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陰府これに隨ふ  作者: 雀ヶ森 惠
2.une semaine de bonté,ou les sept éléments capitaux
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モローのスフィンクス

 磯たちは私のパソコンをデスクに置くとこの会話を最後に早々に立ち去った。


「捜査状況について、一切お話できません。貴方が無関係ということ以外はね、そこは含みおき下さい」


「ではもう監視されていないと?」


「それもお答えできません」


「………………」


 磯の背中を睨んでも詮無いことだ、私は彼らを見送るとパソコンをケーブルに繋ぎ直した。

 漸くだ、漸く帰ってきた。人間椅子――まるであの日々は夢のようで一週間も立川に居た気がする……


 タマキから連絡があるかもしれない、私はメーラーを開いた。



新着メール

from              件名            日付

Wiiフィットトレーナーの尻   あやのの知り合いだよな?  201X/12/2X Fri 21:14

北園 環            昨晩はお疲れ様       201X/12/2X Sat 06:51



……誰だこれは?

 私は頭が痛くなった。Wiiフィットトレーナーの尻? ネット上の名前に何を使おうと勝手だがこれはあんまりだ。

 しかしどうやら、あやのの知り合いのようである、そう件名で誰何されているではないか。

 まあいい、このメールは後回しにして、タマキからのメールを先に読もう。



"昨晩はお疲れ様 北園環"


 "昨晩はお疲れ様、楽しかった。

 貴方って本当に興味深い人、昨日回してた人Energy drainっていうんだけれど、

 あの人が曲も編集してるの。1921年の曲をどこからか入手してハウスに再構築したものらしいんだ。

 本当はEnergy drain自身のサイトでしかDLできないデータだけど、

 銀鶏には特別に献上致す! んでhttps://△△△strage.jp/ でこの短縮urlを入れてみて!→ pX8mHwM7

 きっと気に入るから、聞いてみてね。 じゃあ連絡頂戴ね。


 またね!"



 早速ストレージサイトにアクセスするとzipファイル、7.zipが取得できた。

 これを解凍ツールで解凍すると……ファイルフォルダの中にmp3ファイルが7つとread me textが一つ入っていた。


read me

 こんにちは! 「sept éléments capitaux」をお買い上げ有難う! 入っているトラックは以下の通りだ。


1.Belfort Löwe

2.#49

3.Drachenhof

4.Ödipus

5.Vogelkönig

6.Steinblume

7.Drei sichtbare Gedichte


 是非楽しんでくれ給え! お店にも来てね!


Tru'nembra www.042△△△××××.co.jp



 私はこのデータをパソコンとMP3プレイヤーの両方に転送した。それにはカバーアートが付いていた、モローのスフィンクスであった。

 しかし店のアドレスまで書いているということはこのEnergy drainなる人物は何者だろう? タマキに訊いてみるか……


 さて、後回しにしていたメールを開けてみる。このハンドルネームには辟易とさせられるな。



"あやのの知り合いだよな? Wiiフィットトレーナーの尻"


 "はじめまして、俺のことはWii尻とでも呼んでくれればいい、wikiチームの者だ。あんたあやのの知り合いの筈だよな?

 あやのと連絡が取れなくなった。あいつは筆まめだから何かあったに違いないんだ、

 何か知っていたら何でもいい、教えてくれ! ゼミにも来ないし本当に切実に。"



 どうやら彼は(男に決まっている)あやのの学友らしい。あやの、まだ学生だったのか――しかも連絡が取れない? リアルでも?

 そうだあやのも私もあの時PCをjohn_doeによって絶命させられたはずだ。

 アオヒツギは!? 彼は……無事なのであろうか?


 試みに私はD.D.T onlineにログインしてみるが――


“Login incorrect. User ID’s and password are case sensitive. Please try again.”


 クソッ、またこれか! 今度は背景を砂漠にこの文字が流れていた。

 メンテナンス中というわけだ。あれだけの非常事態、致し方ない。

 砂漠、あやの、まるこめXと冒険した『がらくたの都』近くの砂漠の地下を否が応でも思い出す。

 ではこの前流れていた密林は? そのような描写がこの作品にはあるのか?


 どうすれば……どうすればまた皆と連絡が――そうか! まるこめX! 彼だけはjohn_doeの凶刃を受けていない筈。

 わたしはすぐさま彼に連絡を取りたい旨のメールを認めた。


 この冬は終わらない。

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― 新着の感想 ―
[一言] ここまで読了です。 一体何が起こっているのかでーでーてーおんらいん。 待て次回!(お前が待て
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