第10話 満身創痍のドラゴン
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筋肉ジャガーに勝利した後。最後の相手がいるので友司はリングの外で休んでいる。ここまで闘い、試合を盛りあげた少年は特別な感じで敗北した筋肉ジャガーが彼の腕に抱きついていた。
「ゴロニャ~ン」
彼女は猫口になって、友司の腕に頬をこすりつけ、甘い声を出して懐いている。
筋肉ジャガーは勝者に懐き、彼を応援するためにいた。
「あんたは私に勝った! 私はあんたのものだよ!」
少年の強さに心を奪われ、彼から離れる気などなかった。
「そうか」
大きな猫のようで可愛くて悪くないので彼女の好きなようにした。
「うらやましい!!」
「負けろ!!」
人気がある奉無零が少年に甘えている姿を見て、観客達は嫉妬している。
「モテモテじゃのう」
ニヤついている小稲荷が近づいてきた。理梅もおり、むくれていた。
「理梅。ここでなにをしてるんだ? 店はだいじょうぶなのか?」
「店の宣伝でこれを売るためにきていたからだいじょうぶよ」
友司と話ができて機嫌がよくなり、立ち売り箱のものを見せた。
「ハンバーガー?」
ハンバーガーを見て、首を傾げた。やわらかくて丸いパンに切りこみがあり、蒸した鶏の胸肉スライスと細切りのキュウリとネギがその間に入っていて、黒い甘ダレがついていた。
「うまそう! ちょうだい!」
「どうぞ」
理梅は筋肉ジャガーにハンバーガーを渡した。彼女からは金をとらなかった。
「いただきます!」
筋肉ジャガーは肉食動物のようにかぶりつき、咀嚼した。
「うまい!! 最高!!」
甘ダレの味でヨダレが出て、鶏肉と合い、細切りのキュウリとネギで甘ダレのしつこさがなく、さわやかな軽い感じになっていた。
うまいハンバーガーの栄養で彼女の引き締まった筋肉は喜んでおり、体でうまさを表現しながら食べているので、いい宣伝になった。
「これを食べて、この試合をがんばって」
理梅は友司にハンバーガーを渡す。差し入れなので金をとらない。
「これから試合だから手で持つ食べ物は」
手は戦闘で大事なものなので手が汚れそうな食べ物は嫌だった。
「じゃあ私が食べさせてあげる。はい、あーん」
少女はハンバーガーを少年の口へ持っていき、自分の口を開けた。
「ありがとう。いただこう」
これくらいのものなら試合に支障はないので食べた。
「うまい」
うまさが心を満たし、肉や野菜が栄養となって体に広がっていく。理梅は彼が食べやすいようにハンバーガーを動かしている。
「お水じゃ」
小稲荷は冷たい水が入っている牛の角のコップを渡す。
「ありがとう」
牛の角のコップをとり、少しずつ飲んでハンバーガーを食べ終えた。
「主。我の力を使え」
コブラミアは友司の肩を揉んで自分の力を与えて、体力などを回復している。契約している魔人だからできることで逆もできる。
「イチャイチャしやがって!! いいなあ!!」
「爆発しろ!!」
美女を侍らせているので観客達の嫉妬はすごくなり、少年の敗北を望む者が多くなった。
運営は友司がすぐ負けないように休憩を許しており、彼女達のおかげで万全の状態になったので全力を出すことができる。
十分休憩を与えたので運営は最後の相手を出した。
「ドラゴン!?」
出てきた相手を見て、友司達は驚いた。
最後の相手は人間くらいの大きさの赤いドラゴンだった。体が傷だらけで戦闘の傷だけではない。羽もボロボロで飛ぶことができない。
コロシアマでは人間を襲った魔物を罰として出すことがあり、この小型ドラゴンも人間を襲った魔物で適度に痛めつけていた。
「最後の相手はドラゴンか」
ドラゴンでも小さくて飛ぶことができない勝てそうな相手なのでやめない。人間を傷つけたドラゴンなので傷だらけでも同情せず、殺して楽にすることが慈悲と思っており、友司は移動し、リングに入る。
ドラゴンの牙琥珀大会最後の試合が始まるので観客達は熱狂し、理梅達は見守っている。
最後の相手は傷だらけのドラゴンです。
「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」も連載中です。




