わがまま姫に怒りの鉄槌を
こんばんは!皆さま、いつもありがとうございます!そして、前話の怒涛の展開、お疲れ様でした!
わがまま姫への「怒りの鉄槌」をお見舞いする回です。新しい魔法が次々と登場しますよ!
優月にしか使えない無属性魔法をお楽しみに!
ラゼボ王国の国王陛下も登場し、どうなるのでしょうか…。娘であるわがまま姫を庇うのか、それとも...?
そして禁忌の魔法とは…?少しずつ迫っていきます。
2章もクライマックスです!29話目どうぞ!
前略。
私はすごく怒ってます。ジークベルト様には眠ってもらった
「今の場の空気を変える」
無属性魔法発動、真実覚醒!
このわがまま姫の結婚式に呼ばれていたであろう、招待客たちがざわつき始める。
やっぱり、ジークベルト様と同様に操られていた。でもこのまま魔法を見られるのは良くないし、眠ってもらおうっと。
無属性魔法発動、無属性結界:静穏!
わがまま姫と私と従魔以外、眠りについた。
『流石だ、姫君』
アストラル、私とわがまま姫以外に結界を展開して
『分かった』
「……エステル王女殿下、精々頑張ってくださいね」
「ひっ…!」
尻もちをついたまま、わがまま姫は私を見上げている。顔が真っ青になった
レヴィは水魔法を。アストラルは土魔法。ヴァイスは風魔法を使って
『『御意』』
従魔が魔法を放ったそれらを私は空中に留める。火属性魔法発動!灼煌焔滅!
4つの魔法を合わせ、わがまま姫に向けて放った。
「創世の終焉!」
「きゃーっ!!」
創世の終焉はわがまま姫に当たる寸前で消滅した。
「私が人に向かって魔法を放つわけないでしょ。ただ、貴女のした行動は許されないことには変わらないから」
「………っ」
わがまま姫は口をパクパクさせている。目の前で魔法が消えたから信じられないのか
創世の終焉が消滅したのは私が無属性魔法で消したから。
その名も理の無効化
魔法を理の領域から無効化する無属性魔法だよ!
『主よ、若造の両親もこの場に居るようだ。今は眠りについているが』
レヴィの言葉に周りを見渡す。アルフォンスパパとリリアナママが寝ている。…二人はこの結婚式に同意したのかな
『姫君、公爵のご両親は最後まで禁忌の魔法に抵抗していた。我の力でも完全に無効化は出来なかったのだ…』
アストラル、わがまま姫は自分自身で禁忌の魔法を使ったの?それとも別の誰かが?
『王女殿下自身ではなく、従者が禁忌の魔法を使用していた。その者は即座に命を落としてしまったが、お構い無しに公爵を連れ去ったんだ』
気持ち悪い…。わがまま姫は人の心ないんか…
アストラルの魔法無効化は効かなかったってこと?
『いや、我の力は発揮され公爵も公爵のご両親も抗っていた。だが一歩及ばず操られてしまったんだ』
なるほどね…。でもなんで私がキスをしたらジークベルト様は正気に戻ったんだろ
『姫君の力が特別ということだろう』
『そうだな。禁忌の魔法を解くなど主にしか出来んことだ』
『お嬢だからこそ可能だったのでしょう』
すごい褒めてくるじゃん…泣きそう。泣かないけど
『主の情緒はどうなってるのだ…』
ちょっとレヴィ、呆れないで!
そんなこと言ってる場合じゃないや。気を取り直してわがまま姫を問い詰めないと
私はわがまま姫の近くに行き、見下ろし低い声で問いかける
「王女殿下、私の婚約者であるジークベルト様をよくも奪おうとしましたね?それに結婚式まで挙げようとして...。そんなに既成事実を作りたかったんですか?」
「…………の」
「聞こえねぇわ、はっきり言ってくれる?」
「結婚式を挙げればジークベルト様は私の夫になるから挙げたのよ!」
「はぁ?!」
ラゼボ王国ではそうなの?ちょっと分からない、知ってる人いる?
『ラゼボ王国では婚姻届を出す前に結婚式をするのが習わしらしい。婚姻届を出さずとも結婚式を挙げれば夫婦となる』
レヴィがそう答える
………異世界怖い。結婚式を挙げれば夫婦なるっておかしいわ
『主の世界では違うのか?』
私の世界だと婚姻届を出してから結婚式を挙げたり挙げなかったりだね。
『お主の世界はサコヴィナ王国と同じようだな。サコヴィナ王国も婚姻届を提出すれば晴れて夫婦となるからな』
へぇ...サコヴィナ王国は私の世界と同じなんだ
「せっかく禁忌の魔法でジークベルト様を操って誓いのキスをしようとしたのに、貴女が邪魔をしなければ…っ」
ほ~ん??わがまま姫、全然反省してないね?
『『してないな』』
レヴィとアストラルの声が重なる
「貴女には反省という言葉が辞書にないようですね?」
「私は悪くないもの!悪いのは全部貴女よ!!誓いのキスをすればジークベルト様は私のものになったのに。貴女なんて能力無しで、貴族の恥さらしで何にも取り柄がなくて伯爵家の生まれのくせに!!この国の王女である私より劣っていて、ジークベルト様にふさわしくないのよ!!」
「貴女に言われる筋合いないと思いますが」
「なっ、生意気ね!!姫である私を敬いなさい!この伯爵風情が!!」
バチーン!と良い音が鳴る。私はわがまま姫の頬を手のひらで思い切りぶった
「痛いじゃないっ?!お父様にもぶたれたことないのに!!」
「なんかムカついたから。姫、姫って自分の立場を利用して偉そうにしてるの良くないと思う。自分主義なの嫌われるよ?」
「自分の立場を利用して何が悪いのよ!姫である私に従うことは当たり前のことじゃない!」
「…反省の色が見えないので、貴女から大事な物を奪おうと思いまーす。そぉれ!」
指をパチンと鳴らすとわがまま姫の声が聞こえなくなる。
無属性魔法、沈黙の契約。契約を破った者に罰を与えるかのように、強制的に声帯を拘束するイメージかな。
『……お嬢の無属性魔法は本当に規格外ですね。相手の声を奪うなんて…』
『今も尚喋り続けている王女が何を言っているのか、簡単に想像つくな…』
レヴィ、それな。絶対私のことを罵倒してるって。で、どうするよ。王様らしき人を起こす?
『その方が良かろう』
アストラルの言葉に私は頷いて、ラゼボ王国の王様らしき人を起こす
「………ん?エステルはどうなったのだ!!」
第一声がそれか。話通じるかな?
『分からん。主よ、国王と話してみよ』
「…国王陛下、お初にお目にかかります。サコヴィナ王国、サージェント伯爵家の長女、フローラ=サージェントでございます」
王様相手に完璧なカーテシーで挨拶をする
「お、おぉ…そなたがサージェント嬢か。エステルから話は聞いている。………娘の話では能力無しだと聞いていたが、周りにいる魔物は従魔か?」
「左様でございます」
「………そうか。すまない、全ては儂が娘であるエステルを甘やかしたせいだ」
甘やかした自覚はあるんだ…
「国王陛下、アーチャー公爵は私の婚約者ということはご存知ですよね?」
「あぁ、勿論だ。アルフォンスからサージェント嬢以外、息子の婚約者として認めないと警告を受けている。……だがエステルはどうしてもと聞かなくてな」
「その王女殿下は、反省の色が見えませんので一時的に声を出せないようにしました。構いませんよね?」
「……サージェント嬢の怒りは最もだ。謝ってすむ話ではないことは重々理解している。…禁忌の魔法を解いたのはそなたか?」
「…国王陛下のお察しの通りですわ。内密でお願いします」
「……アーチャー公爵家を敵に回したくないが、同様にサージェント家も敵に回すことをしたくないのだ。誰にも言うつもりはない」
国王陛下はあれだね、話通じる人だね。常識人っぽいよ
「そうですか。では王女殿下が反省したら声はお返しします。…いつになるかは分かりませんが」
「分かった。本当にすまなかった」
「……国王陛下はこの式に反対したのですか?」
「反対したが、エステルが従者を使って禁忌の魔法を使ったのだ。それから記憶が無くてな」
記憶が無くなる、禁忌の魔法か…。
いや、記憶を書き換える魔法かもしれないな
『姫君、調べるのか?』
そうだね。禁忌の魔法って言っても一つとは限らないから
『我も手伝わせてくれ』
ありがとう、アストラル
『我のことも忘れるでないぞ、主よ』
分かってるよレヴィ。頼りにしてる
『お嬢、私も手伝います。任せてください』
ヴァイスもありがとう
「国王陛下、それでは失礼いたします」
「…今度詫びをさせてくれ」
「結構ですわ。それよりも王女殿下を反省させるようにしてください」
「……善処しよう」
私は寝ているジークベルト様をお姫様抱っこして、この式場にいる人たちを無属性魔法の強制送還でそれぞれ家に戻す。
私たちもサージェント家に帰ろっか
『そうしましょう』
そして私たちは自分の家に魔法を使って帰った
次回!2章完結!ジークベルト様の意外なことが判明する?!
あー...すごく疲れた。
『お疲れだな、主』
だって、馬鹿王子とわがまま姫の二人を相手にしたんだよ…。疲れるって
『若造に癒してもらえば良いではないか』
まだ寝てるよ?
『お主のきすで起こせば良いだろう』
は?!
『あと若造に想いも伝えれば良い』
ちょ、ちょっと待って?!レヴィ?!
『次回、主が若造に想いを伝える』
わー!!待って待って待って?!レヴィ!!
第29話、お読みいただきありがとうございました!
激しい制裁劇から一転、最後ではジークベルト様とフローラの愛と絆が試される、ロマンス回となりましたね。
予告でのレヴィの「お主のきすで起こせば良いだろう」という一言から始まった、フローラの強制告白!フローラが本心ではジークベルト様を想っていることが従魔にはバレバレです(笑)
そして、最後に明かされたジークベルト様の「意外な秘密」は何でしょうか...?
次回、第2章完結編!どうぞお楽しみに!




