初の異世界
まだ書き方を試してるような人間だから、読みにくい文でも許してね。
私が使っている王侯貴族の名称とかは正しくないと言う前提で見てもらえるとありがたい。あと創作の称号とか出ます。一応調べてはいるんですけど…
文字数(空白・改行含まない):3139字
「……全員目覚めたか?どうやら問題ないようだな。」
はっ!どこだここ!?
あ、異世界召喚か。納得……は出来ないな。
意識を取り戻し、目を開けると石造りの聖堂のような建物の中だった、ステンドグラスから入る太陽の光が眩しく煌めく。
魔法陣のようなものの上に立っていて、聖職者や魔法使いと言った風貌と一つ目立つ人影が自分たちを囲っていた。
と言うか寒くない? あっちは夏だったのに冬か?異世界感もあんまりないし、ヨーロッパにある大聖堂みたいな建物と同じ雰囲気がする。
「アルトリア王国へようこそ、神の使徒様。私は王室軍事顧問官のヒューレン・ハンリフィールドだ。寒いし、立ち話もなんだから場所を移そう。面倒だがここしか召喚に適した場所がなくてな」
最初から存在感を出していた岩山のような男がそう言った。デカい。短く刈り込まれた灰の髪を生やし黒の軍服にキラキラした勲章が映えている。
「あ、あの!…私たちはいつもとの世界に帰ることが出来るのでしょうか?」
早くも、黒髪を長く伸ばした品行方正そうな見た目が質問した。
「詳しい話は別室でさせてもらう。私にあまり話しかけるな」
イラついているのか少し怒声のように言いながら、男は移動を始めた。自分たちは囲っていた衛兵に促され、彼らに追従していく。
怖い。あのおじさん怖い。
なぜか分からないけどちびる威圧感がある。と言うか副会長は大丈夫だろうか。この距離でもだいぶ怖かったぞ?
いま顧問官に質問をして威圧されたのは生徒会副会長の柊冬華さん、ちょっと気弱で…て、あぁ! 顔が赤い、泣きかけてる! けど耐えてる! あんなのに目の前で威圧されたらそりゃそうだよ! 離れてる自分でさえちびりかけたのに!
「あら、冬華さん大丈夫かしら?」
あ、生徒会長が行ってくれた、会長なら大丈夫か。他にも行ってるから問題なさそう。おじさんも後ろ姿しか見えないけど気まずそう。
「…すまない。軍人としか話さないものでな…友人達と、情報共有でも、しておいてくれ…」
「ハンリフィールド卿、少し魔力の放出を弱めたらどうだろうか。使徒様が怯えている」
威圧感丸出しの奴の隣を歩いている、これまた軍人らしき人が言った。
「あぁ…たしかにそれもそうか……」
軍人だからか、周りが静まり返っていたからかは分からないが下手くそなひそひそ話が軍人特有の通る声で耳に入った。
あ〜、あの威圧感は魔力由来か。うんうん、完全に理解した。とりあえず威圧にも使えるのは便利エネルギーだな、魔力。
何とも言えない空気……
「そうよね〜やっぱり帰りたくなるわよね〜私も気になるところだけど………ま、後でその話は聞くとして。切り替えて行きましょう!」
「いや…あの、私、泣いてないですから…ちょっと、怖かっただけですから…」
生徒会同士の会話を皮切りに、クラスの会話量が増えっていった。
会長の名前は、清野武蔵。オネェ口調だがだいぶ頼りになる、いやだからなのか?ひとまず老若男女から好かれ頼られる良い人。
勉強も出来るし、ゴリゴリのマッチョなのでスポーツも勿論。
見た目はマッチョなだけで案外普通、拭えないオネェ感はまぁ…あるが。
「なぁ、成瀬?」
「ん?どうした?」
今話しかけてきたのは鏑木理久、小学生時代の頃からの親友だ。自分がクラスで浮いた変人なら、こいつは浮いてない変人だ。悲しい。
「適性なんだった?」
「ああ、錬金術師だった」
「錬金術師?全員に聞いた訳じゃないけど生産系は成瀬が初めてだぞ」
まじぃ…
こいつの交友関係から言えば、クラス内の生産職の割合は絶望的としか…でも、錬金術師も戦えないわけじゃないから…というか錬金術師が優遇される世界かもしれない!
「ちなみに俺は魔術師だった」
「喧嘩売ってる?はぁ〜魔法使いたかった。あれ?てか魔術?魔法使いじゃなく?」
「魔術師は魔法陣書くらしい、魔法使いはそのまま指からヒュッと出せるらしい。天使から聞いた」
特に表情を変えることなくヘラヘラとした雰囲気を感じさせ、さも自分の考えかのようにと聞いたことを受け売りした。
「ほーん、どうでもいいな」
「自分から言っといて何言ってんだか。それで?錬金術は何が出来るんだ?」
「錬金術はな…聞いて驚くな───」
「成瀬く〜ん?錬金術だってぇ?生産職なんてお似合いだねぇ?」
嘲笑の様にも感じる笑い声が聞こえた。
人の言葉を邪魔する様に会話に挟まってきた奴が来た。処す?お、処すか?
「あ、あ〜、ちょ、ちょっと、やめよう?ね?冗談だからさ?その今直ぐにも頬を終着にしそうな振りかぶった腕を下げてさ?」
この尊大な男は神葉天、友達…?ではないが数少ない、よく会話をする知り合いだ。会話内容の大半は煽りな気がしないでもない、そこでさっきみたいに威嚇する。
これが謎に習慣になってしまった、つまるところ内輪ノリ。つまらん? 当たり前だろ。文句はあっちへ頼む。
「ほんとに変わらないね。一応ここ異世界なんだけど?巻き込まれる側にもなってほしいよ」
理久の発言は気にせず、天に質問した。
「じゃあ、お前、適性職なんなんだよ?」
「神官さ☆」
「全ての欲の権化みたいな、他人を煽ってばっかりのお前が……? 神官を…?」
根はいい奴なんだろうか? いや、今までの経験が確実に違うと主張している。
「と言うか、恩典何にした?」
話の流れを変えるためか理久が言った。
「え?恩典?言う必要ある?あんまり言わない方が良くない?ほとんどこれは個人の懐刀、必殺技な訳であって言うのは避けた方が良くないか?」
先ほどとは打って変わって天がバツの悪そうな顔で言った、こいつなんか隠してるな。吐かせるか…日頃の恨みだ…ふふふ……
「俺は別にいいぞ、そのうち見せるだろうし。でも言い出しっぺからな」
正直、いつかは見られるだろうから、隠してもそこまで意味が無い気がする。うん、たぶん問題無い。
そう言えば、存在を忘れてたけど天使から貰った紙があったな……錬金術師が出来ることあんまり詳しく説明されてないし見とくか。
………確かに口頭だけより見返したり出来るしこれは便利だな。
「天には、後でちゃんと吐いて貰うから安心しろよ?」
「……」
ニヤニヤしながら理久はそう言った。天は黙っている。
………どうやら考えることは同じらしい。
「では、私こと鏑木理久から。といっても、転移魔術と空間魔術の適性貰っただけだけどね。あと、ステータス全体的に底上げしてもらったかな?」
異世界四大チートくらいのやつじゃん。妥当なチートだ。
ちゃっかり、いざというときに一人で生存出来そうな構成にしてるのは、ソロゲーマーのあいつらしい。
く〜、羨ましい!どテンプレじゃん!錬金術との相性も良さそうだからそっちにしとけば良かったかもな〜
でも過ぎたことは考えても仕方ない、切り替え、切り替え。なろう系技術無双しようぜ。
「ほら成瀬、次」
「ああ、俺は、端的に言い難いけど地球の知識をこっちに持ってこれるようにした。これで錬金術と合わせて現代兵器で技術無双なテンプレすんだよ」
「錬金術から現代兵器を作ろう!って思考になるのがだいぶ成瀬らしい、これは弩級の変人」
「はー、やっぱ、頭おかしいはこいつ。マジで、笑いが、止まんない、わ。ふふっ…ふっ…」息も絶え絶えに周りの目も気にせず、豪快に笑った。
「なんでこんなに笑われてるんだ……まあいい、というか!それより!」
理久は俺の意図を汲んでくれたようで続けて言う。
「お前の恩典を教えろォい!神葉ァ!」
「言わなきゃ駄目?」
「当たり前だろ、何をそんなに隠そうって言うんだい?」
「いやぁ…それはちょっと…」
「言え」「そうだそうだ」
「………はぁ、分かったよ……言えばいいんだろ、言えば」
一呼吸。
「て…に…してたんだよ」
「なんて?」
「天使に…はくしてたんだよ」
「天使になんて?」
「て、天使に告白したんだよ!」
「「天使に告白!?」したぁ!?」
彼は、赤面一色だった。は? 天使に告白? 天使?え?え?
「あんまり大きい声出すな、周りに聞こえるだろ!」
「と言うか求婚したことと恩典に何の関係があるんだ?」
「いや、じ、自分から告白してさ、一目惚れで……それで恩典としてこの世界に召喚出来るようにしたらしい……大義名分で戦闘にも参加できるからなんかいいらしい…」
「それ、告白について話す必要あったか?」
「あ……」
あ〜…
「ところで返事は?」
「保留」
あっ…ごめんね
超常的な力を持っているよくわからん奴ら、国の唯一無二である王の前で召喚しますか???そんなことを思ってここの話を作ったんですけど導入が面倒ですね。リアリティは出る気が……?
と言うか、主人公達の会話で誰が誰か分かりましたかね?これでも書き分け考えてはいるんですが…