わからない
愛犬が旅立ってしまってから、心の中では何度も名前を呼んだ。
数え切れないほど呼んだ。
だが、口に出してみたのは数回だと思う。
何故って愛犬の名前を口に出すと泣いてしまいそうになるからだ。
この違いってなんだろう。
音になるのとならないの違いだろうか。
考えてみたけどよく分からない。
何の差だろうか。
まあ、愛犬を想っているのには変わりがないからいいかな。
そう言えば、つい数日前に「故人を思い出すと、天国のその人の所に綺麗な花が降る」といった文章を見かけた。
今頃愛犬の周りには花が降っているのだろうか。
どんな花が降っているのかな。
いい匂いがするからって食べてないといいけど。
他にも亡くなった人や生き物を思う投稿があって、とても興味深く読んだ。
やはり、落ち込んだりしている時は他の人の話を見聞きすると少し冷静になれる。
深い所に行かずに済む気がする。
今ふと、高校生の時を思い出した。
水族館の人気の生き物がなくなって、その生き物のファンが泣いていたという話になって、とある奴が言った言葉が今でも信じられない。
助走をつけてぶん殴りたい。
奴は「えーありえなくない?たかが○○が死んだぐらいで」とか言いやがったのだ。※○○の中には生き物の種族名が入る
しかもケラケラと笑いながらだ。
こんな人にはなりたくないなと思った。
奴は周りが同意しなかったので、ヤバイと思ったのかすぐに話題を変えていた。
いや、何度も同意を求めるように「えーだっておかしくない?」みたいな事を言っていたかな。
一緒に泣けとか理解しろとは言わないが、否定するな、笑うなと言いたい。
クソな奴の話は置いておこう。
やはり何日経っても「今何してるのかな?元気かな?」って思ってしまう。
それほどずっと一緒にいた。
今の所、私の人生の半分以上だもんね。
そりゃ、考えちゃうよ。
仕方ないよね。
やっぱり悲しいよ。
会いたいよ。
撫でたいし、抱きしめたいよ。
もっと一緒に過ごしたかったな。
特別な事なんてしないで、ただ同じ空間にいるだけでよかった。
それだけで十分だったんだ。
それが普通だと思っていた。
ずっと変わらないと思っちゃってた。
もう普通じゃなくなった。
日常から非日常になってしまった。
そのうち非日常が日常になっちゃうのかな。
その時は悲しいと思うのか、違う感情なのか、何も思わないのか。
どれなんだろうね。
そもそも、その時は来るのかな。
非日常のままだったりして。
うーん、それはそれでいいのかな。
どうなんだろ。
わからない…わからないな…。
最後まで読んでくださり感謝申し上げます。