第13話 聖撫のオアシス
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街から出た友司達はアマゾポリスの砂漠を移動している。炎の玉はまだ街に降っており、砂漠に逃げる奉無零達がいるが、捕まえるのは無駄なことで白の神殿がある遺跡へ向かう。
「暑い! 準備をしないで出発したから水が足りない!」
こまめに水分補給をしていた空子は水がなくなって、動きが遅くなった。急な出発で準備ができなくて水不足になり、空子と十次郎、理梅は汗を流して苦しんでいる。
炎の能力者の友司と魔人のコブラミア、薬草や術で強くなった黄美と慣れている筋肉ジャガーは平気だった。
「聖撫のオアシスにいけば水がたくさんある! もう少しで着くからがんばって!」
砂漠に詳しい筋肉ジャガーが皆を案内している。しかし砂漠の暑さで空子と十次郎、理梅は唾液と汗が乾いて出なくなった。
「なにこれ!?」
「おおっ!?」
「あっ!?」
三人は体が変化したので驚いた。空子は両手、十次郎は肩、理梅は胸が石になり、その変化は広がっている。
「これは!?」
仲間達が石化しているので友司達も驚いた。
「メドゥーサの日光だ!!」
筋肉ジャガーはこの石化を知っており、上を見た。空には太陽があるが、本当の太陽ではない。
「奉無零達を逃がさないための防犯システムか」
友司は少し知っていて、すぐ理解した。
「うん! たまにある!」
逃げる奉無零達がいるので広大な暑い砂漠があり、石化する日光がたまに出て、逃げられないようにしている。
街にいれば安全で強い者や処置をした者は石化せず、四人は平気だった。
今の日光は体の水分がなくなって石化するもので空子達は体が重くなり、動きが悪くなった。
「空子!! だいじょうぶ!?」
黄美は石化している親友を心配し、駆け寄った。黄美の回復と解毒では石化を解除することはできず、石化を解除できる者もいない。
「聖撫のオアシスへいけば石化を解除できるよ!!」
筋肉ジャガーは対処を知っていた。
「どうやってオアシスへいくのよ!? 私達は動けないのよ!!」
馬鹿力の十次郎でも遅くなるほどの石化で重くて動けない空子は筋肉ジャガーに八つ当たりした。
「だいじょうぶ! 三人は体を丸めて!」
筋肉ジャガーに従い、空子達は完全に石化する前に体を丸めた。そして三人は完全に石化して動かなくなった。
「空子」
黄美は石化した親友を心配しているが、脱走防止の石化なので三人は死んでいない。
「オアシスまで転がして運ぶことができる」
「賢いな」
「へへ」
友司に褒められて彼女は喜んだ。石化した仲間達を運ぶのは大変でも転がして運べるのはよかった。
友司は理梅、黄美は空子、コブラミアは十次郎を転がして運ぶ。砂漠にはフンコロガシがいて同じようにフンを転がしている。
「さあ!! オアシスへゴー!!」
筋肉ジャガーは転がして運んでいる三人のペースにあわせて案内した。
逃げて石化してしまった奉無零達がいるが、助けるのは管理者達の仕事なので放置して進む。
◇
かなり進み、石化した三人は砂だらけになって熱くなっていた。奉無零や巨大サソリ、巨大ガラガラヘビに襲われて撃退し、大変だった。
「オアシスだよー!!」
筋肉ジャガーの案内で聖撫のオアシスに着いた。緑があふれていて、大きな泉があり涼しかった。
「筋肉ジャガー。どうやって空子達の石化を解除するんだ?」
仲間達を早く元に戻したいので友司は聞いた。
「泉に状態異常を治す効果があるから三人を入れれば元に戻るよ」
「そうか」
友司達は石化した仲間達を転がして泉に入れた。乾いた石の体が状態異常を治す水を吸い、三人の石化は解除された。
水中で元に戻ったので空子達は驚き、慌てて泳いで泉から顔を出した。
「はあ!! はあ!! はあ!!」
「生き返るぜ!!」
「冷たくて気持ちいい」
空子は呼吸をし、十次郎は水を飲み、理梅は恍惚の表情で浮かんでいる。
「すごい泉だな」
友司は水をすくって見た。
「メドゥーサの日光や毒がある魔物にやられた時、ここで回復することができ、砂漠で迷わない目印になる」
この砂漠には他にも聖撫のオアシスがあり、筋肉ジャガーはそれを目印にして案内することができる。
「黄美。この水を飲んでくれ」
「は、はい」
友司に従い、少女は水を両手ですくって飲んだ。
「状態異常解除!!」
彼女は泉の効果を得た。
「飲んだものの効果も使えるようだ。これで状態異常になってもだいじょうぶだ」
友司はオアシスでできる戦力強化をした。これで状態異常になっても黄美がいれば治せる。
やり直しができないので後悔しないようにし、十分休んだ七人は冷たい砂漠へ向かう。
聖撫のオアシスはセーブポイントのようなものです。
「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」も連載中です。




