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無詠唱【鑑定】で知った王の秘密!舞踏会で【空位の器】は「無」を掴む

こんにちは!またはこんばんは!

前回、優月は国王陛下の御前で「鑑定」を受けるという絶体絶命のピンチを迎えました。

今回の第三話は、その鑑定バトルの結果から始まります!優月の「無能アピール」は成功するのか、それともチートがバレてしまうのか……!?

そして!無事(?)に鑑定を終えたと思いきや、事態は「国内の婚約問題」から「国際的な才能の奪い合い」へと急展開!

闇の王子に加えて、新たな超絶イケメン公爵様まで登場し、優月の「平穏に生きたい」という夢は崩壊寸前です。

興奮とパニックが入り混じる第三話、優月の内心の叫びにご注目ください!

拝啓 お父さん、お母さん。

優月はなぜか舞踏会に招待され、着たことないドレスを着て、イケメンの双子の兄の片割れであるアシェルお兄さんにエスコートされてます。どうなるか私にも分かりません。


どうしてこうなったんだ…なんで伯爵家に第一王子から招待されるんだよ。普通は公爵家とかじゃないんか。


アシェルお兄さんたちが決めたドレスに着替えた後に爵位について聞いたんだけど、王族が国のトップでその次が公爵家→侯爵→伯爵→子爵→男爵の順らしい。てことは伯爵であるサージェント家は真ん中か。謎が深まるばかりなんだが??


「フローラ、緊張してる?」


「え、いや…そ、そうですわね…」


「大丈夫だよ、自信持って。君は俺たちの自慢の妹で宇宙一可愛いんだから」


イケメンだからこのセリフ似合うよな?

アシェルお兄さんがエスコートしてるのにレーヴィお兄さんはどうしたって?レーヴィお兄さんは騎士団としての仕事で国外で任務をしてます。とても残念がってたよ。フローラのエスコートしたかったって…さすがシスコンだね、ぶれないね


「アシェルお兄様、ありがとうございます」


「っ!!このままフローラを拐ってしまおうか?第一王子には見せたくないな」


「冗談はやめてくださいませ…」


「なに言ってるの、フローラ。俺は本気だよ?」


「………」


いや、目がマジじゃん。怖いよ、シスコンっぷりが。イケメンに耐性ないんだって!!


「…さぁ、着いたよ。残念だけど俺がエスコート出来るのはここまで。舞踏会の警備をしろって任務を任されているからね。会場で見守っているから、頑張っておいでフローラ」


「?!」 


え、ちょ、待って?!アシェルお兄さん、一緒に居てくれないの?!私の側から離れないで!!


私の願い虚しく、一人になってしまった。

いやいやいやいや、まてまてまてまて!

舞踏会みたいな豪華なパーティーに参加したこともなければ貴族の挨拶とか知らないんですけど?!カーテシー?とかなんかあった気がするけどしたことあるわけない!!(早口)


アシェルお兄さんとレーヴィお兄さんが独断で選んだドレスのせいか目立ってるよ…私は目立ちたくありませんです。ガチで。


「国王陛下並びに王妃殿下、第一王子セドリック様、第二王子ルーカス様がご到着されました」


え?!待って?!第一王子だけが来るんじゃなかったの?!予想外の展開なんだけど?!


周りの人が次々に挨拶していく。

やべぇ...どうしよう!私の番が来ちゃった!

ええーい!どうにでもなれ!


「フローラ=サージェントでございます。陛下の御前を許していただき、光栄に存じます」


フローラは滑るようなカーテシー(貴族の女性の最敬礼)を行った。それは完璧な角度、完璧な優雅さであった。


お、おぉ…?これはフローラの淑女教育の賜物では?ありがとう、フローラ!助かった!!


「面を上げよ、サージェント嬢」


国王陛下にそう言われ、私は顔を上げる。そして国王陛下と王妃殿下、第一第二王子を鑑定する。


国王陛下

名前:レオンハルト=サコヴィナ 52歳

属性:土属性

スキル:鑑定・領土拡大


鑑定?!王様、鑑定スキル持ちなの?!

威厳のある52歳だ…暗めの銀髪で髭も口周りに生えてて身長は175あるかないかかな?瞳の色はガーネットみたいな赤色か…


王妃殿下

名前:エレノア=サコヴィナ 50歳

属性:水属性

スキル:水鏡の慈愛・清浄なる守護


王妃殿下もヤバいスキル持ちなんすか…

50歳には見えない美貌だな…30代に見えるわ

ゴールドみたいな金髪じゃなくて茶髪よりの金髪にティアラがよく似合うなぁ…瞳の色はアメジストみたいな紫色で身長は国王陛下より低くて160あるかないかくらいか


第一王子

名前:セドリック=サコヴィナ 16歳

属性:闇属性

スキル:影の支配・真実の歪み


闇属性って…なんか珍しくなかったっけ?

スキルも闇属性らしいスキルですこと…

セドリック王子って国王陛下に似て銀色の短髪でルビーみたいな赤色の瞳してて180ギリあるかないかの身長なのね…


第二王子

名前:ルーカス=サコヴィナ 14歳

属性:光属性

スキル:神託(ディヴァイン・)(ヴィジョン)

聖域(ヘイロー・オブ・)光輪(サンクチュアリ)


ひえ…第二王子もヤバいスキルお持ちですわね

さすが異世界。読み方が一味違うぜ。そうは読まんやろってやつだよね。

ルーカス王子は王妃殿下に似てて金色の短髪でラベンダー色の瞳で160あるかないかの身長か…まだまだ成長期かな?


「サージェント嬢、そなたは確かそこに居るアシェル第一部隊隊長の妹だったな?」


「左様でございます」


「優秀な部下の妹とは色々と期待できるな」


品定めしてるような目してるよ、国王陛下と王妃殿下が!

あれか?国王陛下は鑑定スキルで私のスキルとか魔法の属性見てる?王妃殿下はスキルの水鏡の慈愛で見てるかもしれない、ヤバい!お願い、空位(エンプティ・)(シェル)!隠しと通して!私の平穏は空位(エンプティ・)(シェル)、君にかかってるんだ!隠し通してください!


「………」


いや、沈黙怖いから。その間が恐ろしいよ!!


「サージェント嬢、私はこの国の第一王子、セドリック=サコヴィナだ。君のような美しい令嬢に会えて光栄だよ」


ひぃぃ!第一王子に話しかけられちゃった!どうしたらいい??どうすればいいのか分かんないよ!助けて!アシェルお兄さん!!


「セドリック殿下。過分なお言葉、光栄に存じます」


あぁ~!フローラの淑女教育の賜物がここでも発揮してくれて良かった…。粗相は出来ないし。ん?なんか一瞬空気が変わった?気のせいかな?


「ところで、サージェント嬢。私はどうやら君に一目惚れをしてしまったみたいなんだ。私の婚約者になる気はないかな?」


「…え」


は?………待って?この第一王子は何て言った?一目惚れしてしまった?婚約者になる気はないか?って?……え、いや、え?この王子はこの場で、この公の、国王陛下と王妃殿下、貴族たちが集まってるこの場面で軽率に婚約を持ち出したの?この第一王子は馬と鹿なの?!アッホゥ!なの?!アシェルお兄さんの目線が怖いよ!


「返事を聞かせてもらえないだろうか...?」


いや、この場で返事とか出来ないから!隣の国王陛下と王妃殿下の顔を見て?呆れてるから!絶対第一王子のこと馬と鹿って思ってるから!!……ふぅ。一旦落ち着こう。この場では濁すのが最善だ。断りたいけど相手の機嫌を損なってはいけない。フローラは16歳だけど私(優月)は25歳のオタクだからね?!


「…大変光栄ですが、家族と相談してもよろしいでしょうか?」


「そうだな。急だからな…サージェント嬢、君のいい答えが聞けることを願ってるよ」


なんとか切り抜けることが出来たかな…

アシェルお兄さんも怖くなくなったし

ホントにこの第一王子は馬と鹿だ!アッホゥ!だ!!何度も言うけどこの場で持ち出しす話題じゃないでしょうが!!


「…サージェント嬢、愚息が失礼した。だがこんな機会だ。この公の場でそなたの能力判定をさせてもらう」


レオンハルト陛下がそう言うと水晶を持ってきた


あぁ…私、フローラが未来の王妃にふさわしいかどうかっていう国王陛下の考えね…属性無しで魔力もなくスキルもない!ってなったら婚約回避出来るんじゃ?!よし!空位(エンプティ・)(シェル)はそのままにしとこう!無能をアピールしてやる!!空位(エンプティ・)(シェル)さん、お願いしますよ!


「では、この水晶に手で触れてください。貴女の能力が判定します」


魔法の従者かな?いかにも魔法使いですって感じの服装にあのハ○ー・ポ○○ーに出てきそうなおじいさんだよ


水晶に手を触れる。こんな怖い時間があるだろうか…。無能だとなってくれ、なってください~!


「フローラ=サージェント。属性は無し。魔力、スキル共に無しでございます」


魔法使いのおじいさんがそう告げると国王陛下たちは唖然していた。

なんか、そんなはずはない。って言いたげな顔だね。そっか。国王陛下たち、王族はスキルで私の能力を見ようとして見れなかったから能力判定させたんだもんね。これは空位(エンプティ・)(シェル)の勝ちですね!やったね!


「……そうか。ならセドリック、お前も能力判定の資格がある16歳だ。能力判定をしてみろ」


「かしこまりました。国王陛下」


次は第一王子が水晶に手を触れる…と


「セドリック殿下は属性は……闇、属性。魔力は5000。スキルは闇属性の影の支配、真実の歪みです」


「なんだと?!セドリックが闇属性…?闇属性は100年に一人いるかいないかの属性のはずだが…まさかセドリックが……」


国王陛下、混乱してる?まぁ闇属性って一見すれば良くないみたいな風習のが異世界ではある時はあるもんね…私の場合、全属性持ちでもちろん闇属性もあるのはどうなるんだよ…自分のチート能力が恐ろしいよ


「……父上」


あらま。馬と鹿の王子…じゃない、第一王子はなんか思う節があったのかな?寂しそうな顔をしてたような?


「ルーカスはどうなのだ。ルーカスよ、お前も能力判定をしてみろ。14のお前はまだ早いが特例として判定を認める」


国王陛下がそう言うと第二王子が水晶に手を触れる。


「ルーカス殿下の属性は……おぉ!光属性!スキルは神託(ディヴァイン・)(ヴィジョン)聖域(ヘイロー・オブ・)光輪(サンクチュアリ)!魔力は6000です」


「なんと!!ルーカスが光属性だと!光属性は1000年に一人いるかいないかの珍しい属性ではないか!よくやった、ルーカスよ!」


「……」


国王陛下、そんなあらかさまに喜んじゃったら第一王子が可哀想だよ。光属性は珍しいかもしれないけど闇属性だって珍しいはずなのに…

なんかこれが後々のなんかのフラグになったりしないよね?なる??


するとある一言によってその場の空気が一変する。


「レオンハルト陛下、発言をしてもよろしいでしょうか?」


「ん?…おぉ、そなたは隣国、ラゼボ王国のアーチャー公爵家の長男ではないか。発言を許す」


「ありがとう存じます。国王陛下。改めまして、私は隣国ラゼボ王国のアーチャー公爵の長男、ジークベルト=アーチャーです。一連の流れを静観させていただいておりました。……サージェント嬢、貴女は興味深い人だ。魔力も属性もスキルも無いとは…ね。……国王陛下、もしセドリック殿下とフローラ嬢の婚約が白紙になった場合、私とフローラ嬢との婚約を認めていただきたい」


へ?なんか黒髪短髪で185くらいの高身長でタンザナイトの瞳をしているイケメンが私にさらっと婚約持ちかけてきたんですけど?!公爵家って言った??しかも隣国ラゼボ王国?ってなに?どこ?!


「うむ…一旦、セドリックとサージェント嬢の婚約は保留する。ジークベルト殿の言葉も頭に入れておこう」


「国王陛下、ありがとう存じます。サージェント嬢もそういうことでよろしいかな?」


「公爵様、身に余るお言葉ですわ。私などでよろしいならば」


この世界の人は本人の意見は聞かずに無視するのか?!ここで断れるわけないじゃないか!!ここで断ったら王族と隣国の公爵家の機嫌を損なっちゃうよ!断れる勇気なんてあるか!


「私のことはぜひジークベルトとお呼びください。…フローラ嬢とお呼びしても?」


「……ジークベルト様のお好きにお呼びくださいませ」


待って待って待って?!フローラの淑女教育が私を助けてくれてるのはありがたいけど、もうこの場から逃げたいです!!私のライフは0だよ。泣きたい!泣かないけど!


そう内心で思ってると楽器を持っている人たちが演奏を始めた。

あ!そういえば舞踏会だったね!ダンスが始まるんだ!………ん?ダンス?


や、ヤバい。一難去ってまた一難かも。私、25年生きてきて舞踏会で踊る貴族たちのダンス知らないんですけど。踊ったことあるのって、体育祭の時とかくらいだよ!どうしよう!


次回、波乱?なダンスが始まりますわ

フローラの淑女教育、助けて!私の名誉の為に!!

第三話までお読みいただきありがとうございます!

優月にとっては大勝利!

無事に「無属性、魔力なし、スキルなし」という最高の平穏ライフの証明書を手に入れましたね!【空位の器】、本当に頼りになります!

しかし、平穏を望む優月とは裏腹に、物語は急加速……!

闇の王子(セドリック殿下)、光の王子(ルーカス殿下)、そして隣国の公爵様(ジークベルト=アーチャー)という、豪華すぎる三つ巴の執着が始まってしまいました。

特にジークベルト公爵様の「興味深い人だ」という言葉、何を意図しているのか気になりますね……!

そして、鑑定バトルは終わったと思いきや、次は優月にとって最大の試練、「貴族のダンス」が待っています!

最強のチート能力を持つ優月が、社交界の基本をどう乗り切るのか!?

次回、【第四話:タイトルはまだ未定。波乱?ダンス始まります(仮)】でお会いしましょう!

よろしければ、今回の鑑定バトルの感想や、新キャラのジークベルト公爵様への印象など、コメントで教えていただけると嬉しいです!

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