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永久にトモに_とある異世界譚(改)  作者: humiya。
第1章 アサガオとシュロ
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15話 個室で聴取される

 最も、大変だったのは戦闘の後の事だ。

 まずは無断で洞窟に侵入した事。先んじて洞窟に入ったファイパは当然だが、後を追ったオレも先に進んだから共犯扱い。ソレも当然だ。ちなみにアサガオは巻き込まれた被害者として数えられた。良かったな。何が良いか知らないが。

 そんなオレらに科せられた罰は、オレは校長直々の説教とカナイへ今回の件の通達だった。なるほど、それだけでもオレにとっては立派な罰になるな。カナイの説教はもう聞きたくないと思っていたし。

 他にも後日授業での教師の補佐など色々科せられる予定だったが、ソレはカナイに言われて無しとなった。理由は後日いつか。

 一方ファイパは、一応の主犯という事で大量の課題の他に掃除など色々とやらされる事になった。アイツには功績はあれど日ごろの行いがある。泣いて助けを乞われても聞かなかった事にするつもりだ。

 しかし、洞窟への無断侵入にしても、どこか刑罰が軽い気がするが、ソレは例の生徒からの言伝が理由だと聞いた。あの探し物の持ち主、ファイパが洞窟を出て真っ先にその生徒と会って物を渡すと、生徒は泣いて喜んでいたとか。その礼として罰を軽くしてもらった、というのが経緯だ。無断で危険な場所に行くのは当然悪いが、入った理由が理由だからか、教師達や校長も大目にみてやる事にしたと。なんだかんだ言って、教師たちも甘い。

 そして、オレは洞窟を出てすぐに校長に呼び出され、今校長のいる部屋の前にいる。もちろんアサガオも一緒にいる。オレは早く休みたかったが、どうしても校長が話を聞きたいと言っていたとか。まぁ今回の事でオレも話をしておきたいとは思っていたから丁度良いか。オレはドアを軽く叩きに中から声が聞こえたのを合図にドアを開けて部屋に入った。アサガオもオレに続いて部屋に入る。


 部屋にはいくつのも椅子と真ん中に置かれた大きなテーブル。更に奥にはヒト一人分が使うには十分な大きさの机と、その机に手を置きコチラを持っている人物がいた。

 オレと同じ種族の印である長く尖った耳を持ち、髪色は鮮やかな朱色。顔はまったくわからない。何故ならネコかキツネどちらともとれる動物の造形をした顔を面を着けているからだ。本人はオシャレだと言っていたが、オレには理解出来ない。


「こんにちは、シュロ。ソレにアサガオも。お二人とも元気ソウでなによりです。」


 お決まりの挨拶を交わし、台詞からは落ち着いた声色が伺えるが、纏う雰囲気は落ち着いている様子が見られない、どこか焦燥ともとれる空気を感じた。そ

 れもそうだ。学校の敷地内にある、生徒が訓練所として使っている洞窟でも訓練用傀儡の暴走事件。生徒には怪我人は出なかったと聞くが、一歩間違えれば大惨事となっていただろう。

 教師達は当然生徒の安全を優先し、好奇心で生徒が洞窟に入りかねないからと監視をする必要があったし、そもそも実戦魔法を扱える教師がちょうど不在だった事もあり、他の教師は下手に洞窟に入る事も出来ない。

 そこでオレの話となる。オレが偶々そこに居合わせなかったら、今回の事は解決出来たかわからない。何故か入ってはいけないとされる生徒の一人であるファイパまでくっついて行ってしまったが、ファイパの活躍をオレが話した事で、一応のあの処置となった。件の探し物の生徒の証言も合わさり、ファイパもファイパで教師や校長から色々とお褒めの言葉をもらえる事だろう。もちろん厳しい処理は続くとの事。仕方ない。

 話を戻す。今回の洞窟での出来事は、オレの勝手な行動も含めてカナイに報告される事となった。原因不明の暴走という事で学校内では広まってはいるが、実際の所はオレの証言によって、詳細は内密にするとの事だとカナイから返事がきた。


「シュロくんの言っていた、傀儡を操った原因となる謎の植物。現物が無いノデ確証は得られませんが、確かに危険なものであるのは間違いないでしょうネ。」

「あぁ、残念な事に採取が出来なくてオレも参っている。直接見せれれば話もラクだったんだがな。」


 オレが見た枯れた木の根。ほんの僅かだが何か魔法の力を感じた。終わった後よく見るために拾うと触れた途端、ソレは崩れて燃えカスの様になりそのまま消えてしまい、感じ取っていた力も完全に無くなった。この感じどこかで見たと思ったが、コレは魔法によって顕現けんげんさせた物体が力尽きて消えるのと似ていた。

 つまり、あの木の根も何かしらの魔法の力の残留物であり、以前同じ様な木の根を持っていたであろう巨体オオカミも今回の傀儡同様にその力によって暴走、時間が経ってかオレとの戦闘で消耗したかで力が尽きて消えていったという事だろう。


「大よそシュロの読みで合ってしるでしょう。ヒトを操り暴走させる謎の力、そのような物が世に中で出回っているとなれば間違いなく騒ぎになるどころではナイでしょう。」


 正直合っていてほしくないが、現場を2度も見てしまった以上ほっとくワケにはいかない。何せオレの上司は土地守と呼ばれるヒトと自然の守護者。そしてオレはソイツに仕える立場だ。確実に仕事を押しつ…任される。話がカナイに届いているならもう逃げられない。


「ソレともう一つ、シュロかカナイに確認してほしい事があるのですが。」


それは結局のところオレがやる事になる事だろう、知っている。そしてソレが何かオレには見当がついている。今回騒ぎが何度も村や森、学校で起きているのに一向に姿を見せないヤツだいる。


「この土地にいるもう一人の土地守であるセヴァティアが、ココ暫く姿を見ないのです。

 アノヒトは自由奔放な方ではありますが、交信魔法どころか挨拶にすら姿を見せないのは不自然です。せめて確認に行きたいですが、今回の事もありますしアノヒトのいる所にはそう簡単には行けませんし。」


 セヴァティア、その名を聞いてオレは項垂れた。

 セヴァティアはカナイと同じ土地守であり、オレの剣の師範でもある。オレは最近会わない様にしていたが、村には時々訪れていると聞く。学校でも挨拶だったり飯食いに行ったりはしてるらしいから、確かに校長ですら姿を見てないのは可笑しい。

 セヴァティアのいる場所というのも校長の言う通り、ちょっと散歩に行く場所としても適していない。むしろ危険だから近づくなと大人が子どもに強く言い聞かせる程だ。そんな場所、実戦慣れしていたって普段通いしたくない。どんな場所をセヴァティアは普段通いどころかほぼ住んでいる状態だ。正気を疑う。


「…カナイには言っておく。日を改めて向かう事にする。」

「お手数お掛けして恐縮です。傀儡の件の処理はこちらで済ませますので、よろしくお願いします。」


 話は以上となった。話が長かったせいか、アサガオはほとんど眠っていた。まぁ聞かせる程の事でも無いし良い。だが、行くとなれば確実にアサガオも一緒だ。そこはちゃんと準備はさせるし言い聞かせておくつもりだ。留守番なんでまず無理だろうし、そこは他のヤツもわかっているハズ。


 しかし、ちょっと本を読みに来ただけなのに、とんだ目に遭ってしまった。これもファイパにせいだと思っておこう。そうすると自然にどうでもよくなる。不思議だな。

 しかし、セヴァティアか。本当は会うのはもう止めておきたいのだが、事が事だから厄介事がコレ以上起きないためにも会って生存確認だけでもしておかないとダメだろう。

 ソレに気になる事もある。セヴァティアを見なくなったという事と、暴走する動物や傀儡の出現。コレは偶然と思って良い事か。それともう一つ、あの暴走の原因とされる枯れた木の根から感じたもの。アレには既視感がある。


「ハァ…ヒマだとか退屈だと感じる日ってのは、案外無いものだな。」


 溜息を吐くオレに、居眠りを起こされ目をこすりながらもオレの後を着いてくるアサガオの気配を感じつつ、帰路についた。そういや、結局昼食をとれず仕舞いだった。起こされたアサガオも限界といったところだ。帰ったら残ってる物を適当に見つくろう事にしよう。



「ちょっとー!あいさつもなしに帰るなんてやめてよー!」

「イヤ、ソレより出された課題とかどうした。」

「えっと…ちょっとつかれたから休けいしようかなって。」

「何が休憩デスか、まだ課題ほとんど進んでないでしょ。挨拶は許しますが済んだらサッサと戻りますよ?」

「あっまってください、圧が強い強いですまってその手に持ってるのぺんぺんってしないでこわいですー!」

「…やっぱアイツ、アホだ。」

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