第3話 根絶の炎
緑鬼はまだまだおり、友司を恐れずに集まり、先ほどの炎攻撃を使わせないように近接戦闘を行う。
友司は緑鬼達の攻撃をかわしながら殴って蹴り、殺していく。彼は炎の遠距離攻撃だけでなくパンチやキックの近接戦闘が得意だった。
「焼炎弾!!」
勝てないと分かり戦闘をやめて逃げようとしたので手の平から炎の玉を放った。家に当たって爆発し炎は広がり緑鬼達と村は燃えていく。
「なに、なに!?」
爆発と炎に驚き、動けない空子は慌てており檻の中の黄美は不安な表情を浮かべて外を見た。
「逃げろー!!」
緑鬼達は炎を消さず村を捨てて逃げようとしている。逃げまどい炎にやられ、丸太の防壁に囲まれているので壊して出るのが難しく門を通るしかない。しかし門には十次郎がいる。
「ここは通れないぜ!!」
村から出ようと門に殺到し邪魔な十次郎に襲いかかるが彼は強く、まっすぐ進むことしかできないので振りまわしている金棒でぶっとばされて死んでいく。
「どんどんくるな!!」
ほとんどの緑鬼は門におり十次郎は楽しんで殺している。
「黄美と空子を助けないと!」
友司はまだいる緑鬼を倒しながら二人の少女を助けるために進む。
「よくも、おれの村を燃やしたな!!」
少年の前に緑鬼が現れた。虎柄のパンツを穿いていて他の緑鬼より体が大きくて立派な二本の角があり、ここのボスだと分かった。マヌケ面で怖くないが力が強そうで大きな盾を持っていた。
「助けて!!」
「空子!!」
その盾は空子が拘束されている板で彼女は助けを求め、体をくねらせている。力が強いボスは軽々と構え空子を向けた。ボスは強いだけで頭が悪く手下達の知恵だろう。
「空子はこんなふうに利用するために生かしていたのか」
「早く助けてよ!!」
友司はボスを睨み、喚いている少女を無視して集中する。十次郎は緑鬼達の相手が忙しいので、ひとりでなんとかするしかない。
「いくぞ!!」
盾しか持っていないボスは構えたまま突っ込む。
「ひい!!」
勢いよく友司に向かっており彼女の表情は恐怖で歪んでいる。
「そういう闘い方か!」
少年は少し驚き、当たると彼女にもダメージがあるのでよけた。
「ふひゅう。わあ!?」
当たらなかったので空子は安心したがボスは盾を振りまわし叩きつけて攻撃する。
「くっ!!」
友司は余裕でかわし空子は唇をかみ、当たらないように必死に体をよじっており、こちらが攻撃しなくても危ない。力では勝てず盾を強引に奪って彼女を助けるのは無理なので少年は剣を出現させた。
振って構えると爆発し剣に炎をまとった。
「ちょっと!! それでなにをするつもり!?」
燃えている剣を見て空子の顔はひきつった。
「こいつを殺す気か!?」
ボスは盾を構えて自分の体を隠し、悪い笑みを浮かべている。
「やめて!! お願い!! 殺さないで!!」
少女はおびえ、炎の熱が伝わり顔を背けた。友司は空子の声に反応せず真剣な表情で集中しており彼女の恐怖は増していく。そして斬りかかり、彼女は両目を強くつぶった。
しかし彼女を斬らず金属の拘束具だけを瞬時に焼いて溶かし解放した。
「ふえっ!?」
「なっ!?」
少年は少女を受けとめ、ボスは人質がいなくなった盾を見て驚いた。友司は空子ごとボスを殺す気はなく彼女を助けることに集中し金属の拘束具だけを狙っていた。
「人質がいなければ、こっちのものだ!!」
彼女を守るように抱いたまま炎の剣を振り、盾と二本の角を斬った。
「なああああああ!!」
盾は燃え、角がなくなったことに驚き、ボスは燃える。ボスが消滅し十次郎が緑鬼をすべて倒したので友司は炎の剣を消した。
「あんたは一体?」
助けてくれた恩人で分からない相手なので空子は頬を赤くして聞いた。見た目がいい二人なので囚われの姫を助けた騎士のように見える。
「おれの名前は灰屋友司。亜倉黄美の母親に頼まれて娘を助けにきた」
「はっ? あんた、なに言ってんの?」
真剣な顔の少年の言葉が理解できず少女の赤い頬は元に戻った。そして彼女は、とんでもないことを話した。
村と緑鬼達の死体だけが燃えてなくなり友司と十次郎の活躍で、ここの緑鬼達は根絶された。
次回、とんでもない真実。
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「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」も連載中です。