第3話 男と女の休憩
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ジュクサルとの戦闘後。空子と黄美は全裸になって大きな水たまりに入っていた。この水たまりは地面に浸透し、ろ過されたきれいな水で深さもあり浸ることができる。
「においがしみこんで気持ち悪い。よく洗わないと」
空子は汚れた体を小雨と水で濡らし、手でこすってきれいにしていく。
「冷たくて気持ちいい」
黄美も体の汚れと汗を洗い流して肩まで浸っていた。
「服もきれいにしないと」
服も汚れているので空子は自分の服を持って濡らし、近くにある石にこすりつけて洗う。
「ちょっと冷えちゃった」
体が少し冷えたので黄美は立ち、近くにある岩にのしかかるように抱きついた。
「あ……これ、気持ちいい……」
岩は生温かくて、ぬめっているので体をこすりつけて気持ちよくなり、だらけた。乳房と腹の肉が歪み、濡れた体は糸をひいている。
「気持ち悪くなっちゃった」
岩から離れ、ヌルヌルの体を洗ってきれいにし肩まで浸る。
「きれいになった」
自分の服を洗い終え、空子は黄美の服を洗う。
友司と十次郎、綱士は近くにおり、体を洗っている少女達にジュクサルのような魔物が近づかないように見張っている。三人はハッパラソルという傘のような大きな葉で小雨を凌ぎ、岩に座ってジュクサルの丸焼きを見ている。
「うまそうな肉だ。どうやって食べるか」
魔物でも食べることができ、おいしそうな肉なので友司達は食べることにした。小雨で少し濡れている肉は三つあり平等に分けることができる。
このまま食べるのはつまらないので十次郎は毒気草を見た。
「森の中で箸とかがないから毒気草で肉を巻いて食おうぜ」
「そうだな。肉好きの豪傑がそういうのならそうしよう」
「うん」
友司と綱士は反対しなかった。
十次郎はナイフを出して肉を薄く切っていき、毒気草にのせた。そして回復マンゴーを握りつぶし果汁をかけて巻いた。
「できた」
完成したので十次郎は喜んだ。友司と綱士も自分達の肉で同じように作った。
「「「いただきます」」」
三人は毒気草で巻いた肉を一口で食べた。
「うまい。回復マンゴーのさっぱりとした果汁とさわやかな毒気草が肉の脂っぽさを消して味をよくしてる」
十次郎は絶賛し、おかわりを作る。ここには毒気草がたくさんあるので肉があるかぎり巻くことができる。
「回復マンゴーの果汁がタン塩につけるレモン汁のようだ」
「毒気草がサンチュみたい」
焼き肉と同じ食べ方なので友司と綱士も絶賛し、おかわりを作って肉を減らす。三人は毒状態ではないが回復マンゴーの効果があり疲れが消えて回復している。
「水もこうするとオシャレなドリンクになる」
三人の近くにも空子と黄美が体を洗っているのと同じ水たまりがある。ろ過されたきれいな水で飲むことができ、十次郎は水たまりに近づき自分のコップを出して冷たい水をくんだ。
コップの水に毒気草を入れ、回復マンゴーを握りつぶし果汁を入れて指でよく混ぜる。
「できた」
完成したので飲んだ。
「うまい。回復マンゴーの甘さとさわやかな毒気草で、さっぱりとした香りと味の飲み物だ」
果汁のくどくない甘さとさわやかな毒気草の香りで小雨の嫌な湿気をふっとばす清涼感がある。
うまそうに飲んでいるので友司と綱士は水たまりに近づき、自分達のコップで同じように作って飲む。
「毒気草がミントのようだ」
「肉に合う」
味と香りをつけた水でも飲みやすくてうまく友司は味わい、綱士は戻り毒気草で肉を巻いて食べ、飲んだ。
女達は水に浸って休み、男達は食べて飲んで休んだ。
女は水浴び、男は飲食です。
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「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」も連載中です。