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永久にトモに_とある異世界譚(改)  作者: humiya。
第2章 ベリーとスパイン
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18話 頭領から降参

 魔法の力を大量に消費した為、体に力が上手く入らず立つことが難しくなった。が、俺はなんとか耐えて立つ事が出来た。

 一方、樹花族の頭領の方は姿が見えなかった。それが仰向けに倒れていたからだと気付いたのは、倒れた樹花族の頭領を心配して駆け寄った妖精の頭領の姿を見たからだ。


「アスター!」


 駆け寄り膝を付き、樹花族の頭領に語り掛ける。脱力した状態で横たわり、妖精の頭領の声が聞こえないかの様に起きようともしなかった。代わりに目を開けぬままただ返事を返した。


「ははっ…負けました。これでも勝つ自信あったのですが、結局は私も視野が狭かったという事ですね。」


 結構悠長に話をしている樹花族の頭領。その話を静かに聞いている妖精の頭領の表情は、俺がこの屋敷に来てから今まで見た事の無い消沈した表情をしていた。


「あの有翼人さん、途中から魔法の威力が上がったんですよね。きっと心の支えになる様なものが、あちらにはあるんでしょうね。

 自分はダメでした。自分が出せる全力はあれが限界。自分には自分の力を強力にするだけのものが自分には無かった。自分は思っているより無知だったよ。」


 己が如何に物を知らなかったかを語るその口調は、自身の自虐にもとれたが、どこか他人に言い聞かせている様にも感じた。その相手は、今正に話を聞いているその人物なのだと俺は思った。


「ロビーヌ、自分らはあまりに外の世界を見なさ過ぎた。『あの時』自分らは確かに外の人間に酷い事をされたさ。しかし逆にそういう人間をちゃんと裁くヒトだっているし、こうやって直接赴き解決しようとする者だっているんだ。もう怒りと恐怖で目を塞いだままでいる必要は無い。もう、外を拒絶して『自分』を守る必要は無いんだよ。」


 その声は相手を諭す優しさと、相手を叱る堅実さがあった。そして思った通り、それらの言葉は全て妖精の頭領に向けての言葉だった。

 過去に何か事件があり、その被害がどうやら妖精の頭領だけでなく、樹花族の頭領にも及び、その事に怒りを覚え今回の事件を起こしたと言う事か。

 二人の正しい関係を知らない俺には、二人の話に割って入る権利は無い。ただそこはベリーと言ったところか。当然俺に断るも無く入れ替わり、意識を表に出して話し込んでいる二人の間に割って入った。


「話している最中でもうしわけありませんが、盗んだ花をお返ししてもらってよろしいでしょうか!?私は急ぎまちに戻り、祭りの準備に戻らねばなりません!」


 ベリーの張り上げた声に二人揃って驚きつつも、樹花族の頭領は笑ってベリーの言った事を了承した。妖精の頭領の方は溜息を吐きつつも、もう出会って戦った時の怒りは感じられなかった。


「分かった。妖精達に言って花を元あった場所に戻すよう伝えよう。本当にすまなかったな。迷惑をお掛けして。」


 樹花族の頭領の言葉を聞いてから、ベリーは少し感がる素振りを見せた後に、二人の頭領の方へと向き直り言った。


「お二人もぜひ祭りに参加いたしませんか?」


 更に突如出たベリーからの申し出に再び二人の頭領は驚愕した。まちで起こった事件の首謀者である自分らを、そのまちで開かれる祭りに誘うなど、まずありえない事だ。

 俺も驚いている。だが、いつものお節介や同情で誘っている様ではなかった様子だ。


「カロンビーヌさんの言い分は聞いていて確かにと思いました。ですが、その事を含めて、ぜひまちの祭りをちゃんと見て欲しいのです!まちのヒト達には私から話しておきます!だからどうか、祭りを見てください!」


 妖精の頭領が言った事、その事にベリーはまだ思う事があり誘ったらしい。確かにあの事は真面目なベリーにとっては、心に刺さる問題だろう。

 言い訳はいくらでも言える。しかし、実際問題は完全に解決出来る事では無い。その事について、今回の祭りでベリーは答えを示すつもりなのだろう。

 妖精の頭領の表情はかんばしくないといった感じだ。その気持ちも分かる。果たして、ベリーは妖精の頭領にどういったものを見せるつもりなのか。俺には分からないが、ベリーを見ていれば分かる事だ。

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