第4話 時を越えた再戦
◇
友司と空子が儀式をしている頃。ヴェロキラプトルは職員達を殺し、博物館を燃やして血で汚した。
「くっ!!」
体を砂にできる警備員尾砂は恐竜の攻撃がきかないので無事だが、押すことしかできない。
「人間は強くなったが、おれの敵じゃないな」
恐竜は笑い、人の姿になっていく。
短い紺色の髪で白い作業用のヘルメットをかぶっていて、青紫の団員服姿、腰に銅剣をさげており、黒いブーツを履いていた。
体育会系の陽キャのような若い男性だった。
「まさか!! 化石族!?」
ヴェロキラプトルが若い男性になったので警備員尾砂は驚いた。
「そうだ!! おれは化石族の下凱だ!!」
男は化石族で威嚇するように自己紹介をした。
「くっ!!」
化石族の強さを知っており、彼だけではどうすることもできない。
「お前も復活させてやる」
下凱は警備員尾砂のことなど気にせず、紫の化石に手の平を向け、復活エネルギーを放った。透明なケースは壊れ、化石は人の形になっていく。
紫の化石は化石になった化石族だった。
「うう!!」
化石族がもうひとり増えるのは恐ろしいが、阻止できない。
復活エネルギーで化石族の若い女性が復活した。
背中に届くほどの長い紫の髪で頭に黒い革を巻いていた。鋭い歯が目立ち、しなやかな裸体に茶色の革ビキニをつけていて裸足だった。
露出が多い姿で生活していた野性的な女性で勇ましい。
「蛮狩。久しぶり」
仲間が復活したので下凱は喜んだ。
「下凱。あんたが私を復活させたのか。ありがとう」
蛮狩は感謝した。
「かなりの時代になったようだな」
彼女は自分達が生活していた時代ではないことが分かった。化石になった時、こうなることは分かっていたので動揺していない。
「ああ。ここにはうるさいやつらがいないから好きなことができる。この時代の兜と服を手に入れたぜ」
下凱はこの時代を楽しんでおり、溶け込むために団員を殺して服を奪い、ヘルメットを盗んで新しい姿になった。
「復活させたのは私だけ?」
「いや。金持ちの家を攻めた時、ひとり復活させた」
星井家を攻め滅ぼした恐竜は彼で、蛮狩と同じ化石に復活エネルギーを与えた。今のところ化石族は三人いる。
「これからどうするの?」
ひとりは心細いので彼についていく気がある。
「人間を好きな時に殺して、欲しいものを奪い、自分の好きなように生きる。お前もそうしろよ」
実力があっても彼は一兵卒のようなもので上に従う人生だった。上がいない時代に復活したので長のような気分になり、新しい人生を楽しむ。
仲間意識があって仲間を復活させただけで、上の連中を見つけて復活させる気はない。
「お前を復活させたから、もうここにいる必要はないな」
人間を滅ぼす気がなくても通り魔のようにタチが悪く、存在が危険なので、この世から消さないといけない。
化石族が二人になったので、警備員尾砂はなにもできない。しかし、下凱に突っ込む若い女性がいた。
金髪のショートで正面に赤い宝石があるクリーム色のターバンを巻いていて、耳がとがっている。
金色の裸体で胸と股間をクリーム色の布で隠しており、裸足だった。
下凱は女性に驚き、銅剣を抜いて斬りかかる。女性は片腕を伸ばし、銅剣に巻きつけて止めた。
「コブラミア!!」
「久しいな、下凱、蛮狩」
彼は怒りに満ちた表情を浮かべて睨み、女性は二人を見て笑った。
「なぜここにお前が!!」
「新しい主が我を召喚したのだ」
コブラミアは自慢するようにいった。彼女は空子を生け贄にして友司が召喚した魔人だ。魔人は主の命令で恐竜と戦闘をする。
「コブラミア!!」
地下室から飛びだした魔人を追いかけて友司達は駆け寄った。
「ぬう!!」
気に入らない二人がきたので警備員尾砂は睨んだ。
「恐竜がいなくて、変な二人がいる!!」
空子は下凱と蛮狩を指さした。
「主よ。この二人は化石族だ」
コブラミアは人間の味方になって化石族と戦闘をしたことがあり、下凱と蛮狩のことを知っていた。
「そうか!!」
化石族の真実を知っていても人間を殺す者達なので友司は戦う。
「化石族だって!!」
真実を知らない空子は化石族と知って剣を抜き、構えた。
「人間を殺すのは私の楽しみだ」
蛮狩は嗜虐的な笑みを浮かべて、友司と空子の相手をする。化石族は人間を恨んで殺す者だけでなく、彼女のように楽しんで殺す者もいる。
「下等な人間ども!! 昔のように殺してやる!!」
彼女の姿は変わっていき、紫のブラキオサウルスになった。蛮狩の化石にあった生物の古代文字はブラキオサウルスで、その姿に変身した。
ブラキオサウルスは二人を狙い、炎を吐いた。
「うわあ!!」
炎の能力者の友司は耐え、空子はかわして離れた。恐竜は少年を焼き、少女を追うように炎を吐き続ける。
「人間の味方をする愚かな魔人め!!」
下凱はコブラミアの片腕をほどいて斬りかかる。
「なんの!!」
彼女は白刃取りで銅剣を受け止めた。そして二本の腕を出して、連続パンチをする。
「ぐっ!!」
連続パンチをくらい、下凱は銅剣をはなした。コブラミアは銅剣を捨て、四本の腕で殴りまくる。
「うっ!!」
相手はパンチをくらって下がっており、四本の腕は伸びて殴っている。
「調子に乗るなよ!!」
下凱は黒いヴェロキラプトルに変身し、パンチに耐えながら突き進む。
「昔を思いだすな」
化石族と戦闘をしていたことを思いだし、ターバンの赤い宝石から赤い光線を発射した。
「ぐわあ!!」
毒の熱光線でヴェロキラプトルは焼け、動きが遅くなった。
「くらえ!!」
すかさずコブラミアは四つの手の平を向け、黄金の光弾を放った。
「おおっ!! おのれ!!」
動きが遅くなった下凱は光弾をくらい、炎を吐いて反撃した。化石族と戦った魔人は強力な味方で敵を押している。
「焼炎弾!!」
炎をくらっている少年は手の平から炎の玉を放ち、ブラキオサウルスの口にぶちこんだ。今までと違う爆発で、魔人を召喚したことで彼は強くなっていた。
「わっ!!」
蛮狩は炎を吐くのをやめたが、ダメージはない。
「これならどうだ!?」
友司は展示されている大砲に駆け寄った。砲弾を入れ、大砲に触れて炎のエネルギーを注入する。
大砲の中の砲弾に炎のエネルギーがたまって赤くなっている。
「そんなものがきくわけないだろ!!」
ブラキオサウルスは少年を踏みつぶそうと突き進む。
「突っ込んでくるから狙いやすい」
よく狙い、相手がかわせない距離まで待つ。
「発射!!」
大砲の中で爆発を起こし、赤い砲弾を発射した。
「なっ!?」
危険を察知し、ブラキオサウルスは人の姿になって砲弾をかわした。
「残念だったな、バカ人間!!」
蛮狩は冷や汗をかいており、強がって笑う。
「そうなった時は彼女がいる」
かわされたが、友司は冷静で炎をかわしていた空子は砲弾を追うように高く跳び、剣を構える。
「人間を舐めるなあ!! 化石族う!!」
爆発しないように剣で打ち、砲弾は蛮狩の方へ飛んでいった。生け贄の彼女も魔人の恩恵を受けていて、このようなことができるほど強くなっていた。
「ああっ!!」
当たった瞬間、たまっていた炎のエネルギーが解放され、爆発した。パワーアップした炎のエネルギーをためた爆発なので凄まじい。
「くっ! 人間め!」
彼女は爆発に耐え、空子を睨んだ。しかし黒コゲでよろけている。
「とどめだ!!」
空子が斬りかかろうとした時、砂嵐が邪魔をした。
「まとめて追いだしてやる!!」
化石族が弱っているので警備員尾砂は動き、敵味方関係なく追いだそうとしている。
「邪魔をするな!! 焼炎弾!!」
怒った友司は手の平から炎の玉を放った。
「ぎゃああああああ!!」
砂状態の悪徳警備員に命中して爆発し、黒コゲの人の姿になり気絶した。
「ん!?」
突然、博物館のものが集まって巨大なティラノサウルスになったので友司達は戦意を失った。
ティラノサウルスは口を開けて吸い込む。
「なんだ!?」
凄まじい力で友司達は吸い込まれた。
「空子!! コブラミア!!」
「友司!!」
「主!!」
三人は仲間と離れないように集まり、警備員尾砂を助けなかった。
「脱出のチャンスだ!!」
下凱は蛮狩に近づき、離れないようにした。
六人はティラノサウルスの口に入って消えた。ティラノサウルスは役目が終わったように崩れて消滅した。
人間と化石族の新しい戦いが始まった。
コブラミアの名前はコブラとラミアです。
「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」も連載中です。




