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永久にトモに_とある異世界譚(改)  作者: humiya。
第3章 クレソンとカルミアともう一人
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3話 三人が行く

 場所は変わり、さっきまでいた場所より上の階層。その廊下を今は知っている最中だ。走っている途中で本当に目的の場所がどこかを思い出し、そこに向かい移動している。

 その時、また廊下が少し傾き二人の体はよろめいた。


「おぉっと…今日波大きいかったけか?」

「うーんどうだっけ?天気よいって聞いたけど?」


 波、という言葉に『ソレ』は反応した。波とはどういう事か、未だに分かっておらず首を傾げているのに二人が気付いた。


「うん?どったのかな?」

「…もしかして、ここがどこか分かってないのか?」


 首を傾げた『ソレ』が次には辺りを落ち着かない様子で見渡す姿を見て、今居る場所が理解出来ていないと察したクレソンは、さも当然の様に答える。


「あぁ、やっぱり。廊下が傾いたりするのが不思議って感じしてたから、今ここがどこにあるのかも分かんない感じかな?

 ここは海の上、貨物船の中だ。」


 船。ヒトが多く乗る乗り物で、カモツセンという事は荷物を運ぶことを目的している。という事になる。何故その船に二人が乗っているのか、という疑問があるだろうが今は聞く暇は無い様だ。二人が進んだ先を睨みつけている。何かがいるらしい。

 二人はそれぞれの戦闘態勢になり、合図も無く、だが同じ瞬間に動き出し進む先の角から出てきたものを攻撃しようとする。出て来たのは二人よりも長身で錫色をしたヒトで、二人が隊長と呼んできた者だ。


「あっお前ら!無事」


 か、と言い終える前にカルミアの拳とクレソンの蹴りが命中。隊長は攻撃された勢いでぶっ飛び、壁に激突した。

 あっと二人が揃って口にし、隊長の下へと走り寄った。


「隊長、危ないですよ?無防備に姿を見せるなんて。」

「そうですよ!あたしとクレソンだったからタスかったけど、ヘタしたらケガしただけじゃすまないかもよ!」

「…いや、お前ら。絶対俺だって気付いてたろ。気付いてて攻撃止めなかっただろ絶対。」


 二人の容赦無い攻撃を受け、ふらつきながら立ち上がり二人に詰め寄る。二人は目線を明らかに隊長の方には向けず知らん顔をしていた。隊長の言った事は本当らしい。何故攻撃を止めなかったのかは知らないが、お互い分かっていての行動でこれ以上問い詰める事はしない様だ。


「とにかく!二人とも無事なんだな?」

「あぁ待って!ブジではあるんだけど…実は。」


 二人は隊長に伝えなければならない事があると呼びかけ足を止める。伝えたい事とは、隊長の言った『ブツ』を見つけれずに来てしまった事だ。あれだけふざけた事を言っていながら、素直に謝罪している様だ。

 そんな二人の様子を見ていた隊長だが、ふと二人の間、少し下がった所に立つ『ソレ』に目がいった。


「あぁ問題無い。そいつが俺の言ったのだ。」


 言われて二人は音が鳴る勢いで後ろを振り返る。そして自分らが連れていた『ソレ』が目的のものなのだと知るや否や、『ソレ』と体調を交互に見てから二人向き合い、互いの両手を合わせて喜び合った。

 さすが自分!と自身の賞賛を贈っていた二人だったが、少ししてから件のものが『ソレ』だという事に疑問が浮かんだ。


「えっ待って!?隊長が言ってたのが『今回の件で重要な要素』ってその子!?」

「その子どう見ても一般人だけど、一体何なの?」


 どう見ても何の変哲も無い、質素ななりをしたヒトにしか見えない。そんな人物が二人の、そして隊長にとって重要な人物である事にただ驚いていた。

 その最中、自分らの周囲に異様な気配が集まってきている事に気付く。その気配が今さっきまで見て来た不定形の物体であるのは明らかだ。


「うわっどうしよう!めっちゃ囲まれてるっぽいよ!?隊長!」

「隊長!乗組員の避難は!?」


 焦り気味ではあるが、優先すべき事を優先して確認を取る。隊長からは既に乗組員の避難誘導は済ませいているとの事。


「後この船に乗っているのは、俺らと一部の乗組員だけだ。結果としてこの船で目的の場所に向かう事が出来なくなった。だからお前らだけ…来い!」


 話し終える前に不定形の物体が集まり出し、説明する暇が無くなったと悟った隊長は直ぐ傍にあった扉を開け、カルミアとクレソン、『ソレ』を扉の先に強引に突っ込み入れた。

 隊長が続いて扉に入り、すぐさま扉が閉められた。中は殺風景で、床に円形の模様が描かれている事以外に何も無い光景が見えた。


「これ、魔法陣…物を移動させる型のものですか?」

「あぁ。本来は荷物専用の転生魔法陣だが、生き物もやろうと思えば飛ばせられる筈だ。危険だからやった事は無いが。」


 へぇと相槌を打って話を聞いていた二人。少し間が空いた後に、この魔法陣で何かを別の場所に飛ばす事、そしてその飛ばす『もの』が自分らである事を察した。


「いやいや!隊長今自分で生き物にこれ使うのキケンって言ったよね!?そのキケンな事をあたしたちにさせるの!?」

「隊長!なんで俺らだけでこれで脱出するって事ですか!?なんでそんな事!」


 大騒ぎをする二人を後目に、隊長は話を続けた。


「船に残った乗組員、そいつらは今部屋に閉じ込められて自力で出られない状況だ。だから俺は残ってそっちの救助をする。お前らは先に『目的地』に行け。案内は『そいつ』がする。」


 隊長が『そいつ』と言って指したのは、二人が連れて来た『ソレ』だった。隊長の言う『重要な要素』がどういう意味かはまだ定かではないが、カルミアとクレソン、そして隊長の三人の『目的』に必要な人物だというのが今の台詞から判る。


「良いか?何が遭っても『そいつ』を守れ!」


 言ってカルミアとクレソン、そして『ソレ』の三人を部屋の床の真ん中へと押して立たせた。瞬間床に掛かれた魔法陣が発光。カルミアとクレソンは転送の魔法が発動する事を察して隊長の方へと見る。


「隊長!?」

「…後は任せた。」

「あっそれ、一回は言ってみたいセリフ!隊長が先に言うなんてずっこい!」

「そうだそうだ!隊長のくせに決めるな笑える!」

「黙って立ってろ!後なんだその俺への評価は!」


 そう言って隊長は三人が立ち魔法陣から線が引かれた先にある小さな魔法陣に触れ、連動させて魔法陣の転送の魔法を発動させた。

 されるがままに、三人は魔法陣の魔法による光に包まれ、光が消えると同時に三人の姿も消えた。


「もう!ヒトのタメに残るとか、隊長カッコ良すぎでしょ!ダメでしょそんなカッコつけちゃ!」

「これは再会したら速攻で膝カックンの刑だな!」


 消える直前までこんな調子だった二人に一抹以上の不安を抱きつつも、隊長は目的の場所へと飛んだであろう三人を見送った。そして自分の得物を取り出し、自分を襲うもの達が集まる外へと向かった。



 そうして二人と詳細不明の『ソレ』は旅立った。互いに目的も判らぬままに、何が出来るのか解らぬまま。ただ流れのままにヒトは動いて行く。

 ソレが世界の為になると信じて―

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