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非正規団員の小事件集  作者: ライトニング
2章 子供の頃の宝編
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第1話 宝探しの仕事

 朱鷺世の中心地 戦塾せんじゅく。優秀な団員だけでなく裏社会で活躍するダークヒーローもいて悪党と争い、無秩序と平和をくり返している。

 戦塾第五基地せんじゅくだいごきち。土俵のような床がある広い部屋に黄美がいて特訓をしていた。白い長そでと長ズボンの団員服姿で黒いブーツを履いていて彼女はもう非正規団員だった。


「ううう!」


 緑鬼の薬草と術で力はついたが、その力をうまく使えないので相撲をして、力を使いこなそうとしている。胸を貸しているのは少年で彼女は腰をつかんで押している。

 少年は短い黒髪、昆虫のような赤い複眼。灰色の団員服姿で力強くて黄美より細い体格で白いしめ縄をつけていた。黒いブーツを履いていて黄美の力に耐え、土俵のような床の線から出ないようにしている。


「さすが綱士つなし。強いな」


 友司達もおり、ます席のような場所に座って特訓を見ていた。

 黄美の相手をしている少年の名前は甲中こうなか 綱士つなし。この基地に長くいて部屋を手に入れ、自力で自分専用の部屋にした非正規団員だ。十次郎の友達で黄美の特訓に協力してくれた。

 黄美の方が力と体格があるが綱士は力の使い方がうまく、相手の力を利用し最小限の力で闘っている。


「黄美!! ファイトー!!」


 少年の隣に座っている空子は親友を応援している。


「どすこい!!」

「わあ!!」


 綱士は上手投げをし、黄美は負けてしまった。


「また負けちゃった!!」


 空子は自分が敗北した感じになり、悲しんだ。


「おれでも苦戦するからしょうがない」


 闘っていなくても友司は綱士の強さが分かっており、今の黄美では勝てないのは当然だった。


「ご飯ができたわよ~」


 十次郎は料理を作っていて、できた料理を友司達がいるところへ運ぶ。


「特訓はこれくらいにしよう」


 黄美の相手でお腹がすいたので綱士は特訓をやめて、ご飯を食べることにした。


「はい」


 ぜんぜん勝てなかったことが悔しくて少女はむくれたが特訓をしてくれた綱士に従う。

 皆、ます席のような場所に集まり料理を見た。


「すごい量だな」


 料理の量を見て友司と空子、黄美は驚いており大食いの十次郎と綱士は舌なめずりをしている。

 重そうな寸胴鍋に入っている牛肉とタマネギの煮込み。みそラーメンのようなスープが煮立っている鍋と大量の卵。業務用炊飯器のご飯と豪快で量が多い。

 これだけの料理が食えるのは黄美が産む黄金の卵のおかげだった。産まないと彼女は苦しくなるので空子が協力して、トイレで一日一個産むようにしていた。

 産んだ卵は売って処分し大量の食材などを買う金にしており飢えることはない。


「たくさん食え。おれが作った特製牛丼だ」


 十次郎は笑顔で業務用炊飯器のご飯をどんぶり鉢に入れ、おたまで煮込みをすくってかけ友司に渡した。


「牛丼というより、クッパのようでビシャビシャだ」


 牛肉とタマネギが少なく汁が多くて、ご飯が吸ってもこぼれそうだった。


「つゆだくは最高だぜ」


 友司と同じようによそって全員に配る。


「「「「「いただきます」」」」」


 五人は牛丼を食べた。箸で持つのが難しいので五人はすすってかきこむ。


「うまい」


 大ざっぱだが親しみやすい味で甘辛い汁を吸ったご飯はおいしく友司達は喜び、平らげた。十次郎と綱士はおかわりをし、寸胴鍋と炊飯器の中を減らしていく。


「おれの火を使ったのか」


 友司はスープが入っている鍋を見た。調理の時、十次郎は友司から火をもらっていた。その火がスープの中に入っていて消えていないので煮立っている。

 このスープの食べ方が分かっているので空子は卵を持って割り、スープに入れた。卵黄は崩れず白身は固まっていく。


「もういいわね」


 彼女はおたまでスープごと取り、器に入れた。吹いて冷ましスープを飲んで卵を食べた。スープの味がする固まった白身と濃厚な卵黄が口の中でとろけていく。


「あ~。幸せ~」


 空子は目を潤ませて喜んだ。皆、同じように卵を割ってスープに入れる。失敗しても卵が溶けてスープの味がよくなる。


「うまい」


 熱いのが平気な友司は一口で食べており卵を減らしている。


「特訓に協力したから、おれの仕事を手伝ってくれよ」


 綱士は善意だけで特訓をしたわけではなかった。


「ああ。それでどんな仕事だ?」


 リーダーの友司は食べるのをやめて聞き、他の三人は食べながら聞く。


星井家ほしいけというコレクターのセレブで子供の頃、所有地で宝探しゲームをやって見つけることができなかったらしい。父親も死んで分からなくなってしまったので仕事は、その宝を見つけて現当主に見せることだ」


 子供の頃、見つけることができなかった宝を代わりに探す仕事でバカらしいが正式な仕事だ。


「宝がある所有地はアイテムの宝庫で見つけたアイテムと宝は報酬にある」


 子供の頃の宝はともかくアイテムは魅力的だった。


「喜んで手伝うよ」


 見つけたアイテムが報酬になるのでアイテムの確保が難しい非正規団員にはうれしく友司達は断る理由がない。

 料理を完食すると十次郎は綱士の好物の冷えたゼリーを持ってきて五人はデザートを食べて星井家の所有地へ向かう。

 綱士の名前はカブトムシと横綱と力士です。

 評価とブックマーク、感想をよろしくお願いします。

 ポイントは小説を書き続けるための大きなモチベーションになりますので、ご協力お願いします。

 「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」も連載中です。

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