正八面体が仲間になった!
身構えてたんですが案外PVあるもんですね〜
文字数(空白・改行含まない):3002字
錬金術師…錬金術師かぁ…
正直さ、戦闘職が良かったんだよ。だってさ、華が無い!
いや、絶対戦闘職が良かった訳でもないけどさ。
錬金術と言うと生産系でしょうきっと、と言うことはやはり後方支援がメインになるはず…うむ、目立たないな。きゃ〜勇者様!(黄色い声援)って感じのことがッッッ……!
え?目立って称賛されるのは勇者の役目?うっせぇ!承認欲求だ!勇者のおこぼれ貰うんだよ!
安全な場所からぬくぬく指揮してるような奴より、前線の死屍累々の中で指揮官を努めてる人間の方が好感度高いだろう?
それが戦闘職と生産職の間でも適応が可能である、そういうことだ。おこぼれが貰えるかすら怪しいじゃん!!
まぁ、自分が自慢できることと言えば、手先が器用、もの作りが得意、だから結構真っ当か……
あるはずの運動神経がない人として戦闘をしなくてもいいことに感謝しよう。
生きることの方が大事よね。
切り替えていこうぜ、承認欲求第一な行動とか普通にアホすぎるからな。
「あの…大丈夫ですか?」
「あ、すいません。少し適性のことを考えてました」
「恩典のことを考えるには、自分の適性との相性も考える必要があるので問題無いですよ〜。どうします?恩典。分からないことがあったら遠慮なく質問してくださいね」
相性…錬金術と相性がいいものか。何かあるか?そういえば、そもそもの錬金術で出来ることを理解してなかったな。
「あの、錬金術は何が出来るんですか?」
「ちょっと待っててください!少し資料を探しますから」
そう言った天使は、どこからか本を取り出して忙しなくページをめくり始めた。
「違う、これも…違う。あれ?錬金術…錬金術…あーこれだ」
「どうぞ」
そうして十数枚の紙を綴じた冊子を手渡した。
まさかの紙。まさかの資料配付。召喚前の説明に資料を使うってマジ?初めてみた。
「口頭だけより分かりやすくないですか?」
「ちなみに、こんなやり方してるのは私だけです。特別ってやつですよ、私があなたの担当でよかったですね」
そう言って柔らかな笑みを浮かべた。
「まぁ、私がラクをするために作った、てのが本音ですけどね!あと、説明がド下手って言うのも…少しだけ!少しだけね?ありますけどね?」
墓穴を掘っていることに今さら気付いた様子で、咳込み、話に区切りをつけた。ヤバい!本題に入らなければ!といった表情でうやうやしく続けた。
「さ、流石に、真面目にならないとですね……二ページ目開いてくれます?
錬金術師はですね、名前の通り錬金術が扱えます。出来ることは主に三つ。
一つ目は素材の精製と合成など加工系。鉄鉱石から純粋な鉄を取り出したり、合金が作れると言った感じ。ファンタジーな素材も作れますよ。
二つ目、薬品調合。そのままの意味、回復薬、解毒、毒薬などなど…薬なら何でもござれ。
三つ目、魔導具の作成。または魔導機械、魔法的な効果が発生しない、使わないものは単に機械と言われる。機械は全く発展してませんけどね……以上!」
「あ゙ぁ゙ぁぁ!つかれた!!」
思ったよりわかりにくい訳でもなかった。
やっぱり魔導具が一番気になる。地球の機械類を現地で作るのも夢では無いかも知れない…
もしや、兵器を量産できれば魔王討伐に貢献できるのでは!?
いや……でも、課題が多い。設計に必要な知識が全然足りてない。加工と素材がどうにかなっても肝心の設計がおじゃんでは駄目だ。
なろう主人公が簡単そうに作ってを小銃ブッパしているが、あれは少なくとも近代以上の技術は詰まっているのだ。
知識をどうするかが重要になってくる訳だが……
「あのー?おーい?」
「うーん、現地で研究所?そんな人望と金ないぞ…?そもそも高校生なりの知識しか持ち合わせてないクソガキだぞ?」
「何考えてるんです?」
「いや…恩典をどうしようかなーと。あ、そうだ」
「恩典決まりました」
「おぉ?案外あっさり…お早いですね!では、さてさて!どんな内容でして?」
「地球ある技術に関する知識を全てください」
思い付いたのはこういうこと、知識が無ければ貰えば良いじゃない。これで知識無双してやるぜ…ふふふ…
「全て…?」
「はい、全て」
「分かりました」
あれ?ちょっと欲張り過ぎ?無理だったら…エンジン関係だけでも…いや、もう知識無双は諦めてゴリゴリのファンタジーで大人しくしていく方針に………
「……大丈夫です!」
え?
「え?」
「いやー、というよりそんなことだけでいいんですか?もっといい感じのドラゴン〜とか古代魔法〜とかもありですけど?」
そんなこと?これは…どっちだ?地球のことを知らないのか、技術では魔王相手にマジで太刀打ちできないのか?
まあ、大丈夫だろ。戦闘できなくても兵站の支援ぐらいは出来る。
「問題ないです!錬金術との相性を考えるとこうなっただけなので」
「それは良かったです!ただ…少し問題があって…」
「問題…ですか?」
「はい、簡単に言うと知識を記憶させるために限界突破した脳が死にます。召喚補正なんて屁でもなく殺します」
「え!?し、死ぬ…?それ少し…?」
「あ、いや、安心してくれて大丈夫ですからね?ちゃんと対策も考えてますし……」
あ、対策はあるのね。
召喚されて即ぽっくりしなくて済みそうでよかった。
「すいません、声を荒げてしまって…」
「私の説明不足なので気にしないでください!とりあえず本題に入りますね?今回の問題点は分かりやすく言うと100YBぐらいのすごい大きいデータ量をどうするかです!」
YB?
その言葉が途切れると同時に、魔法陣的なものから金属光沢を帯びた大きな正八面体が現れた。その表面には、どこかファンタジーを感じさせる模様が刻まれていた。
「そこでこいつの出番です!これは人間で言ったら外部ストレージみたいな感じかな?いやちょっと違うかも?とりあえず、この中にデータを全部入れちゃったら解決だ!と私、思ったんです!私ってば天才!」
そう言いながらそれをバンバンと叩きながら、こちら側に運んできた。
「これの最大の特徴は考えて喋るところです。あっ、コンピューターですね!アレの進化形ですかね?きっと役に立つと思いますよ?恩典はこんな感じで十分ですかね。最後に何か質問あります?」
正八面体が仲間になった!……?
うーん、分からん!
急に召喚されるし、よく分かんない職業システム?教えられるしで考える余裕がねぇ!
何が分からないのかすら分からないと何も出来なくなることあるよね!今それ!
とりあえずヨシッ!
「分かりました。まぁ、八面体君に聞いとけばだいたい分かりますよ、きっと、たぶん。あと恩典が微妙なのでおまけで錬金術系の能力を上げときますね」
微妙と言われるのは何とも言えないけど思わぬ拾い物、棚ぼたありがたい。と言うか、今心の声……
「じゃあこれでやらなきゃいけないことは終わりましたね。ということで、転送しますね〜」
「え?ちょっと!まだ聞きたいことが───」
「ごめんなさい!時間がないので!あとは冊子を見ておけばなんとかなりますから、ではさよなら〜」
だんだんと視界と思考がぼやけてきた…まぁ八面体君?に聞けばいっか……にしても説明不足だった…
知り合いと相談して恩典決めてた方がよかったな…そもそも恩典で地球に帰れるように何かしら出来たかもしれなかった……これも女神が思考に制限でも掛けてた………?
「私の為にもなるから頑張って活躍してくださいね♪あ、そういえば名前を言ってませんでした!ソフィアって言います。また会うときはお願いしますね?」
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口調に違和感…
キャラの書き分け不得意なんで、癖強キャラいっぱい出してきましょうね〜。話の展開遅すぎて次からやっとこさの異世界メインですよ!
ちなみに、この作品は脳内で進めているのでご理解のほど…