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非正規団員の小事件集  作者: ライトニング
2章 子供の頃の宝編
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第4話 目覚める宝

 ◇


 休憩を終え、五人は小雨が降っている森の中を手分けして探している。


「こんなのを見つけた」


 綱士は氷でできているヤシの実を見つけた。


冷椰子ひやしだ」


 友司達は一瞥し宝探しに戻った。

 冷椰子ひやしという飲めるアイテムで回復効果はなく水分補給のアイテムだ。友司達も見つけており数が多くて価値が低いので綱士は冷椰子をかじって穴をあけた。中にはスポーツ飲料のような液体が入っており飲んだ。


「ぬるいけど、うまい」


 冷椰子は暑ければ暑いほど中の液体が冷たくなるので、ここではぬるいが喉が潤って綱士は喜んだ。

 冷椰子や回復マンゴーが多く、他の四人も食べて飲んで消費している。


「こんなものがありました」


 黄美は黄金のドリアンを見つけた。


「ゴールドリアンだ。高く売れるぞ」


 いいアイテムが出てきたので友司達は喜び、黄美はなくさないように置いた。シルバナナより価値があり、この森の中で最も高い換金アイテムだ。

 アイテムは順調に見つけているが肝心の宝が見つからない。地図では浅く埋まっており五人は下を重点的に探している。

 暗くなると危険なので宝を見つけることができなかったら今日の探索は終わりで、また明日探す。


「あっ!! 大きな宝箱がある!! もしかして、あれかしら?」


 空子は大きな宝箱を見つけてはしゃいだ。


「宝箱だって?」


 友司達も彼女がいるところへ向かい、宝箱を見た。大きな宝箱で子供の宝探しゲームのものには見えないが宝が分からないので調べる必要がある。


「なにが入ってるかな?」


 空子が近づいて宝箱を開けると中から長い舌が出てきた。


「うわあ!!」


 彼女の体に巻きつき器用にパレオをとり股間と乳房を舐める。


「あれは宝箱じゃない!! ジャックガエルだ!!」


 友司が看破すると宝箱は変化して派手な色の巨大ガエルになった。宝箱に変身し近づいて開けた者を捕食するミミックの魔物だ。


「このデカエル!!」


 魔物が出現したので戦闘態勢になり十次郎は突っ込み、金棒でジャックガエルを殴った。巨大ガエルは彼女をはなして舌をひっこめた。


「よくもやったな!!」


 だまして気持ち悪いことをしたので怒り空子は剣を抜いて斬りかかる。体が大きくて重いのではねることができないが速く移動でき、剣をかわした。そして口から毒液を出し十次郎と空子にかけた。


「ぐおっ!!」

「気持ち悪い!!」


 二人は毒状態になり動けなくなった。


解毒げどく!!」


 黄美が二人に手の平を向けて光を放つと体の毒液は消え、毒状態は治った。


「毒が消えた!?」


 毒が消えて体が動くようになったので十次郎は驚いた。


「黄美がやったの!? ありがとう!!」


 親友が助けてくれたので空子は感謝した。


「どういうことだ、黄美?」


 友司は彼女が使った能力が気になっていた。味方の能力を知ることは大事で、よく知れば戦闘で有利になる。


「食べたアイテムの効果を使うことができるようです」


 能力を使った本人も驚いており、この探索で知った能力だった。緑鬼の薬草と術で黄美は食べたアイテムの効果が使える体になっていた。彼女が食べたアイテムは回復マンゴーと毒気草なので回復と解毒ができる。

 いちいち食べることがなくなり手早く処理ができるので黄美は、このパーティーの回復役になった。


「これなら毒を気にせずに戦闘ができる!!」


 毒が怖くないのでジャックガエルとの戦闘が有利になり友司は笑みを浮かべた。


「覚悟しろ、このバカエル!!」


 解毒があるので空子は調子に乗って斬りかかろうとした。ジャックガエルは彼女の剣を狙い、口から毒液を出した。


「剣が!?」


 毒液を浴びた剣は跡形もなく溶け、空子は驚いた。生物に害がなく武器を溶かす毒液だった。

 巨大ガエルは素早く空子に近づき、かぶりついた。剣を溶かしたので口が傷つくことはなく、そのまま飲みこもうとしている。


「わああああああ!!」


 抵抗しても無駄で彼女は飲みこまれてしまい口を閉じた。


「早く助けないと!!」


 飲みこまれたので生きているが消化されると死んでしまう。十次郎は助けようと金棒で殴った。


「ぎゃ!!」


 ジャックガエルの中にいる空子もダメージを受けた。


「すまん!!」


 十次郎は謝って攻撃をやめた。巨大ガエルは空子を消化するために十次郎から離れ、口から毒液を出した。解毒があっても、くらうバカではないので四人はかわした。


「彼女を傷つけずにジャックガエルだけを斬るか、綱士に口を開けさせてひっぱりだすか、どうやって助けよう」


 友司が冷静に考えていると巨大ガエルの体が斬れた。死んで毒液を出さなくなり突き破るように空子が出てきた。

 粘液まみれで生臭くて気持ち悪い腹の中にいたので彼女は嫌な顔をしていた。


「空子!! どうやって出てきたんだ?」


 彼女の心配をし、友司達は両手を見た。先端が折れた古い剣と小さい宝箱を持っていた。


「その剣と宝箱は?」


 友司は気になっていた。


「ジャックガエルの中にあったわ」


 持っている剣と宝箱を皆に見せる。巨大ガエルが偶然飲みこんだもので溶けずに残っていて空子は、その剣を使って斬った。先端が折れているだけで切れ味は十分ある。


「剣がなくなって前より強い剣だから、これ私がもらうよ」

「もちろん」


 だれも文句がなく空子は新しい剣を手に入れた。


「宝箱の方は」


 小さい宝箱なのでミミックの魔物の可能性は低い。綱士は近づいて宝箱と地図を見た。そんな彼の団員服にエメラルドのような小さい種がついている。宝を探している時についたのだろう。

 皆の視線は宝箱に集中しており、だれも気づかない。


「星井家のマークがあって宝探しゲームの日付が書いてある。間違いない。これが宝だ」

「ジャックガエルの腹の中にあったとは」


 探していた宝が見つかったので友司達は喜んだ。


「じゃあ開けるよ」


 空子は剣を鞘にいれて宝箱を開ける。ジャックガエルの腹の中で溶けなかった宝箱が守ってきた星井家現当主の子供時代の宝が目覚めようとしている。

 ジャックガエルの名前はビックリ箱とヤドクガエルです。

 評価とブックマーク、感想をよろしくお願いします。

 ポイントは小説を書き続けるための大きなモチベーションになりますので、ご協力お願いします。

 「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」も連載中です。

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