第5話 探索の書
宝箱が開き五人は中を見た。
「これは」
中には白い手帳のような石板が入っており友司はおそるおそる手にとった。石板とは思えないほど軽い。
「探索の書」
表紙に名前が書いてあり調べるために開いた。
「なにも書いてない」
手帳のような形で紙のページがなく一枚の薄くて白い石板しかなく、それには文字などがなかった。
「古代の手帳か? 子供の宝探しゲームの宝にしては子供が喜ばないものだな」
子供どころか友司達も喜ばない宝だった。
「ん!? 石板になにか浮かんできた!?」
薄い石板に絵と文字が浮かんだので友司は驚き、よく見る。字はきれいで分かるが絵は古代の壁画のようで分かりにくい。
「これは……濡れ葉ジャングルのことか!?」
自分達がいる森のことが書いてあり見つけたアイテムのような絵があって皆に見せた。
「おれが見つけた回復マンゴーだ」
「これはケーキイチゴ」
「マンゴスチャームかしら?」
「シルバナナですね」
十次郎達は絵を見て楽しみ、今日の探索を振り返った。
「ここは小雨が降って植物アイテムがよく育つ森。昔は和風エルフがいたが星井家の先祖が森を侵したのでいなくなった」
この森のことが詳しく書いてあり声に出して読んだ。和風エルフは外国のエルフのようなものだが日桜皇国では妖精ではなく妖怪扱いされている。
「そういえば星井家には和風エルフの宝があったな」
星井家の現当主が、その宝を自慢したので綱士は思いだした。
「生物の古代文字が書いてある緑の化石だ」
「色がある化石とは珍しい。どんな化石だろう」
見たことがなくて珍しいので友司は気になっていた。
「博物館に似たようなものがあるよ」
星井家の現当主から聞いたことを話した。
「そうか。この後、見せてもらえるかな。それとも博物館にいくか」
宝探しゲームの宝を現当主のところへ持っていくので頼むことができる。
「この探索の書はいろいろな情報が書いてあるのか」
濡れ葉ジャングルの絵と文字が消え、新しい絵と文字が浮かんだので読んだ。
「この探索の書は私が調べたさまざまな情報を記録したもの。昔の情報しかないので新しい情報は自分で記録してください」
探索の書の説明と現当主の父である先代当主の絵だった。
「今でいう式神端末や記録媒体のようなものか」
友司達は探索の書のことが分かった。古い情報しかないが新しい情報を入れることができ、機械と違って水や電気で壊れることはない。
「現当主はものを集める人で先代当主は知恵を集める人だったから、これは先代当主の集大成だな」
綱士は探索の書を見て笑った。これを宝探しゲームの宝にした理由は分からず子供は喜ばないだろう。しかし友司達にとっては便利なアイテムだった。
「宝を見つけたから星井家の当主に見せよう」
目的の宝を手に入れたので探索の書を閉じ五人は星井家の当主のところへいく。
「なんだ、あの煙は!?」
移動しようとした時、上を見た十次郎は煙に気づいた。
「火事か!?」
友司達も煙を見て驚いた。
「あそこには星井家がある!!」
綱士は星井家の場所を知っており、煙はそこからあがっていた。
「いくぞ!! アイテムはあとでいい!!」
アイテムは逃げないので友司達は走って煙があがっているところへ向かう。
◇
濡れ葉ジャングルから出て小雨が降っていない場所を走り、星井家の場所に着いた。
「これはひどい」
ここには星井家の立派な館があったが燃えて壊れ残骸しかなく友司達は周りを見た。
「なにがあったの? こんなのただの火事じゃないわ」
「だれかが破壊したのでしょうか。怖いです」
空子と黄美は恐怖を感じている。火事や爆発と違い当主と使用人は全員死んでおり館ごと皆殺しにされたようだった。
「こんなことができるやつが現れたのか。さすがにもういないな」
十次郎が警戒して周りを見ても、そのような者はいない。いれば、すぐに気づく。
「生存者はいない。これはおれ達の仕事じゃないから警察団に連絡して、やつらに任せよう」
当主が死に自分達の仕事はもう終わったので友司は警察団に任せ、協力することにした。
「分かりました。私が警察団に連絡します」
皆は納得しており黄美は式神端末を出して警察団に連絡した。残骸だらけで星井家のコレクションも燃えて壊れ、見分けがつかない。コレクションには価値があるものが多いのに、ここを襲った相手は興味がなかったようで破壊していた。
「ん? 綱士。なにかついてるぞ」
偶然、綱士の方を見た友司は小さなエメラルドのような種を見つけた。
「なんだろ、これ? 種みたいだ」
綱士は種をとって見た。
「これの出番だな」
分からないので友司は探索の書を開いた。知りたい情報があれば文字と絵が薄い石板に浮かぶようになっており種に関する情報があったので浮かんできた。
「相棒の種というもので大切に育てると仲間ができる、ボッチ救済のとてもレアなアイテムだ」
仲間ができない者にはうれしいアイテムで綱士には仲間がいるが、レアアイテムで価値がある。
「綱士についていた種だから綱士のものだ。好きにしろ」
相棒の種を綱士のものと決め、探索の書を閉じた。
「ありがとう、友司」
このアイテムをどう使うかは彼の自由だ。
その後、警察団がきて、いろいろ調べた。犯人は分からず綱士が話した珍しい化石がないことも分かっていない。
警察団に協力しても意味がなく五人の仕事は終わり、手に入れたアイテムを運んだ。
綱士が話した化石が重要です。
評価とブックマーク、感想をよろしくお願いします。
ポイントは小説を書き続けるための大きなモチベーションになりますので、ご協力お願いします。
「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」も連載中です。




