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無機物の知識無双に助けられる異世界  作者: みtarラ使
おそらくプロローグ
1/11

少し先のお話

割り込み投稿です。すみません。

でもまぁ…すでに読み進めた方なら読まなくても問題ないです。読んだら、あー、こいつかぁ〜ってなるかもしれないですが。タイトルの通り未来のお話なので。

文字数(空白・改行含まない):2034字

 数多の戦禍を乗り越え続け、人口の増減を繰り返しては拡大を続けた首都ネーベル。その中心には今では古臭くなった城が聳え立っていた。

 今日、この古城で新たな王が誕生する。


 ────豪奢なシャンデリアが煌めく戴冠式の会場に、突如として爆発音が鳴り響いた。貴族たちの悲鳴が交錯する中、武装した刺客たちが王座を目掛けて突入する。

 しかし、誰もが予想だにしなかった光景が広がった。



 ────王太子の姿が見当たらない。



「ようこそ、お待ちしておりましたわ」


 襲撃者は声に反応すると、背後を振り向いた。


 会場中央。淡い薔薇色のドレスを纏った貴族令嬢が、静かな微笑みを浮かべながらスカートの内側に手を差し入れていた。


 しなやかな指が秘匿された重厚な金属に触れ、それを一気に引き抜く。絢爛な衣装とは不釣り合いな漆黒の自動小銃が彼女の腕の中に収まる。襲撃者がそれを何かと理解することはないだろう。

 ただし、戦闘の準備が万端であることは伝わったようだ。


「ふふっ、驚きましたか? ああ、あの貴族たちは気にしないでくださいね。味方、でしょう?」


 彼女の声音は穏やかでありながら冷徹だった。銃口を正面の敵へ向けると、引き金を引く。


 鋼鉄の機構が作動し、弾丸が火を吹く。

 気付いたときには、すでに遅い。先頭にいた刺客の胸が弾け、彼は崩れ落ちる。


「────ッッッ!」


 倒れた刺客の仲間たちは咄嗟に散開した。ある者は短刀を逆手に駆け出し、ある者は長大なカトラスをどこからともなく取り出す。即座に突貫。


 周囲からの悲鳴が高まる中、身体は優雅に動いた。短い訓練期間ながらも鍛えられた彼女の動きは、豪華なドレスを纏っていても一切の無駄がなかった。

 敵の刃や魔法が彼女のドレスの裾をかすめるが、彼女は冷静に次の標的を定める。


 ────そして、扉の異状に気付く。貴族は消え、影を引き連れた影が空間に滲み込んでいた。


 新たな襲撃者だ。だが、その風貌は先ほどの者たちとは違った。


 灰のデジタル迷彩に彩られた、(ボディアーマー)にジャケット、トラウザーを身に纏い、頭には鉄帽を被る。レッドカーペットに吸い込まれる静かな軍靴の足音。腕の中には抱えるほどの機関銃。そして、一同共に尻尾があった。


 令嬢にとっての、頼もしい味方の登場である。


 再び銃声が響く。大口径の反作用と銃そのものの重さを物ともせずに、軽快な動きと的確な射撃で二人目、三人目と、刺客が次々と倒れる。

 エレノアは王座の周りを円を描くように移動しながら、敵を一人ずつ排除していった。

 刺客の一人が彼女の背後から忍び寄る。しかし味方がそれを察知し、回した足の遠心力に任せ華麗に向きを変える。そのまま敵のバランスを崩し、銃床を振り上げて敵の顎を打ち上げる。よろめいた隙にもう一人の仲間が胸元へ一発を撃ち込んだ。


 令嬢は感謝を伝えると共に、銃口から放たれる曳光弾を確認すると、スムーズな動作で弾倉を交換し、再び戦闘態勢に入った。

 その一連の動きさえも優雅で、まるで舞踏会での踊りのようだった。


 刺客に弾丸を浴びせる。数々の弾丸が空気を切り裂き、敵の急所を次々と貫いた。銃声と悲鳴、そして硝煙の香りが会場を満たしていく。


 国に牙を剥く大罪人(刺客)に逃げ場はない。ただ死を待つのみだった。





 戦場には微動だにしない二つの影があった。


 あえぇ…? つよ…強くない…? 


『そんなこと考えてる暇があるなら動いてくださいよ。ここで負ければまた、一から革命ですよ』


 いや…革命起こす気は、これっぽっちも無かったと言うか……

 特権階級でぬくぬくしていたかった筈なのに……

 というか俺が動かなくても周りがオーバーキル過ぎてさ、動けないよね。そもそもこれに掛けてる想いが自分なんかとは桁が違うから。



「これ以上の増援はおそらく来ない、会場の彼らで全てだろう。───ふむ、終らせよう」


 白衣の人物が徐ろに手を握る。すると何かが砕ける音がし、腕を振りかぶって空間全体にぶち撒けられる。散った欠片はキラキラと光を反射して宙を舞う。

 すると唐突な成長。質量保存則を無視した巨大で、鋭利な金属へと姿を変貌させる。一秒後には縦横無尽に全てを貫く針が場を支配していた。



「………………殺り切れなかったか」


「あら、いいとこ取りは辞めてくださらない? 貴女には後々大舞台が待っているでしょう?」


 生き残りと白衣の間を令嬢が遮った。



 ────最後の刺客が恐怖に震えながら剣を向ける。赤い令嬢はため息をつくように息を吐き、落ち着いた手つきで銃を構え直す。そして、狙いを定め、躊躇なく引き金を引いた。



 乾いた銃声が響き渡る。


 敵はゆっくりと膝をつき、そのまま床へと崩れ落ちた。静寂が訪れ、硝煙の香りが場を満たす。




「敵勢力、排除完了。各自安全を確認後、セーフティ掛けろ」


 一人の戦闘服姿の男の声が響くと、部下たちが整然とした動きで必要事項をこなしていく。





「────終わった、けど…終わったけど…戦後処理…あ、ぁぁぁ………壁が…天井が…空が青い……一体修繕にいくら掛かると…うぁ…あ、あははは…」


 少女の虚しい叫びが木霊した。

最近は新生活に苦しめられているので投稿が遅くなってしまってますがそのうち投稿出来ればな…と思っとります。1日の早さが異常なんですよねぇ……疲れた……


語彙力や文章力はこれからも上げていけるよう努力しているので辛口も大歓迎です。ストーリー展開も勿論。(変更するかは置いといて)

というか無骨な銃をもったドレス姿の御令嬢が鎧袖一触とか最高じゃないですかぁぁぁぁ!?!?!?!?!?!?

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