03 彼女の呪い
「あのー、私たちこっちなんですけど…」
俺らに背を向けてペコペコしている少女に声を掛けてやる。
「あ、そちらでしたか。すみませんすみません」
「あの、ここじゃなんだから、
どこかで落ち着いて話しようか?
メグさーん。この子借りていきますねー」
騒ぎを起こした場所でゆったり話をする神経は生憎俺には無い。
「わかったわー、ベンくんが来たら
『アラカルト』に行くように伝えておくわね。」
どうやらメグさんには伝わったようだ。とりあえずリンとナナツさんを連れてアラカルトに戻ろう
「おかえり、お?その子が新しいメンバーか?」
「まあ、仮ってとこかな?ナナツさん何飲みます?これメニューです」
「あの、言い難いんですが。
私目が見えなくて…なのでオススメでお願いします。」
「おじさん私オレグラッセ……
え!?目が見えない!?」
「はい、感知スキルで状況把握とかは出来るのですが。字とかはさすがにカバー出来なくて」
「成程、だから街中で人にはぶつからなかったんだね。あれ、でもなんでギルドで私達の方向わかんなかったの?」
「恥ずかしい話なのですが、あの場は初めて会う人が多すぎで区別がつかなかったんです。」
「そう言うことね。街では私達を覚えてたからそれ以外を避けていたと…ちなみにいつから見えないの?」
「おい、リンやめとけよ。」
「あっ、ごめんなさい無神経で。」
「いいんです、以前は見えたんですけど5年ほど前に妙な魔物に遭遇して、その時に見えなくされてしまったんです。」
「「妙な魔物?」」
「はい、人型なのに頭が獣の骨で体の肉が極端に少ない…骨と皮だけのようなおぞましい魔物です。」
「あいよ、リン嬢ちゃんのオレグラッセ、ナナツちゃんにはアイスカフェオレだ。そしてアキはアイスコーヒーな」
「ありがとう親父」
「それと。恐らくなんだがナナツちゃんが会ったのはタタリと呼ばれる魔物だな。恐ろしく強いが人体の一部や機能を奪えば殺さずに見逃すとも言われてる。だから命があるだけナナツちゃんは運がいい」
「親父なんとか視力を戻す方法はないのか!?」
「でたよ、アキのお節介が、仮説だが奪ったタタリを倒すかエリクサーっていう奇跡の薬があればなんとかなるっていう学者はいるぞ。だがよ、どっちもオススメしねぇ。何よりどっちもやるにはお前らの強さが足りねぇ、アキまずはもっと強くなれ。」




