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15/30

絶対零度の愛!水着の婚約者を守る公爵と、海上の大漁祭り!

こんばんは!

前回の公爵家編からのお約束通り、いよいよジークベルト様との「初デート」となる海デート回です!

今回は公爵様の愛と無双が限界突破します。ロマンスの展開にドキドキしながら、フローラ(優月)の好奇心&素材欲にもご注目ください。

そして、次回予告の「ライバル」とは一体誰なのか…?

ぜひ楽しんでいってください!

拝啓 お父さん、お母さん。

優月は今、異世界の海に向けてジークベルト様と馬で移動中です。想像つくと思いますが、公爵様に後ろから抱きしめられて…あ、荷物はジークベルト様のアイテムボックスに入ってます


馬で移動するなんて聞いてない!!

乗った経験なんて、動物園とかでポニーに乗ったことがあるくらいだよ!


『主、ぽにーとはなんだ?』


確か体高…地面から肩までの長さが147cm以下の馬の総称だよ。体が頑丈で耐久力に優れてて、かつては荷物の運搬とか農作業に使われてたけど、今は温厚な性格が多いから子供向けの乗馬用などで広く親しまれてるよ


『なるほど。お主は物知りだな』


いや…前世は気になることがあったら調べる癖があっただけで、それで知ってるだけだって


『謙遜する必要はない。知識はあればあるほど役に立つことが多いからな』 


レヴィ…


『お主の世界での話は実に興味深い。期待しているぞ』


何に期待してるんですか…。


「フローラ嬢、大丈夫か?」


「大丈夫ですわ、ジークベルト様。それにしてもアイテムボックスを持ってたのですね」


「あぁ。アイテムボックス自体、人によって容量は異なるが魔力がある者なら持ってることが多いな」


え、そうなの…?レヴィはアイテムボックス持ってるの?


『我ら魔物はアイテムボックスは持たん。人間だけだ』


「ジークベルト様の容量はどうなのですか?」


「俺はそこそこの容量だ。例えるなら公爵家の本邸にある巨大な武器庫や倉庫一つ分だろうか」


つまり、私のアイテムボックスは四次元ポケットにだとすると、ジークベルト様のは一つの都市の備蓄倉庫が入ってる感じか…


『お主のアイテムボックスは規格外と言うことがこれで明確になったな。若造でそこそこだからな』


ジークベルト様のアイテムボックスがそこそこってことは、他の人だとどうなるんだろ?


『若造に聞けば良いではないか』


「ジークベルト様のアイテムボックスは大きいんですね!他の人だと、どうなのですか?」


「一般的なら、容量は大きなカバン一つのが多い。ボストンバッグを想像してもらえば分かりやすいだろうか」


「……確かに想像しやすいですわ」


「フローラ嬢、海に着いたよ。……お手をどうぞ」


ジークベルト様が馬から降りて私に手を差し出している…。私は手を重ねる


「ありがとうございます、ジークベルト様」


「俺は先に浜辺に行って準備してくるから、その間に着替えるといい」


ジークベルト様、先に行っちゃった…

言葉に甘えて水着に着替えるか


『我も先に若造のところに行っているからな』


「はーい。後から行くね、アズ」


レヴィもジークベルト様の後を追いかけて一人になった。乗ってきた馬は居るんだけどね


リリアナママが選んでくれた水着は白を基準としたビキニで赤いリボンが肩に着いた可愛らしい水着だ。息子をこれで骨抜きにしちゃいましょう!って意気込んでた…


水着に着替え、ジークベルト様とレヴィの居る浜辺に向かった


「ジークベルト様、お待たせしました」


「フローラ嬢来たんだ、な...」


あれ?ジークベルト様が固まった。なんで?


『お主のその姿に見惚れてるんだろう』


え、そうなの?


「…変、でしょうか?」


「あ、いやすまない。あまりにも綺麗で見惚れていた。よく似合っているし可愛らしいな」


グフッ…イケメンに褒められちゃった…!フローラの美貌のおかげだね!


「ありがとうございます」


「若造、主、海に入るぞ」


「そうですね。フローラ嬢、行こうか」


浮き輪を持ったジークベルト様に手を引かれながら透き通った海に入っていく。

気持ちいい...!海に入るの何年ぶりだろ...

足が届かなくなりそうになると私に浮き輪をはめて、ジークベルト様に手を引かれながら泳いでいる。


「ジークベルト様、あの小さな島動いてませんか?」


「あぁ、あれは雷帝(サンダー・)(ホエール)だな。刺激しなければあちらから攻撃してくることはないよ」


「そうなのですね…(レヴィが言ってた魔物じゃん!戦ってみたかったなぁ…)」


『あれは雑魚の部類だぞ。お主が戦ったとて手応えはないだろうな』


それでも戦ってみたかったよ!あわよくばドロップアイテムとか欲しい!


「残念そうに見えるな、フローラ嬢」


「そ、そんなことないですわ、ジークベルト様」


「そうか?」


ん?って顔を覗くのやめて。イケメンだからその仕草も似合ってて耐性ないから。心臓持たないからァ!!


『何故それで若造に恋愛感情を抱かん』


これはこれ。それはそれなの!違うものなの!


『よく分からん…』


「あっ!ジークベルト様、あの虹色の魚は?」


「あれはレインボー・フィッシュといって食用として最高級の魚だ。珍しくあんまり市場に出回ってない。魔力回復効果もあるからな」


「食べてみたい…」


「俺が狩ってこよう」


「待て若造。ここは我が狩ってきてやる。退屈でつまらんからな」


「アズ殿、しかし…」


「他の魔物も狩ってくるつもりだ。その間、2人で過ごしていろ」


「…分かりました。フローラ嬢は必ず私がお守りします」


「信用しているからな」


レヴィ、狩ってくるの?


『あぁ。主のアイテムボックスに素材を入れるから繋げておけ』


どうやって繋げるの?


『簡単な話だ。お主が我に向かってアイテムボックス共有と言えば繋がる』


本当に?……レヴィに私のアイテムボックス共有!


『これで繋がり我はお主のアイテムボックスに魔物の素材を入れることが出来るようになった。行ってくる』


「アズ、行っちゃいましたね…」


「そうだな…だが、俺はフローラ嬢と正真正銘、2人きりになれて嬉しく思う。俺たちの初デートだからな」


初デート?!これ、初デートだったんですか?!ただのお出かけじゃなく?!


「もしかして初デートだと思っていたのは、俺だけなのか…?」


うぐっ…!子犬のようなシュンとした顔をしないで、ジークベルト様!罪悪感がするから!


「………私も、初デートだと思ってますわ」


「フローラ嬢は照れた顔も可愛いな。俺によく見せてくれ」


ジークベルト様が私の両頬を優しく手で包み込み顔を上げられる。

ヤバいヤバいヤバい…!顔面偏差値の高い顔が近いって!!

あと数センチでジークベルト様とキスをしそうな距離になった時、魔物に攻撃されそうになるが間一髪でジークベルト様が防ぐ。


「俺の大切な婚約者に指一本触れさせはしない」


ジークベルト様は防御魔法をいつの間にか発動させていた。あっぶな!助かった!


「ジークベルト様、あの魔物は?」


海蛇(シーサーペント)だ。Aランクの魔物だ。船に巻き付いて沈没させる力を持っている。俺から離れないようにしてくれ」


「分かりました」


ジークベルト様がいるから困った顔は崩してないけど、海蛇(シーサーペント)?!ひゃー!!テンション上がるぅ♪


「光よ、水よ、絶対零度の雷と化せ、絶対零度(コールド)雷光(サンダー)!」


ジークベルト様が海蛇(シーサーペント)に向けて攻撃魔法を放つ。魔法は見事に命中し海蛇(シーサーペント)は氷漬けになり、煙となりアイテムがドロップする。


相変わらず強い魔法ですわね…

倒したと思ったら別の魔物たちに囲まれてしまっていた。


「あの海蛇(シーサーペント)は囮だったのか?」


「ジークベルト様……」


「不安がることはないよ、フローラ嬢。君のことは俺が必ず守るから」


「アズを呼びましょうか?」


「いや、ここは俺一人で守れないと顔が立たないからな。それに、君を惚れされるチャンスを易々と逃すつもりなんて毛頭ない」


ひぇ…イケメンだ(?)でもこの魔物の数をジークベルト様は倒せるのかな…?RPGで例えるとパーティーは2人しかいないのに、8体の魔物との戦闘になるやつ…


「あまりご無理はなさらないでくださいね…」


「ありがとうフローラ嬢。一撃で終わらせてみせるよ。……光よ、水よ、絶対零度の雷と化せ!零度電磁結界!」


ジークベルト様がそう唱えると海水が一瞬で凍り魔物たちの動きが完全に停止し無事倒せたようだった。


何が起こったんだろうって?優月ちゃんが説明しよう!ジークベルト様が放った零度電磁結界は超広範囲の即時停止。発動した瞬間、周囲一体の空間を絶対零度にまで冷却して、同時に強力な電磁パルスを放出する魔法なのだ!


電磁パルス?電気的なショックと麻痺を与えるやつだよ!例えるなら電磁波のバースト(爆発的な放出)だね!


「ジークベルト様、凄いです!!」


「あぁ…ありがとう、フローラ嬢。守れて良かった。…少し肩を貸してくれ」


あれ?ジークベルト様、なんか疲れてる?

私に抱きついて肩に頭を乗せちゃった…


「先程の魔法で膨大な魔力を使って疲れているのだろう」


「アズ!おかえり!」


「アズ殿…」


「若造にしてはやるではないか。主、浜辺に戻るぞ」


この状況で?!


『お主が泳いで若造を運べば良いだろう』


ま、マジっすか…


なんとか浜辺に戻ると、レヴィが魔物の素材を大漁にアイテムボックスに入れていると念話で言ってくれた。あ、ジークベルト様は私の膝枕で完全に寝ちゃってます


「ふぉぉぉ!!さすがアズ!レア素材が多いね!」


「ふふん。我を褒めるが良い」


「すごいよ!でも、私も魔物狩りたかった…」


「………お主はこの若造に惚れたりしなかったのか?」


「え?いや、かっこいいとは思ったけど惚れてはないかな」


「…………」


「何その顔。あ!遠くに雷帝(サンダー・)(ホエール)がいる!!」


「それがどうした」


「倒すチャンスだよ!何属性が弱点なの?」


「氷が弱点だな。お主ならばそれだけ言えば倒すことは可能だろう」


「そうだね、私のゲーム知識を舐めないでもらおうか!氷…氷…この魔法は口に出して発動させたい!水属性の魔法!絶体全滅氷刃(ぜったいぜんめつひょうじん)!」


「……(主の瞳の色がサファイアから光を放つダイヤモンドの色に変わった…?)」


私が放った魔法は遠く離れている雷帝(サンダー・)(ホエール)に向けて一本の光の線が光が収束し、雷帝(サンダー)(ホエールは)氷の芸術品と化し、次の瞬間、粒子となって崩壊した。


「くぅ~っ!気持ちいいー!!アズ、ドロップしたアイテム取ってきて!」


「仕方がないな…」


レヴィがアイテムを取りに雷帝(サンダー・)(ホエール)が居た場所まで飛んでいった


「…ん……この匂いは」


「あ、ジークベルト様、起きました?」


「……フローラ嬢?この状況は?」


「えっと、ジークベルト様があの強力な魔法放ったあとに私の肩に頭を乗せた時に気を失ったみたいだったので、浜辺に運んで膝枕をしてました」


顔面偏差値高いからね、乙女ゲームで例えるならスチルみたいで眼福だったわ…


「フローラ嬢の膝枕……っ、すまない」


「いえいえ、お気になさらず」


ジークベルト様は起き上がり、背を向けた


「……情けないところを見せたな」


「ジークベルト様、かっこ良かったですよ?」


「…!そう、か…それは嬉しいな」


「顔が赤いな、若造」


「!、アズ殿!それは…?」


雷帝(サンダー・)(ホエール)の素材だ。…我が狩ってきた」


「さすがはアズ殿だ」


「褒めるが良い」


レヴィ、ドヤ顔してるし…

まぁ、楽しかったからいいか。


次回!フローラにライバルが現れる?!


えっ、ライバルってなに?!


『恋敵ではないのか?』


誰の恋敵になるの?!


『みなまで言うわけなかろう…』


レヴィのケチ!!


第15話をお読みいただきありがとうございます!

今回はジークベルト様の「愛の証明」と「男の面子」が爆発した回となりましたね!キス寸前からの「俺の大切な婚約者に指一本触れさせはしない」は、書いている私も胸が熱くなりました。疲労困憊でフローラの膝枕で眠ってしまう姿も、公爵様の愛の重さが伝わって最高でした。

そしてフローラはというと……。

公爵様が愛を証明している裏で、膝枕中に「サンダー・ホエールを倒したい」と無意識にチートを発動し、素材をゲット!ロマンスと素材欲の極端な温度差こそが、この物語の最高の魅力ですね(笑)

チートがバレることなく、無事に海デートの目的(素材獲得)を果たせて良かったです。

さて、次回はついに「ライバル」が登場します!優月は「誰の恋敵になるの?!」とパニックですが、公爵様の独占欲と溺愛がさらに加速することは間違いありません。どうぞお楽しみに!


第9回 アース・スターノベル大賞に応募しているので、もし『面白い!続きが読みたい!』と感じていただけたなら、ページ下の『お気に入り登録』と、ページ上部にある【評価(★)】をポチッとお力添えをしてくださると嬉しいです。感想もお待ちしております!m(_ _)m

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