番外編 無限の問題
昼。朱鷺世の刑務所。友司は仕事にきていた。
「ここか」
刑務所のゴミ捨て場に向かった少年を赤い煙が迎える。
「むう」
煙はひどいにおいで顔を歪め、我慢して進む。ゴミ捨て場にはゴミがたくさんあり、そこに人間くらいの大きさの怪物がいた。
人間と魚、鶏の骨があり黒い液体と固体の体で目と口が鋭くて赤く、ゴミを食べている。
「カーボーンだ」
友司はこの怪物を知っている。カーボーンというゴミを食べる怪物でゴミがたくさんある場所に発生する。よく管理されているゴミ処理場などには発生しないが、この刑務所は囚人などの教育が悪く、不法投棄のゴミが多いせいで発生してしまった。
ひどいにおいの煙を出すので刑務所の人達ではどうすることもできず友司が処分しにきた。
「早く退治しないと、くさい煙が広がって刑務所どころ地球がくさくなって環境汚染がひどくなってしまう」
赤い煙はくさいだけでなく環境を汚染するもので、カーボーンはゴミを食べて体の中で燃やし煙を口から出していた。
この怪物が煙をまき散らすのは自分が生息できる環境にするためで汚い環境でないと生きていけない。赤い煙に毒はなく環境を汚すもので煙が薄くなるとカーボーンの姿は消え、煙が濃くなると実体化した。
「いくぞ!!」
ひどいにおいを我慢して怪物に向かっていく。カーボーンは口から赤い煙を出して少年に浴びせた。
「うっ!」
吐きそうになるほどのにおいに耐えて近づき、怪物を殴る。抵抗するが弱く、友司が一方的に殴っており勝負になっていない。
ゴミを食べて燃やし赤い煙を出すのは自分の力を消耗しているので、カーボーンはゴミを食べれば食べるほど弱くなり戦闘が苦手だった。
「炎トロ火!!」
殴り続けて弱らせたので友司は手の平を向け、金色の炎を放った。炎はきれいでカーボーンをゆっくり燃やしていく。カーボーンだけでなくゴミも燃やして分解していき、金色の火の粉が舞う。
怪物とゴミは消滅し金色の火の粉は広がって刑務所のエネルギーになった。
先ほどの炎は攻撃というより燃やしてエネルギーにするものでカーボーンとゴミを無駄なく処分した。
「これでカーボーンは出現しないな」
怪物がいなくなったので赤い煙はきれいな空気で浄化されて消え、汚染は止まった。
「けどゴミが出るかぎり、また新しいカーボーンが出現する」
カーボーンは弱くて倒すのは簡単だが、ゴミがあるかぎり別の個体が生まれ、環境を汚染する。再利用などは無意味でゴミをまったく出さないのは不可能なので確実に、また発生する。
「おれの炎でエネルギーにしても無意味だな」
エネルギーにする炎は大量のものを燃やせば大きいエネルギーになる。しかし少年の力には限界があり得たエネルギーはゴミを増やし続けるものに使われ、カーボーンが発生したら、またエネルギーにし同じことのくり返しで意味がない。
だからといって解決策がなく怪物を放置すれば汚染されてしまうので友司は無意味なことをするしかない。
ゴミを生みだす人間がいるかぎり、カーボーンは滅びないだろう。
「まあ、おれが深く考えてもしょうがない」
自分だけではどうすることもできない問題なので友司は考えるのをやめて帰る。
カーボーンの名前は炭素と骨です。
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「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」も連載中です。