に激突したはずの場所から、一筋の無の光が放たれた。煙塵を切り裂き、その光は加速し聖域の覇王龍に直撃した。
「……無属性魔法、零式の波動。あらゆる耐性を貫通し、対象を虚無に帰す魔法だ」
瓦礫の煙が晴れると、フローラが無事である事が確認出来た。そして彼女は低い声でそう呟いていた。
「主!無事だったか!」
「裁きの雷光が当たる直前に風と光属性の混合魔法の光速結界でギリ防いだけど勢いよく壁に飛ばされただけだよ。骨とかは折れてない。かすり傷程度」
「姫君、巻き返せるのか?」
「当たり前。……言ったでしょ?みんなのことを守り切るって。指一本触れさせないから」
フローラは低い声のまま、そう言って聖域の飛翔で崩れた壁から出て来た。水の精霊王、水神后・アンフィトリテの戦いの時にも感じた彼女の尋常じゃないプレッシャーを結界越しに全身が身震いする。
「……結界内でもこの重圧。聖域の覇王龍の動きが止まっている…主様は魔力を解放したのかもしれません」
「だとすると、聖域の覇王龍は確実に仕留められるだろうな。彼奴の王の威圧を越える姫君の威圧はまともに受けたくないものだ」
「…フローラ」
「この一撃で終わらせてやる」
今までに低い声で言い放ったフローラは、地面に突き刺さっていた魔槍・竜牙を即時転送させ、手に持ち構えた。
「竜王の審判!!」
フローラの眼光が一瞬、サファイアの青色からダイヤモンドのように光り輝いたように見えた。彼女の叫びと共に、魔槍・竜牙の穂先から、世界を白紙に戻すような純白の閃光が放たれる。
魔槍・竜牙の穂先が白銀の龍の形に変えて聖域の覇王龍にその一撃を喰らわせた。
覇王龍の断末魔がダンジョンを揺らす。
あれほど強固だった白銀の鱗が、フローラの魔力によって砂のように崩れ落ちていく。
その光景は、結界内で見守る俺たちの目に、神が罪人を裁く光景そのものとして映った。
「「…………」」
息を飲み、言葉を失っていると聖域の覇王龍の胸に魔槍・竜牙が突き刺さっているまま、彼女は叫んだ
「対象は絶望の黒鉄龍と聖域の覇王龍。我の従魔となれ!無属性魔法、無限の誓約!!」
フローラが2体同時に従魔契約し始めた。
彼女の魔力がそれぞれの魔力を上書きをしていく。辺り一帯が眩しい光に包まれ、目を開くと白銀のドラゴンと漆黒のドラゴンがフローラに頭を下げていた。
『『これより我らは、契約者フローラを主と認め、生涯仕えます』』
「よろしく。あ、結界解除っと」
結界が解かれると、全員でフローラがいる所に走り出す。
「フローラ、無事で良かったっ……!」
俺は思わず彼女を強く抱きしめる。
「ジーク様…。苦しい」
彼女にそう言われ、少しだけ力を緩めるが抱きしめたままにした。
「す、すまない。だが、君を失うかもしれないと思って怖かったんだ」
「…大丈夫、私はここに居るよ。ジーク様を置いて行くわけないじゃん」
フローラに抱きしめ返され、安堵する
「主、今回は肝が冷えたぞ。お主でも避け切れない攻撃があるとは」
「光速結界で防ぐことしか出来なかったの。あんな攻撃、まともに受けてたら私でも致命傷になってたかもね」
「お主で致命傷なら、我らは消えていたかもしれんな」
「王の威圧で身動き取れないみんなは、安全地帯でいる方が良いと思ったから無属性結界:絶対防御を展開したでしょ?」
「命拾いしたのは主のおかげだな」
「しかし姫君、2体同時に従魔契約するとは…良く出来たな」
「誰にでも出来るでしょ?」
「出来るかっ!お主は規格外ということをそろそろ自覚を持たんか!!」
「えー……?」
「…(自覚していないそんなフローラも可愛いと思うのはもう戻れない所まで来てしまったな)」
「ジーク様?」
「何でもないよ。フローラ、このドラゴンたちに名前を付けないのか?」
「あ!そうだった……えーと、絶望の黒鉄龍はクロウで聖域の覇王龍はアルヴィン、略してアル!」
『クロウ……』
『アルヴィン……』
「二人とも気に入った?」
『クロウ、この名前気に入った』
『私もアルヴィンという名が気に入りました。改めてよろしくお願いします、主』
「うん!それはそれとして、小さくなれたりしない?ここまで大きいと目立つし…」
フローラがドラゴン2体にそう言うと、白い光に包まれ、レヴィ殿のように小さな体になった
「か、可愛い…!!クロウは漆黒の鱗に瞳の色が紫色に変わってるけど、アルは白銀の鱗と瞳の色が金色なのは変わらないね」
『クロウの方が邪神の闇に完全に飲まれていましたから。主の魔力により解放された証です』
「アルヴィンは?邪神の闇に飲まれてなかったの?」
『私は邪神の闇に飲まれかけていましたが、自我は残っていたのです』
「え、じゃあなんで襲ってきたの…?」
『ボス部屋に限らず、ダンジョンにいる魔物は入ってきた者を侵入者と見なし襲うのです。その相手が自身より格上だろうと関係ありません』
「そ、そうだったんだ。ここに来て新事実!」
「……アルヴィンよ、主の初めての従魔のレヴィだ。貴様らもこちら側に来たな」
『主の初めての従魔……?こちら側とは?』
『ここにいる従魔は全員、姫君の実験台にされた被害者の会だ。お主たちも少なからず実験台にされていたのだ』
『…お嬢は私たち、古の番人を目にしようが、伝説の魔物を目にしようが関係なくテンションが上がってしまう質なのです。一言で言えば戦闘狂です』
『………クロウ、あるじの攻撃怖かった』
『…主は伯爵令嬢ですよね?』
『主君は普通の伯爵令嬢じゃなくチート令嬢だ。神々からチート能力を授けられていて、邪神討伐という使命を負っている』
『主ならその使命を果たせてしまいそうですね。私たち2体同時に怯む事なく挑んで来たのですから』
『クロウとアルヴィンはこの世界のことを、どれくらい把握しているのですか?』
『私とクロウは生まれは違いますが、貴方々、古の番人と同じ時を過ごしています。私は神々より創造され、クロウは邪神により創造されたドラゴンで対の対象でもあります』
「えっ?!」
「フローラ、急に驚いてどうしたんだ?」
「アルヴィンとクロウが古の番人であるアストラルたちと同じ時を過ごしてるって…」
「つまり、1万年生きてるということか?」
「そうなるね。アストラルたちと同じように眠ってたの?」
「…いえ。私たちは大崩壊があった後、傷を癒すべく眠りについていたのですが、数ヶ月前ある者によってこのダンジョンの最下層に配置されたのです」
「ある者って……?」
「古の番人の中で最強と呼ばれる、世界の時の番人であるクロノスです」
「「…!!」」
次回!世界の時の番人クロノス登場!時を操るクロノスにどう挑む?!
「このダンジョンの黒幕がクロノスって……美味しい展開だね」
「そう思えるのは主だけだ。アルヴィンの言葉で皆が息を飲んでいるというのに、お主だけ内心でてんしょんが上がっていたではないか」
「そりゃあクロノス、キター!!ってなるでしょ。ならないの?」
「なるか!!」
「お嬢はブレないですね…頼もしい限りです」
「姫君、クロノスとはどう戦うのだ?」
「前に言ったじゃん。突くって!」
「突くなど、考えても分かるわけないだろう…」




