ダンジョンの最下層で戦うボスは…
更新が遅くなりました。書いていたら盛り上がってしまったので、次回に続きます。次話でドラゴン回決着します^^
拝啓 お父さん、お母さん。
優月です。ジークベルト様に弓を作ろうと思います!素材はさっき倒した腐龍でいいや
「浄化された龍の不滅骨と怨嗟なき龍の心臓で、無属性魔法発動!物質成形:即時細工!」
白銀の骨と膨大な魔力を蓄えた核を手のひらの上に乗せ魔法を使う。チーン!という効果音と共に弓矢が出来上がった。
「相変わらず、フローラのその魔法は凄いな」
「名付けて蒼月!ジーク様の水属性に合わせて作ってみたよ!」
「…ありがとう、フローラ。……この弓は冷たいんだな」
「手にする者の集中力を極限まで高められるようにしたから、常に冷気を纏ってるんだよね…嫌だった?」
「そんなことない。大切に使わせてもらうよ」
「……また二人で甘い雰囲気を作りおって」
「ドロップアイテムを拾ってる私たちのことをお嬢は忘れてますよね」
「ヴァイス、姫君はこれほどの腐龍を倒している。文句を言うな」
「……そうでしたね。失言でした」
「しかし、大量発生の腐龍を主様は何分で倒したのでしょうか…」
「………聞きたいような、聞きたくないような」
「……フローラ、ところで腐龍は何分で倒したんだ?」
「え?部屋中に腐龍が埋め尽くされてて、双剣で乱舞しながら蹴散らしてから中に入って空中から攻撃したから…1分以内かな」
「「……!!」」
「でも腐龍を何体か倒したはずなのに、数が減ってなかったんだよね…。多分だけど召喚する装置か召喚士が居たんだと思う。それも魔法で一掃して、新しい技で腐龍を倒したけど」
「…ダンジョンに召喚士は居ないはずだ。それに召喚する装置も無い。なのに、何故…」
「裏で誰かが指示をしている可能性があるかもしれんな」
「誰が?」
「それは分からんが、もしかすると主の実力を確かめる為に意図してこのダンジョンのボスをドラゴン族にしている可能性が出てきた」
「ダンジョンってボスは決まってないの?」
「決まっておらん。ダンジョンは入る度に地形や魔物が変わる。前回来たからと言って油断禁物だ」
「へぇ…そうなんだ」
「……何か良からぬことを考えておらんか?主よ」
「………カンガエテナイヨ」
「片言になってるぞ、主君」
「気のせい気のせい。みんな!20階層に行くよ!暁の鱗竜を倒さなきゃ!」
「……暁の鱗竜の気配のことは言った覚えは無いが」
「聞いてなくても、勘だよ!絶対に20階層に暁の鱗竜がいるって私の勘が告げてるから!さぁ、レッツゴー!」
みんなで最下層である20階層まで降りた。
行く道中に魔物やらボス(ドラゴン族)を倒しながら最下層のボス部屋前に着いた
「……お嬢はやっぱり戦闘狂ですね。10階層分降りたのに10分しか、かからないなんて」
「我らでも8階層まで20分かかったと言うのに…姫君の強さは規格外ということが改めて実感できたな」
「褒めてる?」
「褒めている。…姫君、我らはどう動けばいい?」
「またさっきみたいに指示を出すよ。最前線は私とレヴィとイグ。後方はジーク様にアストラルとヴァイスとアティ。それで行こう」
「分かった」
「「御意」」
ボス部屋のドアを蹴破る
「主、足癖悪くないか?」
「ワルクナイヨ、フツウダヨ…」
「……(また片言になりおって)」
蹴破った瞬間、鳥肌が立った。部屋の中に入ると私以外、その場に止まってしまった
聖域の覇王龍と目を合わせてしまったのだ。アストラルが言っていた覇王の咆哮。目が合った者の精神を直接揺さぶり、魂を凍りつかせる。耐性のない者はその場で平伏し、動くことすらできなくなる。これが王の威圧…
そして、聖域の覇王龍の横にいるのが絶望の黒鉄龍。暁の鱗竜の色違いのドラゴンだ…
聖域の覇王龍は真っ白な体に、まるで精緻な彫刻が施されたかのような美しい白銀の鱗を持っている。見惚れるくらいに綺麗な色をしている。
絶望の黒鉄龍は漆黒の鱗を持っていて、名前の由来は鉄のように硬い鱗と死を運ぶ者から来ている。邪神の闇の力が濃い場所のみに現れる不吉な魔物だってアストラルが言ってたよね。まさに光と闇を具現化したドラゴンだ。
「……まさに僥倖。殺るしかない」
「………(このプレッシャーの中、笑っているのはフローラだけだ。耐性の無い自分が情けない)」
「ジーク様。聖域の覇王龍とか絶望の黒鉄龍を初めて見たんでしょ?それなら耐性無くても仕方ないよ。ここは私に任せて!」
「だが、さすがのフローラでも苦戦を強いられるんじゃないか?」
「…大丈夫だよ。無属性結界:絶対防御しておくから、結界の外に出ないでね」
「主様、申し訳ありません」
「アティたちも気にしないで。……みんなのこと守り切るから」
「「フローラ/主/姫君/お嬢/主君/主様…」」
私は魔槍・竜牙を即時転送で手に持ち構える。推定30mを超える聖域の覇王龍と、推定20m超えの絶望の黒鉄龍の2体同時に倒せるなんて夢のようだよ!
「覇王の咆哮も、絶望の影も…私の前ではただの演出に過ぎない。その命、頂戴する!」
聖域の飛翔で空中へ飛び、風属性魔法の疾風神速で加速し、絶望の黒鉄龍に先制攻撃を仕掛ける。
「雷光一閃突き!!」
槍が絶望の黒鉄龍の体を突き抜くがそれほどダメージが通らなかったようだ。
くぅ〜!!これだよこれ!手応えあるねぇ!!
と感動していたら、少し体が重くなる。
「主!絶望の黒鉄龍の冥府への重圧、グラビティ・デスだ。自身の周囲の重力を闇の力で数十倍に跳ね上げてしまう、気を付けろ!」
そんなに重く感じないけど……まぁ、レヴィの言う通り気を付けるか
私は絶望の黒鉄龍から距離を取り、2体同時に攻撃を仕掛けることにした。
「これでも喰らえ!無属性と光属性の混合魔法、無限神羅万象天罰!!」
魔槍・竜牙を地面に突き刺すと、2体の地面の下に大きな魔法陣が展開する。
この魔法の効果はその対象のあらゆる防御魔法・無効化能力を無視して、直接その存在の核を叩く魔法だ。そしてその見た目はすべてを飲み込む白銀の光の爆発。
無限神羅万象天罰はアンフィトリテに轟音と共に2体同時に直撃した。
─轟音が消え、静寂が訪れた。絶望の黒鉄龍は戦意喪失しており、聖域の覇王龍はダメージは通っているもののそんなに効いていなかった。
「……やるじゃん」
聖域の覇王龍は超高密度の白い雷を口から吐いてきた。アストラルが言っていた裁きの雷光だ。
破壊光線より、溜めてからの攻撃が遥かに速い。
「っ、!」
避ける暇がなく裁きの雷光が直撃し、私はボス部屋の入口の壁に飛ばされた。
勢いが強く、その衝撃で壁の瓦礫が落ちる。
「フローラ!!」
次回!やられたら、やり返す。倍返しだ!聖域の覇王龍にお返しを。
『主が避け切れなかった…そんな事があるのか』
『あの裁きの雷光を受け止めてしまえば、さすがの姫君でも致命傷かもしれんな』
『絶望の黒鉄龍は戦意喪失していますが、聖域の覇王龍はこちらに向かってきてますよ!どうするんですか?!』
『落ち着け、ヴァイス。主なら、致命傷を受けたとしても何とかするはずだ。主を信じるしかあるまい』
『そう言われても、お嬢が致命傷ならこの結界だってもたないかもしれないじゃないですか!』
『主様を信じましょう。まだ主様の魔力は途切れてませんから』
「……フローラ、無事でいてくれ。……君を失いたくないんだ」




