第6話 相棒の種
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次の日の朝。綱士は濡れ葉ジャングルで手に入れた相棒の種を売らず使うことにした。彼には仲間がいるが売って大金にするより使った方が得と判断した。
シャベルを持っている綱士と探索の書を持っている友司は基地の広い庭にいる。
「仕事だけでなく、こんなことも協力してくれてありがとう、友司」
レアアイテムで使い方が分からない綱士は協力してくれる友に感謝した。
「気にするな。おれも興味がある」
相棒の種は情報が少なく探索の書に詳しい情報があるので友司は教えるためにきた。十次郎と空子、黄美はアイテムなどを売りにいき買い物をしている。アイテムの調達と戦力増強を分担している。
友司が探索の書を開けると相棒の種の使い方が浮かんだ。
「まずは種を埋めるために地面を掘る」
「よし。許可はもらってるから、ここを掘ろう」
書いてあることを伝えると綱士はシャベルを構えた。許可はもらっているので庭を掘ることができ、他の団員もいろいろ利用していた。
邪魔にならないところにシャベルを刺して掘る。力がある彼は難なく掘り、あまり深くない穴を地面にあけた。
「穴に種を入れて埋める」
探索の書を読んでいる友司の言葉に従い、ポケットから種を出し穴に入れ、シャベルで土をかけて埋めた。
「その後は水をあげて世話をする。植物と同じだけど、たまに特別な肥料で相棒がほしい人の尿と大便を与える。つまり綱士のだ」
「そうか。ちょうど出したいからあげよう」
綱士はズボンのファスナーを下ろす。
「直接あげるのか!?」
大胆な行動を見て友司は驚いた。庭には友司しかいないので恥ずかしくない。
「男には専用のジョウロがあるから便利だ。見るなよ」
「見ないよ」
友司は見ないように顔を背けた。
「ふいいいいいい」
開放的で綱士は尿を出して気持ちよくなり種を埋めた地面にかけた。
「うっ! くっ!」
かなり出し力をいれて最後の一滴まで出した。土は尿を吸い種にしみていく。
「次からは器に入れてあげた方がいいぞ」
「たしかに。出した後、ケツを拭くことになる。トイレでバケツに入れて持ってこよう」
人がたくさんいる時、直接尿や大便をあげるのは問題がある。
「大切なのはさぼらず毎日世話をすること。そうすれば相棒ができる」
「どんな相棒ができるか楽しみだ」
綱士は期待を膨らませて笑っており彼ならさぼらず毎日世話をするだろう。友司も興味があり笑みを浮かべて種を埋めたところを見た。
「「ん?」」
土が少し盛りあがっており二人は気づいた。
「めが出た!」
芽が出てきたので綱士は喜び、しゃがんで見た。
「たしかにめだけど、そっちの目!?」
両目玉がある芽なので友司は驚いていた。
「今度は、はが出た!」
芽は成長していき葉が出て小さな木になっているので、はしゃいだ。
「目の次は歯か」
葉には小さい口があり動かして小さい歯を鳴らしている。普通の植物ではないことがよく分かった。膝くらいの高さの木になって成長は止まった。
血走った両目玉は綱士を見ており葉にある口は舌を出して必死に訴えている。
「水がほしいんじゃないのか?」
友司は木の行動で察した。
「よし。フェアリージョウロの出番だ」
庭を利用する人達がいるので近くにシャベルだけでなくジョウロもある。綱士は小さな小便小僧型のジョウロを持ち、小さな木に近づく。
水を入れていないのにジョウロを傾けると雨のような水が出た。水を浴びて木は喜び、両目玉にハートを浮かべ葉にある口は飲んで揺れている。
フェアリージョウロは水を入れる必要がなく植物に優しい水をいくらでも出せる。
「おいしいか?」
水をあげながら綱士はいつもの子供っぽい感じではないイケボで優しく話しかけた。両目玉は綱士をじっと見ている。
「話したり遊んだりすると、よく育つらしいぞ。これで終わりだ」
教えることがなくなったので探索の書を閉じた。
「ありがとう、友司」
「たまに見にくるよ」
「おう」
友司は離れ、綱士は小さな木の相手をしている。
その日の夜。小さな木は地面から根を出して伸ばし夜に活動している虫や小動物を攻撃していた。虫や小動物の反撃で傷ついているが勝っており根を刺して栄養を吸っている。
この基地でフンをする野良猫やネズミが消えても、だれも気にしなかった。
木は育っていきます。




