表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/29

【平穏死守!】馬背の独占愛と、伯爵令嬢が放つ「無属性チート」の一撃!

皆さま、こんばんは!連日たくさんのPVと温かい応援、本当にありがとうございます!

前回、わがまま姫から逃れてジークベルト様と二人きりになったフローラ。

今回は馬上で、氷の公爵様の「微笑みの爆弾」が炸裂します!

そして、フローラさんの「無詠唱チート能力」がついにジークベルト様の前に晒されることに……!

さらに!エレメンタル・コア討伐のドロップ品から、読者の皆様が熱望した「あるアイテム」が誕生します。

ロマンスの急進展とチートの爽快感が詰め込まれた一話、どうぞお楽しみください!

拝啓 お父さん、お母さん。

わがまま姫から逃れる為にジークベルト様とサージェント家の領地に避難してます。馬に二人で乗って、移動し


『主、若造をどうやって騙すのだ』


レヴィ!邪魔しないでよ!前話のおさらいを言っていたのに…


『知らん。それでどうするのだ?』


ん~…まぁ、なんとかなるでしょ!多分!


『不安だな…』


「フローラ、落ちないように俺にしっかり掴まっててくれ」


「こうですか…?」


私は体を横に向けて馬に乗ってて、その後ろにジークベルト様が手綱を持って乗っている。


ジークベルト様の腰に腕を回す


「……うん、それでいい」


ジークベルト様、微笑んだよ。微笑みの爆弾向けてきたよ。破壊力ありすぎ


「エレメンタル・コアはこの先の生命の木の近くにいるんですよね?ジークベルト様」


「……フローラ?」


「え?」


ジークベルト様がにっこりしたまま、黙っちゃった。なんで?………あ!もしかして


「…ジーク、様?」


「二人きりの時は、なるべくその様にジークって呼んでほしい。君が呼んでくれると嬉しいから」


「ハァイ…」


なんか恥ずかしくなって、ジークベルト様の胸板に顔を押し付ける。その微笑みは耐えきれないわぁ…


「………(フローラがくっついてきてくれてる、可愛い)」


「…(これで恋愛感情がないとは…主は本当に無自覚だな)」


しばらく馬に乗って走っていると、生命の木の近くに着いた


「フローラ、着いたよ。ここからは馬から降りて、エレメンタル・コアが見えるギリギリの所まで歩いて行こうか」


「はい、ジーク様」


生命の木って、あのゲームに出てくる世界樹みたいに大きいんだ!もっと、普通の木だと思ってたよ


『ラゼボ王国の生命の木は別名、ユグドラシル。エレメンタル・コアに魔力の持つ者が少しでも近付くと周囲の生態を破壊してしまう』


ユグドラシル……って世界樹じゃん!RPGでも重要な役割をしてるやつ!!


「フローラ、アズ殿。これ以上は進めない。エレメンタル・コアが俺たちに気付かないギリギリの距離だ」


ジークベルト様が指を差した方角を見る。

ま、まさにエネルギーの生命体の魔物だ…例えると土星みたいに周りに結晶が回っていて中心に(コア)がある感じ。大きさはあの有名なゲームに出てくるダイヤモンドスライムくらい


「神秘的でもありますね…」


「そうだな。……だが危険でもある。あの生命の木が失くなればラゼボ王国だけではなく、この世界全体の草木が枯れてしまうんだ」


ん?待って?あの馬と鹿の王子とのお茶会の時はラゼボ王国の森林が枯れてしまうって私が言った時に、あの王子はその通りとか言ってなかったっけ?それに昨日、カイトパパとジークベルト様だってラゼボ王国の森林が枯れてしまうって…え、なんでジークベルト様は世界全体が枯れてしまうとか言ってるの?


「ジーク様、生命の木が失くなるとラゼボ王国の森林が枯れてしまうのではないのですか?」


「…この生命の木自体、この世界の象徴でもある。だから失くなってしまうと世界全体の草木が枯れてしまうんだ」


あ、あの王子ィィィ!!嘘の情報を教えるんじゃないよ?!規模の話が変わってきたじゃんか!

カイトパパもなんで嘘の情報を言ったんだ…?謎すぎる。……もしかして私を不安がらせない為の嘘?


「………」


「…フローラ、俺は水と光属性の二属性持ちながら、全属性持ちの魔物であるエレメンタル・コアを討伐することは出来ない。……アズ殿も倒せないだろう?」


「…その通りだ、我でもあやつは倒せん。唯一頼りになるのは我の主だけだ」


ちょっとちょっとレヴィ?!ジークベルト様に何言っちゃってるの?!私が倒すなんて言ったら、能力がバレちゃうじゃん!


「この者には言っても良いだろう」


「はぁ?!」


あっ!つい心の本音の声が!!


「…今のは…君の本心か?」


ま、まずい…。ジークベルト様に淑女スタイルのフローラじゃなくてオタク全開の優月ちゃんを見られてしまった…


「えっと、その、ジーク様……」


「……そんな一面もあったんだな。……可愛いな」


はい?なんでそうなるの?ジークベルト様はフローラのことになると語彙力無くなるの?


「…嫌いにならないんですか?」


「俺がフローラのことを嫌いになる?それはあり得ない話だな。新しい一面を見れたんだ。むしろもっと愛おしくなる」


「……そ、ソウデスカ…」


「それに、フローラの能力を見たとしても誰にも言うつもりはない。仮に俺が君が望まないことを他人に言ってしまえば君からの信頼を無くしてしまうからな」


「ジーク様…でも誓約書には……」


「そうだな。だが、フローラが言わなければ婚約破棄にはならないだろう?」


「………ジーク様は、どうして知りたいのですか?」


「出会った頃にも言ったが、俺はあの鑑定でフローラが能力無しと出た時俄然と興味が沸いたんだ。その謎の正体を知れるなら、俺だけが知っていればいいと思ってしまう。…独占欲だな」


「………」


ジークベルト様は真っ直ぐに私と向き合ってくれてる。何も属性もなく魔力も持たない能力無しに隠蔽してるチート能力を、この人になら見せても良いのかな…


って!やっぱりダメだよ!!私の平穏が終わっちゃう!平穏に過ごしたいだけなのに!!


『お主、忘れているわけではないな?』


え、何が?


『この若造は正式にお主の婚約者となっただろう』


まぁ、誓約書書いたし、そういうことになるのかな?


『若造が言っていたではないか。正式に婚約者となった暁には平穏な日々を約束すると』


言ってた…?


「……あぁっ!確かに!!」


「フ、フローラ?急に声を出してどうしたんだ?」


「何でもありませんわ、ジーク様!…これから起こることは誰にも言わないと約束してくれますか?」


「約束するよ。君との約束を破るつもりは神に誓ってあり得ない」


「…ありがとうございます、ジーク様」


さてと、肝心のエレメンタル・コアを倒してドロップアイテムが出たら鑑定しますか。


『ドロップアイテムが目的なのか?』


そりゃあそうでしょ!レアなドロップアイテムが出たらテンション上がるじゃん!!


『お主だけだな、敵わない敵に臆せず立ち向かえるのは…』


まぁ、場数を踏んでるから...


『令嬢が魔物と戦うわけないだろう!』


今はそんな話してる暇ないって!今回は口に出さずにエレメンタル・コアを倒すよ


無属性魔法発動!無属性(ゼロ・)殲滅(イレイズ)


ジークベルト様は私が無詠唱で魔法を唱えたことに驚きを隠せていなかった


説明しよう!この魔法はこの世界の全属性(火・水・風・土・光・闇)を存在しないものとして認識して属性防御を完全に無効化するのだ!簡単に言うと属性の否定だね!


そしてこの魔法の効果は対象の存在を分解・消滅させるよ!この場合、エレメンタル・コアが持つ属性エネルギーの結合を根源から破壊して、粒子レベル(塵)にまで分解して消滅させたよ!


「これが、フローラの真の実力……(彼女は何も詠唱してないのにも関わらず、急にエレメンタル・コアを包み込むように白銀の光の粒子が瞬いた。その光に触れたコアが一瞬で分解して光の粒子になって空中に消えてしまった...)…計り知れないな」


「…見事だな、主よ」


「あっ!ドロップアイテム!!」


「我の声を無視するでない!」


うひゃー!テンション上がるゥ♪


私は生命の木のすぐ近くまで走りそこに落ちているドロップアイテムを拾った。一つのコアから偶然生まれたのかな?二つの宝石が落ちてるけど早速鑑定しよっと!


双対(ツイン)輝石(ストーン)


効果【微細魔力通信】:二つの宝石を持つ者同士が、微弱な魔力で通話できる。言葉だけではなく「相手の居場所」を遠隔で感じられるようにもなる。


つまり位置情報の共有と通話ができるってことね!なるほど、理解した。


「ジーク様!この二つの宝石をペアリングに加工してお揃いのものとして持ちたいです!」


「えっ...ペアリングに?」


「ダメですか…?」


「あ、いや、フローラからそう提案されるなんて思ってなくて...」


「若造、これがあれば主と離れていても通話ができて位置も分かるぞ」


「今すぐにでも加工しよう」


「じゃあ加工しますね」


無属性魔法発動!物質成形(クイック)即時細工(クラフト)


「え?」


ジークベルト様が間の抜けた声を上げた瞬間、私の手のひらに置いていた二つの双対の輝石の上に、極小の白銀の魔法陣が一瞬で出現し、すぐさま消えた。


宝石が淡い白い光に包まれ、その光が『チーン』という澄んだ高い音と共に弾けた。

そこにはもう、宝石の原形はなかった。代わりに、二つの精巧な銀のペアリングが、私の手のひらで微かに光を放っていた。


「…?!(詠唱してないのに、フローラの手のひらにペアリングが出来ている…?たった数秒の出来事だぞ…)」


「ジーク様は、この青い方を付けてください!私は紫の方を付けますから」


「あぁ…ありがとう、フローラ(左手の薬指に付けたペアリングに軽くキスをするジークベルト)」


「ジーク様の声が好きなので、これでいつでも離れていても通話出来るから嬉しいです!」


「そ、そうか…」


「顔が赤くなっているぞ、若造」


「……言わないでください、アズ殿(フローラは俺をどれだけ惚れさせたいんだ…とっくに彼女に溺れているというのに…)」


チーン!ってなんか錬金釜みたいだったなぁ…


次回!新たな刺客現る?!チート級の魔法で成敗しますわ!


なんか、嫌な予感…


『嫌な予感?』


うん。お約束のことが起こりそうなんだよ


『なんだ?それは』


私の口からは言えないね~…



第18話をお読みいただき、誠にありがとうございます!

ついにフローラのチート魔法がジークベルト様にバレてしまいましたね!

まさかの『物質成形(クイック)即時細工(クラフト)!』による「チーン!」でペアリングが完成するとは、フローラさんらしい実用性重視のチート発動でした(笑)。

そして!ジークベルト様とフローラのペアリングが誕生しました!

これで二人は、離れていてもいつでも通話できる、秘密のアイテムを手にしました。今後の二人の甘い会話がどうなるのか、私も今から楽しみです!

さて、この物語もおかげさまで連載開始14日で累計PV 1,500突破、ユニークアクセスも500人を超えるという快挙を達成いたしました。本当にありがとうございます!

この最高の勢いを、ランキングという形でより多くの方に届けるため、読者の皆様の「応援」が必要です!

「最高に胸キュンした!」「お揃いのペアリングおめでとう!」と感じてくださった方は、たった一瞬で結構ですので、ページ下の『お気に入り登録』と、ページ上部の【評価(★)】をどうかよろしくお願いいたします!

皆様の応援が、ジークベルト様の溺愛度を上げ、フローラの平穏への道を開きます!

次回は、お約束通り「新たな刺客」が登場し、波乱の予感です。次話もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ