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【平穏崩壊の危機】全属性魔法の仕様検証、実験台は低級魔物マナ・フロッグ

「平穏ライフ」を目指す令嬢フローラ(優月)が、ついに最強の協力者・アリアママと共に、家族の溺愛という名の『チート級監視網』を突破する作戦を決行!

無詠唱チートを引っ提げ、いざ沼地へ――!

オタクの好奇心と、実験欲求は誰にも止められない!最高の無双を堪能した優月でしたが、その「規格外の魔力」は、やはり『あの人』のセンサーを容赦なく刺激してしまい……?

スリル満点の深夜の逃亡劇、そして愛が重すぎるチート級制裁の結末は?!

拝啓 お父さん、お母さん。

優月です。先日、あの馬と鹿の王子とのお茶会で鬱憤が溜まったので魔物を倒しに行こうと思います。ゲームで培った知識で無双しますわ!


と、意気込んだのは良いものの、どうやってイケメン双子の(シスコン)と娘バカの父の目を盗んで魔物討伐に行くかだよね…一筋縄じゃないかないことは重々分かってる。

イケメン双子の(シスコン)はフローラ(妹)センサーが備わっているのか、私が部屋に居なかったら私の居そうな場所まで来るんだもん。それがほぼ9割当たって一人になる時間が少ない。

そしてフローラの父である、サージェント家の現当主。この人が一番難関かもしれない。


サージェント伯爵家 現当主

名前:カイト=サージェント 48歳

属性:水

スキル:水鏡(ウォーター・ミラー)警報(・アラーム)蒼穹(ヘヴンリー・)制裁(サンクション)


どちらもヤバいスキルだけど水鏡(ウォーター・ミラー)警報(・アラーム)が特に厄介。このスキルはカイトパパの固有探知スキルでパパを中心に半径数キロ圏内の規格外の魔力反応とかを探知すると即座にもう一つのスキル、蒼穹(ヘヴンリー・)制裁(サンクション)で探知した地点に巨大な氷の槍を発動させるヤバい魔法。伯爵とは思えない規格外のチート級だよ、フローラのパパは


あ、なんでフローラのパパの属性とスキルを知ってるかって?それは舞踏会から帰ってきた時に呼び出された時にこっそり鑑定してたからだよ。この話はオフレコで。


……対策しなくては。フローラのママに相談するか?話せば理解してくれそうだし。この家で一人でも理解者が居てくれたらなんとか出来そうだからね!


そう決めた私はフローラのママであるアリアの元に向かった


「あら、フローラじゃない!どうしたの?」


「お母様、少し相談があるのですがよろしいですか?」


「もちろんよ!さぁ、座ってちょうだい!」


私はアリアママを鑑定する


サージェント伯爵家 夫人

名前:アリア=サージェント 44歳

属性:風

スキル:(ゼファー・)(アイ)慈愛(ウィンド・オブ)微風(・コンフォート)


アリアママもカイトパパに劣らずチート級っすねぇ…特に(ゼファー・)(アイ)はアリアママの固有スキルで風の流れを通じて広範囲の情報を収集して特定の人物(主に家族)の居場所を把握するスキル。……ママを味方につけるしかない!


「あの…お母様は私、フローラが魔法が使えないことはご存知ですよね?」


「えぇ。先日の舞踏会で能力判定の結果も聞いているわ、能力無しだと」


「その事なんですけど…これからする話はお父様とお兄様方には内緒にしてほしいのですが」


「なぁに?」


「……私、魔法が使えるようになったんです」


「……………え?」


「あと無詠唱で魔法が唱えることが出来ます」


「…………………」


あ、驚いた顔のまま固まっちゃった。

そりゃそうですよね。魔法が使えないはずの娘からいきなり魔法が使えるようになったんですって言われたら固まりますよね


「お母様、大丈夫ですか?」


「え、えぇ。こほん。ごめんなさいね、突然のことで驚いたわ…」


「私が魔法が使えることはお母様にしか言わないつもりです。どうしても魔物で魔法を試したくなったので…お父様とお兄様方には言えなくて…」


「まぁ…賢明な判断ね。あの溺愛ぶりですもの…。分かったわ、お母様に任せてちょうだい。フローラの秘密は必ず守るわ!」


「お母様…!」


「ただし!無理は禁物よ。いくら無詠唱で唱えられるって言っても魔力には限界があるんだから」


魔力も∞ですって言ったら倒れるかな…止めとこ。


「分かりました、お母様」


「フローラは何属性の魔法が使えるの?」


「えっと……火属性ですね」


「まぁ!アシェルと同じ属性が使えるのね!もしアシェルこの話を聞いたら喜ぶでしょうね…」


そっすね…その光景が目に見えますわ。

全属性の魔法が使えますって言うのも黙っておこう。これ以上言ったらキャパオーバーになるかもだし、二属性持ちが前代未聞とか言ってたから自分の平穏のためにも言わぬが仏だ!あれ?知らぬが仏だっけ?


「お母様、お父様のスキルはご存知ですか?」


「もちろん。あぁ…カイトが一番の難関ね。あの探知に特化したスキルは難しいわね…」


「何とか出来たりしないですか?」


「ん~…出来なくはないけれど…そうだわ!今度私と二人で出掛けた時に魔法見せてくれるなら何とかしてあげるわよ?」


「え!……分かりました、それでお願いします。お母様」


「交渉成立ね。いつ魔物討伐するの?」


「出来れば今日…」


「今日?!思い切るわね……分かったわ。抜け出せる時に私の風魔法でフローラに伝えるわね」


「ありがとうございます、お母様!」


これで何とかなりそうだ!ありがとうアリアママ!!

テレレーン!フローラにアリアママという強力な助っ人が仲間に入った!


…そして夜になり、アリアママから風魔法で知らせが届く


『フローラ、抜け出すなら今しかないわ。カイトは私が相手をするからその間に行きなさい』


『お母様、恩に着ます』


私は心の中で唱える 風属性魔法。

突破(ブリーズ・オブ・)微風(ブレイク)

これでカイトパパの結界を気付かれずに突破できる。そして続けて風属性魔法!

(ステルス)目隠(フライヤー)し!

説明しよう!無属性を持ち合わせる私だからこそできる魔法。体重を無属性で相殺して風属性で自身を包んで高速滑空が可能になるのだ!


超低速且つ高速で、音も光も漏らすことなく目的地である沼地まで移動する。


ー沼地ー


「マジで一瞬で着いちゃった…。チート級の魔法凄い…。」


さてと、マナ・フロッグはいるかな?

こう言う時に便利な魔物サーチの魔法を使おう!マナ・フロッグの場所を示せ!

無属性と風属性の混合魔法!探求者(クエスト・)羅針(コンパス)


この魔法は私が頭に思い浮かべた魔物の固有の魔力痕跡(マナサイン)を周囲の風の流れに乗せて探知する魔法。探知が成功すると私の手のひらに風が集中して今回の目標であるマナ・フロッグのいる方向を指し示してくれる。


「探知成功!北の方角か…首を洗って待ってな、マナ・フロッグ!チート魔法の実験台になってもらいますわ!」


探求者(クエスト・)羅針(コンパス)の指す方角を歩いているとマナ・フロッグらしい魔物が現れた!


「カエルだ!あのドラ○ンク○ストに出てくるカエルの魔物にそっくり!背中に顔がない方の序盤に出てきそうなカエル!」


確か水属性の魔法を当てたら良かったんだっけ?

水属性の魔法!純粋(ピュア・)流動(ストリーム)!続けて!水属性の魔法!体内(インナー・)急凍(フリーズ)


マナ・フロッグを倒すと煙となりその後にレアドロップが出てきた。それを手に取り鑑定すると洗浄なマナの核 (レア)と出ている。わーい!レアドロップだ!


「アイテムボックスに入れておこう」


この洗浄なマナの核をゲットする為の方法を説明しよう!このレアドロップは条件があり水属性の魔法で浄化/急激に冷却された時にドロップするの。


まず、純粋(ピュア・)流動(ストリーム)は外部の不純物を含まない、極めて純粋な水の魔力を生成して特定の対象に打ち込む魔法で、コアを浄化するために純度100%の水の魔力が必要だから使ったよ。

そして!体内(インナー・)急凍(フリーズ)は標的の体内(魔力核の位置)をピンポイントで目指して、その部分だけ瞬間的に凍結させる魔法。マナ・フロッグの魔力核を破壊せずに、純粋な状態で固めるために使ってレアドロップゲットとなったわけ。


「これって、火属性の魔法でやったらどうなるのかな…」


私は好奇心のままにその場を走りだしマナ・フロッグが集団でいるところを狙って

くらえ!火属性魔法!真炎集束弾(メ○ゾー○)!続けて!水属性魔法、体内(インナー・)急凍(フリーズ)


アイテムはドロップしたけど、レアじゃない。普通の(コア)だ。レアドロップのより純度が低い。……まぁそうなるよね。


「…ん?…………これはまずい」


違和感を感じ不意に空を見上げるために顔を上げると空高い所に氷が徐々に集まっていた。

こ、これはまさかカイトパパの蒼穹(ヘヴンリー・)制裁(サンクション)!私の魔法がパパの探知魔法に引っ掛かって発動したんだ!!


「防御系魔法って何がある?!氷に対抗するなら火属性?!早くなんとかしないとあの氷の槍をまともに受けちゃう…!」


焦って考えても良い案は浮かばない。

どうしようどうしようどうしよう?!

氷の槍が落ちる瞬間、私は怖くなり目を閉じてしまう


誰か、助けて!!


氷壁(アイス・ウォール・)円舞(ワルツ)!」


目を開けると私は無傷だった。正確にはこの水と氷の組み合わせたような、ダイヤモンドのように硬い硬度を持つ壁のおかげだ。


「この魔法は……」


「無事かっ?!フローラ嬢!」


「ジークベルト様?!」


なんでジークベルト様がこんな沼地に?!


次回!ジークベルト様に私のチート能力がバレる?!いや、どうにか回避したいです!!


なんでこんな所にジークベルト様が登場するんですか?!なんて日だ!!

読んでくださりありがとうございます!

カイトパパの『蒼穹の制裁』、恐ろしかったですね!優月の「好奇心でついメラゾーマを撃っちゃった」というミスが、まさかこんな大事件に繋がるとは……(笑)

そして、絶体絶命のピンチを救ったのは、隣国ラゼボ王国の公爵であり最強のSランク冒険者のジークベルト様!最高のタイミングで登場してくれましたが、優月にとっては「チート能力を全部見られたかもしれない」という、最大の『なんて日だ!!』ですね。

アリアママと結んだ秘密の共闘も、パパの制裁を回避するための一瞬の出来事として、最高の盛り上がりとなりました。

次回は、「ジークベルト様をどう言いくるめるか」、そして「この一件をカイトパパと双子にどう隠し通すか」という、優月の『知恵と演技力』が試される緊張の展開です!お楽しみに!

P.S. 読者の皆様のおかげで、PVも順調に伸びています。本当にありがとうございます!引き続き、優月の平穏への戦いを見守っていただけると嬉しいです!

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