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無機物の知識無双に助けられる異世界  作者: ミTerら使
アルトリア王国

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11/11

閑話:学歴厨とゲーム廃人

次話は主人公なので。

文字数(空白・改行含まない):2262字

「成瀬お持ち帰りされたな」と天が。


「羨ましくねぇお持ち帰りすぎないか?」と俺が。


「確かにそれはそう」と天が返す。


「んー、今日はもう終わりらしいけど、これからどうなるんだこれ?」と続けた。


 一悶着や勇者の出現を経て、会場は閑古鳥が鳴きそうなくらい静かになった。生徒会メンバーが代表として異世界人と話し合っていることを除いて。


「飯がどうとか聞こえるな」


「確かに。腹減った〜」


 同じく。

 窓の外を見るとすでに日が入り始めていた。もう今日も終わりなのか。色々あったな……


鏑木理久(かぶらきりく)様、神葉天(かんばそら)様。これから食堂に移動しますので、彼らに従ってください」


 本物のメイドさんに感動した。

 まあ、変に目を付けられるのも嫌なので、天と顔を見合わせると大人しくしたがった。





「ふーん、ここが食堂ね。一言言わせて。───汚ッッ」


 天は顔を顰めて、容赦なく言った。まあ、現代人には厳しい。中世ヨーロッパのパクリっぽい世界だから。


 というか、もっとこう…華やかな王宮で一口サイズのコース料理を食べるってイメージだった。

 現在目に入るのは、ゲームで見る酒場?を広く、マシに、レベルアップさせた感じだ。


「いやぁ、ごめんねぇ〜私が王宮で食事をしないかって誘われたんだけど断ったのぉ」


「お、あ、あぁ…清野か……気にしてないから」


 たじろぐ天。清野武蔵が話しかけていた。そう言えばこいつ会長のこと苦手とか言ってたな。


「なんで断ったんだ?」


 正直、この衛生の場所で食事をするのは気が引けていたので、原因を作った本人に聞いてみる。


「あー、それはね、テーブルマナーとか分からないでしょう? 独自礼儀とかもあるかもしれないわ。つまり、無礼を働くかもしれないわよね? それに、会話から探りを入れられたりしたら対応できないのよ」


「でもコッチ側も情報収集出来るくないか?」


「それは安心して、ある程度は掴んでるわ! だから必要ないの!」


 自信を表すように親指を立ててグッドポーズをとり、白い歯が見える笑顔をした。


「おー、有能」


 天は感心したように漏らす。


「ありがと♡」


 ピトッ。武蔵が天の腕に抱き着いた。


「ひぃぃ!?!? ちょ、ほんと、ほんま、いやぁぁ!!」


 あ、逃げた。


「あらぁ…残念…じゃ、食事にしましょうか。今後のことについても話そうと思ってるから、よろしくね」


「りょーかい」


 なんだかんだ話し込んでいたら、どうやら料理の準備が出来ていたらしい。


「ほらほら、みんなご飯食べるわよ!」


 各自木製の椅子に腰掛けた。この空間には、成瀬を除くクラスメイト総勢29名のみがいる。


 ───これ毒とかないよな…? ってもう食ってるし。

 美味っ、これが遅効性の毒なら終わりだけど。


「なあこなやさいうまふぃ、バリバリクソガチマジ品種改良してる日本の野菜より美味い」


 いつの間に戻って来やがった。


「魔法かなんかじゃね? 美味い」


「かもな、どんな感じに魔法が技術に根付いてるか気になってきたわ」


「適性って言うのも謎だよな、スキルもあるし。ゲームかよって」


「────はーい! ちゅうもーく!」


 会長が声を上げた。これからについて話すつもりだろう。周りの雰囲気も少し重苦しくなっている気がする。


「みんなあの時に勧誘を受けてたわよね? そこでみんなが誰から勧誘されたかについてリストアップと人物について調べてみたの!」


 いつの間にそんなことしてるんだよ。


「それで、了承しちゃった子は刺激しない為にも大人しくしておいていいんだけど、先延ばしした子にはお願いしたいことがあるの!」


「───私たちは異世界の組織と対等に渡り合うために、全員で協力して、クラスで対抗するの!」


 その後、食事を取りながら会長から色々な話を聞いた。


 全員で地球に帰ること。

 誰も見捨てないこと。

 それら為には、使徒と呼ばれる俺たちが集団を作って国と交渉する必要があること。

 この国は不安定で取り入る隙があること。

 少なくとも使徒である私たちがわざわざ殺されることはないこと。

 …………まあ、その他にも色々。


 今は王城の使徒の為に与えられた客間にいる。基本は男女に別れて集団で雑魚寝だったが、それを嫌がった何人かは俺みたく部屋を貰った。

 念の為として、天と同室となったが。


「なぁー、受験勉強なんてやめてさぁー、俺と遊ぼうぜー、そもそも異世界だぜ?ここ。夢で胸いっぱいにしようや」


「最初は言わなかったけど、こんなの集団幻覚だろ。頭おかしい」


「せっかくテンプレみたいなことが起きてるなら、夢だろうが幻覚だろうが楽しみたいよ、俺は」


「はぁ、もう寝る」


「えぇー、そんなぁ」


「明日も早く起きて勉強するから。おやすみ」


「うーん、じゃあおやすみ」


「────てかさ、成瀬はどうしてんのかな?」


「アイツなら大丈夫だろ」


 まあ、それもそうか。





 朝。


「うぉぁぁぁぁッッ!!!?!マジかよォォォオオオオッッ!!!3年間毎日欠かさずログインボーナス受け取ってたのにィィィィイイイッッ!!?!このクソ田舎ッッ!!インターネット繋がらねェェェェエエエッッ!!!記録が途切れたァァァァアアアアッッ!!!ふざけんなよォォォオオオオオッッ!!!?!誰だよこんな所に俺を連れてきた奴ァァァァァアアアッッ!!!許さねェェェェェエエエッッ!!!?!」



「おぉぉぉぉッッ!!?!うるせェェェェエエエッッ!!!黙れよォォォオオオオッッ!!!ログインボーナスごときでギャーギャー喚くなァァァァアアアアッッ!!!?!こっちは静かに勉強したいんだよォォォォオオオオッッ!!!耳がキンキンするじゃねェェェェエエエッッ!!!引っ叩くぞゴルァァァァアアアアッッ!!!?!」


 ちなみに異世界は地球で言う17世紀くらいの技術基準です。少なくとも、大航海時代は通過している。

 後々出すんですが、獣人は獣人のいる大陸があって、人間に植民地化されてて奴隷狩りされてて三角貿易でプランテーション、鉱山労働させられてます。

 でも、軍事分野で使われていた奴隷が立場逆転して、国を築いたりもしてます。

 以上。作者が頑張って考えた設定を読者に先に自慢しようの回。

 もう一人称とか三人称一元とかよくわからないので雰囲気で一人称視点風に書いてます。書かないことには何も始まらないですからね。

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