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永久にトモに_とある異世界譚(改)  作者: humiya。
第1章 アサガオとシュロ
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44話 決戦で駆ける

 オレが駆け出すのと同時にいくつもの植物が槍の様に突き立てて、オレに向かって伸びてきた。ソレをオレは難なく躱しながら駆け続ける。アサガオはオレが駆けだすと同時に大きな声でオレに声援を送っていた。

 植物の攻撃を躱すのがさっきよりも速く、より機敏に動けている様に思えた。ソレは一休みし気持ちを切り替えた為か、それともアサガオが後ろにいて応援してきてる為か、確かめる術はないし、今は気にする必要は無い。オレが今するべきは、『ヒト型』を撃ち、そして『核』を撃つ。それがけだ。

 植物の槍をギリギリで躱し、時には植物そのものを踏み台代わりにして跳び、他の多数の植物の集中攻撃を躱した。これだけ躱し、『ヒト型』との距離もあと僅かだった。

 すると、ただ体を揺らし小さく呟くだけだった『ヒト型』にも別の動きが見られた。『ヒト型』の上半身らしい部位から生えた腕らしきものが自身の背に伸び、何かを掴むと勢いよく掴んだものを前の方に出し、もうすぐ近くまで来ていたオレの眼前に突き出した。

 ソレは、『ヒト型』の背から腹を突き破る程深々と刺さっていた剣だった。見た目からして錆だらけでとても武器として使えなさそうに見えたが、『ヒト型』の腕で持ち、咄嗟に前に振ったオレの剣を交えた瞬間、錆びているとは思えない重さを感じた。

 何より『ヒト型』のあの剣の構え、一目見て素人の動きではないと分かる。明らかに剣術の指南を受けた動きで、その時点で戦いの熟練を感じ、カナイら土地守と関わり合うヒトだった可能性が高まった。むしろ話に出ていた人物と考えても可笑しくない。

 とにかくこの『ヒト型』の剣を突破しないと核には届かない。相手は地面あるいは床に根を張った姿をしているから動く事は無いだろうが、『ヒト型』が動かずとも周りの植物が代わりとでも言う様にして襲い掛かって来る。

 幸い『ヒト型』にある程度近づくと、植物は反応して攻撃してくる事が無くなったから、『ヒト型』の相手に専念出来る。それでも、『ヒト型の』剣技は強い。動かないからと、『ヒト型』の死角から斬りかかったが、オレの方を見もせずに剣でオレの剣を受け止めた。普段だったらセヴァティアから苦言を呈されそうなオレの動きだろうが、コイツ相手ではもう卑怯だなんだの言っていられない。何よりあっさりと防がれたのだから、手段を選んでいられない。

 後ろから再びアサガオの声援が聞こえた。どうやらヒトの声には植物も『ヒト型』も反応せず、アサガオが立つ場所は安全だと知れた。尚の事、オレは前を見て戦えた。

 剣の打ち合いは数秒だけだったが、伝わる剣の重さが腕に響き、こちらの方が剣として形を保っているにも関わらず、こちらの方が先に折られてしまいそうな重量を感じる。

 だが、関係無い。

 異変の状況も考え、早々に決着をつけよう。オレは、セヴァティアに教わった『技』を使う事を考えた。


 セヴァティアには剣術の基本の他に、応用としてセヴァティアが考案したという剣技がある。だが、あのセヴァティアが考えたものとあって、どれもとても人並みでは扱えないものばかりだ。なんだよ、落ちて来る枯葉や花びら『全て』を両断する技って。ヒトの限界を軽くすっ飛ばしていて、教えられても使える気が全くしない。

 他の技もそんなカンジで、使えそうなものが無い中、オレでも使えそうな技が一つだけあった。もちろんソレを習得するのにだって鍛錬が必要だ。それでもオレはその技一つを習得するためにセヴァティアとの鍛錬に耐え抜いた。

 その技は戦いの中でたった一度しか使えない、一撃必殺の技。この命を奪う事が制限とされ、一部の危険生物討伐でのみ赦された行為をする為の技だ。オレ自身、鍛錬して使えるようになったが、使った試しが無い。実質今がぶっつけ本番だ。

 オレはワザを使う為、一度後ろへと下がり、剣の刃を自分の後ろ、背へと向けて構えた。

 オレが駆けだすのを合図に、植物が再び襲い掛かって来る。そんな植物にも目もくれず、そして全てを躱してただ目の前の『ヒト型』に向かって走った。

 『ヒト型』も何かを察したのか、叫ぶかの様なケモノの咆哮の様な音を口から上げ、錆だらけを剣を振り回した。だが、大振りとなっていて躱すのは簡単になっている。オレは『ヒト型』の目の前ギリギリの所で止まり、足を曲げ姿勢を低く、頭を下げた状態のまま、自分の手の剣を『ヒト型』の胸目掛けて突き立てた。

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