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【特命開始】過保護パパの強制避難命令!公爵様との危険な密着路

王女様を強制送還(物理)した結果、ついに平穏が……と思いきや、そうは問屋が卸しませんでした。

フローラを守りたい過保護なパパたち(伯爵と公爵)が、とんでもない「特命」と「強制避難命令」を発動!

その避難先に向かう時に乗る馬は、まさかのジークベルト様との密着時間再びです。

平穏希望の私の理性と、公爵様の独占欲(と、多分とろけた顔)が火花を散らす避難の旅が、今、始まります。

そして、その旅の裏側には、王国存亡の危機を賭けた、私にしかできないチート任務が隠されていて……?

チートは使いたくないけど、使わないと国が滅ぶ!さあ、どうする優月!

本編どうぞ!

拝啓 お父さん、お母さん。

優月です。今はアーチャー公爵家からサコヴィナ王国にあるサージェント家に公爵様と一緒に帰って来ました。馬車のドアが開いて降り…


「フローラ!!無事かっ?!」


「うっ…!お、お父様、急に抱きしめないでくださいませ」


「話はアルフォンスから聞いている。私の可愛い娘を侮辱したそうじゃないか」


私の言葉は無視しないでほしい…

話が伝わってるの早くない?さっきのことなのに


「カイト伯爵、この度は私の責任です。申し訳ありません」


「…いや、今回に関してはジークベルト殿は悪くない。頭を上げてくれ」


「伯爵…」


「お父様、とにかく執務室で話しませんか?ここでは誰に聞かれてるか…」


「そうだな。では、執務室に行こうか」


え、このまま?私、カイトパパにお姫さま抱っこされたんですけど?!恥ずかしいって!


『主、若造が妬いているぞ』


え?顔は無表情のままだけど?


『気付かんのか…』


執務室に入るや否や


「「フローラ!!」」


「お、お兄様方、大声を出さないでください」


「ごめんね、フローラ。俺たち心配だったんだ。ラゼボ王国のわがまま王女に能力無しだって侮辱されたって聞いて、フローラが傷ついたんじゃないかって」


「…私は傷ついておりませんわ。でも、心配してくれてありがとうございます、アシェルお兄様にレーヴィお兄様」


「「…微笑んだフローラ可愛い」」


あ、いつものお兄さんたちに戻った。

とりあえず気になることをカイトパパから聞こっかな


『それもそうだな。父君に聞いてくれ』


「お父様、降ろしてください。これでは恥ずかしいですわ」


「すまない、フローラ」


カイトパパから降ろされ、私は気になることを聞いた


「お父様。なぜ私がラゼボ王国の第一王女殿下に侮辱されたと知っているのですか?それにアルフォンス公爵様のことを呼び捨てで呼んでましたけど…」


「それは、私とアルフォンスは旧知の仲だからだよ。もっと言えば家柄の付き合いが昔から合ったんだ。それで、通信魔道具でアルフォンスから連絡が来た次第だ」


「通信魔道具…?」


「あぁ、これだよ。遠くにいる相手ともすぐに連絡をとれる優れものだ」


カイトパパが手に持っているのは、紛れもなくスマホだ!この異世界にはスマホがあるのか?!


『主よ、すまほとは何だ?』


スマートフォン、それを略してスマホ。電話したり調べものをしたり、現代社会では必要不可欠な物だよ!!


『あの魔道具はお主の言う、電話しか出来んぞ?』


あ、そうなのね。見た目がスマホなだけか。


「アルフォンス公爵様と旧知の仲だったなら、私とジークベルト様が婚約する時にどこぞの馬の骨とか言ったのは何故ですか?」


「アルフォンスの息子なら、フローラのことを傷付けたりしないと確信はしていたが、……一度言ってみたかったから」


「それだけの理由で?!」


「……すまない」


思わず心の声のツッコミがそのまま出ちゃったよ!


「こほん、失礼しましたわ。それでお父様はアルフォンス公爵様と何を話したのですか?」


「あぁ、あのわがまま王女は必ずフローラに危害を加えてくるだろうという結論に至ったんだ。…あとジークベルト殿のことも諦めず狙ってくるだろうと」


うへぇ…執着心というより執念かも…

平穏に過ごしたいのに、全然過ごせない気がするのは気のせいかな?


『お主が魔法を使った結果だろうな』


えぇ…私が原因の種なの?


「…そうなると、サージェント家が持っている領地に私とジークベルト様が向かうということですか?」


「フローラは話が早くて助かる。その通り。……が、その領地の近くにはエレメンタル・コアがいる」


エレメンタル・コア……?どこかで聞いたことあるような?


「あのラゼボ王国にはなくてはならない、生命の木に居る魔物ですか...」


「生命の木…?」


「ジークベルト殿のスキルで見つけた魔物ですね。フローラ、ラゼボ王国はその生命の木が枯れてしまえば荒れ果ててしまうんだよ」


「レーヴィお兄様…」


エレメンタル・コアはラゼボ王国の領土にある生命の木に居て、サージェント家の領地に向かう時にそこを避けては通れないってことか。


レヴィ、エレメンタル・コアって何属性なの?


『そいつは全属性持ちであり少しでも近づくとその者の魔力を引き出して周囲の生態を破壊してしまう、厄介な魔物だ』


「あぁっ!!」


「フローラ、急に声を出してどうした?」


「いえ何でもありませんわ、アシェルお兄様」


思い出したよ!この国の第一王子にいつぞやのお茶会に誘われた時に魔物の話になった時に聞いたことあったわ!!


『なぜ忘れていたんだ…』


いやぁ...レヴィを従魔にしたり色々あったから忘れてたよ…


「…Sランクの冒険者であるジークベルト殿に私とアルフォンス、そしてラゼボ王国の国王陛下からの緊急クエストだ。エレメンタル・コアを討伐してくれ。……それと娘とサージェント家の領地にて避難命令も同時に出す」


「カイト伯爵……必ずや討伐してみせましょう。フローラ嬢のことも私にお任せください」


ジークベルト様、かっこいい…!

でも倒せるのかな?


『その魔物自体がエネルギー生命体で魔力だけで生きていて、とても珍しく属性間のバランスが奇跡的に崩れた時でないと討伐は不可能だな。若造の属性が二属性だろうと敵わんだろう』


ですよね~……発見できたのが奇跡に近いよね


『そうだな。……主よ、若造を助けたくはないか?』


え?


『ラゼボ王国にとって生命の木はなくてはならないものだ。それを守ったとあちらの国王陛下に伝われば、主のことを無下に出来んだろう?』


あぁ、確かに...?


『それに、だ。あのわがまま王女を黙らせることが出来るかもしれん』


でもどうやって?エレメンタル・コアは全属性あるんでしょ?


『お主には無属性があるだろう。それで近付かず討伐すればいい』


ははーん…理解しましたよ!ここは主に任せなさい!


『頼りにして居るぞ、主よ。お主にしか出来ないことなのだからな』


「ジークベルト様、領地にはしっかりと準備をしてから、エレメンタル・コアを討伐してゆっくりしましょうね!」


「フローラ嬢…そうできたらいいが…」


「大丈夫ですよ!私とアズが居ますから」


「そう、だな…アズ殿、よろしくお願いします」


「任されよ」


「「ピクシードラゴンが喋った…?!」」


あ、そういえばカイトパパたちはレヴィが喋れること知らなかったっけ


「フローラ!なぜ、ピクシードラゴンが話せることを私たちに言わなかったんだ?!」


「え、その…言おうとは思ってましたけど、タイミングが」


「目線を逸らさないでくれ!……アズ殿と言ったな。フローラが可愛いから貴方から従魔契約したのか…?」


「……まぁ、見所のある計り知れない者だと至ったから、だな」


「そうなのか…普段はフローラと話していたり...」


「念話で話している」


「「…念話で?!」」


「魔力が無ければ話せないはずじゃ…、」


「「…フローラ?」」


あ、これは逃げられない。ジークベルト様以外の3人の目が怖い!!


「我くらいならば、契約者に魔力が無くとも念話で話すことは可能だ」


「「………」」


あ、納得した。良かった…

ありがとう、レヴィ


『ここでお主のちーと能力をバラすわけにはいかんだろう』


レヴィ…!!


「フローラ、ジークベルト殿、準備が出来たら馬で領地に向かうように」


「分かりましたわ、お父様」


「フローラ、頼りにしてるよ」


ジ、ジークベルト様?!急に耳元でそんないい声で囁かないでくださいませ?!


ドキッとしちゃうからァ!!


次回!フローラ、無属性でエレメンタル・コアを討伐しますわ!


さっさと倒して平穏ライフを手に入れるぞ!


『そう上手くいかんだろう…』


なんでよ


『ラゼボ王国の国王陛下から呼び出される未来が見えるからな』


王族となんて関わりたくないんですけど?!

今回もお読みいただきありがとうございます!

パパたちの過保護全開による強制避難、いかがでしたでしょうか?

ジークベルト様との密着はキュンキュン展開ですが、エレメンタル・コアの討伐は国が滅びるかもしれないというシリアスな危機!

優月ちゃんは「平穏ライフ防衛戦」として、いよいよ無属性チートを解禁せざるを得ない状況に追い込まれました。

次回、【第18話】では、ついに優月ちゃんの無属性魔法による最強無双が炸裂します!

王国を揺るがす危機を、平穏希望のチート令嬢はどう解決するのか、ぜひご期待ください!


読者の皆様からの温かい応援のおかげで、毎日楽しく執筆できています。本当にありがとうございます!

第9回 アース・スターノベル大賞に応募しているので、もし『面白い!続きが読みたい!』と感じていただけたなら、ページ下の『お気に入り登録』と、ページ上部にある【評価(★)】をポチッとお力添えをしてくださると嬉しいです。感想もお待ちしております!m(_ _)m

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