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酔狂人の末席をけがさせていただく

作者:名無き者
 頑固な中年伝統工芸士・速雄浩二の一人息子である速尾青年は、参考書を探しに入った本屋のポップに衝撃を受けた。
「な、なんて可愛いんだこの女の子は!!」
 齢十六にして未だ異性とのアレコレの妄想に耽ることすらなかった、既に枯れがちだと思っていた自分が、よりによって漫画のキャラクターの美貌に釘付けになるとは夢にも思わなかったのだ。

そして速尾青年は心の底から湧いてくる思いを、人間性を、産まれたての子鹿のようにか弱く震えるハートで優しく受け入れた。
「俺、こんな可愛い女の子になりたい……」
1話
2024/06/02 22:15
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